19.


　正面玄関から出た刑事は、冷え込んできた闇中でひとつ身震いすると建物の角へと歩いていった。
　目的地である喫煙エリアへあと数歩のところで、咥えたタバコにライターで火をつける・・・。
　その後姿へ息を殺しながら近付いた純子は、ナース服のスカートをソロソロと捲り上げると、太腿に固定してあるサックからナイフを抜取り、右手にかまえる。
　紫煙を夜空へ向け吐き出す若き刑事の背中へ差し向けられた刃が、純子の右手とともに一直線に突き進んでいく！
　鈍い音と低い呻き声が静寂を打ち破り、木々で羽を休めていたカラス達が甲高い泣き声を残し夜空へ羽ばたいていった・・・。

「そうですか・・・・」
　医師の話に柔和な声で応えた松風は、後ろで目を潤ませる早苗の肩を優しく撫でると、温和な眼差しで哀れんだ。
　気遣う老刑事の温もりに目頭が一層熱くなる早苗の耳に、繰り返される電子音が聞こえた。
「失礼！・・・」
　上着の内側を探った松風が取り出すポケットベルが点滅しながらけたたましく鳴り、音を止めた松風は目を細めてディスプレイを睨みつける。
「ヨシッ・・・・！」
　ポケベルを内ポケットへ戻した老刑事は、項垂れる早苗の冷たい手を握りながら言った。
「助ける術を持っていますよ。我々は・・・・」
「えっ・・・・？」
　頬を濡らしたまま見上げてくる早苗に力強く頷いた松風は、ツブれた耳を指先で数回撫でると、熱い眼差しで早苗を見詰め返した。


「松風です！たった今、対象の一人を捕らえました！すぐに第二段階へ進みますので手配願います！！」
　携帯電話で話しながら歩く松風は、正面玄関を出ると体を左に向けた。

「ぐううううっっ・・・・・・・・！」
　皮製の猿轡で口を塞がれた純子がカラダを大きく揺すり抵抗を試みる。
　その腕を背中で捻り上げたまま制圧する若い刑事は、喫煙コーナーまでやって来た上司である松風と無言で頷きあう・・・。
「ご苦労だったな、山部！」
「チョロイもんですよ！こんな甘チャン！」
　そう言った山部が頭を叩くと、叩かれた頭を激しく振って純子が唸りを高める！
「本部には連絡をとった・・・。すぐに工作車両が裏側につくから、コイツを連れていってトコトン聞きだせ！俺は待機している部隊ともう一人のオンナと裏切り者を叩きのめしてくる！」
「金井のヤロォ〜！尋問は俺にヤラせてくださいね！アイツ、散々面倒みてやったのに裏切りやがって・・・・！」

　浮上がる筋肉がキリキリと引き締まり、腕を捻り上げられた純子が堪らず呻きを漏らす。
「おっとスマン！アンタはこれから大変な目に合うんだから、今からイジめたら可哀想だなっ」
　修羅場をものともしない若き刑事の眼力に、純子の腰がカタカタと震えだした。

「じゃあ頼んだぞ！連絡は密に、時間が勝負だからな！」
　そういった松風は、建物の角から閃光で合図する隊員へ片手を挙げると、３０歳は若返ったような走りで部隊へと飛んでいった！
「気をつけて、大先輩・・・・」
　その姿を頼もしげに見送りながらも、若干不安を感じる若き山部は小さく呟いたのだった・・。
　ここから一気に、沙紀達の救出劇、そして本丸への攻撃にまで進展するはずだったのだ・・・・・！この時点までは・・・・。

　
「もう・・・・ああっ！　ホントにぃぃ〜・・！ああんん！！・・　ダメぇぇぇーーー！！！」
　何発連続で外人の蜜穴へ精を放ったのかも不明なほど、金井の腰は休む間もなく激しく動きつづけていた。
　立ちバックから繋がった二人は、正常位で２発→通常のバックスタイル→騎乗位の対面、背面とつづき、今は対面座位で深く絡みあっている。

