ずっと愛してます5
羅衣 作
第24話　萌衣２


　腰を支配していたカップル男性が離れたことで、萌衣の肢体が尻餅をつきながら崩れ落ちる。
　その弾みで巨根が口内から解き放たれて凄い勢いで上に跳ね上がる。
　明らかに一般男性の1.5倍はある代物で太さは軽く４０ミリを超えるであろう。
　３０歳単独男性は明らかにこの時を待っていたに違いない。
　ニヤニヤしながら無抵抗な萌衣に覆い被さった。
　龍聖は自らの肉棒を掻きながら、３０歳単独男性がきっと会った時から萌衣を見た時から虎視眈々とこの機会が来ることを待ち続けていたと確信していたのだ。

　なぜか３０歳単独男性がフラフラしている萌衣を引きずるように引っ張って龍聖が覗いているあたりのマジックミラー前まで連れてくるのだ。
　龍聖は一瞬怯むが３０歳単独男性の視線は微妙にずれているから、やはりこちらは見えていないようだ。
　龍聖は３０歳単独男性の意図を掴みかねる。
　すると３０歳単独男性はこちらを向いてしゃがんであぐらの体勢になると萌衣を抱きかかえるように自分の上に座らせそうとし始める。
　そう３０歳単独男性は親切にも挿入シーンをどアップで龍聖見るように促していたのだ。

　意図を察した龍聖はしゃがみ込んで挿入の瞬間を見ようとかぶりついてしまう。
　萌衣は抗っているようだった。
　蜜壺と亀頭が摺り合わせられていて、押し入れられまいと拒む壺と押し入ろうとする亀の攻防が繰り広げられているが、蜜壺からはジュブジュブと蜜がとめどなく溢れて出ていて壺は明らかに劣勢なのだ。

萌衣　「いや　これ無理　大っきすぎ」
　　　「裂けちゃうよ　無理　だめっ　無理」
男　　「なに言ってるの」
　　　「もうチンポ２本も咥え込んだくせに」
萌衣　「あっあぁぁぁ押しつけないで」
男　　「女は上の口で入るモノは下の口で入るんだよ」
　　　「その逆もしかり」
　　　「さっき上の口には入ったから　大丈夫」
萌衣　「嫌っ　さっきは無理やり押し込んだくせに」
　　　「あっあぁぁぁぁぁぁぁぁうそぉっぐっ」

　グイと下に引っ張られてバランスを崩した萌衣。
　その拍子で蜜壺の固く閉ざした口を圧迫してた巨大な亀頭が半分以上めり込んだのだ。

　グチュプッアズゥプルゥゥゥゥゥゥゥ
「いやぁぁぁぁぁおっきぃ　あっさけるぅぅぅ」

　粘質な音を立てながら亀頭の全て蜜壺埋没して小陰唇があり得ないほど押し開かれてさながら串刺しだ。
　再び３０歳単独男性引っ張られるとズゥゥゥンと萌衣の腰が落ちた。
　巨根があっさり全て彼女押し入ってた瞬間だ。

　ズゥプゥゥゥゥプッスゥグブッズゥズルプッズュプゥ
「あぐぅぐはっ　あっくるしぃあはっあ　あはぁ」

　萌衣の肢体に震えのような痙攣が走っている。
　圧迫に耐えかねて首がこちらに倒れてくると、丁度彼女の顔が真正面逆さまに見える状況だ。
　間近で些細な表情が見えるのだ。
　３０歳単独男性の素人離れした演出に龍聖は大興奮で狂ったように肉棒を扱くだけだ。
　近いからマスクをしていても目の動きや些細な表情が手に取るように分かるのだ。

　限界まで押し広げられて想像絶する奥深くまで貫かれて、萌衣の瞳は初めは困惑に近いものだったのがいつしかウルウルと雌のそれに変わっていくのにたいした時間は掛からなかった。
　痛いと泣き叫ぶかと思っていたが、早々に粘質な音をたてながら蜜壺と巨根は絡み合い始めたのだ。
　次第に喘ぎ声も漏れ始める。

