ずっと愛してます4
羅衣 作
第50話　海水浴


　とある夏の日、徹の軽い冗談から海水浴に行くことになった。

　メンバー徹・敬子夫婦を中心に涼子、麻里、直子、そして偶然神戸に来ていた佳子と優花だ。
　徹は、正にハーレム状態になった海水浴に、トキメキが半端ない状態であった。
　事の発端は、涼子に学生生活最初の夏だから海水浴とか行こうかと軽口を言ったことだ。
　涼子は若手女子の中で一番行動力があるから、あれよあれよとキャスティングして実現してしまったのだ。

　涼子は奔放女子だが、完全に徹派だし彼のための配慮が行き届いている。
　それでいて、しっかり「美あんず」次世代女子らしく他の徹派女性陣への配慮も怠らない。
　まずトップ格の妻敬子へ話を通して、企画を進める手際の良さだ。
　そして麻里と直子も誘い、徹シンパで実力者の佳子に声を掛けるやり手だ。
　佳子は二つ返事で参加を決め、それならばと畑中優花を連れて現れたのだ。

　当日は「会」用のアルファードを借りて、徹運転で出発した。
　車内は　徹２３歳、男１人に対して、１８－２２歳女６人のハーレムカーだ。
　女性陣は皆芸能人級の美女揃いであり、人妻２人を含む構成だがほぼ同年代で会話がキャピキャピになってしまうのは避けられない。
　そして全員の感心が徹にあるのだから、本人が居てもお構いなしの赤裸々暴露話が止まらない。

　女の集団心理ほど怖いものは無い。
　優花は訳ありで、まだ徹とは身体の関係が無い唯一の子だが、その彼女に過去の辛い記憶を癒やすには徹がオススメと皆で勧めるのだ。
　徹にすれば、彼女達は自らライバルを増やすことになるのに、そんな言動する彼女達が理解できない。
　その中に愛妻、敬子がいることが信じられない。

　実は「美あんず」メンバーには、優花の辛い経験を概略情報共有しているので、彼女への支援の輪が根付いていたのだ。
　特に涼子達３人娘にすれば、等身大で他人事の話でなかったから尚更だ。
　男性恐怖症が発症している彼女へ皆が手を差し伸べている状況であり、彼女達の共通認識として唯一の例外になっている徹が果たすべき役割は重要だというものだ。
　今回も人混みを怖がっている優花を動かしたのも、徹の存在なのだ。

　須磨海水浴場に到着すると、徹の胸騒ぎの一日が始まった。

　徹がアルファード周囲を見張る中、カーテンで遮蔽した車内で女性陣の着替えが始まった。
　思えば彼女達の水着姿なんて見たことが無いから、ワクワクが止まらない。
　一気に６人もの水着姿を独り占めするのだから、バレたら男性陣からの怨嗟の声が出そうな事案でもあるが、彼女達は自分のモノという意識が強いからそんなこと気にしない。

　真っ先に着替えて出てきたのは涼子だ。
　ビキニ姿で、オレンジ色のフリルバンドゥブラとグリーンベースのフラワー柄ショーツという若々しい大胆なスタイルだ。
　もう徹はガン見してしまうが、涼子にすれば彼に見せる前提だからクルクル回って披露する。

　続いて出てきたのは愛妻敬子だ。
　メイド服モチーフにした白黒色ビキニで、ブラ部は幅広でメイド服風に白い紐状とフリルで彩られた可愛いデザインにショーツは黒一色のシンプルなモノだが、彼女のウエストの細さが際立っていて超セクシーなものだ。
　彼女が妻だと思うと誇らしい気持ちになる。
　ちょっとはにかんだ表情に萌える。
　
　次は麻里と直子が一緒に出てくる。
　麻里はブルー色のビキニで、ブラ部はレースカーテンで覆われていて胸元の露出を抑えたスタイルで、ショーツはサイドリボン付きの可愛いなものだ。
　もう既に徹はオドオドするが、目の保養にニヤニヤが止まらない。
　直子はワインレッド色のビキニで、ブラはスポーツブラ風で肩周りまでしっかり露出したスタイルで、ショーツはシンプルなものだ。
　元気娘直子らしい活動的なもので、最近関係が深くなっている彼女の水着姿に鼻血噴く寸前だ。

