お嬢様の夫視点編

「キャァ！・」なんでお風呂にナイフなんか持って来てやがんだ！
　男の子の手に握られた光に輝くナイフの刃が、レイに向っています！
　俺は足を止めない訳にはいかなかった。こういう場面は損得勘定だ！
　「ウゥゥッ！・」レイの悲鳴も、途端に止まってしまった・。
　レイを睨み付けた奴の云いたい事は、分かっていた！
　『下手な事すると、レイを傷付けるぞ！』と云う事だろう？

　気の強い女というのが俺の周りの奴等の評価だったけど、こんな場合には、どうすれば良いのか？がレイに分かっているとは思えない。女はこうなると直ぐにパニックに陥りやすい。レイがパニックにならない事を願った。

　学校時代、体育会系の行き掛かりは、こんな場合でも、奴等を残らず叩き伏せる自信はあった。
　・しかし、そのときは、レイが危険になる。それだけは避けたかった。

　こいつ等、レイを犯す積もりで近付いて来ていたのか！俺のレイを、こんな若い奴等に汚されて溜まるモノか！
　ナイフがレイの喉元にあてられたが、俺は急に腹が立ってきた。

　レイに・ナイフは突き付けられたが、こいつ等の云うことを聞かなければならない事の方に、もっと腹が立っていた。
　レイの眼が俺に助けを求めている・・・。
　レイの喉元のナイフが危なくて、迂闊な飛び込みは出来ない。

「静かにしていれば、怪我なんかしないで済むよ。」ナイフを突き付けていた若者が、厭らしい笑いで、勝手な事を云いやがった。
「あんた達、なに遣ってるか・分かっているの？」 気丈なレイが、リーダーらしい奴に問い質した。
「もちろん！・・肉感的でおいしそうな奥さんにぃ、俺達の欲求不満を解消して貰おうとしているのさ。」
「俺達・・・って、・・・みん・な・・・？！」１０人以上いる、こいつ等みんなの相手をさせられたら、レイはボロボロになっちまう！
　・二度と俺の相手だって出来なくなってしまうかも知れない！

「み・ん・な・・さ！」相変わらずニタリ笑いを続けながら、ナイフを持った奴が駄目押しの様に云い、いきなり水着の上からバストを握り込んだ。
「ぅぅうっ・。」一応女扱いだと理解はしているだろうから、そんなには痛くはないだ
ろうと思えるが、いまのレイには恐怖から来る感覚が痛みを倍加させているだろう。
　そんな痛さで大騒ぎをされたら、こいつ等を余計に凶暴化させてしまう。当然そんな事は承知しているレイだから 『ここで大騒ぎは出来ないのよね！』と、眼で云ってきた。

　始めに握り込んだバストの手が、スゥっと力を抜き、乳房を撫で回り出した。
　撫で回す右バストにおぞましさでも感じたのだろう？レイが身体を捻った。
　瞬間、レイの眼が奴を睨んだ。が、奴はレイの股座の方に視線を移していた。
　視線を外されたレイは、やるせなさを俺に向けて来た！
『今は大人しくしていろ！』俺は眼でそう伝えた。
『いつまで・・・？』レイの眼がそう応えている気がした。
　チャンスが来る迄に決まっているだろうに・・・！
　ナイフは男の手から、他の誰かに渡った様だったが、ナイフを誰が持っているのかが分からなければ、簡単に行動を起こす訳には行かなかった。

　レイの喉元のナイフが喉元から無くなった事で、少しはホッとはしたが、レイのバストを撫で回す奴にはチャンスを見付け次第、叩き伏せるだけの怒りが膨らんでいった。
　見ず知らずの年端も行かない奴に、自分の妻を撫で回されるのは、まるで、自分自身が陵辱される様な嫌な気持ちだ！