　サンドラの金髪はメチャクチャに乱れ、汗で額に張り付く前髪がキラキラと光り金井を魅了する！
　座位で豊満な胸を揺らし、掠れてしまった淫声で叫びつづけるサンドラの肌は、全体をピンク色に染め抜いて濃い密汗を噴き出していた！
「またイクよぉぉ〜！！　はあああ！！！」
　何回出しても勢いのある精液が淫壺の天井をたたき、収縮する巨大な亀頭に子宮口を開閉されたサンドラは胸を突き出して絶頂の叫びを挙げた！
「ぐうううう・・・・はあああああああああああ！！！！！！」
　サンドラの白肌がビクリと跳ね上がり、腰に絡ませた長い脚が金井の脇腹を強烈に絞り上げたとき、鍵のかかった扉が内側へ打ち破られ、黒ずくめの男達が一気に雪崩れこんでくる！！
「フリーズ！！動くなぁぁーー！！」
　床の上で重なり合う男女を素早く引き剥がした男達は、二人が言葉を発する間も与えずに素早く拘束状態に陥れる！
　Ａのチームがサンドラを部屋の外に連れ出し、そのまま純子の待つ工作車へと連行していく。
　Ｂのチームに取り押えられた金井の前にしゃがんだ松風は、今だに屹立しつづける陰茎を指先で弾くと、呻く部下だった男のアゴを掴み、視線を自分へ向かせる。
「金井、随分イイ思いをしてきたんだな〜・・・・。俺もカアちゃん以外と一回はヤリたかったな〜・・・！まあ、イイ思いをした分、お前はこれから地獄しか見る事が出来ないんだけどな」
「ぐううう・・・・・」
　温和ながらに重厚に威圧する言い回しに金井は観念したのか、涙を滲ませて首を深く垂れた・・・。

　約１５分後・・・・。

「松風さん、純子がゲロしました！ノエルと瞳が間もなくやって来るそうです！！」
「そうか！遂にお二人と対面ってわけか・・・。ううう、震えが止まらないぜ・・・・！」
　訪れる重要ターゲットとの対決に松風は武者震いした。
「それと・・・」
　報告の残りを告げるべく山部が険しい表情をした。
「なんだ？」
「はい、これは拷問・・いや、取調べの最後に純子が口走ったことなんですけど、どうやら早苗の他に窮地に立たされている女性が居るらしいんです」
「彼女の他にか・・・。それは充分考えられるな・・。今迄のヤツらの手口からいって、被害にあった人間は数知れない事が解っているからな」
　松風は自分のアゴを掴むと、天井を見上げたのちに項垂れる金井に視線を移した。
「おい金井！お前はその辺、何か知ってるのか？」
　問いかけに答えない元部下に、元上司の鋭いケリが見舞われる！

「グウウ・・・・！！！」
　脇腹にメリ込んだ使い込まれた靴の先が、尚もグリグリと捻られ肋骨を軋ませる。
「ぐああああああ！！！むうううううううっっ・・・・！！！」
　激しい痛みに顔を顰めた金井は、松風を睨みつけると片鼻を上げて顔色を変えた。
「そうか、ナニか知ってるんだな！それならお前の心を開放してやろう・・・・」
「そうですね！下半身の次は胸の中って・・スミマセン・・！」
　おどけた山部を一瞥した松風の真剣な眼差しに、場違いを痛感した山部は申し訳なさそうに頭をさげた。