　あっあんぁぁぁあん　だめってぇいった・・たぁのに」
　グチュルゥプッグチュバ♪♪プッグチュバ
「あっすごぉ　すごい　スゴいとこあたってる」
　プッグチュバグチュルゥプッグチュバ♪♪
「ヤバぁ　あっあぁぁぁぁなんでぇ　あっそんぁあぁ」

男　　「ほらほら　最初だけだよキツいのは」
　　　「もう馴染んでるじゃないか　ほれぇ」
萌衣　「あぁぁあぁん　やだぁなんだもん」
男　　「そう言いながら」
　　　「キュッキュッ締め上げてきてるぞ」
　　　「若いけど　見たときからそういう女だと」
　　　「思ってたんだ」
　　　「お前　ピッチだろ　ほらぁほらぁ」
萌衣　「ちがぅぅぅぅもん　あっうまぁっなんであっ」
男　　「笑わせるな　ピッチでなければ」
　　　「俺様のデカチン咥え込んで」
　　　「こんなに直ぐ大洪水になる女はそういない」
萌衣　「あっあぁぁぁぁぁぁぁすごぉ」

　萌衣の腰が上がり下がりする度に体液が飛び散って、マジックミラーにも滴が跳んでくる。
　そして徐々に艶っぽい声が出始めていく。
　若く普段は利発な萌衣が華奢な身体に不釣り合いな巨根を打ち込まれて、美乳と言って良い豊かなおっぱいを上下運動でユッサユッサ揺さぶりなが次第に巨根が紡ぎ出す経験したことのないだろう異次元の気持ちよさに目覚めて、いつしか溺れていき女の本性を曝け出していく情景が衝撃的だ。

　男が言うように肢体が巨根に馴染んだのだろう。
　もはや抗う言葉言わなくなり、従順というよりむしろ積極的に腰を動かしているのだ。
　近いから気がついたのだが、２人の下床には体液の水溜が出来はじめていた。
　エラの張った亀頭が軽く出入りする度に、ドロッと次から次に白濁した愛液が蜜壺が止めどなく掻き出されていたのだ。
　粘質な音と肉と肉がぶつかり合う音に甲高くなった喘ぎ声が協奏曲を奏でてプレイ室は熱気ムンムンだ。

「こんなに興奮したのは　初めてだ・・・」
「チンポが破裂しそうだ　痛いくらいだぁ」
「なんてスゴいセックスなんだ」
「荒木くんは　あんなに感じて　乱れて」
「なんて綺麗なんだぁ　飛び散る汗とマン汁」
「これが　彼女の本性なんだ！！」
「そう　妻にも　そんな顔がぁ」
「あっヤバい　また出るぅぅ　あっあっあぁぁぁ！！」

　３回目の射精が今まで一番激しく跳んだ。
　萌衣の顔のあたりマジックミラーにドロッと垂れていく。
　再び焦ってテッイシュで後始末するが、さすが肩で息しているが「はぁはぁ」という荒い息づかいは止まらず興奮の高まりは一向に治まりがつきそうでない。
　後始末を終えてプレイ室に視線を戻すと、いつの間にかプレイ室には萌衣と３０歳単独男性しかおらず他の人影がないことに気がついたのだ。
　その同じタイミングで３０歳単独男性は再び射精したようで、激しかった交尾は終焉の時を迎えた。

　とさすがの龍聖も安堵した刹那、驚愕する。
　３０歳単独男性はコンドームの後始末をしながら、なにやらグッタリと横たわっている萌衣の蜜壺を覗き込んでいるのだ。
　そして次の瞬間、彼女の股間めがけてむしゃぶりついて、今度はクンニし始めたのだ。
　一瞬、後儀かと思ったが丁度目前に男の尻がこちらに向いて汚いアナルを晒していたので、気づくのが遅れたが巨根が再びみるみる復活していったのだ。

「こいつ　まだヤル気か！！」
「もう３発もドップリ出しておいて　まだいけるのか」
「デカイだけじゃなくて　絶倫野郎なんだ」
「マジか」

男　　「やべー　この女　姦ッても　姦ッても」
　　　「姦り足りねぇ　こんな絶品の女」
　　　「めったにお目にかからねぇ」
　　　「旦那さん　遠慮なくお代わりさせて頂くぜ」