　レイだって今の時代を生きるのだから、俺以外の経験が無い訳ではない。
　二桁には達したと思う男達に、色々教わった筈だ！
　子供時代から女学校時代の同級生達との他愛もない猥談や、美容院などで眼にするそれ以外にも、少女雑誌に始まり女性週刊誌などの性愛の記事や記述。
　それ等は、否応なくレイの好奇心を沸き上がらせた筈だ。
　・・・女学校の寮から外出した時などは、友達との男談義もしていただろう？
　今でも衰えを見せたと言いづらい女の魅力は、昔ならもっと輝いていただろうから、男達との交友が少なかったとは思えない！
　大学を終わり、社会に出てからでも、随所で出会う男達の誘惑は少なくなかった筈だ。
　俺と知り合ってからでも、近づいて来る、少なくはない男達。
　何時もレイは持てるんだ！と、思わされる場面の方が多かった。
　そしてその中には『レイと寝た事があるな！』と、思わせる奴も何人かがいた。

　初めてレイを抱いた時にも、女壺の締め付け方、上になった時のヒップシェイクとそのバランスの取り方は、一朝一夕に出来るものじゃなかった。
　お嬢様扱いされて育った様だったが、それなりに女の欲求からか？男達との付き合いが良い方向へと働いたのか？一流の娼婦並のベッド・テクニックを持っていたんだ。
　そのテクニックは、実践を経ずしては得られない筈だ。
　もっとも、女達が読むレディースコミックなどでの性愛の描写は可成りキワドク、俺自身の経験では、出会った事さえない多くの性愛さえもが描かれている。
　そこに描かれる性描写では、テクニックの詳細までもが網羅されているンだ！
　それでも分からない事なんかがあれば、友達等との話の途中にそれとなく織り交ぜれば、確証を持てる処まで出来る様な気がする？

　それなのに・、俺の中には、云い様の無いエロいイメージが広がって来る・・・。
　レイは俺に取って掛け替えの無い大事な、大事な愛すべき妻だ！
　陵辱されようとするレイを撫で回す若い奴の手、それは俺の身体を愛撫しているかの様だ！
　俺の前で、俺の女が汚されそうになった事など一度もなかった。だからこんな気持ちは持った事も無かった。・・・レイの厭がる態度が俺の性感を刺激するなんて・・・。

　レイだって、素性も分からず、人となりも分からない若者からなど、どんな性愛も受
けたくはない筈だ！
　半ば公共とも言える場所で、それも、同時にこんなに多くの若者達！
　背筋に冷たいものが走って行った。

　レイの前の奴が両手を伸ばし、レイの両肩を掴んでお湯の中へと沈めようとした。
　奴の股座の高さにレイの顔が来る処まで沈ませた。
　レイにフェラさせる積もりだっ！
　奴の手がレイの手を片方ずつ持って、背後の岩を握らせた。
　レイの胸が全くの無防備になった。
　その上で奴が低くなった。と思う間も無く、レイの両脚が掴まれて引き上げられると、水着のボトムが抜き去られて、周りにいる若者の一人に渡された！

　ボトムを取った奴がレイの両脚を開いて、一輪車を押す時の格好だ！
　あっ！・遂に遣るつもりか？！
　奴のへそ迄は水面下にある。
　チョット離れた、俺の処からでは、例の頭と男のこの間には距離がある様に見えた。
　だが、水面下では、レイの首から下は、奴に曳かれている筈だ！

　レイが首を回して俺を見た。
　二人の若い男に、両腕を抑えられた俺はまるで虜囚だった。
『わたし・遣られちゃうわよ！・・・。良いの？』視線に載せて俺に伝えて来た。

　良い訳が無いじゃないか！！
　だが、俺の中に沸き上がってきた言い様の無い淫悦感・。・・・動けなかった！
　レイが、妻が、陵辱されようとしているのに俺が平然としていられる訳がない！
　それなのに、なんで俺の中の淫悦感が沸いてくる？

