ずっと愛してます4
羅衣 作
第45話　オンナ達の戸惑い


　環は彼女なりに男性関係について考えて行動してるつもりだが、若さのあまりに探究心と自身の欲求に負けてしまうのは否めない。

　もともとあの日の健二との経験が衝撃的で、当時は結婚前であったから武史への裏切りだと思い自身でも戒める気持ちもあったし、武史に情熱的に愛されて満たされたから健二への気持ちを封じることが出来たのだ。
　そして今では環境が変わったのだ。
　もう武史の妻だし、「会」正式デビューも間もなくだから無理に健二への想いを封じ込める必要はなくなったのだ。

　なにより健二の妻である郁美の許しがあれば、何らルール違反ではないのだ。
　そもそもだがオンナに目覚めてる若い肢体は僅かな放置でも渇望感が凄いのに、武史は多忙と言いながら愛人でうつつを抜かしていることに凄い不満があったのだ。
　そうなったら彼女だけが自重するのは理不尽という気持ちになってくる。
　だからそういったことを含めて相談して、郁美におねだりするのは必然だった。

　郁美のお許しを貰って、もうルンルンだった。
　なにより環には都合の良い環境が整っている。
　「美あんず」航空便があるから大学の講義スケジュールに合わせて、夜に神戸に行って翌朝東京に戻って通学すれば簡単に彼に逢えるのだ。
　もう既に今回が３回目の健二との逢瀬だった。
　もちろん郁美の許しを貰った行動だが、妊娠中の彼女に配慮して建前上隠密の行動であった。
　翌朝の事を考えて空港に近い神戸ポート○アホテルがお決まりの場所になっていたのだ。

　ホテルに着くと本館25階エグゼクティブフロアに直行して、小走りで健二が待つに部屋に急ぐ。
　ノックすると直ぐ扉が開く。

健二　「お疲れ～」
環　　「お待たせしましたぁ　うふふ」
健二　「おっとぉととと」

　健二はすぐ可愛く抱きついてくる環にニヤニヤが止まらない。
　そしてそそくさと彼女を室内に引き込む。
　もう１時間待たされている即セックスを企んで、ディープキスしてキツく抱きしめつつ服を脱がしにかかる。
　彼自身は全裸の上にガウン姿で準備完了だ。
　若くて新陳代謝活発な女の子の淫臭はおじさんの大好物なのだ。
　ここ２回は断られてしまったのだが、３度目の正直強行突破だ。

　
　夫となった武史は初めての相手であると同時に大切な愛する旦那様であるのは揺るぐことはない。
　しかし環にとって健二は大人の世界を実感できる存在であり、憧れの郁美の旦那様であり、彼女にとっては特別な想いをぶつける存在であった。

　郁美の導きで規格外の武史であったが、同じく郁美からオンナのエッセンスを直接吸収して英才教育で成長した環にとっては彼が年上でも彼が幼く感じるのだ。
　もともと女の子の精神年齢が高いと言われるが、彼女場合それが顕著だった。
　郁美、敬子、亜紀と煩雑に過ごしていたから、一般女性ならアラサーに匹敵するレベルであろう。

　経験した男性は武史、健二だけだが、２人とも規格外であって濃厚な２人だから彼女場合経験人数なんて無意味に等しい。
　実際、彼ら２人が男性のセックス技量基準になっているのだから彼女を満足させることが出来る男性は稀であろう。
　それは環自身も気がついているから、だからこそ健二に固執するのだ。

　それなのに１９歳女子の可愛さを遠慮無く行使するしたたかさの前に、健二は破顔してしまう。
　健二に侵蝕され刻印を受けて苦悩した経験が、彼女が大きく成長させることになったのだ。
　武史の存在あってこそであるが、自分の意思でその刻印を封じたり開放したり出来る強力なメンタルを身につけたのだ。

