ずっと愛してます4
羅衣 作
第55話　禁断の恋


　佐藤紗栄子２９歳、高校で理科担当を務めながら茶道部顧問しているタレント杉○杏璃似の美人教師だ。

　進学校ということもあって多忙な毎日だが、卒業生から彼女の講義は分かりやすくて良いとされ保護者からの評価も高くて仕事面では充実している。
　そんな彼女もプライベートはやや不遇だ。
　２年ほど前に結婚を意識した彼と別れを余儀なくされて、久しく男性と巡り会えず間もなく迎える３０歳という年齢の節目に揺れる日々を過ごしていたのだ。

　もちろん容姿が目立つ彼女だから、モテない訳ではないのだが彼女にすれば思い描く男性像とのギャップがあり一歩前に踏み出せないのだった。
　当たり前だが男子生徒から大人気であり、注目される毎日だ。
　実家が茶道流派の一門であったから当たり前のように茶道部の顧問を務めていたのだが、彼女の経歴と容姿から女子生徒達からの支持も高かったから多くの女子部員を抱えることになった。
　進学校といっても女子の最大関心事は「恋愛」だし、教師陣の中で若い世代で独身の紗栄子は格好の相談相手になっていたのだ。

　茶道部は、なぜか容姿が良い子達が多くて「美少女倶楽部」と揶揄されたり、「紗栄子恋愛講座」と言われることもある状況であった。
　紗栄子自身は恋愛難民だと思っていたが、女子生徒達の相談には真摯に向き合う毎日だ。
　立場もあるが少女達には性体験は急がず自分自身を大切にして欲しいといったスタンスで通していたが、彼女自身は実は男性に溺れた経験もありセックスもどちらかというと好きな方であった。
　だから大学時代からの彼氏とは結婚意識していたし、それなりに彼に依存していた部分も大きかった。
　その彼との不本意な別れは痛手あり、立ち直れず早２年近くの月日が経とうとしていたのだ。

　そんな時に茶道部での話題が、１人の男子生徒に持ちきりになった。
　数人とかいうレベルではなく、十数人の女子生徒達の注目の的であり大人気という様相だ。
　紗栄子はその様子にビックリするが、この状況は少女達の暴走を招きかねないと積極的に話題に介入する。
　多感な少女達は、ある意味ストレートに「女」を発揮して恋愛に勝つなら手段を選ばないのだ誰より知っていたからだ。
　紗栄子自身も高校生時代に当時憧れていた先輩相手に過激な騒動を起こした張本人であり、当時の近視眼で身勝手な行動を反省する現在があるからこそ少女達の気持ちが誰よりも分かるのだ。

　少女といっても既に肢体はもう大人で妊娠もしっかり出来る年代だから、恋愛となれば迷いなくダイレクトに「女」を発揮する。
　それは露骨な争いや嫌がらせに発展するのだ。
　経験者の紗栄子だけが知る、学生時代の思い出に傷をつける汚点に必ずなるのだ。
　人生の先輩として、可愛い生徒達には自分のような経験はさせたくないから必死だ。
　少女達は教師である紗栄子には決して性体験を赤裸々には明かしてくれないが、女性の先輩である彼女にはそれとなく察知する。

　そうなると今度は少女達の妊娠を懸念しなくてはならなくなる。
　幾ら性教育をしているとはいえ、まだ経験未熟な少女達が男性の欲望の前に押し切られてしまうのは普通のことだからだ。
　まして相手が同年代の少年だから、心配事は増すばかりだ。
　傷つくのは少女達だから一女性教師として見過ごすことは出来ないが、話を決して公には出来ないのも現実であった。
　そうこうするうちに３-４人の少女達の行動と言動に変化があって、紗栄子は焦る。