　奴がレイに寄った！・たぶん、いきり立った男根をレイに押し着けている！　
　まだ入ってはいないだろう？・だがクリット辺りで位置を探る位はしている筈だ！
『・イヤッ！』・レイが俺の眼を見据えた。
　奴とレイの間が波立って、レイが腰を振って逃げる、そんな水面に隠されたシーンが、まるでハッキリ見えている様な気がする。
　『嫌っ！』俺の目を見据えたレイの視線から伝わって来る！
　『・わたし汚されちゃう！・・・あなただけの妻でいたいのよぉ。・他の人なんて嫌ッ！』
　必死の訴えが俺の目の中に伝わって来る。

　ジョボッ・・・・奴の腰が勢い良く水を掻き分けた。
　レイの目が唐突に大きく開き、焦点を失った！
　両腕を引き付けた奴の姿で、レイが貫かれてしまったのが分かる。
　俺を見詰めていた一瞬の隙を突かれて、奴の腰が突き入れられたのだ。
　俺のではない男根が・・・。
　レイの女壺を満たしている。俺と一緒になって以来の、レイの操・・・。
　全面に力が入ったレイの顔は、操を破られた悔しさを表していた。
　泣きたい気持ちをレイは必死で抑えている。
　俺が、邪な欲情に包まれている事も知らずに・・・！

　結婚以来、俺以外は受け入れていないだろう、レイが汚されてしまった・・・！
　嫌悪感が膨らんで来る！
　嫌な気持ちばかりではない。
　幸か不幸か？・男には充分な経験が無かったのだろう？
　熟し潤っているレイの身体だが、『受け入れたくない！』と思っているレイには、若い未熟さは淫悦を起こす事が出来なかった様だ。・レイの態度を見ていれば俺には分かる。
　レイにただ、無理矢理突っ込んだって、強引な挿し抜きを繰り返すだけでは、悦楽を見せる事なんて出来る筈は無いんだ。若さの未熟さは、魅力には程遠いのだ。

　それでも、まだ違和感がある。・大事なレイを汚されたにも関わらず、俺自身が怒張しているのだ！？・・・許せる訳無い事態に、なんで俺自身が昂奮するんだ！
　レイは汚されてしまったのだ。・俺が助けなかった為に・。
　奴は直ぐに腰を前後に振り出した！・乱暴だった。
　レイとの間の水が騒がしく波立つ。引き抜いた！と俺にも分かる程引き、全力で密着する程に前腰を突き付ける！
　そのストロークは充分だった！・だがあんな、勢い丈では、女は感じないぞ！

　レイの顔からは痛さしか伝わって来ないが、分泌液が少ししか出ていない所為だろう！
　波立つ水面に隠されて細部は分からないが、それでも状況は良く分かる。
　レイが嗚咽を上げるには刺激が小さいのだと感じた。
　それでもレイが汚されている事が、俺に淫悦感を伝えて来ていた。
「わたし、遣られている！」レイが視線に載せて俺に伝える来る程、俺のコックを直撃し、屈辱の淫悦に沈め、浸らせていく。
　・俺には見せた事の無い忌避の淫景がきらめきを増していた！
　レイの視線が俺の全身を巡っていく。
　俺がレイの被虐に悦楽を感じているとは知らずに・。
　ァア・なんて事だ・！・・俺の水着の前が膨らんでいるのを見咎められたかも知れない！
「わたしが遣られてるのよっ！」怒りの籠ったレイの眼が睨み付けて来ていた。
　でも、俺はレイの視線を逃れ、波立つ水面の向こう側で行われている行為が見えないか？注目した。
　その視野は俺自身を直撃して来た！・・・そして、無性に腹が立って来ていた。

　レイの眼が俺自身に険しくなった。・・・やはり見られたんだ！
『わたしが遣られているのに、何で夫のあなたが昂奮できるのよ！』レイの眼は非難していた。・・・『それなら、わたしだってこれを楽しむわよ！』頭の中に響いて来た・。
　俺の勝手な想像なのだろうか？・・・俺の昂奮を知ったレイなら、徹底的に官能を抑えてしまうか？ひょっとしたら、俺の頭に響いた様に、陵辱されるのをプレイにしてしまうかも知れない？・・・俺への当て付けに・・・！