　最後に佳子と優花が出てくる。
　佳子は白いビキニで、ブラ部とショーツの間に紐状のあしらいが何本もあるタイプで、ショーツは結構小さいタイプだ。
　究極のお嬢様だった人妻水着姿は神々しいばかりだ。
　優花は佳子が用意してくれた白いワンピースタイプの水着だが、肩紐やウエスト周りはレースの透け感があるものであるから決して控えめな印象はないものだ。
　ちょっと伏し目がちな彼女にキュンとしてしまう。

　勢揃いした彼女達の目立ち方は半端ない。
　徹はビーチパラソルやクーラーバックを抱えてあたふたするが、それも楽しいひとときだ。
　レジャーシートなどは女性陣が整えてくれるが、準備に忙しい徹そっちのけで日焼け止めやサンオイルの塗りっこを始めてしまう。
　ビーチパラソル２本立て終えて、しっかり固定してホッとした矢先に愛妻のリクエストが飛んでくる。

敬子　「徹ぅ　背中　日焼け止め塗ってぇ♡」
徹　　「おーけい」

　徹にすれば、一番楽しみな時間が訪れた形だ。
　水着中まで遠慮無く手を滑り込ませて塗り塗りして、極上の女体を満喫する。

徹　　「前もムラになっているよ」
　　　「ちょっと塗り直し　こことか」
敬子　「はぁん　ああ　はぁん」

　周囲から寄せられる羨望のまなざし。
　敬子が両腕、両脚までしっかり塗り終わると、佳子からすかざずリクエストがある。

佳子　「では　優花ちゃんから　徹　塗ってあげて」
優花　「えっ　でもぉ　わたし」
涼子　「遠慮無く　徹さん上手だから心配しないで」
直子　「うん　私たちは後で大丈夫」
麻里　「ふふふ」
徹　　「よし　優花ちゃん後ろ向いて」
優花　「うん・・・・・あん♡」

　一瞬ビクッとした優花だったが、徹の優しいマッサージにうっとりして癒やされていく。
　徹にすれば、傷ついた彼女の心が心配で堪らないからいつも以上に丁寧になってしまう。
　途中ギュッと腕を掴んでくるから、心配になって顔を覗き込んでしまう。
　瞳がウルウル艶っぽくなっており、焦って手を止めると逆に続けておねだりされる。
　こういう時の女心は未だ分からないなと思いつつ、スベスベで吸い付くような肌に心奪われる。

　優花は美形で可憐なタイプで、「会」が触手を伸ばしたのは分かる気がするが、それにしても彼女の心を傷つけるような手段を行ったことは心外だった。
　ただ自分自身も「会」の一員であるから、その罪を償う必要があると考えていた。
　彼女は沢山いるだろう犠牲者のたった１人かもしれないが、その１人を助けることから全てが始まるのだと思うのだ。
　そんな建前をよそに彼女の魅力に前のめりになっていく自分が抑えられない。

　その様子を佳子は見逃さない。
「はい次は私」と、徹の気持ちを絶妙なタイミング遮断してくれる。
　一瞬に優花を手放したくないと感じて目が泳ぐが、代わりに手に入った佳子の肢体は極上だ。
　すぐにデレデレ鼻の下が伸びてしまう単細胞だ。
　その様子を敬子と３人娘は見逃さない。
　女ほど本音と建て前が矛盾だらけな存在は無いのだ。

