ずっと愛してます4
羅衣 作
第44話　覚醒させるもの


　徹の前戯は、レズビアン同士のものに匹敵するほどの繊細でリズミカルだと美羽は思う。
　異性である彼から女同士でしか分からない筈だろう領域のリズムで翻弄されるのは驚きでしかない。
　そして日に日に彼が進化しているのが分かるのだ。

　前戯で軽く逝ってしまった際に、実は女としては一息休んでくれた方が、次登り詰めて逝った際に凄いアクメがあるのにと思うのが女の本心なのだ。
　半ばチカラ任せに続けて、そのまま何度も逝かされても、その先を知っている女は本心では不満なのだ。
　その想いを徹は見抜いているとしか思えないから、凄いと思うのだ。

　この感性を知っている異性は、「会」には美羽が知りうる限り彼ただ一人だ。
　あの５大老も名だたる性調教師達も彼には及ばない。
　そもそも女の繊細な性感を感じ取れる感性はもはや才能だと思うし、あの郁美が特別扱いするのはその才能にあると美羽は思うのだ。
　そういう意味で本質レズビアンである美羽にとって彼は麻薬に等しい。
　
　極上のクリニングスで逝ってしまうと、フワフワした夢心地でまったりした余韻が超気持ち良い。
　するする指を滑らせながら這い上がってきた彼を待つ時間も特別な時間だ。
　もう肢体が鋭敏化していて彼の指が当たるだけでビクビクしてしまう程だ。

　顔を合わせて見つめ合う。
　それだけで再びジュンんと愛液を溢れ出すのを自覚する。
　顔をお互いに寄せ合い長いキスが彼女を再び高めていく。
　彼の舌から自身の愛液の味を感じる。
　その感覚は特別だ。
　彼に愛されていると実感する瞬間だ。
　自然と彼の分身を欲しくなるから、彼の逞しい胸板を両手で押して彼が仰向けになるように促してしまう。

　今度は逆に自分が彼の上に覆い被さると、彼の瞳をのぞき込む。
　彼の瞳は澄んでいて、この瞳を見ているだけで女は濡れてしまうチカラを宿していると思う。
　キスして先程より長く舌を絡め合う。
　一気に美羽はエロい気持ちに点火してしまう。
　舌を這わせながら這い下がっていくのだが、彼の乳首も粘質にペロペロする。
　右手はもう彼の逸物を手淫してる。
　彼が声を漏らすのがとても嬉しい。

　焦らしすぎは可哀想だからフェラチオに取りかかる。
　まずは付け根から一気に何度も舐めあげる。
　タップリ唾液を出して亀頭をベロベロと舐め回す。
　先から染み出すカウパー液を舌先で広げると、１度一気にパクッと加える。
　歯を当てないように加減しながら深く嚥下して、ピストンよろしく数度出し入れする。
　逞しい逸物が愛おしくて堪らない。

　「美あんず」年少組の女の子達もフェラチオが得意で評判な子が多いから、美羽も日々試行錯誤してもっと上達したいと思っている行為だった。
　郁美が「フェラチオの差は男性からの愛情の差に繋がる」という理論派であり、今では「美あんず」では主流派であって、それに習って続く次世代年少組によるフェラチオテクニックは目を見張るものがあるのだ。
　美羽達、年長組もウカウカしていられないのだ。
　そしてフェラチオこそ、女としての個性の見せ所なのだ。
　美羽としても女の先輩としての自負があり、ウリは情熱スタイルだ。

　玉袋までまったりと舐めあげると、優しく口内に吸い込んでこれでもかと舌で転がしまくる。
　同時に親指で亀頭を優しくスリスリしつつ、扱いていく。
　必ずそれで徹はモゾモゾして反応するから、再び竿を付け根から一気に舐めあげる。
「あっ」と声を彼が漏らすと、彼女はヒートアップする。
　パクッと加えると、一気に深く嚥下してイラマチオで彼を責め立てる。

　同時に左手で玉袋を優しく揉みしだくと、彼が逝きそうだとジタバタするから超可愛いからキュンとする。
　彼の逸物は蜜壺で早く受け入れたいのが本音だから、ここで無為に彼を暴発させたりしないからギリギリで解放してあげる。
　夫の和輝も含めて他の男性なら容赦なくこのまま精力を奪い去るのだが、美羽にとって徹は特別な存在で彼への想いは宝物なのだ。


