ずっと愛してます5
羅衣 作
第22話　夫婦の絆２


龍聖　「申し訳ありません」
　　　「よろしければ」
　　　「主な使途など」
　　　「具体的に　お聞かせ頂けますでしょうか？」
恋　　「よろしくてよ」
　　　「これは　そのものずばり　覗き見用で」
　　　「例えば　こちらステージサイドで」
　　　「妻たちがショーに出て　プレイして」
　　　「反対の座席サイドは　夫たちが座って」
　　　「妻の痴態を　覗き見る　みたいな」
龍聖　「えっ？！　・・・・・・・・」
恋　　「普通のステージなら」
　　　「視聴者は演者からよく見えるの」
龍聖　「そりゃあ　そうですよね」
恋　　「やはり女性は見ている人の存在が」
　　　「モロに見えて　存在感じると」
　　　「萎縮してしまうし　大胆になれないの」
龍聖　「なるほど　そんなビデオ見た事があります」
恋　　「まあ　アダルト見られるのね」
龍聖　「いやぁ　たまにです　たまには男ですから」
　　　「マッサージエステで女性が悪戯されるとか」
　　　「よくあるじゃないですか」
恋　　「なるほど　でしたら主旨ご理解頂けますよね」
龍聖　「はい」
恋　　「大事なのは　演者視聴者の視点での」
　　　「レイアウト設計です」
龍聖　「すいません」
　　　「そのあたりは今の提案では駄目ですね」
恋　　「そう　なんか水族館の水槽みたいで」
　　　「なんか違う」
　　　「あっそう言えば」
　　　「晶子さんに色々　私のアパレル事業のこと」
　　　「手伝って頂きました」
　　　「お礼申し上げます」
龍聖　「はい　妻から伺っております」
　　　「行き届かないところもあったかと思いますが」
　　　「引き続き　妻をよろしくお願いいたします」
恋　　「はい　凄く助かっております」
　　　「綺麗な奥様ですね」
龍聖　「恐縮です」
恋　　「お仕事も出来るし」
　　　「親類の会社でなかったら」
　　　「引き抜いているレベルですよ」
龍聖　「光栄です」
　　　「実は妻に惹かれたのもそんなところです」
恋　　「まあ」
龍聖　「あっ　これは失礼いたしました」
恋　　「よろしくてよ　ご馳走様」
龍聖　「はあぁ」
恋　　「ならば　イメージしてください」
　　　「ステージ上に　居る晶子さんを」
龍聖　「えっ！！」

恋　　「複数人の男たちに　取り囲まれていく奥様」
龍聖　「・・・・・・・・・・・」
恋　　「そして奥様が　辱められる　なんて」
　　　「そうすると機種選定しやすいかと」
龍聖　「・・・・・な・る・・・ほど」

　恋は気づいてしまった。

　彼の股間が大きくなったことを。
　キョロキョロして先に完成しているステージを見渡す彼の姿。

「なるほどね　彼って 妄想家なのね」
「それも　寝盗られ願望」
「だからか　では アシスタントの子は一体」
「まあ　いいわ　解決の糸口は見つかった」
「それにしても　妻子持ち良さげな男って」
「みんな　寝盗られ願望持ちなのね」

「ふぅぅぅん　まぁだからこそ「会」があるのね」




　荒木萌衣は出張から遅れて戻ってきた上司須藤龍聖の様子が気になっていた。
　妙に無口になり考え込んでいるようだ。
　彼女は清廉潔白な頼りがいがある龍聖に憧れていたのだが、もちろん不倫など不道徳なことをしたいなんて思っていない。
　二十歳そこそこの女の子特有の感情だ。

　彼女は現在こそ彼氏はいないが小学生頃から彼氏が途切れたことない、いわゆるモテモテ女子だ。
　中学１年生の時に高校２年生の彼氏が出来て初体験して以来、日々進化する今時典型的な早熟女子だ。
　ゆえに醸し出す色香は自覚して変幻自在に操って恋愛という戦場を突っ走ってきたのだ。
　彼女は度重なる恋愛の果て年齢の近い男性陣に失望しつつあった。

　草食過ぎて焦れったいタイプ、やたら肉食で結局女の身体しか興味の無いタイプ、異様に女を持ち物扱いするタイプ、手当たり次第女を口説く奴、正直疲れたのだ。
　やたら男性経験ばかり増えるばかりで、就職を機に身辺リセットに踏み切った。
　もともとはキャバクラなどの仕事に興味があったが、父が銀行員というお堅い仕事をしていてそれだけは止めてと母に強く説得されての昼職就職だ。
　実は短大時代にキャバクラで働いたりしたのだが、間違いなく自分は向いているタイプで早々にナンバー争いに入る状態だったのだ。