　話題の少年は柔道部の有名人なので、色々と理由をつけて様子を伺いに行くことにした。
　柔道部の練習風景を覗くと、その様子に驚く。
　普通の部活練習なのに多数の女子生徒見学がある状況となっており、さながら高校野球や高校サッカー名門校で見かけるような光景であった。
　確かに県大会では上位進出する柔道部であるが、このような少女達の競争関係は必ず良くない出来事を生み出す可能性が非常に高いのだ。

　まずは話題の人物を観察することから始めるが、まずは絵に描いたような美少年ぶり納得してしまう。
　１年生なのに既に部のエースで、１人だけ実力が突出しているのが素人の紗栄子でも分かるほどだ。
　人間性も抜きんでいるようで、部活に真摯に取り組んでいる姿に感心してしまう。
　自身の講義中には体格が大きい子だなという印象の記憶しかなかったのだが、改めて少年の魅力に気づく。

　もとより教師である以上、生徒である少年を異性としては見ていけないのは当たり前だから、そういう視野を広げていないのは当然である。
　ただ少女達の視点を把握せずに、彼女達の恋愛に首を突っ込むのは間違い元だから意識的に行動しているつもりなのだ。
　彼女は結婚適齢期真っ盛りの独身女性なので、自身の行動によるリスクの大きさに気がついていなかった。
　２９年も女で生きてきて、自分の半分くらいしか生きていない少年に惑わされるはずがないという慢心があるし、数々の恋愛経験を経ての自信が間違いの元だ。


　話題の少年は、米田大悟だ。
　彼は敬子に可愛がられて劇的に成長を遂げた数ヶ月だった。
　当初は敬子に固執してジタバタしていたが、次第に成長して極上の美少年に変貌した。
　もともと男子グルーブの中心人物だったが、もうクラスにとどまらず学年の中心のような存在であった。
　彼が居れば必ず十数人が集まる存在だ。
　もうモテ方が規格外で、彼自身も積極的で暴走状態だった。

　本来であれば不純異性交遊で大問題になりそうだが、不思議と恋愛トラブルが皆無であり、多くの女子生徒とフレンドリーに過ごしているので大人達から関心を惹いていない状況であった。
　そもそもだが１人の男子生徒が十数人の女子生徒と肉体関係を持ちながら円満に過ごしているなんて、大人達の想像レベルを超えている。
　ましてその大半が彼と初体験してるなんて考えもしないだろう。


　その事態に、紗栄子は気がついてしまう。
　さすがの彼女も動揺する。
　茶道部５人の女子生徒も彼に心酔しており、それが彼女を焦らす。
　生徒間の出来事とはいえ見過ごすことは出来ないが、あまりにスケールが大きすぎて表だっての対処は腰が引けてしまう。
　進学校という看板に傷がつくし、生徒達の心にも取り返しのつかない心の傷になるかもしれず、同僚の教師達にすら相談出来ずに思い悩むことになる。

　戸惑ううちに茶道部の助っ人して、彼が現れるようになるのだ。
　彼の彼女と化した少女達が彼を力仕事の助っ人して招き寄せたのだ。
　顧問としてハッキリした態度を示せず、そのままズルズル進んでいく。
　そうこうするうちに他の女子生徒達も彼のシンパに化けていく状況にお手上げ状態となっていく。
　紗栄子自身も彼の魅力に飲み込まれつつあったのだ。


　大悟は女好きが止まらない。
　もともと性格は超優しいし、思いやりも人一倍だ。
　彼は敬子に筆下ろししてもらって極上のセックス講座を経て、もうセックスに夢中だった。
　手当たり次第に女の子と仲良しになるが、彼女達には優しくて頼りがいある男であり続けるのだ。
　初めから「１人の彼女」は作らないけど、「君が好きだ」と口説くもんだから怖いもの無しであった。
　そんな彼にも、初体験を夢見た女性はいる。
　それは理科女教師の佐藤紗栄子だった。