　これに驚いたのは郁美と亜紀だった。
　彼女達でも克服できないメンタル的なタフさがないと出来ない感情のコントロールなので、それが今回の郁美の判断に大きく影響したのは間違いない。
　郁美も亜紀も刻印を封じたり出来ず、併行して受け入れているに過ぎず、だからこそ相手から迫られると断り切れず応じてしまう弱さを自覚している。
　それを環は、自らの意思を優先し拒絶できるのだ。
　これはオンナとしては革新的なことで、九条家次世代女王として最強と言って良い才能であろう。

　そんなこと夢にも思わない健二は脳天気に若い肢体に夢中だった。
　予想通りシャワー浴びたいと抗う彼女を遅刻のせいにして強引に押し倒した。
　いつになく鼻息の荒い健二に圧倒されて、あれよあれよと身ぐるみ剥がれてしまう。
　もう女の衣服を脱がすのは芸術並の技量で、スローモーションで身につけていた下着が宙を舞う様子で観念してしまう。
　ここまで鼻息が荒く下半身モードの男性には理性は無いと諦めモードだ。

　朝シャワーは浴びたが、短大に行ってバタバタ色々して汗もいっぱい掻いた夜10時だから、汗臭いのに彼は美味しそうにペロペロしてくるから余計ゾクゾクする変な気持ちに困惑する。
　手淫も憎たらしいほど絶妙なところを弄ってくるから一気にセックスモードに引きずり込まれていく自分は幼いと思うが、踏み止まることが出来ず無意識に喘ぎ声が漏れてしまう。
　それが彼を加速させると分かっているのに、我慢できず次第に声が大きくなる。

　バストトップを指で軽くスリスリされだけで、もう目を開けていることが困難なほど身悶えてしまう。
　何度経験しても健二の愛撫の破壊力の前に環は崩壊してしまうのだ。
　新体操で鍛え上げた肢体の身体能力は高いと自信があるから、夫とのセックスでは上になったり下になったり濃厚に絡み合うのに、健二相手では為す術もなくされるがままになってしまう。

　いつになく念入り全身舐めてくる彼に狼狽える。
　もう舐め犯しというレベルであり、美味しそうに腋の下まで粘質に舐められると羞恥心が破裂する。
　必死で身をよじるが、それが彼の興奮を加速させていると感じて驚きが走る。
　そこで自身の汚れた肢体が彼にとっては美味しいのだと理解したのだ。

　女にはそれが理解できないが、「性癖」というキーワードで環は理解した。
　女にとって汗、汚れ、体臭は、ただの老廃物だし、他人に知られることは恥ずかしい隠すべきものなのだ。
　特に女の下半身事情は体液老廃物の宝庫であり、そういったものが気になるから余計嫌悪感が強い。

　男は早くセックスしたいからシャワーやお風呂を省略してことを始めたがるのだと理解していたから、それが誤解だったことは驚きしかない。
　そういったものが好物だから、毎回シャワー浴びる浴びないと攻防するのだという理解はある意味カルチャーショックでもある。
　ただ彼がそのまま下がっていくから、意図を察して絶望する。

　自分自身でもウッとなる匂いがしてると思うから、恥ずかしくて仕方ない。
　簡単に両脚割られて彼が割って入ってくるから、もう既定路線に絶望感が凄い。
　太ももを絶妙なタッチで愛撫されて再び声が漏れてしまう。
　次の瞬間、恐れていたことが訪れる。
　ビクッと強い刺激に反応して最後の矜持が崩壊していく。

「全部知られちゃった　汚いのに」

　当たり前のように隅々舐めあげられて味と匂いを楽しまれてしまうと、もうどうでも良くなってくる。
　彼女の中で日常と精神的に切り分けしているイメージとしてエロモードスイッチを脳内に描いているのだが、迷うこと無くＯＮすると途端に彼女は積極的になる。
　そういう脳内でのイメージで切り分けることが出来るのが、環の特徴で彼女が多重人格なのでは男達に思われていくのはこれに起因しているのだ。

　モードが切り替わるとしばしば男達を驚かすほど行動スタイルが変わるから、人格が変わったように感じるのだ。
　この日も油断した健二は押し倒されてフェラチオされてしまうと、歓喜の声をあげてしまう体たらくだ。
　「フェラたま」を１度味あうと病みつきの極楽浄土なのだ。
　絶妙なチカラ加減で痛くならないように意図的に歯をアクセントで当ててきたり、もう天才かというレベルであり将来が末恐ろしい。

