| ずっと愛してます4 羅衣 作 |
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| 第51話 優花 徹は、優花を京都嵐山にある研修所に車で送ることになったが、名神高速道路が事故渋滞でやむなく一般道に降りて向かうことになってしまった。 当たり前だが、一般道は高速渋滞の影響でやたら混んでいる。 優花とドライブデート感覚で楽しいのですが、正直、ビーチバレーで頑張りすぎたので辛かった。 次第に帰りは断念してどこが一泊して、朝に帰ろうかと思い始めていたのだ。 優花は現代風の美女で気になっている存在だし、今日の出来事を通して笑顔を取り戻してくれて嬉しかったのもの本心だ。 気のせいか、急に彼女から色香を強く感じるから、密室である車内で二人っきりはドキドキしてしまう。 でも彼女は性的なことで傷ついていると思っているから、いつも以上に自分の欲望には抑制的だ。 それなのに今日の彼女は積極的で、しきりにボディタッチしてくるから大変だ。 ビーチでは３人娘と佳子が猛烈なセックスアピールしてくるからタジタジで、彼女達のノリに合わせての優花の戯れだと思っていたのだが、２人だけになってからもそれが止むどころか激しくなっていたのだ。 もうそれは拷問に等しい。 徹の女性大好きは病気レベルであるから、次第にモヤモヤしてくるのは避けられない。 優花はしきりに彼を誘うサインを送るが、抑制モードの彼は意外と頑強だ。 彼女は初めて心底から信頼して大好きになった徹に、意に染まない男達に抱かれて汚れきった肢体に彼の存在を上書きして欲しかったのだ。 彼には汚れた体で出会いたくなかったし、心に負った傷は永遠に消えることは無いであろう。 それでも彼に出会って前を向いて生きていく勇気を得たのだが、女は挿入される性だけに肢体に痕跡を感じる生き物なのだ。 何度も入浴し何度も洗っても、陵辱した男達の感触と体液の匂いは洗い流せないのだ。 レイプ被害に遭った女性達を最後まで苦しめるのは、記憶では無くこの感覚なのだ。 これを女が乗り越えることが出来るのは、信頼して愛してくれる男性がいてこそなのだ。 優花の場合は、徹だけなのだ。 彼には汚れた肢体で申し訳ないとの思いもあるが、そこは甘えたいとの縋るような切ない気持ちだ。 彼の妻である敬子は同意してくれたから、実は優花は自由で大胆になったのはそういう理由だったのだ。 そんな彼女にチャンスが訪れる。 徹は会話の中で帰りどこか泊まって朝帰ろうかなと漏らしてしまうと、彼女の突然の行動に驚かされる。 研修所に突然、電話し出すと翌朝帰ると話し始めるのだ。 続いて敬子にまで電話し始める。 何事かとオタオタしていると、スピーカーフォンで敬子と話すことになる。 優花 「敬子さん 今、スピーカーです」 敬子 「はい 徹 高速事故で混んでるんだ」 徹 「ああ 今 一般道だよ」 敬子 「そうなんだ 大変ね」 優花 「はい で 徹さんどこかで泊まって」 「朝 帰りたいそうです」 徹 「あはぁはぁ ちょっと今日はしゃいだしね」 敬子 「まあ 疲れて事故したら怖いもんね」 徹 「じゃ 朝帰るね」 敬子 「うん 分かった」 優花 「では 徹さん お預かります」 敬子 「えっ あは そういうこと？」 徹 「えっ？ なに？」 優花 「うふっ すいません」 敬子 「分かりました 癒やしてあげてね」 優花 「はい」 徹 「どういうこと？」 敬子 「ふふ 頑張ってね あなた！！」 困惑する彼をよそに電話切れてしまう。 優花 「徹さん 疲れたでしょう」 「どこかで 休憩しましょう」 徹 「マジで！！」 急展開に驚くが、信号待ちの間にナビをサクサクと操作する彼は根っからの女好きだ。 １度歯止めが外れると暴走車と一緒なのだ。 急に脇道に進路変更すると、生き生きと運転し一分一秒でも早くたどり着こうとし始める。 もう脳裏で優花をどのように食べるかシミュレーションが全開であった。 途端に元気一杯となった彼の勢いに、優花はワクワクが止まらない。 調教されて男無しでは生きられない肢体にされてしまったのだが、あれ以来奇跡的に男断ち出来ているのも実は徹という存在があってのこそなのだ。 正直、これまでは自分で慰めてきたのだが、そろそろ限界であったのだ。 目的地は、ホテル ク○ウン/京都 であった。 到着すると手慣れた勢いで駐車する。 