「さあ金井、ひとつ取引といこう！今すぐにお前が知っているコト全てを話すんだったら、この後の尋問は正式な手続きを取って受けさせてやる。だが、隠し立てをするようなら、尋問パートナーは山部になるが、どうだ？」
　ビクリと上半身を揺らした金井が、恐る恐るといった感じで山部を見上げる・・・。
「ヨロシクなぁ〜〜！」
　ニヤリと笑った山部が、ポキポキと１０本の指を鳴らし、首を廻して筋肉をほぐし始める。
「うう・・・・・っっ・・・」
　その仕草に目を逸らした金井に、松風はゆっくりしたトーンで語りかけた。
「お前が一番コイツの怖さを知っているだろう？だったら素直に全部話すんだな！金井」
「はい・・・分かりました・・・・。だから先輩には・・・・尋問させないで・・ください・・ううう」
「承知した・・・！」


　純子達の証言、そして金井の証言に数多くの共通点を確認した松風は、多恵と沙紀が監禁されている場所へ急行してもらうべく、本部にレッドコールを送る！
　それを受けた本部長がただちに緊急指令を発動し、立花を指揮官とする部隊を菊地の事務所へと出動させた！
　立花が多恵達の救出に成功し、その旨が本部を通して松風に伝達された頃、松風が待ちかねていたノエルと瞳が最寄のインターを降りて病院へと近付いていた！

「そろそろ現場に着くわ！気を引き締めてかかるわよ、ヒトミ！」
「分かってるわノエル！純子達と協力してサッサと忌々しい二人を片付けましょう！」
　ポルシェがエンジン音を抑えながら病院の敷地へと入っていった・・・・。
　駐車場の一番隅へ停まったポルシェは、一気に冷えていくエンジンをキンキンと打ち鳴らしながら静寂へと包まれていく・・・。

「なんだか様子がおかしくない？・・・・ノエル」
「そうね、やけに人の気配が無さすぎるわね・・・・」
「純子に連絡を取ってみたら？」
「分かってるわ・・・」

　携帯から発せられる呼び出し音に応える様子が見られない時間がつづく・・。
「何かあったのか・・・それとも・・・！！・・」
「ヒトミ！発進させてー！！！」
　ノエルの視界に闇に紛れる人物が確認され、これが罠だと悟ったノエルは大声で叫んだ！
　
　動きを停止していたポルシェのエンジンが吹き上がり、タイヤを鋭く鳴らして駐車場から飛び出そうとする！
　しかし、その制動を阻止するべく立ち塞がった巨大な工作車の脇腹へ、轟音とともに突き刺さる銀色の翼・・・！
「ぐああああ・・・・・！！」
　ハンドルに打ち付けた額から鮮血を迸らせ、低く呻くヒトミの米神に、冷たい鋳造物が押し当てられる。
「ここまでだ、お姉ちゃん！！」
　山部の構えた拳銃の先がグリグリと米神を圧迫し、瞳の眉間が苦痛で皺を寄せる。
「アンタも観念するんだな・・・・！やっと会えたよ、ノエルさん！」
　煙を噴き出す銀色の車体の反対側から差し込まれた拳銃が、ノエルの後頭部へと合わせられた・・・・。


「立花、遂にノエルとヒトミを捕らえたぞ！これから本丸の居所を聞き出すが！そちらの状況はどうなんだ〜？」
「フム、先輩、本当にご苦労様です！たったいま部下の高橋から報告が入り、菊地以下を拘束して本部に向かっているそうです！」
「さすが立花のチームは仕事が早い！毎回ながら御見それするよ！」
「そんな先輩、照れ臭いことを言わんでください・・・。これも先輩の厳しい指導があってからこそですよ」
「はははは。そう言ってくれるのは君と山部くらいなもんだよ。とにかくソッチもご苦労さん！だが、これは始まりに過ぎないコトを皆に良く言って聞かせてくれ！本丸・・・通称デビルの足取りはまだ掴めてないんだからな・・」
「当然です！ここまで来るのに長い年月を要したんです・・・。更に気を引き締めるよう、すでに全員に伝えてあります。双方連携をとって遂にはヤツを白日の下に晒してやりましょう！！」
「フム・・・お互いに油断は禁物だぞ・・・・立花・・・・」
「はい・・・先輩も！全部片付いたら、昔みたいに一杯やりましょう！懐かしいあの屋台で・・」
「分かった・・・」