　もともと勉強は好きではないが、記憶力と要領の良さが飛び抜けていてお店で出会った人の名前を一発で覚えるし男性との会話も得意中の得意なのだ。
　だから営業畑を目指したのだが、その才能が自分は飛び抜けていると自覚した。
　顧客突如の来訪でも全く指示無く関連資料など取りそろえて用意できるアシスタントは彼女しかいない。
　数ヶ月で営業部の皆が彼女に色々尋ねる状態だ。
　そんな彼女ももうすっかりセックスの良さに目覚めているから、やっぱり男が欲しいなと思い始めた時に惹きつけられたのが龍聖だったのだ。

　大人の余裕、言葉尻に伴う優しさと配慮の深さ、そしてなにより清廉潔白で浮ついたところが全く感じられないところだ。
　その全てが歴代彼氏には全く無いモノばかりで、彼女が今一番欲しい男性像にピッタリだったのだ。
　ただキャバクラで学んだ既婚男性との付き合いに関しては冷静だし、自分はイケてる女子という自負もあるから不倫なんて論外という考えも持っているのだ。

　実際、彼女は過去告白して失敗も皆無、フルことはあれどフラれたことは１度も無い。
　フル時には相手から別れたくないと泣きつかれることは毎度のことで慣れっこだ。
　抜群の容姿端麗、家事全般得意、男が狂ってしまう美しい肢体と年齢に似合わない床上手、男心を変幻自在に弄ぶというあざとさ、その全てを持っている最強女子なのだ。
　ある意味、龍聖から大人男子を学びたいというスタンスであったが、彼が誠実すぎていつの間にか好きという感情が芽生えてしまっていたのだった。


　彼女は話を聞いていないが、彼が試行錯誤している仕事の内容、案件の内容、使途を実はなんとなく察していたのだ。
　何度かハプニングバーなど連れられて行ったことがあり、マジックミラーの使途そしてなんでステージをマジックミラーで囲うのかなんて想像ついたのだ。
　そんなことが全く分かってない担当係長が作ろうとする資料はピンボケが甚だしい。
　それとなく軌道修正したのだが、機種選定などは彼がしたのでどうにもならない。
　初めて見る龍聖の表情に彼女のオンナが動き出してまうのだった。

萌衣　「お疲れ様です」
　　　「部長　いかがでしたか」
龍聖　「おお　荒木くんか」
　　　「なんというか」
　　　「君たちは　あの件外れて貰ってよかったが」
　　　「なんともはや」
　　　「機種選定など見直さないと駄目そうなんだ」
　　　「君たちに話せないことが多くて」
　　　「どう進めて貰うか　悩んでいるんだ」
萌衣　「なるほど」
　　　「では私達もサインさせて頂いたら」
龍聖　「いや　それは　避けたい」
　　　「うぅぅぅぅぅぅぅぅん」
萌衣　「では機種選定」
　　　「私に任せて頂けないでしょうか」
龍聖　「なに？！」
萌衣　「多分　ご期待に応えられるかと」
龍聖　「でも機種選定なんてしたことないだろう」
萌衣　「はい」
　　　「ですが　機種見積しているのは私です」
　　　「お言葉ですが」
　　　「係長とか　皆さん　見積するときの」
　　　「依頼先のE-メールアドレスすら」
　　　「知らないと思いますし」
　　　「相見積もり競合関係も把握しているのは」
　　　「アシスタントチームなんです」
龍聖　「そうか　確かに　荒木くんのところに」
　　　「いろいろな資料や情報があるんだね」
萌衣　「はい」
　　　「試しにマジックミラーだけでも」
　　　「機種選定させてください」
龍聖　「分かった　明日朝までに出来るか？」
萌衣　「はい　既に候補が３つあります」
龍聖　「おお　期待しているよ」
　　　「よろしく　荒木さん」
萌衣　「はい　頑張ります」
　　　「初めて　お役に立てる日が来て嬉しいです」
龍聖　「・・・・・・・・」

　龍聖は初めて真正面で彼女と話した気がして、ちょっと動揺があって呆然と彼女を見送った。
　お世辞抜きに可憐で美しい女の子で、ほのかに漂う残り香に女を感じてしまう。
　表には出さない心奥の抱く男特有のさざ波だ。

「それにしても」
「あの子は　あの話聞かないで出来るのかな？」


　翌朝、萌衣が出した機種選定資料に驚くことになる。
　恋が言っていたイメージそのものだし、むしろそれよりもインパクトある選定で高級感が凄い。
　彼女は使途などをなにをイメージしたかは語らなかったが、龍聖は訳分からずドキドキしてしまうのだった。