　愛妻、郁美のフェラチオも極上であの要望の多い５大老達を食べ尽くしたのだが、スタイルとしては「柔」であって一般的スタイルの「極み」であろう。
　環の「フェラたま」は対照的なスタイルで「剛」であり、かなり個性的で刺激なスタイルだ。
　他ならぬ健二も意図せず抜かれてしまったのは１度や２度ではないし、「淫魔道士」と言われる夫武史もお手上げの巧みぶりだったのだ。
　実際、１度嵌まると抜かれずに耐えきれるのは至難の業であり、健二も不本意ながら暴発してしまう。

「うはぁっ　まずぅ　あぁぁぁぁでっでるぅ～」

　口内で射精を受け止めると、彼女のに妖しい笑みが浮かび精液をうっとりしながら嚥下していく。
　健二ほどの男でもしばしは賢者モードが訪れるが、若さ弾ける女豹は待ってくれない。
　休み無くお掃除フェラされた挙げ句、肉棒にそのまま活を入れられて復活を強要される。

　既に悟りの境地に達した健二は冷静で、前半は彼女の迸る淫欲にひたすら応え続けて、彼女が満足した後の後半で自らの欲望を満たせば良いと考えていたのだ。
　ただその日は、色々あったことで感情的にモヤモヤしていた環の欲求は凄まじく、そのまま夜通し激しくセックスことになり、彼が期待した後半戦にたどり着けず討ち死にしてしまうのだった。

　健二にすれば九条家次期当主の妻である環は調略すべき若妻であったろうし、彼女の資質に未だ限界が見えないことからどうしても深入りせずにはいられなかったのだ。
　ただ未だ１０代という若さのキャパシティは無限大であり、豊富な経験を持ってしてもミイラ取りがミイラよろしく飲み込まれてしまった。
　翌朝、気怠い満腹感で目覚めると、可愛く自分の腕枕で寝ている彼女にキュンとして惚れてしまいそうになる自分に動揺していたのだ。

「ヤバい　この子は　男を喰う才能がありすぎだ」

　今少しこの至福のタイムを満喫したいが、彼女の帰り飛行機時間が気になるから起こす。
　彼女は目を覚ますとテヘヘと笑ったかと思うと、飛び起きてドタバタと身支度始めるから大人の余裕をかましつつ一緒に朝シャンを楽しむ。
　起きた直後は年相応の女の子なのだが、服を身につけたときには急に人妻の色香を放ち出すから困惑する。
　朝食も一緒に楽しむが、両親からテーブルマナーをしっかり指導されているから感心しきりだ。

　神戸空港に待機するHondaJet Elite横まで、いつも通り車で送っていくとパイロットの一條に出迎えられるといつもながら気まずい。
　そりゃバレバレのシチュエーションだが、環は笑顔満開で「またね」と再びラブリー感満載で搭乗していく。
　少女と妖艶な人妻の雰囲気がミラーボールのように変わるのが、今彼女の最大の魅力かもしれない。
　ボーと、彼はHondaJet Eliteが飛び立つ姿を見送りながら、もう彼女が恋しくなっていたのだ。


　機上の環は、そんな健二が見えなくなるまで窓から見ていたのだ。
　刻印を封印できるといっても、彼女はしっかりオンナだから健二への想いは押さえ込むのは簡単でない。
　開放は容易いのだが、封印は感情の苦痛が伴うのだ。
　もし武史と出会ってなかったら、そして健二の妻が郁美でなかったら、環は健二しか目に入らなかったくらい彼に惹かれていたのだった。
　それほど健二達が施す刻印はオンナの心に深く刺さる恐るべきものなのだ。

「健二さん　またね・・・・・わたし・・・・」



　悠希は「美あんず」病院のロビーで呆然とソファに座り込んでいた。
　彼女としては甘い見通しで想定外の事態であった。
　もちろん望んでいたことであったが、時期として１年ほど早いので色々準備が整っていないのだ。
　そんな悠希を佳菜子が見つけて近寄ってくる。