　少年の精力は底なしだ。
　それなのに思うように敬子に逢えないし、敬子教室を卒業して男として旅立つことを勧められる流れもある。
　気がつけば彼の周りは自分に好意を寄せる同年代の女子達が何人もいる状況に我慢ダムは決壊した。
　敬子への想いがあるから「彼女」という立ち位置は求めていないが、女子達を大切にしたいという気持ちは本物だ。
　結果、彼はハーレム状態となった。

　だがその代償はある。
　女の子達同士が喧嘩しないように配慮する苦労だ。
　これが女の子を新たに口説くよりエネルギーを要する気苦労の日々だ。
　例えば誕生日の子がいたら最優先にして面倒見なければいけなくなったのだ。
　同年代の女の子達は若くて血気盛んで、大人の女性に感じる「癒やし」が少ないのが、次第に分かってくる。
　濃厚な恋愛ゲームに疲れたころに、再び肥大化してくる年上女性である敬子への思慕の情。

　正にそんなの時期に、女の子達に連れられて茶道部に出入りするようになる。
　次第に紗栄子に興味をそそられるのは当然の流れだ。
　女の子達はスパイのように紗栄子のプライベート事情を彼にもたらす。
　たちまち彼氏無し彼氏募集中と知られて、狙われていくことになるのだった。
　彼が敬子から惜しみなく学んだのは、初体験にとどまらず「良い男」とは何かを追い求める姿勢と知識だったから、もう世の中に存在する名だたるモテ男子に匹敵するレベルであった。

　敬子は今だに郁美の妹キャラという認識でいて、既に人妻でありながら現役の大学生だったから無自覚だったが、既に彼女は出会った頃の郁美に匹敵するか越えるレベルのオンナに成長を遂げていたのだ。
　その結果、彼女は男の子を成長させるキャパシティは天井知らずであるから、本来であれば１８歳から２０歳くらいの男性に伝えるべき知識と経験を１６歳の少年に惜しみなく与えてしまったのだった。
　そこに抜群の容姿と体格、優しくて強い男というスペックを全て持っていたのだから、もはや最強モテ少年を誕生させてしまったようなものだ。
　そもそも同年代の女の子達を幼いと感じる精神年齢は規格外だし、既に彼を満たせるのは敬子のような年上の女性しか存在し得ないのだ。

　少年の憧れの感情は１度火がつくと大やけどする業火となるリスクがある。
　初体験というステップを幸運な形で迎えて、夢のような日々が少年をたちまち男に成長させた。
　しかしそれはあらゆるところにアンバランスを内包している状態になったことを意味する。
　肉欲的には満たされても、既に性的な部分ではもう女性に癒やしを求めてしまう成熟度を見せるのに、それ以外の部分は未だ少年の幼さが残っているのだ。

　だから社会的な常識やタブーに対する認識が脆弱なので暴走する。
　彼の中で忘れ去られた初体験相手への妄想が、今度は自分の心の飢えを満たしてくれるかもしれない存在として置き換えられてしまうのはそれほど時間を必要としなかった。
　以前の様なよくある年上女性への憧れであれば、問題無いのかもしれないが、彼は既にそういう部分は男になっているから事態を深刻化させるのだ。


　紗栄子は自身が少年達の好奇の目を集める立ち位置だと自覚しているし、それが若い女教師の常識でもある。
　学校では衣服は露出を控えたものに意識的にしているし、所作も少年達を刺激しないように注意している。
　ただ女子生徒達の前では女性の先輩としての顔は見せていたし、実際に性的な悩みや相談事には応えているところはあったので完全無欠の立ち振る舞いではなかった部分はあったのだろう。

　彼女はバスト周りは豊かでＧカップという爆乳だったが、普段はバレないように工夫していたのだが、女生徒達には下着の付け方などで相談乗っているうちに秘密を明かしてしまっていた。
　その秘密も普通なら男子生徒である大悟には伝わらないだろう話だが、他ならぬ女生徒達を通じてそんな話は大悟に筒抜けになってしまうのだ。
　それは彼をますます煽る結果になっていく。