　こうして、最大の決戦が幕を切っておろした・・・・・！


　
「さあ菊地、お前の知ってること・・・つまり通称デビルの居所をゲロして貰おうか！」
「そんなモン、下っ端の俺が知ってる訳ないだろ〜！バカかテメエら！！」
　取調室のパイプ椅子にフン反りかえる菊地は、両脚をスチール机へ乗せると中腰で見詰める高橋を嘲笑った。
「そうか、確かに下っ端中の下っ端なオマエには、黒幕の居所なんて解らんかもしれない。だがな、都度の連絡状況から多少の推測が可能なはずだ！それを話してくれって言ってるんだよ・・・・」
　アゴに蓄えたヒゲを柔らかく指先でとかしながら、ヒゲ面の高橋は椅子に腰掛けた。

「なあ、オマエがここに居る理由は解ってるよな？」
「ああ、奥様達を可愛がって鳴かせた罪なんだろ〜！まったく理不尽だねー！あんなに喜んで腰フッてたのに、それが罪になるって言うんだからね〜！世も末だね・・・ふうぅ〜」
　被害者を侮蔑する菊地の態度に、高橋の正義感が沸々と燃え上がる・・・・。だが、感情を敢えて抑えた高橋は、菊地の目を鋭く睨みつけると話を再開した・・・。

「世も末っていうなら、オマエのこれからは末中のスエだな！その辺の覚悟ってのはもう出来てるのか？」
「ナニ言ってやがるー！！　たかが淫乱人妻を大勢で狂わせただけだろ〜？！それがレイプっていうなら、仕方なく認めなくもないが、大した罪にはならねぇだろ〜よぉ・・！」
「大した罪にならないだと・・・・・！？」
「当たり前さ〜。高橋の旦那だって、ちょっと考えれば分かるはずだぜー！それによ、コッチはご丁寧にもその様子を証拠に残してるんだよ！それを見てもらえば、最終的には和姦だって否応ナシに思うはずだぜ〜！！」
「フザけた野郎だ・・・・・！！」
　苛立ちを押し殺したまま、高橋は取調室を出た・・・。

　
「どうだ？」
　極端に狭い部屋へ入った高橋は、モニターを見詰める数人の部下に声を掛けた。
「う〜ん・・・。レイプなのは疑いの余地ありませんが、ココまで反応を示されるとチョット・・・芳しくないですね〜」
　モニターには、菊地の事務所から押収した人妻陵恥のシーンが流れていた。
　音声は敢えてダウンしてはあるが、１４インチのモニターに映し出される二人の美しき人妻は、その端正な顔と魅惑的な裸体を一心に振り乱して、活発に動く男達に眩い微笑を振り撒いていた・・。
　その痴態には、流石の高橋もヒゲに手をあてて低く唸った。

「全部でどれ位あるんだ？」
「カウンターを調べましたが、総計で２００分ほど・・・・」
「そんなにか・・・？それで、いつ程からこんな状況が見られるんだ？」
「はあ・・・・。映像が始まって４０分くらいですかね・・・」
「４０分？だったら充分じゃないのか？立証するのは」
「それがですね、最初の１５分は嫌がる素振りも確認できたんですが、それ以降はどっち付かずで・・・。そんでもって４０分にはすっかりですので・・・・ははは・・」
「う〜ん・・・・！なんとか確実な証拠を見付けてくれ！それがヤツを素直にさせるネタになるんだからな！」
　目をシバシバとさせる部下の肩をポンと叩くと、高橋は小部屋を後にした・・・。