その動きに無駄がなくて、実に手早いから優花の行動はワンテンポ遅れてしまう。 あれよあれよとホテルロビーに連れて行かれるから、彼女も気恥ずかしいとか余計な感情抱かずに済む。 彼は「岩盤浴」があるとテンションアゲアゲだし、好きな彼とこういう普通の時間を共有するだけでホッとするのだ。 優花から見て徹は素敵な男性だけど、よその旦那さんでもあるから彼の奥さん敬子が羨ましい。 目が合えば少年のような笑顔でキュンとさせてくれるし、それでいてなにか企んでいると感じるが彼への信頼がそれを上回るからますます依存してしまうのだ。 この数ヶ月、わざわざ嵐山の研修所まで何度も尋ねてきてくれて、それでどれだけ励まされたか言葉では言い表せない。 「乳母」研修生は処女・男子禁制が求められるから、優花は学ぶことは本来許されない存在なのだ。 それを九条家-綾小路家の意向によって、例外中の例外で認められた背景がある。 優花の経緯に関しては同然、「会」の方も負い目もあっただろうし、そこに「山田 徹」が深く関わっていることも無縁ではない。 彼り背景には、郁美だけではなく亜紀、佳子、そして実妹環の存在があり、「会」にとってはセンシティブな存在そのものなのだ。 当たり前だが「乳母」研修所は教員関係者以外は男子禁制の「女の園」でもある。 そこに徹は優花を尋ねてやってくることになる。 これも本来は許されないことだが、誰も彼に注意喚起することが憚られて出来ないゆえに放置されていたのだが、優花の経緯から彼がそういった部分をフォローしてくれるなら良しとする部分もあったろう。 ただ年頃の少女だらけで、あらゆる恋に憧れる子達しかいない「女の園」に、絵に描いたような王子様がやってくるのだから少女達は興味津々だ。 優花は彼女達より４－５歳年上で異端な存在だ。 当たり前だが、彼女達に優花が直ぐに溶け込めるはずもない。 それなのに早々に成績優秀者に名を連ねる彼女が面白いはずもない。 ただイジメや誹謗中傷、言動など、発覚したら直ちに退所処分であるから、抑制されているに過ぎない。 そこに現れた徹の存在で、状況が一変する。 楽しげに徹と会話している優花の姿は、少女達には衝撃的すぎたのだ。 少女達は徹のことを知りたがった。 彼はあっという間に彼女達の心を奪ってしまった。 どういう形であれ、優花との年齢差に加えて男性経験の有無が絶対的な精神年齢の差を生んでしまうから、次第に少女達は優花と距離を縮めていくことになる。 研修所サイドとしては男子禁制の観点から優花の悪影響を当初は懸念したであろうが、ある意味、彼女は男性の怖さを教えられる生き証人でもあるから、「乳母」に求められる「性」というものへの受容性を深めることに繋がる結果になるのだ。 優花自身も自分は例外中の例外で異端者との自覚があるが、地獄を経て掴んだチャンスを逃すなんて気はサラサラ無い。 あの地獄を思えば、孤独も、プレッシャーも、ハードスケジュールも、大したことない。 そして学ぶ内容は、本来興味津々だったことばかりだし、保育だけでなく看護知識を学ぶと自ずと視野が広がることに感動しますます学ぶことにのめり込んでいったのだ。 唯一彼女を苦しめたのが、肢体の疼きだ。 １度覚えた肉体的な快楽はけっして忘れられない。 必死で我慢して、自ら慰める日々は拷問に等しい。 そんな時に尋ねてきてくれた徹に、彼女は救われたのだ。 会話するだけではあったが、彼の瞳を見つめ吐息を感じるだけで癒やされたのだ。 優花の両親とのやり取りでも、彼が間に入ってくれて支えてくることに感謝しかない。 室内の柔らかい照明に安らぐ。 優しくソファーに座ることを勧められる。 彼にはガツガツしたものを感じないし、自分を未だ心配して気遣ってくれているのが痛いほど分かる。 ミネラルウォーターを当たり前のように開封して渡してくれる姿に癒やされる。 少年のようにニコニコして、ずっと岩盤浴って言いながら室内を動き回る姿に元気だなと思いながら見つめていたのだ。 ２人になると彼は「優花」と呼び捨てで呼んでくれるが、いったいいつの頃からだろうかとふと思う。 あまりに自然で違和感なく今まで来たけど、今日まで恋人でもないし特別な関係でもないのだ。 それなのに彼への依存はもはや親兄弟を越える以上の存在なのだ。 自ら彼を唆してラブホテルに来てしまったが、彼とはまだ肉体関係は無いにも関わらず、彼が傍居るというだけで心身がリラックスしてしまっているのだ。 