　結局、部長権限で案件担当窓口を自身で引き取り、萌衣をアシスタントにして特命チームに変更して進めることにしたのだ。



　龍聖は持ち帰った萌衣が作成した特注マジックミラーの仕様書を見ていて、モヤモヤしてしまう。
　彼自身はこのような使途のマジックミラーを見たことが無いのだ。
　それでネットサイトＦ○ＮＺＡで検索してしまう。
「マジックミラー」というキーワード複数作品がヒットしたので、視聴するとそれまで感じたことが無い興奮が襲ってくる。
　いつも若い子の初々しいデビュー作品とか、妻と同年代女性のデビュー作品、全身汗だくで絡み合って激しく絡み合う作品とか、が中心で、この手の作品はあまり意識していなかったのだ。

　カテゴリー表記にＮＴＲ寝盗られ系とあって、ああなるほどねと納得したのだ。
　次第に内容展開にのめり込んでいく。
　妻役の女優が醸し出す切ない戸惑い表情、そしていつしか女のアクメに飲み込まれて翻弄されて女の本性を晒す様子、それを見て打ちのめされる夫役男優の嘆き演技や激しく興奮し勃起する姿が、凄い刺さるのだ。
　そして遂に妻晶子に似た女優を見つけてしまい、次から次から見漁ってしまうのだ。

　初めは今回の案件における参考資料として、コンセプトの理解を深めるためという建前だったのだが、いつしかＮＴＲ寝盗られ系世界にドップリと嵌まり込んでいったのだ。
　そこに恋の言葉が頭の中で蘇り、次第に映像内女優のの顔が妻晶子の顔に脳内イメージで置き換わるまでにそれほどの時を必要としなかった。
　どんどんエスカレートして妻の使用済み下着を洗濯場から一時拝借するまでになり、妄想オナニストの世界に堕ちていくのだった。

　ＮＴＲ寝盗られ作品を見て妻に置き換えてイメージしながら下着の匂いを嗅ぎ別の下着に射精する快感が悪魔的な充足感に満ちているのだ。
　そんなこと繰り返していくと、不意にあることに気がついてしまうのだ。
　下着の洗濯枚数が不自然に日数に比べて多いことがあって不規則であるのだ。
　初めは泊まりがけの出張帰りによる変動と気にしていなかったのだが、出張帰りも日数に比べて枚数が多いときがあるのだ。
　そしてあることにも気がついてしまう。

　晶子は下着メーカーTriumphのものを好んで愛用していて、ほとんど他のメーカーは持っていないはずなのに数が多いなというときに限って違うメーカーのモノが入っていることがかなりの頻度であるのだ。
　それも見慣れない色や柄がそういうときに限ってあるのだ。
　下着が使用枚数が多いということは、それだけ脱いでいるということを意味しているから、当然のことながら浮気して汚れてしまい現地で買い足しているのではないかという疑念が浮上するのだ。
　仕事人間と思っている妻だっただけに、衝撃の事実だが確かに妻はかなりの美人だから冷静に考えても言い寄られることはあるだろう。

　これで妄想がますます膨らんで次第に冷静さが失われていくが、妻には直接確認する勇気が無い。
　もし問い詰めて真実なら妻の性格上離婚という結論を導き出すことが容易に想像できる。
　龍聖は妻と離婚なんて考えられないし、妻への愛というより妻自体への固執する気持ちはこのことで改めて強く認識していたのだ。
　仮に真実でも妻とセックスレスになり夫としての義務を果たしていないという自覚があり、妻だけを責めるのは間違いだと思うのだ。
　夜な夜な妻の下着の匂いを嗅ぎ股間を大きくしながら涙した。

　その夜に、若妻が出張先で絶倫の会社上司に襲われ一晩中犯されるというアダルト作品を見てしまう。
　それも偶然、妻にタイプが似ている女優で、もはや妻にしか見えない彼にとってはリアルすぎる内容だ。
　龍聖はもう得体の知れない興奮が身を焦がし何度も射精し、それでも肉棒は異様に硬く猛々しく勃起し続けたのだ。
　そんな経験は少年時代以来だ。

　画面の中で会社上司に無理やり押し広げられクンニされて無抵抗になっていく妻。
　そして手マンされて豪快に潮噴きする妻。
　明らかに巨根を無理やり口に咥えさせられてフェラチオを強要されて嗚咽し咳き込む妻。
　抵抗する意欲を奪われ肢体を好きなように舐め回されて味を楽しまれてしまう妻。
　再びトドメとばかりクンニされ、とうとうマンぐり返しされて屈服していく妻。
　もう肢体を駆け巡る女の性感に翻弄され次第に相手が夫でないことがどうでも良くなっていく妻。