「優花は癒やしてあげないといけない存在」
「徹　頑張ってね」
　と言いつつ、
「徹　私だけを見て　なによデレデレしてムカつく」
　が本音なのだ。

　徹は薄々女達の矛盾ぶりに気がついているが、それを理解しても無駄だと思っていた。
　無視して手に入れた女体を楽しんで、あとのフォローに役立ててれば良いと見切っていたのだ。
　だからお構いなく佳子の肢体を楽しむ。
　そもそも皆の弱点は知り尽くしているのだ。
　３人娘も手淫で餌食にして艶っぽい歓声があげさせるだけだ。
　徹にすれば、もうハーレム状態だ。

　波打ち際での水かけ合いも楽しくて仕方ない。
　妻達のキャッキャッと普段見せない素の姿に、徹はすっかり心奪われていた。
　実は泳げない佳子が必死で浮き袋に縋り付く姿に萌えてしまう。
　麻里は意外に大胆に動き回って、ポロリしないかとハラハラしてしまう。
　涼子は悪戯っ子で、徹の海パンをズリ下げようと狙ってくる。
　直子は最近妙に落ち着いてきて、アクエリアスを飲んでいるだけなのに色香が溢れているからドキドキする。
　優花は同年代の女の子達に囲まれて、気がつけば笑顔を取り戻しつつあった。

　徹には周囲の男達による怨嗟の視線が集中する。
　６人のビジュアルは、間違いなく浜辺では飛び抜けているから目立ち方が半端ない。
　ただ徹自身もアスリート体型で甘いマスクでビジュアルが完璧だから、周囲の男達黙らすのに十分な存在感を発揮する。

　たが徹自身も、彼女達が妻と事実上愛人状態なのだと思うと、正直自分はかなり幸せ者なのだと改めて自覚したのだ。
　妻、敬子が寛容だから今のハーレムはあり得るのだ。
　なにより八頭身である敬子の美しさは際立っていて、改めて眩しくて心を奪われる。
　徹＆麻里ｖｓ敬子＆涼子で、軽くビーチバレーを楽しんだのだが、敬子が運動神経抜群だからラリーが続くので白熱する。


　佳子は、敬子のポテンシャルに唖然としている。
　佳子にすれば、敬子は郁美が妹扱いしている容姿端麗な若い運の良い女の子だと侮っていたところがあっただけに、ビックリのポテンシャルを見せつけられて自信喪失してしまっていたのだ。

　徹という逸材男子を夫にするだけの最強女子だったと思い知らされたのだ。
　亜紀と郁美があまりに眩し過ぎて、今まで気がつかなかったと言って良いだろう。
　思えば祖父達は気がついていたから、長らく温存していた「アフロディア」という称号を与えたのだ今頃知ったのだ。
　当たり前のようにふざけてバック転を決める敬子の姿に、「美あんず」が数百年も続いた五摂家体制を圧倒して席巻している理由を認識したのだ。
　そして九条家本家に嫁いできた環の新体操師匠は敬子であり、実兄は徹なのだ。

　そう認識して涼子・直子・麻里の３人娘を改めて俯瞰すると、彼女達も敬子の輝きに隠れて目立たないが逸材揃いの子達なのだ。
　麻里に至っては佳子の大学の後輩で、先程聞かされて知ったのだが、鷹司伽耶と友人関係を成立させて環と繋げているというのだ。
　姉、瑠璃子から託された「美あんず」東京代表の役割を疎かしていたことを思い知る。
　彼女達は年下だが、もうすっかり亜紀と郁美と連携していて、彼女達からたっぷり「魔性」の系譜を受け継いでいるのだ。

　佳子自身、徹の魅力に囚われていたところもあるだろうが、郁美に追いつくと言いながら自らの快楽を優先したところもあったから、ますます出遅れてしまったのだと知ったのだ。
　亜紀と郁美は、既に次世代女子もしっかり育成済みであり、広い世代に渡る男達を魅了し始めている。
　そんな思い悩む佳子と目線があった徹は、笑顔でおいでと合図してくれる。
　その笑顔にキュンとしてしまう彼女は女全開だ。