徹 「優花 準備できたよ 来て 来て！！」 優花 「うぅぅぅん なに？」 「あっ！！ 凄い！！」 徹 「岩盤浴！！ ジェットバスもオーケー」 「入ろ！！」 優花 「あっうん・・・・・・」 目の前で、あっという間に上半身裸になる彼。 アスリート体型の逆三角形にキュンとして見とれてしまう。 その彼が近づいてくる。 背後に回ると、唐突に首筋に顔を埋めて抱きついてくる。 優花 「はぁん あん♡」 優花の中でなにかが弾けた。 抱きついてキスをねだってしまう。 ガツガツしているのは明らかに彼女の方だから、徹は苦笑するが決して彼女を裏切らない。 絶妙な加減でギュッと抱きしめる。 華奢な優花は一瞬息が出来ないが、解き放たれた瞬間に甘い吐息が漏れて一気に甘えモードになってしまう。 手慣れた手つきで衣服剥かれていくが、自ら協力してしまうし、彼女の両手は逞しい彼の胸板を妖しくなぞっている。 キスがこんなに癒やされるなんて初めての経験だ。 夢中になりすぎて、彼の唇が離れると自分の舌が虚しく空をきると恥ずかしくなる。 そこで自分は恥じらいを失っていると自覚するから、謝りの言葉発そうとする。 その唇を彼の指に封じられる。 徹 「優花は 綺麗だよ」 「いろいろ経験したけど」 「それで優花は もっと綺麗になれるよ」 「全てはプラスになる」 優花 「・・・・・・・・・・・」 徹 「だからなにも考えず」 「自分らしく 行動して」 「怖がらずに」 「いつでも僕が見ていてあげるからね」 優花 「徹さん」 徹 「おっと やっと素に笑ってくれた」 優花 「えっ そうかなぁ」 徹 「はい バスタオル拡げて持って」 優花 「えっ あっ はい」 その瞬間、スルリとブラを外される。 バスタオルを巻き付けながら、彼の気遣いにまた惚れ直す。 「美あんず」の皆が彼に夢中なのは当たり前だと思った。 女の羞恥心を完璧に把握しているのだ。 後から思うと自身でもそんなに素直に従ってしまうとは思えない行動してしまうのだ。 バスタオルを巻いた中に手を入れられて、パンティを下げられて促されて足から抜かれてしまうのだ。 かなり大胆な行動だ。 そうこうするうちに目の前で彼が全裸になるものだから、彼女の方が狼狽えている状態だ。 そもそも彼とホテルに来るように画策したのは、彼女の方であり今更という話だが、それが面倒くさい女心というヤツだ。 彼がタオルを巻くまでの間に、しっかり視姦済みだ。 岩盤浴室に入ると、ムッとした熱気に包まれる。 促されて寝そべると、日焼け止めたっぷり塗っていたのだが、思いの外に日焼けしており各所の皮膚がピリピリする。 彼もそうだったらしく、浜辺の出来事を思い出し色々と話し出す。 そんなたわいない会話が、優花の心に滲みる。 徹は話題に無理に優花の辛い経験を避けたりしないけど、自然体で常に前向きな言葉で言ってくれるから逆に彼女は負担を感じない。 肢体が芯から温まってくると、そばに彼が居る安心から自然と嬉しくて無口になってしまう。 すると彼は心配になったのか、顔を近づけて覗き込んでくる。 彼はどこまでも優花のことを考えてくれるのだと思うと、せつなくなりキュンキュンが止まらなくなる。 なぜだか分からない複雑な感情に包まれ、意図せず瞳に涙が溢れてくれる。 徹は運動しすぎで筋肉が張っていたから、岩盤浴を純粋に楽しんでいた。 もともと優花には興味津々だし綺麗な女の子だとの認識であったが、彼女経験は辛いものであって自身の欲望は二の次であり、彼女が前を向いて進むのを支援できれば一生彼女とはそういう関係に成らなくても良いとすら思っていたのだ。 それが急にこういう機会が訪れたから、焦らず彼女のペースに合わせていこうとずっと優しく見守っていたのだ。 だから２人で仰向けに寝そべっている状況で、彼女が無口になってきたので急に不安になった。 慌てて覗き込んだら彼女の瞳に涙が貯まっているのを見た途端自制心が崩壊した。 思わず抱きしめてキスしてしまう。 彼女も抱きついてきて激しく唇を求め合う。 そうなっても徹はどこまでも徹だ。 既にここに来て彼女もその気で無防備な状況なのだ。 彼女の経験を踏まえて、優花に対しては男として順番に拘る。 あえて凄い熱量の言葉で彼女に口説きの言葉浴びせかけて、本気で言葉で口説きにかかる。 そして彼女がどれほど魅力的な女の子なのかを讃えるし、それに自分がどれほど惹かれているか、を熱い言葉にして伝える。 