　俺が昂奮しているのは、レイには大変なショックの筈だ！
　だが男の中には、陵辱される女を眼にすると、・淫欲に直結する抑えきれない征服欲に火が付く。・それは、男である以上致し方ないことなのだ。
　女房の危機には、夫は命懸けで立ち上がるものだ！・それは道義上の常識であり、権利であり、義務でもある。
　・俺も当然の様に助けたいと思っていた。
　妻が犯される場面で夫が陵辱者と同じ立場に立つなんて事、理性ではあり得無い・・・！

　俺の自負心は、『多少の危険ぐらいで静観するのは、男としての意識が立たない！』と、猛烈な抗議をしていた。
　レイが若者達に弄ばれている事が俺を昂奮させるなら、俺の興奮を抑えさせる為にも、若者達を直ぐにでも叩きのめさなければならない。
　しかし、俺の本能はレイの最後の場面を見たいとも思っていた。

　俺の中で理性と本能の感情が戦っていた！
　俺の目の前でレイが陵辱されるなど許せない！・・・男としての理性だ。
　しかし、陵辱されたレイが最後にどんな反応をするのかも見てみたい本能の感情も無視できなかった。奴等は乱暴にレイを扱うが、それはやっぱり稚拙なテクニックだ。
　レイの身体を掻き乱しはするが、自分の欲望だけで、それでは俺が鍛えて、熟女の感覚を育てたレイに、淫悦の世界を見せる事なんて出来ないじゃぁないか！
　女を熱くさせられないで、男だなんて認められない！
　・・・俺は何を考えているんだ！・『何時でも何処でも誰とでも・・・』なんて女を妻にした覚えはない。・それなのに女房が恥辱的危機に官能に溺れる姿を見たがっている。

　レイの憎しみは男達に向かうのが本当だろう？・だが今、レイの眼の憎しみは、俺に向かって来ていた！・俺が官能に浸ろうとしているのでは当然だ。
『わたしにだって相手を選ぶことが出来るのよ！』レイの強い意志が、男の必死な挿し抜きを、他の世界に追い遣っていた。
　・女壺からは、出来る限りに力を抜いたのが感じ取れる。
　奴に充分な経験があるなら、レイが力を抜いたのが分かるだろうし、感受性そのものを昂揚するテクを使い出すだろうが、・そんな事は分からないんだろうな？
　生身の女の身体を使える・なんてチャンスは少ないんだろうなぁ？
　女を燃え上がらせる事が出来なければ、セックスに楽しさなんて無くなる！
　征服欲は絶対に満たされない。・それは女が陥落を示してこそ得られるからだ。
　奴は、何回も力任せの突き入れを繰り返し、勝手に舞い上がると急に動きを早くした。

　奴の表情にクライマックスが近い事を感じた。
　レイの表情が険しくなったのが、コックが張りを増し固くなった事を示している。
　水を弾き飛ばして、前後する男の腰。
　・恍惚の表情。・・・もう直ぐコイツは達する。・・・そう思ったら、レイが犯され尽くしてしまった事になるのと、レイの妊娠の危険日を計算していました。

　思った通りだった！・・・レイに強く打ち付けられた乱暴に奴の腰が動きを止めた。
「馬鹿ッ！・レイの中に・・・！」
　反り返って全身を硬直させている奴。
　焦点を失ったレイの表情に、射精されてしまった事を認めざるを得なかった。
　計算の結果が、殆ど一番安全な日に当たっていたのが分かった。
　妊娠さえ安全なら、次に心配しなければならないのは病気でだ。
　それにしても、自分の女房でもない女の身体内に射精するなんて！・無性に腹が立って来た。・・・若い奴らには、最低の仁義さえ通じない・・・。