　萌衣は再びアクメの世界に引きずり戻されて、為す術もなくまたいとも簡単に嵌められてしまうのだ。
　後背座位で結合部をこちらに丸見えにしながら、もう彼女は歓喜に包まれて髪を振り乱して狂乱していた。

　龍聖は肉棒を８５度におっ立てながら唖然と立ち尽くす。
　唐突に背後で声がする。
　いつの間にか40歳代のカップル男性が視聴室に戻ってきたのだった。

男　　「新人の旦那さん」
　　　「お節介だけど」
　　　「もう少し奥さん大事にした方が良いよ」
龍聖　「・・・・・・・・・・」
男　　「お仲間　寝盗られ願望男の先輩として言う」
　　　「なにごとも　程よくが」
　　　「夫婦関係と寝盗られの両立の秘訣だ」
　　　「女のアクメは 凄いらしいから」
　　　「やり過ぎると　元に戻れず壊れてしまうよ」
　　　「今日は　もう潮時だと思うよ」
　　　「そして今日タップリ奥さん抱いてやりなさい」
　　　「そうしないと　きっと後悔するよ」
龍聖　「ご意見ありがとうございます」
男　　「あの男　この辺では」
　　　「有名なアングラＡＶ男優で」
　　　「結構ヤバい男だから　適当なところで」
　　　「奥さんから引き剥がさないと」
　　　「リアル寝取られて」
　　　「奥さんソープ嬢に売り飛ばされてしまうよ」
　　　「噂ではもう数十カップル犠牲になってるとか」
　　　「奥さんの携帯 注意した方が良いよ」
　　　「あいつの手口は」
　　　「後日隠れて奥さん呼び出して　という手口」
　　　「あの巨根に魅せられた女は」
　　　「普段　呼ばれても行かないって言うんだけど」
　　　「旦那に嘘言って　行っちゃうんだよ」
　　　「実は　うちの妻も危なかったんだ」
　　　「ただこうして定期的に俺が同行して」
　　　「あいつに会う機会を設けるようにして」
　　　「管理しているんだ」
　　　「俺達みたいに　ならないようにね」
　　　「あんなに可愛い奥さん大事にしてあげなさい」
　　　「まだ　間に合うと思うよ」
龍聖　「わっ　分かりました」
　　　「ご親切にありがとうございます」
男　　「いやいや」
　　　「同好の後輩に こういうのは」
　　　「伝えるのも義務と思うからね」
　　　「では　奥さんとっても良かったよ」
　　　「いや　美味しかったよ　あはぁはぁ」
　　　「もし良かったら　またよろしくお願いします」
　　　「今日は久々に楽しかったよ」
　　　「ありがとう」
　　　「あっ 急いだ方が良いよ」

　龍聖はカップル男性を見送るとマジックミラーに振り返った。

　！！！！！！！！！！

　絶倫のアングラＡＶ男は萌衣にマジックミラーに両手をつかせて、立ちバックで鬼神のように突きまくっている真っ最中だ。
　慌ててズボンを上げて、やっとプレイ室に繋がる小扉に走ったのだ。
　そして叫んだ。

「申し訳ないが　そこまで　終わりにして欲しい」

　絶倫アングラＡＶ男を不満げな表情で１度抗ったが、龍聖がスタッフ呼んで仲介して貰おうかと言うとスゴスゴと引き下がった。
　彼としては出入り禁止は避けたいのだ。


　絶倫アングラＡＶ男は一応お礼ぽい言葉吐きながら部屋を出て行くのを見送りながら龍聖はトホトボと歩いていた。
　両膝をつきながらマジックミラーに寄りかかり頭を垂れてグッタリしている萌衣。
　龍聖は自身がしでかした事態に責任を感じていた。
　得体のしない寝盗られ願望による劣情で正常な判断力を見失って、部下の女の子を生け贄にしたクズのような男なんだと自覚したのだ。

龍聖　「ごめん　荒　いや　ももえちゃん」
萌衣　「はあぁはあぁ　リュウ遅いよぉ　もう」
龍聖　「申し訳ない」
萌衣　「もう謝らないで　それより」
　　　「シャワー浴びたいの　手伝って」
龍聖　「あっあ　もちろん」