　大悟は対女性関係は実に巧みで下心を見事に隠して接近してくる恋愛巧者ぶりを発揮する。
　もうそこらの一般男性より格段に立ち回りが上手い、数ヶ月で化けた恋愛モンスターであった。
　紗栄子にすれば同年代の女の子達を複数彼女の様にして満喫してる彼がまさか自身に性的興味を寄せてくるとは想像だにしない事であったであろう。
　実際、彼の立ち振る舞いは、少年らしい心地良いものだったし、紗栄子すら好印象抱くほどのモテ男子ぶり全開であった。

　だがそれが紗栄子を悩ます結果になる。
　彼が良い男子生徒であればあるほど、彼に女子生徒達との関係を自重するように伝えづらくなる。
　彼が身近で行動する機会が増えると、彼が女子生徒達のことを大切にしていることが分かってくると戸惑いが生じる。
　下手に大人として介入して良いのか、静観が正しいのか、教師として思い悩む。

　不純異性交遊だが自分自身の高校生時代もそういうものは皆無だったわけでないし、そういった部分に大人が頭ごなしで介入して良かった記憶が無いのだ。
　まさに教師である自分と先輩女子としての自分の想いのギャップだ。
　そんな隙を大悟は見逃さない。
　何度か偶然を装って、急接近して彼女に自分は男なんだぞと匂わして巧みに様子を伺っていく。


　紗栄子は些細な出来事でドキッとして狼狽える。
　少年といっても身長は１５７㎝の紗栄子より遥かに高い１８２㎝で、柔道部エースの筋肉ボディであるから体格では彼に圧倒的されているし、お世辞無しでイケメン男子だ。
　ドキッとする時点で彼に男を感じてしまっている状態だから既に彼の思惑に落ちていることになる。
　女盛りの紗栄子にすれば彼氏不在は本人の意思に関わらず、それは最大のウィークポイントになってしまうのだった。
　トキメキは紗栄子に女であることを目覚めさせてしまうことになる。

　紗栄子は容姿に恵まれていて学生時代にはかなりモテモテで、結構派手に恋愛してきたから夜はどちらかいうとお盛んなタイプであった。
　だからこそ結婚意識した彼氏との別れは痛手であったし、多忙な教師としての仕事との狭間に揺れる女心は複雑であったろう。

　彼女は経験豊富が故に自分の中で生じた変化を気づき自制のブレーキを掛けるが、それがかえって心が揺らいでいることを彼に伝える隙となってしまうのだった。
　大悟は急に突き放すような言動する紗栄子が心揺らいでいることを見抜いてしまう。
　それは彼女の中で自分が男に見えていることに他ならない。
　彼は既に紗栄子の自宅を知っているから、一気に若さの勢いそのままに彼女に猛攻し始めるのだ。


　とある休日、深刻な態度で相談があると尋ねてきた彼に彼女は彼を自宅に通してしまう失態を演じる。
　彼も巧みだ。
　一番仲良しの女の子の名前を出して、彼女との間でなんかあったように匂わせるのだ。
　紗栄子にすれば恐れていた事態が起きたと焦ってしまい、彼がなぜ自分の自宅を知っているのかということが跳んでしまう。

　冷静な判断出来ない状態にされてしまったし、既に彼への信頼感と好意が存在していたからこその油断であった。
　ただ玄関で彼の顔を見て自分の失態に気がつく。
　女教師がたった１人で男子生徒を自宅に迎えた時点で倫理的にアウトという現実だ。
　それでも彼の相談内容が気になって、彼をリビングに上げてしまうのだった。