徹　　「佳子　バレーしよ」
佳子　「わたし　無理　運動苦手だもん」
麻里　「あはぁはぁ　佳子姉様　楽しいよ」
　　　「私　ちょっと休むぅ」
佳子　「えっ」
徹　　「おーけい　佳子いくよ」
佳子　「もう　あっ」

　急に腕を引かれ後ろから抱きしめられる。

徹　　「佳子らしくないよ　暗い顔して」
佳子　「あん♡」
徹　　「君は天真爛漫が魅力なんだよ」
　　　「佳子らしく　さあ　いくよ！！」
佳子　「でも」
徹　　「さあ笑顔で　心配いらない」
　　　「俺がいるから　大丈夫」

　キュンキュンが止まらない佳子だが、飛んでくるボールに焦って対応する。
　向こうでは敬子が笑っている。
　なんとかボールは拾うがあらぬ方向に飛んでいく。
　そのボールをフォローして当たり前に打ち返す身体能力の高い徹にまたまたキュンとする。
　実は涼子達も佳子とどっこいの運動神経なのだ。
　ラリーが続くのは、徹敬子夫妻の卓越した運動神経の賜なのだ。

　佳子は浜辺で無心に遊んだのは初めての経験かもしれない。
　いつしかキャーキャー年齢相応の嬌声をあげて、走り回る姿を見せていた。
　以前の彼女ならば、すぐに腕が痛い、キツいと、不平不満を言って止めていたことだろう。
　実際問題、佳子と涼子はあたふたと走り回っているだけであった。
　それでも今で経験したことの無い甘酸っぱい青春を感じたのだ。

涼子　　「優花姉　交代しよ」
　　　　「わたし　もう駄目　キツイ」
優花　　「えっ！！　わたし？」
直子　　「うん　思い切って　してみよ」
　　　　「絶対　した方が良いよ」
涼子　　「はい　優花姉　よろしくぅ」
優花　　「わたしも　運動は自信ない」
敬子　　「あはぁはぁ　楽しめば良いの」
　　　　「いくよ！！」
佳子　　「いくよ！！　優花！！」
徹　　　「おりゃ！！」
優花　　「えっえぇぇぇぇぇぇぇ！！」

　優花は負けず嫌いで、何事も前向きに取り組んできた女の子だ。
　保育士を志したのは、幼少期に自分が接した１人の保育士への反抗心が理由だった。
　その保育士は何事も平等同一を重んじるスタイルで、個性や目立つ子を徹底的に抑制する人だったのだ。
　優花は頑張って誰よりも早く決め事や課題を済ますタイプだったのだが、なぜ皆に合わせられないのか、遅い子を手伝わないかと褒められどころが怒られる毎日だったのだ。
　平凡・協調を重んじる周囲にも、常に違和感を覚えて成長したのだ。

　そしてあの幼児教育は「否」との思いを強くして、自分自身が現場で戦うことを志して保育士になったのだ。
　それが自分自身が女であることにより、思いにもよらないに荒波に飲み込まれるきっかけになるのだった。
　しかしそのことにより徹と佳子に出会い、その夢を実行しうるチャンスを得たのもの皮肉な話だ。
　身も心も荒んだ代償に、保育士より高位の「乳母」資格制度があることを知り、そのチャレンジする機会を与えて貰ったのだ。

　「乳母」資格には、誰でも簡単にチャレンジできるものではなくて、厳密な審査・選抜を経ないと出来ないのだ。
　そもそも優花は、そんな資格が日本にあるなんて知らなかったし、一般の資格ではなくてHIGH SOCIETY社会に向けての特殊なモノなのだ。
　優花は佳子の推薦で、そのチャンスを頂いたのだ。
　「乳母」資格は、保育士資格にとどまらず、看護師資格や栄養士資格など関連する全て最上資格を習得することを求められる総合資格でもあるのだ。
　それを最短で１８から１９歳には超法規的特例で全て習得し認定されるのだが、優花は２０歳からのチャレンジであり同級生は皆１６歳前後の子達ばかりだ。