「デビル様、如何様にいたしましょうか？・・・・」
「ウム・・・。相手の手の内に落ちた連中は放っておいて良い！頭の出来が悪い連中に、私が困らされる必要もあるまい・・・・。しかし、このまま指を咥えている訳にもいかんからな、五月蝿い虫は早々に片付けるに越したコトはない」
「では、この者達を利用して、相手の本脈を封じますか？」
「それが良かろう。頼んだぞ！信頼の置ける部下達よ・・・・」
　何処からか流れ込んだ煙がデビルの身体を覆い隠すと、煙幕が消えると同時に、その姿も消え去っていた・・・。
「・・・・イヤっ・・・・・！」
　醸し出される異様な光景に、三人の女性が同時に小さな悲鳴をあげた・・・。

「それでは淑女の皆様、デビル様の為に美しき身体を張っていただきますよ・・・ホホホホホ！！」
　鉄製の磔（はりつけ）に四肢を縛られた三人の淑女の前に、一人ずつの男が近付いていく。
「それでは、まずは最年長の貴女から、二人に良い手本を披露してもらいましょう〜・・」
　横へと３つ並んだ磔の真ん中で蒼白となる女性の衣服に、大きなハサミが鋭い刃の片側を潜り込ませると、ジャキジャキと音をたてて上へと切裂いていく！
「イヤァァーーーーー！！」
　鼻筋の通った美麗な面持ちが、恐怖へと色を変え断末魔の叫びをあげる！
　ジャキンッ！・・・。首元で合わさった２つの刃が音を響かせると、第一の淑女の上半身で衣服が左右へと分かれる。
　横へと開いた服の合せ目から覗く、豊かな二つの膨らみが鮮やかな谷間を形成し、慄くカラダと呼応して小さく揺れる・・・。

　床へと大きなハサミを置いた男の両手が、衣服の裂けた場所を掴むと、そのまま一気に真横へと引き上げていく。
　谷間の大元が美しく山脈を作り上げ、大部分を守りつづけたブラジャーの細い繋がりに、小さ目のハサミが差し込まれると、チャキン！と軽快な音色を発し山脈の上からカップの蓋が儚く滑り落ちる。
「ヤッ・・・・！嫌ァァァ〜〜！！！」
　プルンと零れでた確かな存在は、真っ白な皮膚に微かな毛細血管を彩りながら、その美しさが命取りとなる事も知らずに持ち主に合わせて震えていた・・・。


「オカシイな・・・・買い物にでも出てるのかな・・・」
　呼び出し続けるコール音を数十回繰り返した立花は、自前の携帯を畳むと内ポケットへ戻した。
「主任、局長がお呼びですが・・・どうかしましたか？」
「いや、何でもない・・・。ちょっと妻に連絡を取りたかったんだが、どうやら留守の様だ・・・」
「そうですか。お急ぎでしたら、私がマメに連絡を入れましょうか？」
「いや、プライベートな事柄に君を使うわけにはいかないよ・・。気を廻してくれて有難う！」
　部下に微笑んだ立花は、局長室へと急いだ。

「局長、お呼びですか？」
「おお、立花君！今回はお手柄だったな〜。流石に俺が目を掛けただけの男だよ！」
「いえいえ、まだ本丸の居所が判明してませんので、気は抜けませんが」
「まあまあ、そう謙遜せずに！しかし、仲人をした僕としては鼻が高いよ、ははははは！！」
「恐縮です・・・・・」
「ところで、美しき奥方は元気にしとるかね？余り仕事ばかりに気を取られていると、夫婦仲に影響を及ぼすぞ！まだ若きエリート主任の奥方は、僕らの間でもその美麗さが評判だからね〜！」
「こちらも恐縮です・・・はぁ・・」
　まさか、こんな話をする為に自分を呼んだのでは無かろう・・・。立花は若干イラだってきた。
「君は歳は幾つになったんだ？」
「はい、先月４０になりました」
「もうそんな歳かっ？じゃあ奥方の日名子さんは・・え〜と・・・・」
「やはり先月、３４になりました・・・・」
「そうだそうだ！結婚した時はうら若き乙女だったヒナコさんも、今じゃ魅惑の淑女になったわけか〜！！うんうん、良いコトだ・・！」
「あの局長、他に御用がないようでしたら、そろそろ業務に戻りたいのですが・・・・」
「おお、そうしてくれ！君の出世が掛かっているからな、充分に気を引き締めて本丸を追い詰めてくれよ！」
「了解しました・・・失礼します！」