　達した放心状態が解けきっていない乱暴に奴に、こんな場面では言われたく無い言葉を叩き付けてやった。
　「キサマ、変な病気持っていないだろうなっ！・自分の女でもない女に射精なんて、良くも仁義も無い事をしやがったな！・物事の分からねえ坊やっ！」
　こんな罵声が降って来るとは思ってもいなかっただろう？
　さっきの威勢の良さからは想像も出来ない済まなそうな顔で、レイの上から跳ね退いた。
「どんな悪にも人の道があるのよっ！・女を楽しみたかったら、最低限のエチケットぐらい覚えておきなさいよっ！」レイの罵声が追い打ちで響いた
。
　レイに最初に被さった、こ奴が、多分リーダーだろう？
　周りの若者達の態度と言葉遣いで、そう思った。
　終わった。と思った途端に俺からの罵声だから、リーダーだったら面子を潰された格好だ。・奴が正気の時だったら、直ぐに応酬の怒鳴り声が戻っていた筈だ。
　レイの憤慨は俺にも向かっていたのだが、この場面で俺に何かを云う事は、奴等を元気付ける事になる。・レイは俺への怒りまで、奴への言葉に載せていた。

　レイの頭をドン！と小突いた奴がいた。
　小突いて来た方にレイが眼を向けると、そいつは云った！
「イキがってられる場合かよ！」
　大きな若者だった。
　無言でレイの脚の間に割り込んだ！
　上体を起こしていたレイの両肩を掴み、背中を岩に着くまで押し倒した。
　両足首が持たれて引き上げられた！
　この乱暴に乱暴に若者にも遣られる！・メンチ切ったレイの眼が俺に突き刺さって来た！
　「・・・・・。」今度の若者は何も云わない。
　右手を深く水に沈めた。レイのクリットを右手で探り、様子を見ている様に思える。
　両手を水中に深く沈めると、レイの腿を持って引き上げ、そのまま腰を突き出した！
　身体が大きいだけあってアソコも大きいのかも知れない？
　押し広げられる感じが強い事は、レイの顔に苦痛が表れて分かる。
　俺だって並の奴よりは自信があるが、奴は俺より二周りも大きい身体だ！
　ジャボ、ジャボ、って、水の音が規則的に聞こえ、その度二人の間隔が無くなり、また引き抜かれた。・・・ゆっくりしたテンポだが力強かった。
　レイの表情から嫌悪感が薄れた！・・・無理な突き方をしていないのは俺から見ていても分かるから・・・なんかレイが違う？俺が忙しくて構って遣れなかった時の、誘惑して来る時のレイに近い顔だ！・何でこんな奴に？ ・・・良い型をしているのか！
『こいつ・良いのか？』レイの眼を見詰めて・いた・・。
　レイは応えなかった。・ただ不思議な顔をしていた。
　レイは何かを探って、考えていた！
「あんた、オナニーばっかりしているでしょう！・皮が緩んじゃっているわよ。」突然放ったレイの言葉にビックリした！・俺もだが、周りの若者達もざわついた。
　こんな大きな男が部屋の隅でシコシコしている姿を想像してしまった！・レイはわざと大きな声で云ったのだった。
　回り中の若者達の視線が、レイと奴の接合処から、奴の顔に集中する様になった。
　好奇の眼差しがだった！

「オウオウ！・・・そんなに遣ってたのかよぉ？！」
「彼女・遣らしてくんなかったのかヨ？！」
「オバさんには、バレちゃったってヨォ！」
　仲間の筈の若者達からヤジが飛んだ。
「なっ・、なんだよ！・・・おれ・そんなに・・・。」
　レイに乗り掛かっていた若者は言い訳しようとしたが、それより先に、急速にレイの中にあったモノが収縮してしまった様だ！
　レイとしてはまた、『してやったり！』と、ほくそ笑んだのだったが、若者の方は気が収まらないだろう？・恨めしそうな眼でレイを見ながら、萎縮してしまった奴自身をシゴいて、大きく戻そうとはしたが、思うようには復元できなかった。
「おばさん！・随分なこと云ってくれたじゃぁないかヨ！」
　悲しみと怒りが同居した顔だ。・ダラーンとぶら下がってしまっては、もうどう仕様も無いだろう？
「大きくしてくれよ！・」レイの顔の前にそれを突き付けた。
「あなたはマス掻いてる方が良いんじゃない？」もしかしたら殴られるかも知れない。
　とは思いつゝも、レイは素直にフェラするのを拒んだ。
　恐れた通り、若者は『どうして良いのかも分からず』にレイに殴り掛かろうとした！

