| 第一話 浩平は、勉強机の前に座り、ブリーフを膝まで下ろすと「あのいつもの行為」に励んでいた。痛いほど堅くなったそれを右手できつくしごく時ほど、幸福な一瞬はない。 「ねえちゃん、いいよおっ、ねえちゃんっ、いっぱつ、してえよおお、」 パイプ椅子がきいきいと音を立てる。浩平のいきり立った１５ｃｍの先からベトベトした透明の液体が溢れ、ぬるぬると手がすべる。不器用にティッシュで拭い去ると床のカーペットにぽとりと落とす。ティッシュが散らばり、生臭い匂いが立ち込める・・・。 姉のサキは、名門Ｋ大学法学部３年生。学園祭で準ミスに選ばれる程の美人でスタイルも抜群。先日とある芸能事務所から声がかかり、グラビアアイドルとしてデビューすることに。撮影に使うというその真っ赤なビキニは、手のひらがあれば隠れそうな程の三角形が結び合わさったものだった。きょうだいとはいえ、そんな姿を見せてくれたものだから・・・。 発育が良すぎる胸の大きなふたつの球形は、窮屈なビキニの布を突き破らんばかり。引き締まった腹部の下には食い込んでよじれたもう一切れの布があり、尻の谷間に痛いほど食い込んでいる。 「どう、セクシーって言ってくれるっ？」 「ね、姉ちゃん、やめろよ。かあさんが帰ってくるぜ。」 どぎまぎする弟を挑発するのがたまらない。姉は知っている。この後この純真なくせに人一倍性欲だけは強い弟がどうなるかを・・・。そして、サキ自身もそんな弟の「みだらな姿」を想像して、指で「あそんで」しまうのだ。 父親は海外へ単身赴任か海外出張の連続、母はキャリアのバリバリという家庭で、姉と弟はほとんど放任という状況のもとに育った。夜遅く極度の疲労と共に帰宅する母。弟の面倒はほとんど姉が見てきた。掃除、洗濯に、食事の世話。きょうだいはそれが必然のように仲がよく、弟はしっかり者で聡明な姉を頼りにしてきた。ただ、浩平が思春期を迎えるようになった頃、一つの変化がもたらされた。それは、姉のサキに対する弟の強い性的関心である。 高校へ入る頃からますます色気づくようになったサキ。テニスで鍛えた引き締まった脚と尻。それをかろうじて隠すくらいの短い制服のプリーツスカート。ブラウスはいつも大きくはだけられ、発育著しい胸の谷間は大きく露出されている。 「ただいまあ。」 階段を二階へ上がるサキは余りにも無防備で、下から見つめる弟の視線を気にしていない。「ブルマーはいてるから」というのが理由だが、多感な弟にはそんなコトが通用する筈はない。中学からはいている濃紺ブルマーは、あきらかにサキの成長についてゆけていない。動くたびにブルマーはサキの引き締まった尻にクイクイと食い込み、パンティーをはみださせてしまう。 「もう、しんぼできん・・・」 いきおい、パンツをおろすとハゲんでしまうのだった。 しかし勢すさまじく熱い液体がほとばしり去ると、深い罪悪感に苛まれることになる。 「オレ、ねえちゃんで・・・・」 複数の友人はそんな浩平をうらやましいという。 「おまえんとこの、サキちゃん、いろっぺえよなあ。かわいいしよお。オレも姉貴がほしっす。」 「やっぱ、パンティーとか、匂いかいだりするんだろ。」 洗濯物カゴに入れられたブルマーの汗の匂い。部活で染みこんだそれは甘酸っぱい女の匂いだ。母親に気づかれず、そっと部屋へ持ってゆき、鼻に擦り付けて匂いを嗅ぐ。そして右手は股間へ・・・。 サキはいつも弟思いで優しい反面、ちょっと悪戯好きで弟を挑発するところがある。 「ほら浩平、ねえちゃんのこの真っ赤なパンツ、いいでしょ。」 一年先輩のカレシと部屋でエッチする時の勝負パンツである。それをサキは振り回している。高１でバージンを失ったサキには三人目の男だ。オトコを経る度にサキのカラダは美しい曲線を帯び、表情や物腰に「いかにもオトコ好きのする」風情が付け加わっていった。そして浩平は、サキにますます密かな欲望を抱くようになった。 