佳菜子　「悠希姉　どうされたの？」
悠希　　「あっ　佳菜子ちゃん」
佳菜子　「・・・・・」
悠希　　「わたし　やっちゃった」
佳菜子　「えっ？」
悠希　　「出来ちゃった・・・」
佳菜子　「まあ！！　赤ちゃん？」
悠希　　「うん」
佳菜子　「おめでとうございます」
悠希　　「うん　ありがとう」
佳菜子　「？　なにか訳あり？」
悠希　　「あっ　剛の子なのは間違いないの」
　　　　「でも・・・」
佳菜子　「ひょっとして　お店のこと」
悠希　　「そうそれ」
佳菜子　「わたしもだけど」
　　　　「それは悠希姉さん気にしすぎ」
　　　　「大ママも喜んでくれるよ」
悠希　　「ゴメンね}
「佳菜子ちゃん戻ってからって決めてたのに」
佳菜子　「わたしこそ　無計画で　すいません」
悠希　　「佳菜子ちゃんは悪くないよ」
　　　　「さて　どうしよ」
佳菜子　「そんな時のために　みんないるんだよ」
　　　　「亜紀姉様達に　相談しましょう」
悠希　　「お店は私たちの問題だよ」
佳菜子　「悠希姉　亜紀姉様もっと頼って」
　　　　「良いと思うよ」
　　　　「いつも亜紀姉様　言ってるよね」
悠希　　「・・・・・・そっか」


　悠希はそろそろ夫、剛との子供が欲しいと考え始めていて、佳菜子が現場復帰する頃を見計らって１年後程度を見計らって避妊薬の服用も控えめに体調調整を意識して始めていたのだった。
　そんな中で起きたのが、剛の激しい求愛であった。
　剛は亜紀との関係があるから悠希の「美あんず」での活動には寛容であったし、悠希の仕事への理解もあり協力的な夫でもあったのだ。

　もちろん裏社会の実力者であるから、必要以上に悠希の周囲には係わらないようにもしてくれていたのだ。
　だからこそ悠希は夫の希望は応えようと努力していた部分もあったの事実だ。
　剛は一途で一本気な性格だから、悠希と結婚しながら亜紀の誘惑抗しきれず関係を続けていることを負い目に感じていたのは悠希も気がづいていなかった。
　年月が経つにつれて、彼の思いに変化が生じていることも彼女は全く気がついていていなかったのだ。

　剛が所属する組織では、彼が父と慕う組長の病状がいよいよ深刻になり世代交代が予期される状況であった。
　彼を喪失の恐怖が襲う。
　そんな男が逃げ込むのは、いつも傍で支えてくれる美しい妻であった。
　彼女は察しが良くて余計な言葉も決して吐かないが、なにも言わず彼の必要なときに傍らにいて支えてくれるのだ。
　いつしか彼の心の大半に占めているのは妻悠希となっていたし、彼にすれば妻の肢体にしか心の逃げ場がなかったのだ。

　剛は１度火がつくと情熱的だ。
　悠希にしても夫相手だから求められれば応えてしまうのは避けられない。
　もともと悠希が剛にベタ惚れだったし、彼の子供が欲しいという女特有の気持ちを我慢していたのも事実だ。
　そんな生活を１ヶ月ほど続ければ起きうる結末を悠希も一瞬頭をよぎったはずだが、夫との熱い毎日に押し流されていってしまう。
　理性的だ、頭脳派だと、いろいろ言われてもオンナは結局は「女の業」に囚われてしまうのだった。


　悠希妊娠報告を受けると、亜紀を中心とする「美あんず」は抜群の結束力をみせる。

　亜紀が夫達に自ら協力のお願いに動くものだから、夫達は自然と説得されていく。
　亜紀は基本的に「美あんず」メンバーに役割をお願いする際には自ら彼女達の夫達を含めて周囲の根回しに動くし、なによりメンバーの意見をキメ細かく訊いていくことを怠らないのだ。
　根本的に「美あんず」では日常から女の大事業である妊娠出産には協力し合うことを誓い合っているから、皆が自発的に協力を志願する

