ずっと愛してます5
羅衣 作
第45話　夫婦の絆４


　晶子は理想的なカップルでお互い愛し合って絶対壊れるはずの無いと思った夫婦が破綻し離婚するという事態を目撃した。
　紗弥の選択は晶子にとっても衝撃であった。
　でも晶子にとっても他人事ではなかったのだ。
　真也は傷心のあまりに身近にいる晶子の肢体に逃げ込んでくる。
　関係の前提条件が覆った状況では晶子は困惑でしかない。
　自分は夫と別れるつもりも無いし、紗弥の代わりになりたいなんて思ったことは微塵も無いのだ。
　とはいえ女として彼への情もあるから求められれば身を委ねてしまうのだ。

　そんな彼女が頼ってしまったのが達也だった。
　でも彼女は達也の怖さを気づいていたのだ。
　達也は人妻であろうが気に入った女を奪うことを趣味にしているような性豪の経営者だ。
　彼が怖いのは性的に奪うだけでなく身も心もそして経済的にも女を我がモノにして、女に恵まれた生活を保障できる圧倒的な経済力を背景にして女の物欲をＭＡＸで満たす誘惑を隠さないことだった。
　彼の愛人だというありさに会った時は衝撃だった。
　部下の元妻だという彼女は夫という存在を諦めた代償に世の中全ての女が欲しいと思うであろう全てを手に入れたのだ。
　もちろん子供も恵まれてHIGH SOCIETYの生活で悠々自適の子育て生活なのだ。

　それでも晶子は達也に頼ってしまったのはどんなことでも大人の余裕で受け止めて優しく受け入れてくれる彼の存在が大きすぎるからだ。
　日本では子供抱えながら働く女への風当たりは想像以上に厳しい。
　本来であれば夫との関係、夜の夫婦生活で癒やされて心身共にリフレッシュしていくことが大事なのだ。
　女は身籠もり産む性であるだけに、性的なものにホルモンバランスも含めて体調に留まらず精神状態も多くを依存している生き物なのだ。
　その傾向は性的に成熟し肢体が開発されてアクメを極めれば極めるほど顕著なのだ。
　真也たちに出会う前の彼女なら違う選択をしたであろうが、目覚めた肢体が男に逃げるしか選択肢が許さなくなっていたのだ。

　晶子は自らセックスレス夫婦という悩みと現在の自分が置かれた性的な関係にギャップを感じて達也に相談していた。
　彼の意見は極めて男性的だったが、それがリアルで一般的な意見とも理解していたし、どういう形であれ不倫セックスにどっぷり依存してしまっている自分自身が抱える貞操感の欠如は離婚されても文句言えない立場なのだ。
　達也から聞かされる龍聖の清廉潔白さに絶望したのは間違いない。
　そんな時に恋から彼の性癖に関する報告があるのだ。
　それは晶子にとっては青天の霹靂だった。

　夫龍聖が寝盗られ願望症候群という性癖であるとの見立ては驚きでしかないが、「美あんず」で出会う素晴らしい夫たちがその同類であるということも戸惑いを大きくするのだ。
　晶子は夫は自慰癖があってそれ故にリアルな女性に性欲が向かないのだと思っていたのだ。
　そして夫が自分の使用済み下着で楽しんでいることも気がついていたのだ。
　それを咎めなかったのは彼が下着泥棒とか犯罪に追いやらないかという懸念と、なんだかんだ自分に性のはけ口を向けているということが嬉しかったのだ。

　彼女は恐る恐る確かめることにした。
　一歩間違えれば浮気不倫を追求されてもおかしくないが、夫は妻の洗濯物を物色するという負い目もあるから最悪事態はこないだろうとの打算もあったろう。
　そして使用済みコンドームを持ち帰り、使用済み下着に精液を付けて洗濯物として出すという試すような行為に踏み出したのだった。
　結果は夫が指摘通りの性癖であることを示していた。
　恋は都合が良かったねと言ってくれるが、晶子の心境は複雑だった。

　恋はもう正面突破で夫婦の語らいで解決できると強気であったが、晶子はそれでも夫に申し訳ないという気持ちが強いし、夫が一方的に負け犬みたいな立ち位置になるは納得がいかないのだ。
　まさにそんな時に荒木萌衣という存在を知る。
　恋が抜擢した彼女はあまりの才女ぶりに唖然とさせられるが、夫の元部下ということでビックリさせられる。
　そして彼女が転職を決断した理由に再び驚かされて、凄いショックを受けたのだ。

　夫龍聖との不倫関係になってそれを清算する意味での転職というのだ。
　晶子にとっては目の前が真っ暗になるほどの事実だった。
　萌衣は自分より一回り以上年下の若い女の子であり、一番女として太刀打ちがしようがない相手なのだ。
　ある意味、最悪最強の相手なのだが、この話を面と向かって本人の口から明かされた気持ちは言葉に言い表せない衝撃でしかなかった。