　ここで負けず嫌いな性格が発揮される。
　まだ入門数ヶ月だが、既に学年トップクラスの成績で頑張っており、推薦した佳子の株が上がる結果になっていた。
　もともと保育士有資格者ではあったが、同級生は年下でも既に厳しい選抜と教育を受けてきた優秀な女の子達相手の競争だから優花の成績は驚くべき結果なのだ。

　「乳母」学習競争は激烈であり、卒業すれば良いというものではないのだ。
　まず「乳母」として合格し卒業できるのは２－３割にすぎず、それ以外は不合格で「乳母」に認定されないのだ。
　不合格でも、過程で習得した保育士や看護師、栄養士などの資格は残るが夢は破れるのだ。
　「乳母」合格しても更なる選抜が待っている。
　「乳母」資格は、卒業認定時に「甲種」「乙種」「丙種」と３段階にランク付けされて、その差は以後覆すことが出来ないもので、そのランクでその後の待遇や職務が定まってしまうのだ。

　「甲種」は最上位トップエリートであり、五摂家か、それに準ずる名家に仕えることが許される層で、その待遇はHIGH SOCIETYなもので、九条家から来た芽生や美雪達が該当する。
　「乙種」は最上位に成れなかった所謂優等生で、一般名家や企業創業家そして経済界有力者の元に仕えることが許される層で、その待遇はそれなりにHIGH SOCIETYなものだ。
　「丙種」は上位二種には及ばなかったが「乳母」を名乗れ、該当する職に就くことが出来る層であるが、「乳母」合格者の７－８割がこの等級で、その待遇は本人の頑張り次第なのだ。

　そんなライバル約１００人の中で勝ち残らなければ、事実上脱落という激しい競争にかなり出遅れて戦っている優花の根性は実は半端ない。
　皆が退く勢いでボールを追いかける。
　しかしその差がチーム間のバランスを崩していく。
　次第に敬子＆優花チームが優勢になっていく。
　佳子はどさくさに徹に抱きつくことしか頭にないエロ女子だから、徹の孤軍奮闘も限界に達しつつあった。
　敬子は勝負事になると容赦しない。

徹　　「マジか！！　敬子　ムキになり過ぎ」
敬子　「へへ　悔しい癖に」
徹　　「うむぅぅぅぅ」

　結局、徹組は完敗であった。
　そんなこんな楽しいひとときを過ごすと、別人のように明るく話す優花の姿に皆が和む。
　その横で、どさくさに紛れて徹とイチャつこうとする佳子が、敬子に見つかりワチャワチャし始める。
　逃げた徹は３人娘とまったりしだすが、それを佳子と敬子に見つかり大騒ぎになる。
　それを第三者目線で見ていて、優花は大爆笑。
　しかし、しっかり徹と手を繋いでいる優花は、実は恋愛巧者だったのだ。

　優花は、出会って以来、ずっと徹を見つめていた。
　絵に描いたようなズバ抜けた美男子で、女性への気遣いは驚くべきレベルで、なにより彼女自身を地獄から救い出して守ってくれた恩人でもある。
　アラ探してもモテ過ぎて、かなり女好きなくらいしか無い。
　でも彼と関係がある女性達は皆笑顔に包まれており、皆が彼との関係を心の拠り所にしているのが伝わってくるのだ。
　女は本質的に嫉妬深いのだが、それを打ち消してしまうほど彼の存在は眩しいのだ。


　徹のハーレムな夏休みの１日は、こうして過ぎていった。

　その夕刻、敬子の提案で、京都の研修所に帰る優花を徹がクルマで送っていくことになったのだが、出会って以来今まで見たことがないほどケラケラ笑う彼女が眩しくて堪らないのだ。

　徹の夏は、まだまだ終わらないようだ。

　優花は、自身が女として再スタートするには徹しかないと確信していたし、それが「乳母」の夢に向かって戦うには必要な関係だと感じていたのだ。


つづく
【前頁】/【次頁】
あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
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2022年10月23日掲載
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