　徹は、最近美羽にタジタジであった。
　ビックリする位にフェラチオが上手くなって、彼女が本気になったら一方的に抜かれてしまう勢いなのだ。
　情熱的に敏感な部分を舐めあげられたら、もう堪らないし、一気に襲いかかるイラマチオが破壊力抜群だ。
　喉の締め付けが絶妙で射精感が爆発寸電になる。
　もう駄目だと思った瞬間、唐突に解放される。
　本能的に切なくなるから彼女に視線向けると、舌なめずりしながらエロエロになった天使が騎乗位で跨がってくる情景に興奮が破裂する。

　逝きそびれた喪失感が突如吹き飛ぶほどの充足感に包まれる。
　無意識でお互いに手を繋ぎ合ってしまう。
　絶妙なリズムで彼女の腰がグラインドするから、それに合わせて軽く腰を突きあげる。
　そうなると２人ともただのオスとメスになり、お互いの快楽を貪り始める。

　グチュルゥジュップゥ♪♪グチュルゥジュップゥ♪♪
「あっぁぷぅ　はあっ　はあっ　ぷくふぅ」
「あっあん?　いいぃぃぃはぁん?　あん?」
　ジュップゥグチュルゥ♪♪ジュップゥグチュルゥ♪♪

　徹は両脚を立てると彼女に掴まるように促す。
　そして軽く彼女に腰を浮かす促すと、彼女の両足首を細くする。
　その刹那、渾身の突き上げピストンを炸裂させる。
　空手と筋トレで鍛え上げた筋力と持久力にものを言わせて、女芯を一気に溶かしていく。

　ズグゥチャ！！ズグゥチャ！！ズグゥチャ！！
「ひぃぁあぁぁぁ?　すごぉいぃぃぃぃ?」
　ズグゥチャ！！ズグゥチャ！！ズグゥチャ！！
「あぁぁぁひぃあっあん　駄目ぇいやぁひぃあん?」
　ズグゥチャ！！ズグゥチャ！！ズグゥチャ！！
「いっちゃっぁはぁん?　あぁぁぁ逝っちゃうぁあぁ」
　ズグゥチャ！！ズグゥチャ！！ズグゥチャ！！
「あぁあぁぁあん?　ひいっあぁ?」
　ズグゥチャ！！ズグゥチャ！！ズグゥチャ！！
　ズグゥチャ！！ズグゥチャ！！ズグゥチャ！！
「ひぃいいぃぃぃぃぃいくうぅぅぅぅぅぅぅ♡」

　美羽は徹の予想だにしない初めて経験する体位で責められて、ロケットのような快感に晒されて粉砕されてしまった。
　真っ白に意識が弾けて、人生初体験というくらい激しいアクメを経験したのだ。
　一瞬記憶が跳んで、彼の両脚の間に仰向けに崩れ落ちて、引きつけを起こしたように激しく痙攣する自分に気づいたのだ。
　未だ余韻が残り、痙攣が止まらない。
　彼が直ぐに優しく抱きしめてくれて、女だけに許された至福の時間を満喫する。

「今のなんなの　凄すぎて　死んじゃうかと思った」

　痙攣が落ち着いた頃を見計らったように彼がキスしてくれる。
　美羽は怯む。
　彼は未だ終わっていないから再開しようという合図なのだから、当然のように体が入れ替えられて正常位で組み敷かれていく。
　美羽的には、かつて無いほど深いアクメを経験して肢体が異様に重く満腹感が凄い。
　正直、今再び責められたら自分がどうなるか怖くなるほど、肢体は鋭敏だと自覚している。

　そのまま溶けるようなディープキスされると、なすがままセックスモードに引きずり込まれていく弱さに女なんだと思い知らされる。
　乳首を指先で転がされる度に、もう肢体に痙攣が走る状態である。
　素直に「怖い」という言葉が脳裏に浮かぶが、鼻息が荒い彼には抗えない。
　蜜壺に再び圧迫されると、恐怖と期待する気持ちが入り交じり肢体の芯が熱くなる。
　無意識に海老反りに仰け反り、もう歓喜の声しか出ない。