　しかし彼の相談内容はただの恋愛関係にありふれたものであったから、彼の見え透いたアプローチに騙されてしまったことに気がついたのだが、彼が自分を女として見ているとの理解に驚きが先にあった。
　必死で彼を説き伏せて帰らすしかない。
　体格的に彼に力押しされたら彼女は敵わないし、教え子を性犯罪者にする訳にいかないのだ。
　今頃気づくがプライベートだから自慢なバストは解放されていて、その存在は明らかになってしまっている状態だから焦りしかない。
　
　押し問答になるかと思いきや、彼からひたすら告白されて口説かれるという展開に圧倒される。
　自分のような年上に彼のようなモテモテ男子が惹かれる筈がないという困惑と若さ溢れる告白の言葉は女心を直撃されて動揺する。
　彼がモロに若い肉欲全開で迫っていたら、紗栄子は教師として大人として毅然と振る舞ったことだろう。

　敬子の生み出した恋愛モンスターは、あくまでも男として正々堂々と年上女性に正面突破を試みる。
　その情熱は、彼女が経験した恋愛経験の全て圧倒する勢いだ。
　彼の発する愛の言葉に、紗栄子は女として応えなければいけないと思わせるに十分なものだった。
　彼の想いに応えることは彼女の教師人生に終わりを告げるし、完全に淫交となるタブーだ。

　ただ彼女は少年達の初体験事情にはそういう女性達がいることも理解しているし知っている。
　彼は童貞ではないだろう事は知っているが、まさか自分も似た状況に直面するとは思いもしなかった。
　そうこうするうちに、彼からの言霊はとどまることを知らず、次第に感動している自分に気づく。
　そしてここ最近、彼の姿をずっと目で追っていた自分を自覚する。
　いつしか彼の存在が自分の中で大きくなっていたことに驚く。

　少女達から連日のように聞かされていた彼への恋心がいつの間にか自分にも伝染してしまったとの理解は彼女を慌てさせる。
　ミイラ取りがミイラになったようなものだ。
　彼が立ち上がって迫ってくるから本能的に立ち上がって彼を制止する言葉を吐くが、直ぐに掴まって息が止まる程の勢いでギュッと抱きしめられる。
　その瞬間、彼女の中で久しく感じていなかったものがキュンと弾けた。
　彼のキスだけでもという言葉に、応えてしまう自分にある種の諦めがある。
　そして彼の言葉は見え透いた嘘なのだと分かっていたのだった。

「あっ！！　だぁっ駄目っ　あっあぁぁぁ」

　１度崩れると彼女は脆かった。
　そのままソファーに押し倒されてしまう。
　若さでガツガツされたら彼女も立ち直るきっかけになったろうが、そのまま少年とは思えない愛撫されて一気にセックスモードに引きずり込まれていってしまったのだ。
　たっぷりキスされて、今だ続く彼女への賛美と求愛の言葉に蕩けていってしまう。
　２年間のご無沙汰を当たり前のように満たしていく大悟に紗栄子は完全に落ちた。

「はあっあぁん　そんなぁあんぁうそぉ　うまぁっ」

　彼の逞しい身体、そして彼女が今まで知っている中でダントツでビックリするほど立派な肉棒に狂ってしまうほど魅了されてしまう。
　おねだりして何度も求めてしまうが、彼は何度でも情熱的に応えてくれるから夢中になって愛し合ってしまう有様だった。
　自慢のバストも惜しみなく彼に差し出して肉欲の深淵に堕ちていく。


　数時間後、彼がゴミ箱の縁に何本も掛けている使用済みコンドームを呆然と見つめる自分に我に返る。
　自分は教師として最大の禁忌を犯してしまったと悟ったのだ。
　彼は悪くない。
　自分が大人として、教師として未熟だからの結果だと反省する。
　不意に涙が溢れてくる。
　それを彼に気づかれてしまうが、彼は余計な慰めの言葉とか言わずに無言で再びギュッと抱きしめてくれる。
　少年とは思えない男ぶりに、再びキュンとしてしまうと後悔という言葉消え失せる。

　再び彼が彼女の中に押し入ってくる。

「あっあぁぁぁかたぁいぃぃぃはぁん」

　彼のモノが彼女の最も弱いところを的確に捉えて溶かしていく。
　少女達との関係をどうこう以前に自分自身が溺れてしまう有様に彼女の年上として教師としての矜持は崩壊してしまった。
　もう素であんあん喘ぎまくって彼とのセックスにドップリ嵌まって溺れていく。
　もう紗栄子の欲望は止まらない。
　気がつけば彼に騎乗位で跨がって、夢中で快楽を貪っていた。


