ずっと愛してます4
羅衣 作
第22話　愛のかたち


　亜紀は夫の凌が寛容なのを良いことに、出産後体調が回復するとかなり奔放な生活を送っていたが、祐司との一件で我に返った。
　他の男の種を身籠もるリスクの極めて高い綱渡りをしていた自身の軽率さを恥じた。
　同時にレズビアンという本質と覚醒した我が儘なオンナという顔が矛盾し精神的にバランスがおかしくなり迷走していると自覚した。

　そして唐突に名門「九条家」の後継者代行という大役を担うという立場になったことが意識改革することを後押しした。
　弟、武史が医師として一人前になるまでに、九条家もあるべき姿に変革していかなければならないのだ。
　未だ自覚が足りず、ポロッと人前で発言したことが、テレビや新聞で報道されていることに反映する驚きは小さいものでは無い。
　
　冷静に自身の環境を見直そうと意識した。
　男達との逢瀬を増やせば「美あんず」メンバーとの至福の時間が減ることになり実際そういう状況だった。
　「美あんず」の夫達は素晴らしいが、亜紀自身は凌のセックスに大満足で彼は十分素晴らしくて凄いのだ。
　今更だが凌のパール入りの凄さは、彼の精力とテクニックと相まってもうやみつきと言って良い。

　自分は大事な夫を悲しませていたのだと反省する。
　だからまず他の男性は徹だけに減らして、男性セックスパートナーは基本的に夫に絞ることにした。
　司法修習研修などが肢体の高まりを沈めるのに効果的に働き冷却することが都合良く出来たのだ。
　当たり前の話であるのだが、「美あんず」の環境ではこの選択は真逆で強い意志がないとやり通すのは極めて難しい。
　この決断を実行できる精神力を持っているのは亜紀だけかもしれない。

　ただもちろん亜紀だけでは無理だ。
　なにより夫、凌が理解し協力してくれなければ続けることなど不可能だ。
　まだ亜紀はなにも言っていないのだが、夫は、なにかを察したのが、今まで以上に亜紀にべったりくっ付いて回るようになった。
　亜紀のトイレにすらついてきそうになる勢いだ。

　子育てもマメに手伝ってくれるし、手伝いに来てくれている乳母の芽生・美雪の２人が感心するイクメンぶりだ。
　気づけば泣いた時にあやす以外、亜紀のすることが無くなることがしばしばの状態で、夫への感謝の気持ちが日に日に膨らんでいく。

　そして常にそばに居るから、夫婦生活の頻度は激増し日に煩雑に愛し合う状況になる。
　嬉しい悲鳴で仲が良くなるのはよいことだが、もろに亜紀の大切なレズビアンとしての側面を圧迫する。
　気がつけば凌が亜紀のそばから離れたがらない第３の子供状態に陥っていた。

　そんな中でふと周りを見渡すと、祐司や克也などの男性陣は他人妻を嬉しそうに楽しんでいる様が不意に癇に障り始める。
　本人の意思かもしれないが亜紀一筋になって愛情表現してくれる夫が不憫に感じ始める。

　なにより凌は「関西支部」の全資本を提供している立場で、なにより「美あんず」の最大の理解者であり庇護者なのだ。
　夫が誰よりも得する立場でないと、亜紀は納得がいかない。
　いろいろ考えた結果、亜紀の最も望むこと、そして夫の立場が誰よりも美味しくなること、夫が渇望する夫婦の時間をもっと増やすこと、その全てを満たす凄い方法に考えが辿り着いた。


　まず凌にそのアイディアを話すと驚喜して、是非やりたいと賛同する。
　その時の笑顔が少年のように輝いていて、亜紀は凌をますます可愛いと思ってしまう。
　すると凌は、亜紀も驚く決断をし実行する。
　それはパイプカットするというものだ。

　なにより「美あんず」メンバーのこと考えてくれた決断であるし、そして亜紀に対して他で決して子供作ったりしないという男の誓いでもあった。
　確かに亜紀のアイディア実現するには、これは決定的な要素になる。
　凌の決断に報いるのには亜紀は今まで以上の愛を示すしかないと決意するし、凌への信頼感は盤石なものに進化してしまう。
　
　試験的に1回実地テストすることにしたのだが、人選に迷いが生じる。
　「美あんず」メンバーの誰からにしようか物色している真っ最中に、話題になっている彩佳がやってくる。
　祐司彩佳夫妻は、大輝美咲夫婦との濃厚な夫婦交換ぶりが問題視されて、健二からちょっと調整すべきと警告が提示されている真っ最中であった。