　ズゥゥゥンと鈍い衝撃と共に、押し広げられる感覚に目の前の景色がぐるぐる回るほど快感の渦に飲み込まれていく。
　経験上ピストン攻撃を受けて征服されると覚悟を決めるが、そんな普通な展開は訪れない。
　彼のものがピクピク躍動する度に、肢体に痙攣が走り感覚が鋭敏すぎて耐えられずシーツがビリビリいうほど強く掴んでしまう。
　ここまでハイになった経験が無いから、半ばパニック状態だ。
　白い高まりの果てになにか黒い空間を感じるから、真剣に狂い死にしそうだと思って焦り始める。

「ひぃ　これって　嫌ぁ　怖い　おかしくなっちゃう」


　徹はさて仕上げとばかりに再開し正常位で合体したのだが、息子センサーを通じて美羽が想定外に狂乱してアクメを彷徨っていると知ったのだ。
　その瞬間、自分の性的満足は先送りに転じた。
　そのままで愛撫も全て中断して両腕を彼女の下に滑り込ませて抱きしめた。
　そして正対座位の体位に移行してキツく抱きしめた。

「美羽　大丈夫だよ」


　美羽は思ってもいない展開で、キツく抱きしめられてカーと熱くなる感覚にうっとりしてしまう。
　スーと心の隙間に彼の意識が忍び込んでくる。
　普通なら他人の意識は拒むであろうが、逆に自ら彼の意識にしがみついてしまう。
　無意識にキュッと肢体にチカラが入って、膣内の彼の分身を激しく締め上げる。
　充たされる幸福感でオンナの肢体は再び激しく痙攣してしまう。


　徹はビックリしたに違い。
　小休止と思っていたのに、彼女の肢体の反応が凄すぎたのだ。
　凄く締め付けられたと思った刹那、激しい律動で息子は唐突に暴発してしまったのだ。
　無防備の暴発は制御できず、玉袋に鈍い痛みが走るほどの多量射精となった。
　あまりの気持ちよさに徹はヒクつきながら放心状態であった。

「はあぁぁぁすげぇぇぇ　気持ちいぃぃぃぃぃぃ！！」


　カッと広がる熱い迸りに、美羽の意識は弾け跳んで無になった。
　一瞬に無音になり視界がブラックアウトした。


　徹は賢者タイムになってしまった。
　グッタリして弛緩する女体を優しく抱きしめる。
　次第に感動が広がる。
　ずっとモヤモヤと感じていたセックスでの壁を遂に克服したのだ。
　ずっと越えたかったアクメの先、女性の深層意識への侵入するという究極境地の糸口が見えたのだ。
　不意に浮かぶ不敵な笑みが全てを物語っていた。

「やったよ　郁美　　遂に掴んだよ」

　「天然スケコマシ」は遂に「天然淫魔道士」への進化を始めたのだった。


　もう美羽は淫欲が止まらず、何度も夜通し求めて暴走が止まらない。
　１度覚えた快楽を貪欲になって求めてしまうが、普通になら数回で男性はダウンするだろう。
　徹は心技体と絶倫とも言えるスタミナがアスリート並なので、５回戦を終えてもケロッとしている。
　だから美羽の粘膜の方が先に根を上げて回復が追いつかない。

　それなのに美羽がいつになくしつこくしがみついてくるから苦笑いだ。
　適度にいなしながら彼女を受け入れ続ける。
　キスをしながら見つめ合うと、自分はやらかしてしまったと自覚する。
　もう彼女の瞳がハートになっており、どうしようかと迷うが、エロくなった彼女がラブリーすぎてズルズル愛し合ってしまう。

　翌日も彼女は神戸に帰らなければならないのだが、もう帰りたくないと言い出す状態で宥めるのに苦労する。
　なんとか夜の「美あんず」航空便を押さえることが出来て、羽田空港に彼女をお送り届ける。
　そこで神戸に同じく行こうとする妹の環に遭遇する。
　もう環も人妻ですっかりオンナに化けているから、すぐに美羽の状態を見抜かれてしまう。