　巨根が妻を貫いていき会社上司と繋がってしまう妻。
　あっという間に巨根の紡ぎ出す快感に理性が飲み込まれていく妻。
　そして妻の腕と脚が次第に会社上司に巻き付いていき身も心も奪われていく妻。
　妻の喘ぎ声が急に激しくなっていく。
　正常位で突かれ後背位で突かれ立ちバックで両腕を取られ好きなだけ突かれ、側面後背位でネットリと突かれて、既に妻ではなくなっただだの雌に堕ちた姿。
　再び正常位から種付けプレスで責め立てられて何度も逝く寝取られてしまった妻。

　そしてとうとう中出しされて種付けされてしまう。
　もはや映像に目は釘付けで、何度射精しても肉棒は一向に治まりがつかない。
　夫からの電話も無視してしまう妻。
　浴室で身を清めて立ち直ろうとする妻を再び絶倫上司が襲いかかり妻の最後の理性すら犯していく。
　翌朝まで狂ったようにそのまま逝かされ続けて、とうとう妻は絶倫上司の肉棒の虜なっていたのだ。
　リアルすぎる。あまりにリアルすぎる。

　晶子は出張先で犯されてしまったのだろうか？
　妻に限って彼女の方から男にアプローチするなんて正直信じられない。
　そもそもだが妻はセックスそれほど好きな方でなかったし積極的だった記憶が無いのだ。
　アダルトＡＶの様に犯されて無理やり肢体を開発されてしまったに違いないのだ。
　しかし不思議と怒りの感情は一切湧かないし、自分でも分からない凄い興奮が湧き上がって自身で宥めるのが大変なのだ。

　ただこのことで真の性癖に気がついたのだ。

「俺は　寝られ願望症候群だったんだ・・・」
「晶子　愛している」
「他の男とセックスしているのか」
「お願いだ　君の」
「俺が見たこと無い顔を見せてくれないか」
「どうせ　俺達は子供は１人って決めていたし」
「龍哉は　とっても良い子だ」
「俺達の宝物　一緒に守っていければ」
「それさえ　叶えられれば」
「晶子　女として生きること　俺は反対しない」
「むしろ　俺も望んでいるだ」
「晶子の犯されている様子が見たいんだ」
「見たことない　巨根で貫かれて欲しいんだ」
「だって　恋さんが話していた」
「HIGH SOCIETY　こういう世界が普通にあるんだよ」
「あっそうかぁ！！　恋さん達に導かれて」
「君は　君は　まさか　ひょっとして・・・・・」

　龍聖の寝盗られ願望症候群が急速に進行していった。


　萌衣はマジックミラーの種明かししようと思った。
　龍聖と打ち合わせして突然提案した。

萌衣　「部長　今日夜お時間ありますか？」
龍聖　「うん？　多分大丈夫だ」
萌衣　「それなら　案件参考になる場所に」
　　　「ご案内したいんですけど」
龍聖　「なるほど　そんな場所あるのか？」
萌衣　「はい」
龍聖　「そっか　では調整する」
　　　「今日は息子も祖母の家に行ってて」
　　　「多分　妻に連絡すれば・・・」
　　　「一応　５時頃まで待ってくれば返事できるぞ」
萌衣　「はい　分かりました」
　　　「まあ　もし今日駄目でしら」
　　　「ご都合の良い日　仰ってください」
　　　「わたくしが合わせます」
龍聖　「ありがとう」


　その日、夕刻２人は大阪市中央区東心斎橋にやって来た。

龍聖　「荒木さん　こんなところにあるのか？」
萌衣　「はい　あっ部長　身分証明今お持ちですか」
龍聖　「ああ　運転免許証ならあるぞ」
萌衣　「良かった　久しぶりで忘れていました」
　　　「それと　あの～場所的に匿名が良いので」
　　　「私を　ももえ　って今から呼んで下さい」
龍聖　「えっ　・・・？？」
萌衣　「あの案件の参考になる場所が」
　　　「普通の場所である筈ないじゃないてすか」
龍聖　「そっかぁ　そうだよなw」
　　　「えっそんなとこ　荒木さん大丈夫なの？」
萌衣　「はい　行ったことあるので」
　　　「それより　ももえ　でお願いします」
龍聖　「失礼　では　私は　リュウ　でどうかな」
萌衣　「イイですね　リュウ　あのビルです」
　　　「入店するには電話でしないと駄目なので」
龍聖　「ハプニングバー・・・・・・」
萌衣　「はい　ここ　ＮＴＲ専門店なんで」
　　　「リュウは　ももえ　私　守って下さいね」
　　　「でないと　私　されてしまうから」
龍聖　「えっ！？」


つづく
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あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
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2024年1月26日掲載
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