「ナニが君の出世だよ！本当は自分の今後に影響するってコトだろ・・・」
　局長室から続く長い廊下を足早に歩きながら立花はイラ立ちと共に軽く毒づいた。

《ねえアナタ、私もそろそろ可愛い赤ちゃんが欲しいわ・・・》
　３日前の夜、妻の日名子に囁かれたセリフが脳裏に浮かんだ・・。それ以来、妻とは顔を合わせていなかった・・・。
「日名子・・・、この件に型がついたら長期休暇を取るよ。そしたら毎晩子作りに励もうな・・・・」
　電話に出ない愛妻に心を馳せながら、立花は呟くと、顔を引き締めて現場へと戻っていった。


「いぃ・・・や・・ぁぁ・・・ああぁぁ・・・！」
　憂いの人妻が油汗を滲ませ、均整のとれた裸体を小刻みに痙攣させる。
　毟り取られた全ての服が足元へと散らかり、男の赤い舌が乳首へと巻きつき、長い指が割れ目へ絡み付いて音を立てる。
　３人の中で一番の長身の日名子は、卓越した男の愛撫に漏れる声を止められずにいた・・・。
　細く長い手足は対角線に大きく開かれ、Ｘ字で頤を激しく振る美麗の人妻の壺穴へ２本指が挿入される。
「あはっっ！！　イヤっっ・・・・・・・アアア」
　最長の中指が届く限りの内部を軽快に擦りあげ、指圧されるスポットが齎す刺激に日名子の蜜がグチュグチュと溢れだしてくる！

「ひ、日名子さん・・・・・・負けちゃダメよっ！」
「そうよ日名子さん！こんな非道に屈しちゃだめぇ〜！！」
　左右でＸ字に拡がるカラダを必死に揺らし、二人の女性が日名子の精神を繋ぎ止めようと声を絞り出す！
　そんな二人を嘲笑うように、突き挿れた指を激しく動かし日名子の裸身を弄ぶ男・・・。
「ま、負けない・・・わよぉぉ・・・・！負けないわ・・・・」
　二人の声に理性を取り戻す日名子は、激しく出し入れされる指刺激に顔を強張らせて声を振り絞った！

「あらあら、無理に頑張るとカラダに毒ですよ〜。楽にして差し上げたら？」
　オンナの言葉に頷いた男は、指を挿入したまま上体を低くすると、９０度に開かれた両脚のつけ根に顔を寄せて舌を伸ばした。
　内部を引っ掻く指腹に耐える日名子の飛び出た突起に舌先が添えられ、一気に上下に震動を始めると熟れた肉マメを高速で転がしていく！
「はあああっっ・・・・・・！！　ひいいぃぃ〜〜！！　きゃああああああ」
　貼り付けられた人妻のカラダが前後に大きく波をうち、肉付きの浅い臀部が何度も鉄に打ち付けられる！
「そうそう、素直に悶えちゃえば楽になるのよ！こんなのは序の口なんだから、最初から頑張ってたらオカシクなりますからね〜」
　オンナのセリフが耳に届かない程、淫核を舌で弾かれながら指を挿入される日名子は留めようのない嬌声を漏らしつづけた！！
（あああ・・・・貴方・・・・・助けて・・・・・）
　脳裏に浮かぶ愛しい立花の優しい笑顔・・・・・。しかし、それも強烈に吸われたクリトリスへの刺激で遠くに吹き飛んでしまった・・・・！
（ゴメンなさい・・・・・アナタ・・・・・）
「ああああああっっっあああああああ！！！！　いいいややああああああああ！！！」
　磔の美しき全裸を激しく痙攣させ、日名子のカラダは猛烈な絶頂感に襲われていった・・・・。