環　　「お兄ちゃん　もう何してるの！！」
　　　「美羽姉様　大丈夫？」
美羽　「・・・・・・・・・」
徹　　「いや　これは　なんだ」
環　　「郁美姉様に注意されたでしょ」
美羽　「あの　ごめんなさい　私・・・」
環　　「美羽姉様は悪くないよ」
　　　「お兄ちゃんが　やり過ぎ！！」
徹　　「むむ　これは謝るってもんじゃないと思う」
　　　「僕は　美羽のこと　大切に思ってる！！」
美羽　「徹・・・」
環　　「まあ　敬子姉様　かわいそう・・・」
徹　　「敬子は愛してるし　それは変わらない」
　　　「郁美との約束は忘れてないし」
　　　「約束は破ってないよ」
　　　「でも　今回の件は　お叱り甘んじて受けるよ」
美羽　「徹　私・・・」
徹　　「美羽は悪くない　気にしないで」
　　　「愛してるよ♡」
環　　「ふぅぅぅん　あっ　もう乗らないと」
　　　「美羽姉様　行きましょ」
徹　　「気を付けて　いってらっしゃい」
美羽　「・・・私も　愛してるわ　またね」
徹　　「うん　またね」

　環は、兄の変化に気がついていた。
　兄は郁美との約束は破ってないし、郁美が示唆した覚醒が始まったんだと洞察したのだ。
　実際、実の兄なのに環ですら吸引されるほど、男の魅力が溢れてているのだ。
　もともとブラザーコンプレックスの環は、じっと耐えたがドキドキが止まらなかったのだ。

「あん　こんなに早く覚醒するなんて」
「ただですらモテモテなのに無双しちゃう」
「武史も　お兄ちゃん　も　どうしてこんなに早く」
「・・・・・・・・・・」

　搭乗しながら、未だ視線で惹かれ合う徹と美羽を見るとこちらまで切なくなるから、オンナって改めて究極男子に脆く弱い生き物なのだと実感したのだった。


　環は実兄の引き起こしたことに責任を痛感する。
　夫、武史も淫魔道士ぶりが凄まじく、存在が意に染まなかったが黙認していた武史の同級生橋本成美への負荷が大きすぎて、慌ててフォローするので手一杯だったのだ。
　そう考えると自分自身も夫の行動をお世辞にもカバーし切れていないから他人事ではないし、実は自分自身もこの日の神戸行きは美羽と大差ない理由であることに愕然としていたのだ。

　機上で見る美羽の姿に胸が痛む。
　夫、和輝への想いと対立する自身の心の揺らぎが手に取るように感じるからだ。
　環は未だ１９歳であるから「会」正式デビューはしていないのだが、もう人妻であり九条家次期当主の妻なので、その結果未成年者保護の数々のルールから外れてしまったのだ。
　いろいろと東京での生活は調整したが、夫である武史が多忙で若い肢体を持て余し気味だった。

　すると彼女の中に封じ込めていた健二との絆が溢れ出したのだ。
　そんなオンナの葛藤を誰よりも理解してくれるのが、彼女が信奉する郁美だった。
　郁美は自身が妊娠中で思うように行動できないし、夫健二が欲張りさんだと理解しているから環に健二禁止令を彼には内緒で解禁したのだった。
　そうなったら環は定期的に逢いに通ってしまうし、この日もそうだったのだ。

　もちろん郁美は心境は複雑だった。
　しかし健二の性欲は規格外であるから、自分自身が妊娠中でフォローしきれないのは諦めの境地だ。
　すると当然彼の欲望は周囲に及ぶは避けられないが、彼と濃厚な関係が続けば女は皆侵蝕されてしまう。
　既に健二と徹の２人の侵蝕ぶりは郁美は痛いほど知っているから、これ以上負荷は周囲に掛けたくないのが本心だった。

　オンナの本質は欲張りだし、１度知ると決して忘れられない生き物だ。
　彼女達の中に夫と違う存在が住み着くことになるのだが、１人住み着くだけでも葛藤が凄いのは当然だ。
　それが２人となると凄まじい感情の嵐になるのだ。
　郁美は軽く５人を超える規格外だが、１人と２人は大違いで落差があることを誰より知っていたのだ。