　ただこれで晶子は龍聖の妻の座を萌衣には渡したくないと強く決意したのだ。
　これは萌衣からの挑戦状と受け取った。
　彼女は彼の性癖も含めて彼への愛情を隠そうともしていないし、晶子が座を放棄するならわたしが貰うからという態度なのだ。
　同時に恋の意図も察した。
　恋が自分たちの問題に萌衣を介入させたのは晶子の躊躇を断ち切るためなのだ。

　晶子は恋と萌衣が主導する企画に同意したのだった。

　女とは１度決断すると極端なほど割り切ってしまうのは世の常だし、結果的に潜んでいた自らの性癖と向き合うことになるとはこの時の晶子は考えもしていなかったのだ。
　晶子は計画決行日を指定され福岡に単独で向かった。
　決まっているのは夫の目の前でセックスするということだけだ。
　その後は成り行きであり、恋と萌衣がサポートしてくれるという約束であった。
　彼女はこの日に向けてエステに通い肢体を磨き上げ、下着も新調して準備してしまうのは夫への愛だった。

　唯一の不安はシチュエーションがどうかという点だけだった。
　さすがに真横に夫がいる状況は荷が重い。
　しかしその不安は杞憂だった。
　マジックミラー越しというもので安堵するが、会場がステージだったから違った意味でビックリする。
　その些細な隙を抜け目ない達也につけ込まれる。
　背後から抱きしめられ首筋に顔をうずめられる。
　歯が浮きそうな口説き文句を彼が言うと破壊力抜群で晶子ですら肢体が痺れてしまう。

　鏡に映る自分は自分ではないように感じる。
　ただ肉欲溺れた不貞妻でしかないのだ。
　会場が凄すぎて夫の気配も感じられない。
　達也の手際の良さに圧倒される。
　下着姿にされてベットに押し倒される。
　あっという間に肢体に火を入れられてセックスモードになっていく自分を抑えられない。
もはや目を開けていられない。

「あなた　龍聖　ごめんね」
「わたし　こんな女なの」


　下着をはだけさせられおっぱいを好き放題吸われ舐め回される。
　乳首をコロコロと舌先で転がされるだけで肢体に電気のような快感が走り抜ける。
　それだけで息も絶え絶えなのにパンティを下げられていやらしい音をたてられて蜜壺を舐められ翻弄される。
　もう意図せず声が漏れてしまう。
　片脚パンティを脱がされまんぐり返しされて濃厚なクンニをされてしまう。
　完全に彼女のツボに入ったリズムで舌を振るわれると軽く何度も逝ってしまう。

　ハッと意識を取り戻したときには彼が仰向けになりシックスナインの体勢に誘導されてしまう。
　躊躇うことなく彼の顔に跨がり彼の股間に顔を近づけるとまだトランクスが視界を遮っていた。
　もう肉棒が恋して堪らないからトランクスを押し下げようとした刹那クンニ強い刺激で悶絶して崩れ落ちてしまう。
　それでも肉棒を求めてトランクスを押し下げる彼女はセックスに溺れた雌犬であった。
　巨大な逸物を手に入れるとトロンとした瞳を揺らしながらむしゃぶりついた。
　マジックミラーの向こうにいる夫に見せつけるようにいつも以上に濃厚なフェラチオを披露するのだ。

　次第に彼女を夫に見られていると思うだけで得体の知れないゾクゾクとする興奮が包んでいく。
　夫に自分の本性を見て欲しいのだ。
　今まで言葉にすることも怖かったし、それを自覚するのも避けてきたのだ。
　真也にオンナとして扉を開かれて達也にそれまで怖くて避けていた深淵の存在を教えられてしまった。
　日に日に肢体に華開いていくアクメのワールドに驚きつつ、あっという間に飲み込まれていく。
　もう普通の人妻、母親では自分はいられないのだと絶望すらしたのだ。

　恋には紗弥が期待した才能が目覚めたねって褒められるが、自分も彼女たちと同類のオンナだったという事実は正直認めたくないが肢体は暴走していくことを止められない自分がいるのだ。
　そう自分はセックスが死ぬほど好きなピッチなのだ。
　初めは真也と達也に圧倒されて翻弄されていたのに、今では彼らに騎乗位で跨がってもっともっととおねだりするほど貪欲なオンナになっていたのだ。
　当初は真也と達也のせいだと思っていたが、自分の本性が露呈しただけだと次第に認めていくことになる。