　龍聖はフラフラの彼女をなんとかエスコートしてシャワー浴びさせて、逃げるように店を後にした。
　バーコーナーで謎の拍手で見送られたが、もはやそれどころではないのだ。
　街に出ると次第に理性と常識が戻ってくる。
　どう考えても会社員人生は終焉するだろう事件案件だが、もはや自分自身はどうでも良かった。
　なんとか犠牲にしてしまった部下だけは出来れば何ごともない形で守る方法はないか、それだけしか考えることが出来なかった。

　彼女はフラフラして１人で帰らせることは困難だ。
　１度はタクシーで帰るかと話すが拒否される。
　「１人にしないで」と言われると、先程のカップル男のに聞かされた話が急にリアルになる。
　早く休ませてあげたいから思い切って通りかかったラブホテルに彼女を連れて入ったのだった。
　彼女はベットにダイブする様に倒れ込んでしまう。
　スカートがはだけて少し露わになった眩しいほど白い美脚が刺激的すぎる。
　次第にこれが現実か、妄想か、ＡＶなのか、分からなくなっている自分に気がつく。

「ふむぅ　これは　どう責任取るかだな」
「結果的に　部下の若い女の子を」
「ラブホに連れ込んでいる状態」
「妻は許してくれないだろうなぁ」
「とはいえ　全ては 俺が不甲斐ないからだ」


　１時間ほどしたら突然、彼女がムクッと起き上がり喋り始める。

萌衣　「復活ぅぅぅ はぁあぁぁ」
　　　「部長　こらぁぁぁ！！」
龍聖　「おっとぉぉぉ　大丈夫？」
萌衣　「あんなに姦られて　大丈夫なわけない」
龍聖　「ごめんなさい」
萌衣　「はあぁぁぁ」
　　　「まさか部長が寝盗られくんとは　想定外」
龍聖　「えっ・・・はぁ　申し訳ない」
萌衣　「もう　謝らんといて」
龍聖　「そうは言っても」
萌衣　「そもそも　あの店案内したの私だし」
　　　「元カレにあの店連れて行かれたことあるから」
　　　「あーいうの初めてでないし」
　　　「部長　いや　龍聖が」
　　　「寝盗られくんとは知らんかったから」
　　　「しょうがない　って思ってます」
龍聖　「・・・・・・・・」

萌衣　「とはいえ　龍聖責任取ってくれる？」
龍聖　「えっ？」

　妙に内股で太ももを摺り合わせモジモジして近づいてくる彼女に龍聖は戸惑う。

萌衣　「今日　最後の人　凄すぎて　なんかもう」
　　　「私　変なの」
　　　「私を抱いてぇ　責任取って」
　　　「今日抱いてくれたら　許してあげる」
龍聖　「えっえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ！！」

　不意にカップル男の言っていた事が蘇る。
　急に意識があのハプニングバーの時にフラッシュバックする。
　いやいや～と抗っても彼女は強引でズボンとトランクスをガバッと一気に纏めて引き下げられてしまう。
　そして自分で驚く。
　肉棒はギンギンにそびえ立っていたのだ。
　そして一方的にペロペロフェラチオされてしまうと刺激が強すぎていつの間にかあのハプニングバー参加者になっていると妄想してしまう。

　萌衣が眼前に立ち上がると、どんどん服を脱いでしまい全裸になるとおいでしながらベットに上がっていく。
　蘇ったハプニングバーの興奮。
　次の瞬間、吸い寄せられるように彼女の肢体にむしゃぶりついていた。
　実に９年ぶりのリアルな女体なのだが、あまりに美しく若く瑞々しい絶品最高級品過ぎるのだ。
　徐々に燃え上がる男の本能。
　次第に我を忘れて昔のように全身リップして舐め回していく。
　萌衣の喘ぎ声はそのまま夜通し続くことになるのだった。


　龍聖はなんとなく視線を感じて目を覚ます。
　濃厚なセックスの余韻が久々すぎて身体に残る疲労感が心地良い。
　萌衣が仰向けに寝ていた龍聖の腕の中に潜り込んで胸板に顎を乗せてじっと自分の顔を見つめていたのだ。
　彼女の様子が異様に可愛いから、引き寄せてギュッと抱きしめてしまう。
　夢中になって３回戦して愛し合ってしまった結果、もはや彼は彼女に無力だった。
　正直、前戯しているうちに我を忘れてしまった。