　美琴と莉佳が大きな成長を見せているし、彩佳が優先的にホステス業に取り組むことになったのだ。
　同時に敬子も可能な限りアルバイトホステスとして参加し、美帆も志願して応援することになったのだ。
　敬子はもともと興味を持っていたし、姉のように慕っている悠希の気持ちに寄り添い志願したのだ。
　美帆は実は１年ほど銀座の有名店で働いた実績があると明かされて皆が驚いたのだ。
　
　こういう動きほど同志を結びつける出来事は無いであろう。
　倶楽部の休日に、敬子と美帆の２人相手に講習会を開いたのが、もとより既に有名人で要領の良い敬子は即戦力であり、一応経験者である美帆は悠希がビックリする程の才覚ある存在だったのだ。
　美帆は健二に出会い有名企業を退社後、銀座のホステスになっていたのだが、人気が出すぎて健二に辞めさせられたという話だった。

　悠希にすれば、出来ればと彩佳と敬子が深くホステス業に関わってくれればと思っていたことが自らの妊娠によって果たされるとは思っていなかったし、全く盲点だった美帆という逸材を発見したのだ。
　美帆が働いていた有名店は悠希も知っていたので、知人に通じて情報がないか調べたところ、わずか２ヶ月ほどでトップ争いをするほど有名になり未だにファンがいるという噂を聞いてびっくりしていたのだ。
　改めて健二の人脈と人望に驚いてしまう。

　もともと彩佳は週に１－２日出勤だったのだが、平日フルの５日出勤にしてくれたので大好評だった。
　アルバイトホステスで出勤が少なかったのだが、それでも異例の担当指名客が複数人いる状態だったので、ほぼフル出勤になるとあっという間に二桁の担当指名客を掴んでいて美琴と莉佳の２人に追いついてしまう状況だったのだ。
　同行客でこれまで担当指名を持っていなかった層に待ち望まれていた状況で、悠希は期待していた通りだったから嬉しくて堪らない。

　敬子は源氏名「ケイ」で週３日程度出勤してくれるのだが、もともと倶楽部内で有名人だから指名を変更したいという顧客が現れて店内で波紋が広がるという嬉しい誤算も起きるほどであった。
　一応、悠希と佳菜子の顧客はお留守番ということで問題なかったが、他は色々と悠希は苦慮する事態となったのだ。
　もともと店内で存在を知られていて人気者だが、ホステスではなくお客様だったのがホステスに立場が変わると顧客のリアクションがこんなことになるんだと驚きと共に悠希も学んだのだった。

　そこに美帆が悠希の期間限定ピンチヒッターとして源氏名「マリア」で参加した結果、悠希の顧客の大半を引き継いでくれたのだ。
　当然、悠希や佳菜子が休業すると来なくなってしまう顧客もそれなりに出てしまうのは避けられなかったが、ここで美帆の秘策が炸裂する。
　自らが神戸で期間限定現役復帰したことを昔の太客達に伝え、強力な営業力を発揮してみせたのだ。
　結果、続々と太客達が美帆に会いに通い始めて、失った売り上げを補って有り余るほどになるのだった。

　これには悠希も驚いたが、亜紀と郁美もビックリであった。
　美帆曰く、ホステス業は実は天職かもと思い楽しかったのだが、健二のヤキモチが凄くて辞めさせられて心残りだったらしい。
　亜紀の要請で、さすがの健二も今回なにも言わなかったらしく、彼の心情は郁美と麻輝がフォローすることになったのだった。

　悠希自身は仕事自体大好きでギリギリまで出勤するつもりであったが、凌を中心とする夫達の過保護圧が凄まじく「美あんず」病院に箱入りさせられてしまうのだった。
　そこで初めて郁美達の箱入りされる気持ちを身をもって知るハメになったのだった。

「そんな　過保護すぎ　まだ大丈夫なのに・・・」

　オンナ達の戸惑いは以後度々繰り返されていく。


つづく
【前頁】/【次頁】
あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
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2022年7月17日掲載
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