優花は人生で初めて経験する愛の言葉に包まれる心も芯から温まっていくのだった。 徹が発した言霊の破壊力は、後に「美あんず」皆が驚くほどの効果を発揮するのだ。 優花は男達に一方的に陵辱されて自己防衛で心の一部を閉ざしていたから、感情の一部を失っていたのだ。 それは彼女が生きていく上で必要なことだったろう。 彼女には徹しか心から信じられる人はいなかったし、親兄弟には知られたくないという一心であった。 そんな彼からの誠心誠意の「愛の言葉」は、彼女の壊れかかった心を確実に癒やしていくのだった。 岩盤浴でイチャイチャしているうちに、みるみる優花が感情豊かに変わっていき徹ですら驚くことになる。 もともと明るく情熱的で活動的な女の子だったのだ。 女の子にすれば恋い慕う男性に、はっきり分かる形の言葉で愛を告げられれば嬉しくないはずもないし、もうキュンキュンして気分上々になってしまう。 ミネラルウォーターを飲むように促してくれるだけでもキュンとしてしまう。 徹は優花がキャラ変したのかと、戸惑っていた。 それほど彼女の反応が激変したのだ。 彼は自分の言葉がそんな変化を誘発するとは考えてもいなかったのだ。 そして彼は真剣に岩盤浴で優花は元気になったと思い込んでいたのだ。 天然な彼は、明るさ倍増した彼女にただただ夢中になっていくのだ。 「なんだ 優花って こんなに明るい子だったんだ」 楽しい岩盤浴を満喫して、続いてはバブルバスを楽しむことにする。 徹は普通に行動する。 浴室に移動すると、手早くダウンライトして彼女を誘導してエスコートする。 徹 「さて さっと汗流してバブルバス入ろ」 優花 「うん」 優花は自然とバスタオルを脱ぐことが出来たのだ。 もとより徹には裸身を見せることは拒絶感はないのだが、羞恥心はある。 あの忌まわしい男達にはそんな思いやりは無いが、なにも言わなくてダウンライト出来る徹はやはり女から愛されるべき男性なのだと思うからますます信頼度が爆上がりだった。 シャワーで汗を流してくれると、先に入浴するように促してくれる。 バブルに包まれるとなにも見えなくなるから、ますますリラックスするのが女心だ。 それなのに彼がシャワー浴びている姿はしっかり視姦するのが女なのだ。 彼が化け物様な巨根でないことを確認してホッとする反面、けっこうなモノがそびえていることに期待が高まるのが本心だ。 良くも悪くも、優花は既に女のアクメを知っているから、きれいごとでは無くて、やっぱり欲張りな顔はあるのだ。 一時はそんな感情は汚らわしく淫乱な女になってしまったと自己嫌悪の塊であった。 優花がそのネガティブな感情を乗り越えることが出来のは、徹の存在に尽きる。 彼が佳子、そして「美あんず」の女性達を紹介してくれて、目覚めた経緯はともかく女の劣情は決して悪いモノじゃないし、むしろ女の本質であって人生を豊かにするには不可欠なものなのだと知ったのだ。 それが「会」という組織の根幹に密接に繋がっているのだと理解したのだ。 そして優花は犠牲者でもあったが、徹と出会って一発逆転の成り上がりチャンスを得たのだから、開き直って徹底的に欲張りに生きていくのが倍返しなんだと感じつつあったのだ。 もともと容姿は自信があったし芸能事務所からのスカウトを受けたことも１度や２度では無いが、華やかな芸能社会には自分は不向きだし、小さい頃の志で進もうとした結果、こういう波乱の人生になってしまったのだ。 だからこそ本格的に人生を立て直すには、徹との繋がりは揺るぎないものにする必要があるのだ。 彼を惹きつけて夢中にする為であれば、彼女はどんなことでもやってのけるし既に自信があるのだ。 彼が湯船に入ってきた時に、戸惑いも無く自身の背後に彼が入るように誘導する。 自身の肢体には、彼を夢中にさせる絶対の自信があるし、絶対満足させると確信していたのだ。 その自信こそあの忌まわしき日々が彼女にもたらした唯一のモノだ。 背後から首筋にキスされて、彼に抱かれながら優花は女に本当に生まれて良かったと思ったのだ。 そして徹に出会って良かったと思っていたのだった。 「徹 大好きよ」 つづく |
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| 2022年10月29日掲載 |
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