萌衣　「龍聖　エッチ上手すぎぃ」
　　　「どうしよ　エッチしてくれたら」
　　　「許してあげようって思ってたけど・・・」
　　　「・・・わたしを　こんなに・・・」
龍聖　「はぁあ　えっ？」
萌衣　「うぅぅぅん　ご褒美に」
　　　「今後の展開　選ばさせてあげる」
龍聖　「えっなに？」
萌衣　「一番　奥さんと離婚して萌衣と再婚する」
　　　「二番　萌衣と不倫し続ける」
　　　「三番　なにごとも無かったように」
　　　「以前のようにただの上司と部下の関係に戻る」
　　　「さあ　どれか選んでみて」
龍聖　「うぅぅぅん　悪いのは俺だし」
　　　「身勝手な意見言う資格もないし　選ぶなんて」
　　　「そう　どれも選べないや」
　　　「荒木くんが　好きなようにしてくれれば」

萌衣　「えぇぇぇマジかぁ」
　　　「はあぁぁぁ　そうくるのね」
　　　「エッチも　100点満点だし」
　　　「選択肢もちゃんと　満点回答するなんて」
　　　「私みたいな若い女の子」
　　　「棚ぼたで　好き放題したくせに」
　　　「たいした　女殺しなのね　わたしの負けね」
龍聖　「うぅん？？？　はて？」

萌衣　「なんか悔しい　答え合わせすると」
　　　「一番選んだら　即実行」
　　　「二番と三番を選んだら」
　　　「ふざけんな　と私がぶち切れ」
　　　「洗いざらい　真実暴露して」
　　　「死なば諸共　地獄の不倫劇にしてあげる」
龍聖　「えっえぇぇぇ　怖すぎる」
萌衣　「そして　どれも選ばないという第四の選択」
　　　「これ選んだら　三番叶えてあげる」
　　　「龍聖って　天然？」
龍聖　「えっ　本気？」
萌衣　「この悪魔の不倫顛末三択を」
　　　「正解する人　いるなんて」
　　　「思ってもいなかったw」
　　　「大抵の男って　二番三番選んで」
　　　「面白くして　くれるんだが」
　　　「ただただ」
　　　「わたし食べられちゃった気がする」
　　　「ズルイよ　わたしの心に忍び込むなんて」
　　　「負けちゃった　えぇぇぇん(>_<)」


　翌週から２人は以前のようにただの上司と部下の関係に戻り、なんら先週末の出来事について触れることも無かった。

　淡々と、そして精力的に仕事に取り組む２人。
　龍聖は密かに若くて優秀な部下をことを気に掛けていたし、彼女の真意を計りかねていたのだ。
　しかしあえてそのことに触れてはいけないのだと、感じていた。
　彼女は龍聖の人生に関わらないという選択をなぜかしてくれて、全て無かったことにしてくれたのだ。　

　1ヶ月、大胆かつ意外すぎる機種選定していく萌衣のお陰で無事に峰ホールディングス案件を落札した。
　彼女の選定は的確で次々と認められ、龍聖がいくらなんでも過激だろうと代案を用意してプレゼンしたものですら彼女の案が採用されたのだ。
　龍聖は彼女の才能に感服する。

　しかし契約締結で沸き立つ営業部をよそに彼女は秘書課への昇格転属を受けると申し出をして、翌月営業部を去ってしまうのだった。
　龍聖は凄まじい喪失感に襲われるが、彼女の申し出は会社の意向に従ったものだから止めることが出来なかったのだった。

　そしてそれから２ヶ月ほど経ち、峰ホールディングス案件の膨大な納入に追われる龍聖の元に連絡が来て、荒木萌衣が一身上の理由により退社してしまったと聞かされるのだ。

　龍聖は妻と共に大切だと思った女性を自分は失ってしまったのだと、その時初めて思い知らされるのだった。

　あの屈託の無い笑顔をもう２度と見ることが出来ないという、例えようのない喪失感が彼を押し包んだのだった。

「俺は・・・・・・・・萌衣　君は・・・・・・」


つづく
【前頁】/【次頁】
あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
羅衣さんの作品集→羅衣さんの他作品
2024年2月18日掲載
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