　その自覚は彼女の肢体に更なる飛躍をもたらした。
　肢体が活性化して宙を舞うような浮遊感をもたらし、背筋から脳が溶けてしまうようなアクメが病みつきになっていく。
　その頃から彼らの誘いでセックスするのではなくて、自ら求める流れに変わっていったのだ。
　今回、真也が癒やしを求めて縋ってきたことで彼女は我に返る。
　彼らとは大人の付き合いドライなセフレ的なことしか求めていないし、妻とか彼らの人生伴侶になりたいとか望んでもいないのだ。

　晶子は夫龍聖の腕の中に戻りたいのだ。

　龍聖とは大学生時代に違う大学同士でサークル合同コンパで出会った。
　晶子の一目惚れだった。
　一目で彼の人柄と資質に惹かれたのだ。
　学生時代は恋人同士で普通に付き合っていたが、卒業後に直ぐに晶子が結婚を望んでアプローチするが思うように話が進まない。
　彼は草食系でそういった面に積極性がなくてむしろ消極的なのだ。
　学生時代から気がついていたが彼はリアルより映像の女性像に惹かれているような気質があったのだ。
　晶子はそんな彼を強引に押し切って結婚したのだ。

　彼は草食系の皮を被っているが、本性は濃厚で粘質なセックスをする男で、晶子はそのセックスに夢中だったのだ。
　今でこそセックスレスになってしまったが、晶子にとっては生まれて初めてセックスが楽しい気持ち良いって教えてくれた男性が龍聖なのだ。
　彼女の還るべき安らぎの場所はどんなに翻弄されようとも彼の腕の中だけであり、理屈もへったくれもなく彼女がオンナであるためには執着するものなのだ。
　彼と紡いで生んだ我が子龍哉は命に代えても守りたい宝物なのだ。

　正直、自分の本性を自覚した時、夫を裏切り失ってしまうと覚悟すらしていたのだ。
　それが夫の寝盗られ願望症候群だと知って、彼女は救われたと思ったのは正直な気持ちだ。
　だから夫の元に戻るには自分自身に過酷な試練を与えて、彼に自分の本性ありのままさらけ出すことで彼を喜ばせて許して貰おうと考えたのだ。
　達也はそこまでしなくてもと何度も思いとどまるように止めてくれたが、彼女の覚悟を知って協力してくれたのだ。
　達也はやっぱり頼りがいのある大人だと感謝しかないのだった。


　我慢しきれず達也に騎乗位で跨がると、涎を垂れ流している蜜壺に巨根を宛がうと躊躇なくゆっくり腰を沈めていく。
　夫によく見えるように両脚はがに股で大開脚だ。
　ズブッと膣が裂けそうなくらい押し広げられていく、
　達也はかなり巨根で１度でも味わうと忘れられなくなってしまう逸物なのだ。
　そんなものを深々と根元まで咥え込んでしまうオンナなのだ。

「見て　あなた　晶子のあそこは　淫乱な穴なの」

　咥え込むと直ぐに余裕など無くなる。
　彼が起きてきて正対座位で抱きしめられて肢体がキュンと弾けてしまう。
　子宮に巨根がズンズンとめり込む感覚に翻弄される。
　貫かれながらおっぱい吸われて思わず仰け反って逝ってしまう。

「あっあぁぁぁすごぉい　もっとぉふかくぅついてぇ」
「これが　ホントのぉ　わたしなの」
「突き上げられるのが　すきなのぉ」
「どうして　あなた　してくれないのぉ　わたし」

　気がつけば正常位で組み敷かれている。
　巨大なものに貫かれていて体内では内臓が圧迫されて吐き気のようなものが込み上げてきて息苦しいが、謎の悦びが下半身から肢体全体に広がっていく感覚に瞳が潤んでしまう。
　自分はこんなに肉棒を嵌められるのが大好きな雌犬なんだと改めて思う。
　夫が嵌めてくれないのだから嵌めてくれる人に肢体を預けるしかないのだ。
　夢中で白い手脚を彼に巻き付かせてもっととねだる。

　そして彼女が待ちに待った瞬間が訪れる。
　両脚担ぎ上げられてお尻が天を仰ぐ姿勢にされる。
　屈曲で圧迫されて苦しいのに、屈服される感じが堪らなく好きなのだ。
　目の前で愛おしい巨根が自分蜜壺に埋没していくという情景が自分はただの雌なんだと思い知らされる至福の時だ。
　真也と達也に出会う前にこんなセックスがあるなんて全く知らなかったから初めは犯されている感覚が凄くて屈辱的で嫌な体位だったのに、奥の快楽に目覚めてからそれは一変した。