　そのことで彩佳は亜紀に相談しに来たのだが、結局は亜紀への仲裁のおねだりであった。

　亜紀は基本的に「美あんず」メンバーに超甘いし、常に味方だから彩佳優位に決着するのは避けられない。
　彩佳の主張は我が儘の極みだ。
　祐司美咲の間はクールダウンも必要だし、美咲にもっといろんな男経験させたいからなにかしら施策を打つ、そして自分と大輝はまだこれからだからもう少し見逃してというものだ。

　あっさり亜紀は同意し、健二とも調整して基本その方向で決着させてしまう。
　祐司と美咲は一時離れて、美咲の職場は田原邸に変えて、祐司の元には「美あんず」メンバーが適宜訪問するというもので彩佳の方は現状維持だった。

　ただし亜紀は彩佳に代償として、亜紀が考える実証テストに協力することを条件にして同意させる。

　「美あんず」メンバーと亜紀の面談は、基本的にプレイルーム巨大フワフワ丸ベットで行われるのが普通で、この日もご多分に漏れずそうであったし、その後は必ず女の饗宴がお決まりである。
　従って同意した彩佳は亜紀にすぐに襲われる。
　すると呼応したかのように亜紀のところに入り浸っている涼子が現れて参戦して、彩佳は２人ががりで一方的に責められて狂わされる。

　涼子は高校生を卒業して間もなく武○川女子短期大学幼児教育学科に入学する短大生だ。
　彼女は祐司の亡くなった前妻亜弥子の血筋で姪にあたり、紗弥の従姉妹で、徹と初体験したいわゆる「徹の高校生３姉妹」の１人だが、亜紀を慕い多くの時間を一緒に過ごしてきた。
　亜紀の保護下にいた女の子で、徹以外の男達の干渉を全く受けないまま過ごしてきた為、亜紀の分身で完璧なバイセクシャルと化し、今では名だたるお姉さん達を怯ませるテクニシャンだ。

　亜紀にすれば細かいことは元気な涼子が進めてくれるから、自分は自由気ままに「美あんず」メンバーと楽しむことが出来るようになったから嬉しくて仕方がない。
　それにも関わらず、亜紀は更なるバイセクシャルとして我が儘な方法を始めようとしていたのだ。


　タイミングを計ったように凶暴なパール入り肉棒をギンギンおっ立てた凌が鼻歌交じりに現れる。

　問答無用で意識朦朧の彩佳を仰向けにして、両脚押し広げると肉棒を蜜壺に宛がう。

　お構いなしに腰を捻るように巧みに振りながら、螺旋状にパールが施されている凶暴な逸物をゆっくり挿入していく。

　ズルゥウゥゥプップウズルゥゥゥゥゥ
「なあっ！！　あぁぁぁぁぐあぁんひぐぅあん?」
　プウズルゥゥゥゥゥズルゥウゥゥプップウ
「おっきぃういぁ　あっあたるう　うげぐぅふ」
「あん?　うわぁん　あたるぅんあん?」
　ズルゥウゥゥプップウズルゥゥゥゥゥ

　既にアクメの狭間を彷徨っていた彩佳は経験したことの無い成層圏に突入する。

　あそこの内部がドリルで掻き回されているような錯覚すら覚えるが、目の焦点が全く定まらず今自分になにが起きているのか訳が分からない。
　分からないが説明された流れで凌に貫かれているのだとぼんやり思うが、もう肢体の全てが蕩けそうで次第に脳も溶けてしまうような快楽に墜ちていく。

　次第に限界を迎えて逝ってしまうのだが、そこからが経験したことのない極楽浄土に到達してしまう。
　なんと逝きっぱなしに状態になり、パールの一粒が出入りするだけで逝かされてしまうという限界域になって狂乱する。
　逝きのスパークが連続するのは想像絶する。
　何度も全身が激しく痙攣する。


　凌は美味しいところからの途中参戦で、ご機嫌で挿入したばかりでまだ事態が掴めていない。
　しかし経験豊富の彼は、彩佳の肢体は限界まで高められていたことを知った。
　男の本能でゆっくり肉棒の出し入れをして彩佳の蜜壺を楽しむと、彼女の肢体の反応は凄まじい。
　痛いほど締め付けてくるし、肢体の痙攣も凄まじい。
　もう劇逝き状態だ。

　瞬時にこれはマズイと判断した。
　彼女をゆっくりと抱き起こすと正対座位で優しく抱きしめる。
　今回初めての亜紀との連携だから、まだ加減が分からない。
　しかし対象の彩佳を大事に思う気持ちを最優先にしたいから、亜紀とは打ち合わせていない行動に出る。
　とにかく彼女をクールダウンしないと壊れると思ったから、背中を優しく撫で上げる。