　だからこそ亜紀と連携して、健二、徹、武史らを交通整理して「美あんず」メンバーを守ってきたのだ。
　複数の侵蝕をオンナが克服するには、やはり絶対的な夫がいることが前提条件であり、それが無ければ間違いなく家庭崩壊するのは避けられないのだ。
　すると郁美の身近には、そんな存在は亜紀、敬子、紗弥、彩佳、環の５人だけだった。

　なので今回頼ったのは環だったのだ。
　それに人選の理由は別にもある。
　環は、九条家次期当主の妻という立場だからオンナとしての成長に待った無しの状況になったからだ。
　彼女の成長には、健二は最強と思えるのも決め手だ。
　もちろん郁美は自身の嫉妬心と葛藤は表に出さないが苦渋の選択なのだ。


　神戸空港に到着すると、環は美羽の夫、和輝が出迎えに来ていた姿に安堵する。
　亜紀の素早いフォローに感動する。
　いきなり謝る美羽を無言でキツく抱きしめている和輝の姿にキュンとしてしまう。
　ここからは夫婦の問題だし、和輝もそういった部分では評価されている夫の１人だから余計なお節介は無用と判断したのだ。

「こういう時よね　旦那様の器量が問われるのは」

　環は２人を残して、郁美の居る病院に直行した。
　健二には１時間ほど待ってとＬＩＮＥを入れる。
　病院に到着すると、合流をお願いしていた敬子以外にも亜紀と紗弥の２人も待ってくれていた。

環　　「ただいまぁ」
一同　「お帰りぃ」
環　　「敬子姉様に　ご報告があります」
敬子　「はい　いろいろとごめんなさいね」
環　　「徹兄　例の状態に覚醒しちゃったみたいです」
敬子　「むむ　やはりそうなのね」
郁美　「・・・・・・」
亜紀　「それより　美羽さん　様子どう」
環　　「かなり侵蝕されちゃったみたいです」
　　　「でも　空港に和輝さん」
　　　「迎え来てくれてホッとしました」
亜紀　「はい　やっぱり　それしかないからね」
敬子　「すいません　ご迷惑おかけします」
　　　「ちょっと　私　サボってたかも」
郁美　「東京は誘惑多いから　なにかあったのかな」

亜紀　「佳子がなにか知ってるかもね」
　　　「ＦａｃｅＴｉｍｅかけてみるね」

佳子　「亜紀姉様　こんばんわ」
　　　「あっ　皆様　お久しぶりです」
亜紀　「こめんね　今大丈夫？」
佳子　「はい　なにがご用ですか？」
亜紀　「あの　徹のこと　最近の様子知ってる？」
佳子　「はい　・・・」
郁美　「あのう　彼になんか変化なかった？」
敬子　「徹から　よく会ってるって聞いたから」
佳子　「はい　ごめんなさい最近会い過ぎかも」
敬子　「大丈夫よ　お互い様だから気にしないで」
佳子　「はい　うふふ」
敬子　「実は今　徹　覚醒してないかって話してたの」
佳子　「えっ・・・・・」
郁美　「予兆とか　理由　心当たりある？」
佳子　「それ　私が原因かも」

　佳子の説明に一同納得したのだ。
　徹は煩雑に佳子から魔性エキスたっぷり貰って、最近元気一杯だったとの話だ。
　その瞬間、亜紀と郁美はしまったと気がついたのだ。
　武史覚醒の経緯で、瑠璃子には魔性エキスは影響力あり過ぎると注意喚起していたのに、佳子に伝え忘れていたのだ。

　そもそもキーパーソンの敬子にも伝えていなかったのだから、今回は当然の成り行きだった。

　亜紀と郁美は自分たちの失態に気がついて皆に謝り、特に敬子に平謝りだった。
　ただ敬子も、実は綾小路優貴との関係にドップリ嵌まっていたので、逆に佳子と亜紀達に謝ったのだった。

　オンナ達の共通結論として、凄すぎる男には女は脆いという普遍的なものであった。


　環は、そんなこんな話が一段落すると、いそいそと健二と待ち合わせ場所に急いでしまう自分も怖くなる。

「わたしって　なに？」
「オンナって　どうしてこうなんだろ」
「これが　侵蝕されてるってこと・・・」
「あん　　早く逢いたい♡」


つづく
【前頁】/【次頁】
あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
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2022年7月3日掲載
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