「わたしが　本当の自分を　気づかされたの」
「あなた　見て　破廉恥な晶子を」
「わたしのあそこがぐちょぐちょなの　見てぇぇぇ」


　龍聖は口を半開きにしてＡＩ眼鏡が提供する映像世界に食い入るようにのめり込んでいた。
　アダルトビデオとは比較にならない過激映像と音。
　なにより被写体は自分自身の普段知的で理性的な生真面目な妻なのだ。
　妻はアラサー世代でいつも凜とした雰囲気の中に大人の女しか身に付けられない色香を漂わせたかなりの美女で、街を歩けば必ず振り向く男が何人かいるタイプだ。
　彼女自身は自覚があまりなくて龍哉のお母さんの顔とキャリアウーマンの顔を使い分けていると思っていたのに、画像世界にいる彼女はただの雌だったのだ。

　喘ぎ声を漏らし肢体を何度も痙攣させて肢体に駆け巡る性的快感に溺れてしまった様子が伝わってくる。
　彼女の本性は淫乱な雌だったという発見に感動していた。
　そう龍聖はずっと不満だったのだ。
　晶子は自身の魅力に無頓着で他の男性からの視線をスルーしてしまう女で、せっかく真横の特等席いるのに妻が視姦される臨場感を楽しめないのだ。
　子育て中のチラリズムでもそんなことの繰り返しだった。
　彼はずっと妻が恥ずかしがる恥じらう姿を見たかったのだ。

　そんな失望の繰り返しはいつしか妻の肢体への興味を失わせてい、アダルトビデオと自慰世界に閉じこもりがちになっていくのだった。
　たがらといって美しい妻への愛情が失ったわけではないのだ。
　妻の使用済み下着に執着するという歪んだ形ではあったが、それでリアルに他の女性によそ見したりすることもなく映像世界と妄想で生きてきたのだ。
　しかしそれによって寝盗られ願望症候群を発芽して、それが徐々に肥大化していくことになったのだ。

　龍聖は興奮がピークに達して全身から発汗して鼻息が荒かった。
　股間はズボンを引き裂かんばかりに勃起して爆発寸前だ。
　朱に染まった妻の肢体が純粋に美しいと思った。
　乳首がピンと立っていて汗ばんだ柔肌が芸術品だと思ったし、妻の肢体を夫として誇らしいとすら思っていたのだ。
　達也にその妻の肢体を好き放題されて悔しいが、こんな妻を引きだしたのは彼だという現実は重い。
　自分には肉棒も平凡だし精力も平凡であり妻を輝かせる器量はないという認識があったのだ。

　紫色の得体の知れない嫉妬と興奮の渦巻きは龍聖の頭を真っ二つに割りそうなほどの感情の嵐となる。
　そんな彼の思惑をよそに妻の切ない喘ぎ声とアクメ顔は止まることを知らない。
　妻を寝取られてしまったのだと絶望があるのに、肉棒は痛いほど硬くなっていて妻が達した瞬間射精してしまったのだ。
　トランクスの中はベタベタで次第に冷たくなってきて違和感しかない。
　それで自覚する。

「俺は　変態なんだ」
「指摘されたとおり　寝盗られ男なんだ・・・」
「俺は　俺は　晶子　ごめん　俺は変態なんだ」


　萌衣はそんな龍聖を温かく見守っていた。
　それより晶子の吹っ切れた行動に感心していた。
　つい先日まで夫に発覚することを恐れ思い悩んでいた女性には見えないのだ。
　そして達也が彼女にかなり肩入れしていることが女の直感でピーンときたのだ。
　確かにアラサーなのに肢体にたるみも一切無くて凜とした美しさがあり、ある意味日本女性の理想像に使いボディラインなのだ。
　まさに抱いたら２度と忘れない肢体だと思ったのだ。

　龍聖が射精したことは漂ってきた匂いで察知した。
　彼女すれば未だ摩訶不思議な感覚だが、寝盗られ願望症候群という性癖は救いがたい病なのだと受け止めていた。
　ちょっと彼が憐れにも思うが、それはそれで彼は幸せなのだから彼女としてはどうしようもない。
　とりあえず彼のベルトに手を伸ばす。
　彼はビックと反応するが、未だＡＩ眼鏡の世界から帰ってこないのだ。

　トランクスがかなり汚れているから彼を立ち上がらせてそれらを全て脱がせてしまう。
　広い観客席で２人しかない状況で、かなり滑稽な光景ではある。
　萌衣は眼前にギンギンにそそり立つ肉棒に夢中だ。
　迷うことなくフェラチオ始めてしまう。
　彼が後ずさり椅子にあたって再び着席してしまうのに便乗して彼を責め立てる。
　これは萌衣なりの嫉妬なのだ。

「そんなに　晶子さん　愛してるのね」
「なら　もっとしっかりして　でないと」
「晶子さん　ホントに盗られて失うよ」


つづく
【前頁】/【次頁】
あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
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2025年5月6日掲載
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