　亜紀は予定通りの凌参戦にご満悦だった。

　彩佳を凌に託すと、今度は涼子と濃厚にキスしながら絡み合う。
　しばし夢中で舌を絡み合わせていると、いきなり彩佳の達したアクメ声に驚く。
　見ると危険を感じるほど乱れっぷりだ。
　涼子も異変に気づいた様だ。
　亜紀は想像以上の効果に驚くが、すぐ凌を止めないと危ないと声をかけようとした途端、言葉を飲み込んだ。

　凌も同じく危険を感じたようで、行為を中断して彩佳を引き起こすと優しく抱きしめてクールダウンに転じてくれたのだ。
　亜紀は凌の行動に感動してしまう。
　自分が愛した男性の大きさに、惚れ直してしまう。

「あぁぁぁぁぁん　凌って凄すぎる」
「わたし　キュンとしてちゃう」
「凌　わたし　わたし　あなたと出会って幸せよ」

　ふと凌と目線が合うと優しく微笑む彼の笑顔で、またやられてしまう。
　一体何度惚れさす気かと苦笑いする亜紀。
　同時に亜紀は確信した。
　考案し名付けた「コラボレーションセックス」は効果絶大で、凌という存在で完全無欠になったのだ。

凌は生きたバイブ的な立ち位置で亜紀のパートナーとして女の宴に常に参加するというのが「コラボレーションセックス」の基本的なアイディアだ。

　今まで亜紀は男役タテ主体で、「美あんず」メンバーは女役ネコという立ち位置だったのだが、凌の参加により亜紀は役割は固定せずにしたいように自身の性癖を満喫するというものだ。

　これにより結果的に凌は「美あんず」メンバー食べ放題になるし、亜紀と過ごす時間も激増するから２倍お得だ。
　結果的に凌のパイプカットが最強の武器になる。
　もともとパール入り肉棒はコンドームが全く役に立たないので、リスクがあるから怖がるメンバーもいるのが現実だったから結果オーライだ。

　「美あんず」メンバーからすれば避妊への配慮は皆無の存在になったから女の宴に彼が混じっても全くデメリットは無いし、むしろ実はみんな大好きになっていたパール入り肉棒を満喫し放題になったのだ。
　凌はもともと「美あんず」メンバーの守護者で、皆から一番慕われているところがあったから、亜紀もこの構想に行き着いたとも言える。
　
　もう彩佳は何度失神したか分からないほど狂わされてしまう。
　もう耳元で囁く亜紀と凌の言いなりにされてしまう。
　正直、この日の記憶は途中までしか残っていない。
　自分は快楽の泉に溶けて無くなったとしか感想が言えない有様で、数時間ベットに横たわり全く動くことが出来なくなってしまったのだ。

　ご満悦の亜紀に、今度は涼子がおねだりしてくる。

涼子　「亜紀姉様　お願いがあるの」
亜紀　「なあにぃ？」
涼子　「あのねぇ　わたし凌兄様としたい」
亜紀　「まあ？」
凌　　「うほぉ！！」
亜紀　「そうねぇ　２人ともずいぶん我慢してたよね」
涼子　「もう私　短大生だよ」
亜紀　「うふっ　凌はどうなの？」
凌　　「良いの？」
亜紀　「なにその目　キラキラして」

　未だギンギンにそびえ立つ凶暴なパール入り肉棒をもう涼子は掴んでしごき始めている。
　凌はジリジリと彼女に引っ張られている。
　まあ確かに２人にはご褒美が必要だし、涼子はまだ未熟な部分はあるがそれは男経験で成長する部分だと思うし、そこを成長させるには凌はぴったりで彼女をしっかり守ってくれるだろう。

亜紀　「はい　分かりました」
　　　「認可しますね」
凌　　「おお　涼子ちゃん♪♪」
涼子　「にぁぁあん　亜紀姉様　大好きぃ」

　先に飛びついたのは涼子だ。
　パクッと肉棒に食い付く。
　困惑する凌が凄く可愛い。
　環へのライバル意識が凄まじい彼女が徹相手に相当フェラチオ技術を磨いていることを知っている亜紀はニヤついてしまう。
　もはやオーラル技術も亜紀がもう教えることは無いほどのレベルであり、舌使いは達人レベルだ。
　それを夫は耐えられるのだろうかと楽しみである。

　凌の動揺が伝わってくる。
　正直、亜紀が知っている限りでは、彼女レベルのテクがあるのは里奈と郁美、麻輝そしてなにより天才女子の環ぐらいで、もうほとんどの先輩女子をごぼう抜きするレベルなのだ。
　正直、これを耐えられる男性はいないのではと、育てた張本人である亜紀は他人事のように分析してた。
　思わず腰が浮いてくる夫に亜紀は結末を予測する。