　大悟は期待通りの展開に大興奮だ。
　隠された爆乳も彼のモノになった。
　いろいろ手こずったが、１度繋がってしまえば経験豊富な年上女性は超エロい。
　夢中で愛し合うが、何度してもまたしたくなる。
　発展途上の若い女の子達とは全く違う。
　心の飢えを満たしてくれる存在を遂に手に入れた彼は貪欲だ。
　人妻の敬子は諦めなければならないと分かっているから、本気で紗栄子を空席の「パートナー」になろうと腰を振り彼女に浸透していくのだ。

「やっぱり　大人の女はちがう　あっはぁ」
「ちょおぉぉぉきもちいぃぃ！！」


　狂乱の嵐が過ぎ去り、彼が笑顔で帰って行くのを見送った瞬間に猛烈な反省が紗栄子を襲ってくる。

　紗栄子は幼少から教師になることを志し、今までそれだけを糧に生きてきたから、それを失うとただの女でしかない現実を思い知る。
　しかし今回のことが発覚する前に辞職するのが賢明であるとは分かっているが、踏み出せない。
　直ぐにバレなければ良いのではないかと思ってしまうのも本心であった。

　揺れ動く彼女を支えたのも再び大悟であった。
　彼は深夜に電話してくると、愛の言葉で自己嫌悪に苦しんでいる彼女を包む込んでくる。
　堂々と自分が高校卒業したら結婚しようと言ってくれるが、それは嘘だろうと感じるが言われて嬉しくないわけがない。
　そしてまた明日から今まで通り楽しく学校生活送ろうと言ってくれるのだ。
　今更、引き返せないし、もう彼のことが忘れられないのも本心だった。

　紗栄子のビクビクする生活が幕を開けるが、彼は夜のランニング途中に彼女の自宅に毎日の様に現れて激しく求めてくるようになると、次第に彼女は開き直っていくことになる。
　彼女の唯一の懸念は、彼と少女達の関係性に変化が起きて波乱に発展しないかというものだったが、彼は彼女達とは変わらずハーレム状態を満喫しつつ、自分まで激しく求めてくる絶倫ぶりにビックリしかない。

　そんな浮気者全開の彼に、気がつけば心酔して夢中になっていく紗栄子は間もなく３０歳の誕生日を迎えようとしていた。
　自身が教え子と恋仲などという教師としてはタブー中タブーを犯してしまうなんて考えたこともなかった事態に陥り、ただ流されていくしかない状況に女という生き物の弱さを思い知る。


　直子は、そんな弟の成長ぶりが気になって仕方がないから、いろいろと彼の周囲を隠れて探っていた。
　愛する弟を「良い男」に成長させたいと一肌脱いだのだが、効果絶大すぎて戸惑いが大きい。
　慌てて敬子に彼の様子を伝えると彼女もビックリしているが、確かに惚れ惚れする男ぶりだねと満更でもない様子だった。
　それでも敬子は本人に確認してみると直子に答えたのだった。
　敬子は大悟が同級生にモテまくりなことについては許容範囲だし、自分以外の女の子に興味を持つことはむしろ好ましいとすら考えていた節がある。

　敬子は久しぶり彼を呼び出す。
　彼は喜んで直ぐにやってくる。
　そこで彼女は彼の成長ぶりに本気で驚くことになる。
　もう女性の扱いが手慣れていて、敬子もタジタジになってしまう状況だった。
　同級生達複数と楽しくしているだけで、ここまで成長するとは思えないから枕物語で彼を問い詰める。
　すると絶対秘密を守ってくれるなら敬子だけに話すことがあると言い出す。
　そして紗栄子との関係を聞かされることになる。