この春、大学受験を失敗した浩平は都内の予備校に通っている。医大を目指し、将来は僻地医療に携わりたいという生真面目な反面、奔放な姉の生活に華やいだ憧れを持っている。 数年先に入学した大学ではチアリーダーになったサキ。それは弟にとって、淫らな空想に耽るかっこうのネタになった。忘れもしない学園祭での一コマ。 サキは屋外の仮設ステージでアップテンポの音楽に合わせて中央で踊っていた。弟が眼に留まると満面の笑顔を浮かべ、人差し指を向けると 「大サービスよっ！」 といいながら、思い切り開脚キック。短いスコートがめくれ。真っ赤なアンスコが浩平の目に痛いほど焼きつく。 「だれよ、ひょっとしてカレシ？」 「まさか、わが親愛なる弟よ。」 その時だった。サッカー部のロゴが入ったジャンパーを着た一団が後ろからはやし立てた。 「サキちゃーーん、あいしてるぜえ。」 「相変わらず、きゃわいーー。」 一番前でだみ声を張り上げていたのが、後にサキのカレシとなったリュウタだった。サキと同級生のリュウタは背が高く、がっしりして太い眉と好色そうな太いスジの通った鼻を持っていた。 やがてリュウタはサキと逢瀬を重ねるようになり、週末ともなれば地方出身の彼が暮らす安アパートでサキを相手に快楽にふけるようになった。サキは、もうひとりバイト先で知り合ったフリーターのカズオとも寝るようになったが、カズオの方はサキにすれば、「ナンバー・ツー」ということで、弟にもこの二人のことを公言して憚らなかった。 「カズオはね、けっして入れさせないの。尻コキか乳コキで出させちゃってさあ。あ、スマタってのもありよ。それと、お口とか。リュウタは中ダシＯＫなんだけどさあ、やっぱ赤んぼ出来たらこまるじゃん。だからゴムはゼッタイつけさせるのよ。」 母親が泊まりの出張で、サキの仲間が集まった時、酒の勢いを借りて大声でいうのを漏れ聞いたことがある。勿論、その夜も受験勉強なんかやれたもんじゃない。斜め向かいのサキの部屋から漏れてくる淫猥な喧騒に耳を傾ける。 「でも、大きさはやっぱカズオなんだよねえ。もう馬並みって！入れたくって入れたくってさあ、気が狂いそうになっちゃうよ。でも、あたしの大事なアナはやっぱリュウタにとっておいてあげないとさあ。もうそーゆー時にゃあ、こいつが欠かせません。」 不意にウイーーン、というモーター音。 「バイブレータ！？」 きゃあ、と黄色い歓声が起こる。 「サキッペ、ここで実演してみなよ、見ててやるからさあ。」 「アヤネ、おまえ、ドヘンタイだな、やっぱし。」 「で、カズオにつっこませるんだあ、それを。」 「やだーー、箱入り娘のあたしには理解できませんわ。」 「なにいってんだ、そこのＳＭ娘！目隠しでカンチョーされたのはだれなんだよお。」 きゃあきゃあきゃああ。 アカムケするほどシコった夜。最後は水みたいなのがちょろちょろティッシュを濡らしたものだ。 母親が泊まりの出張で家を空ける夜、それは弟にとって期待と不安が重なる時でもある。姉の奔放さが一挙に解放される夜、受験勉強は風前のともし火、たちまち雲散霧消してしまう。姉のイジメにも似た挑発が始まるのだ。 浩平が風呂を沸かして入っていたときである。擂りガラスを通してもう一人の人間が脱衣しているようすが分かる。 「ね、ねえちゃん、ど、どうかしたの？」 「ねえ、コーヘー、小さかった時のこと、覚えてる？ 一緒にお風呂はいってたでしょー。ね、久しぶりにやってみない？」 「ね、ねえちゃん、や、やめおよお。」 浩平は胸の高鳴りを押さえ事ができず、無力に抗った。 っづく |
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| 2010.1.16掲載 |
| パルっくさんの他作品（2010.1.9現在） | |||
| 『マムシ酒の宿 女子大生 七発三日』 | 『桃色医院変態診療』 | ||