　案の定、夫は暴発するが、涼子はその上を行く。
　萎えそうな肉棒に優しくお掃除フェラよろしく復活の活を入れてご奉仕する。
　みるみる歓喜に包まれる凌。
　そこに白い裸身が絡みついて、正対座位で肉棒をおねだりする。
　肢体を痙攣させながら徐々にパールを咥え込んでいくと猫のように可愛い喘ぎ声を漏らす。

　涼子はなにが男を喜ばせるのかを本能的に知っている女の子だ。
　そしてだれより凌の亜紀への真っ直ぐな想いを間近で見てきた子だ。
　もちろん徹大好きの女の子だけど、凌という大人男子への憧れもしっかり育んでいる。

　そしてなにより亜紀と波長が合い、もう実の妹のようだし、彼女の家庭的事情もあって現在は田原家に同居している子でもある。
　そんな状況だから凌と涼子が間違いを起こす可能性を亜紀は予測していたが、２人ともそこは律儀にも一線を守り通して今日まで来たのだ。

　ただ凌の螺旋状に入った芸術的なパール入り肉棒の前では、どんなオンナでも無力だ。
　亜紀も郁美もお腹いっぱいにされてしまう。
　初体験の彼女では訳が分からなくなってしまうのは致し方ない。
　グッタリとなって逝ってしまう涼子が可愛すぎる。

　さてと視線を下げると、未だ肢体をピクピクさせてる彩佳がこれまた可愛すぎる。
　亜紀は女同士の後儀が一番大好きなので、遠慮無く無抵抗な彩佳に絡みついていくのだった。

「うふふ　こういう展開 最高だわ」
　

　凌にすれば亜紀からの提案は夢のような話だ。
　亜紀のところには次から次へと美女がやってくるが、それが無条件で抱き放題になるのだ。
　おまけに亜紀公認で彼女もその場にいるから余計な言い訳も考える必要ないし、正直、亜紀の傍に居る時間を自分自身も減らしたくなかったから好都合だ。
　そしてなにより亜紀が宝物にしている「美あんず」のメンバーは、凌にとっても愛すべき女達に他ならない。
　彼女達と煩雑にセックスできるということは、もはやハーレムと言って良い。


　亜紀が九条家という支配者層の頂点である名門の出自であったことが、夫である凌にも絶大な影響をもたらしていた。
　あらゆる事業も公的機関の認可など根回し無しで承認が下りるし、むしろ要求できる立場に一変した。
　結果的に総資産が膨れ上がるペースが制御できない状態になりつつあり、個人資産が増えすぎて長者番付に載る事態は避けたいと積極的に「関西支部」に投資し続けている状態だ。
　その過程で彼は「会」というものの本質を見抜きつつあった。

　膨大な資金はそのまま絶大な権力に直結する。
　一番早く手に入る権力がマスコミという力だった。
　彼らは結局は民間企業であり、金で一番簡単に意のままになるのだ。
　五摂家がそれぞれ主要なメディアを牛耳っていることも知ったし、それが彼らの立場を盤石にしてした。
　九条家が掌握しているメディアネットワークの関西地区系列メディアが彼の配下に譲渡された。
　それは関西地区の経済圏を事実上手に入ったことを意味していた。
　他家が掌握している関西地区系列メディアは、五摂家筆頭の九条家意向に従うからだ。

　日本国民はＧＨＱ施策によりマスメディアは民主主義の象徴のように思わされて騙されているが、実はナチスドイツが考案した情報操作先導する情報兵器として生まれたものた。
　ＷＷⅡ戦勝国の権力者は、ナチスドイツが考案した情報兵器を効果大として積極的に採用した。
　その効果は現在に至っても絶大であり、マスコミ上層部は情報兵器として生い立ちを認識しているから日常的に民主主義の代表は自分たちという偽善主張をプロパガンダすることに余念がない。

　もともと裁判所や警察権力は支配者層が独占しているので、日本においても反逆者や邪魔者は日常的にマスメディアによって抹殺が行われていることも知ったのだ。
　五摂家の独占体制揺るがない盤石の体制が構築されているから、日本国内では競争がない立場なのだ。
　そうなると五摂家を代表とする支配者層がそうであったように、凌も社会においての夢や目標を失ってしまった。

　頑張らなくても「したい」「する」の一言で、全て実現してしまうチカラがあるのだ。
　結果的に５大老達と同じ境地に辿り着くことになり、性的なことしか楽しみが無くなってしまい、彼も異性である女性しか興味が無くなっていくのだった。

　彼にとっては「亜紀」と「美あんず」メンバーだけが全てなっていくのは時間の問題であった。


つづく
【前頁】/【次頁】
あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
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2021年9月11日掲載
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