　さすがの敬子も衝撃を受けるが、確かに他言無用の話だし紗栄子もそうだが自分自身も社会常識に反する行為をした当事者なのだ。
　そして自分が大失敗してしまったことを自覚する。
　彼には高校を卒業するまで、もう新たに他の同級生には手を出さないことを約束させるしかなかったが、彼から月に一回は絶対逢う機会設けることを要求されて飲まされてしまう。
　その結果、大悟は敬子と紗栄子からオンナの養分を贅沢にもたっぷりと吸収して、どんどん成長していくことになるのだった。

　敬子は、直子に私に任せてと立場を取り繕ったものの成長が止まらない大悟に自分自身も夢中になっていくことを抑制することは出来なかったのだ。
　そもそも彼女は毎晩毎朝に徹とお盛んな夫婦生活に加えて、頻繁にやってくる優貴との逢瀬にも忙しく、ここに身体相性抜群の大悟が定期的に加わるとまさに男出入りが激しい不倫妻ぶりが迷走状態だったのだ。
　自分も含めて紗栄子、年上女性については彼について特に止めるようなアドバイスをしなかったことにも表れている。


　直子から見て実態はどうであれ、弟の動静は落ち着いた様に見えていたし、彼女自身も徹との関係が蜜月だったからすぐに注意散漫になってしまうのだった。
　それに形はどうであれ敬子が多忙ということは、直子には徹との時間を得られるチャンスが増えるから結果的にそっちに意識が傾くことになる。
　彼女にすれば自分が志す目標を実現するには、辛い選択をしなければならないことを覚悟しており、それまで徹との思い出が沢山欲しかったのだ。


　紗栄子は困惑しつつ、自分の行動は馬鹿な話だと理解しつつも日に日に彼に惹かれている自分に流されていくことになる。
　女盛りの彼女にとって、やたら女慣れしている絶倫な少年は破壊的であったし、自身に潜んでいた性的嗜好を彼に引き出されて満たされていくと理性が欲望に負けていくことに諦めが生じる。

　大悟は彼女が経験した歴代元カレを遥かに凌ぐ絶倫ぶりであり、紗栄子は彼との肉欲に転げ落ちるように溺れていってしまう。
　気がつけば今まで達しなかった深いアクメに目覚めてしていまい、身も心も彼に夢中になってしまうまでにさほどの時間を要さなかった。
　いくらでも応えてくれる若いパートナーの存在は、女盛りの女体には麻薬のようなものであった。

　彼女の救いは、彼が稚拙な行動や言動をある意味完璧なほどしないで２人の関係を徹底的に秘密にしてくれたことだ。
　むしろ彼女自身の方が彼への傾斜が酷くて、大悟からしっかりしろと窘められる有様であった。
　大悟にしても煩雑に肉体関係を続けていると、紗栄子には特別な愛情を抱いているから彼女の社会的な立場を守らなければという意識が芽生えていたのだ。


　大悟は若い欲望だけで初めは紗栄子にアプローチしたのは事実だったが、敬子から学んだことを本気で意識したのは紗栄子と深い関係になってからだ。
　紗栄子と自分の関係は発覚すれば彼女を破滅させてしまうものであると自覚すると、彼女を守りたいと気持ちが芽生える。

　かなり年差のある関係であったが、紗栄子は何事にも真っ直ぐな性格で情熱的で恋愛は重いタイプだったこともあって２人の関係は深くなっていく。
　大悟を精神的に成長させる存在になって、彼は本気に大切で好きな女性と意識していくことになるのだった。

　ただ当時の大悟はまだ１６歳青春真っ盛りで、女性というものを知って楽しくて仕方ない真っ盛りで怖いもの知らずに突っ走るのみであった。
　そして敬子から同級生は抑制するように指導されたのだが、年上の大人女子については特に制止がなかったことが彼を野に解き放ってしまう結果になるのだった。


つづく
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あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
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2022年12月4日掲載
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