　しかし、奴の拳がレイに当たる前に、横から飛び出した奴がその腕を押さえていた。
「止めろよ！・ボコボコの顔になっちゃったら、他の奴まで出来なくなっちまうだろぅ！」
　すんでの処で、レイは殴られずに済んだ。
　本当なら、俺が飛び出す処なんだが、俺の心の中で理性と感情が戦い続けていて、俺が停められないとしたなら『レイがどうなるのか？』を見たくてしょうがなかった。
「お前がカッとして殴って見ろよ！・後は血だらけの顔だ。見たら気持ち悪くなっちまうだろ？・それじゃぁ、後の奴が出来なくなっちまうよ。」

「・・・オバさんを舐めて掛かっちゃったみたいだね？・でも、コイツのが入ってった時は、良い顔してたじゃないカヨ・？・・・でかい方がやっぱり感じるの？」
　腕を押さえた男は何故か？落ち着いた話し方だ。
　ドキッとした！こ奴、可愛い顔しているのに、こんな場面で落ち着いている！
　それは場数を踏んでいる。って事だ！
「アラッ！・そんな顔してた？・そんなに大きくはなかったわよ。・そんな事に拘っているの？」この男は怒らせない方が良さそうにも思ったが、襲っている仲間なんだ！
　レイが甘い顔をする事はないだろう？・少しきつい顔を意識して睨み返していた。
「色んな本なんかに、でかい方が・・・。って、良く書いてあるだろう？・オバさんだって反応したしね。・・俺達に分かるのは、反応が有るか？無いか？だけだものなぁ。それが喜んでいるのか？嫌がっているのか？なんて、分からないよ。・・・オバさんだったら教えてくれるンじゃぁないか？って、思ったんだけどなぁ。」
「馬鹿なこと云わないでよ！・ちょっと痛かったのよ！・・なんで、わたしがあんた達になんか感じるのよ・・・！」
　こ奴がフッと苦笑いをしたかと思ったが、急に姿勢を低くすると水面下に潜って、レイのアソコを舐め始めた！・・・見える訳がない。・・・だが、見えた様な気もした。

「ゥゥッ！」思いを掛けなかったレイの悦声！
　奴の遣り方は、ソフトだった。
　俺でも・・・？って、思える位の微妙な指使い・。
　こういうのに女は弱い・。
　ムカ付いてるだろう？って思える奴だ！・力尽くで向かって行くと思っていた。
　『反応なんて絶対しない！』と眼で云っていたレイだが、圧し広げられている両脚、内股の筋肉は震えてしまっている！
　レイは一端、火が付いてしまったら後は、燃え尽きるまで燃え上がるしかない！
　レイ自身が達するまでは止め様が無くなっちまう！
　淫悦を抑えるのに必死なレイの顔！・それが俺自身を怒張させる。どう繋がるかなんて、俺にだって分からない！

　レイの眼が宙を彷徨う。何かを思い付き、考えているのだ！
　今、されている事から、意識を遠避けようとしているのだろう？
　その健気さがまた、俺の淫悦を高めるとも知らずに・・・。

　どんな事をしたって、こんな場面では男の昂揚は抑えられない。
　俺は、レイが俺以外の男に抱かれる姿を良く想像した。空想の中で、レイは抑えきれない淫悦に身を焦がしていた。・・・・・実際を見てみたかった・。
　だが、スワップの様に『レイが自ら他の男を求めて・・・』なんて、許せるかっ！
　レイには俺だけの女であって欲しかった。・俺だけを愛していて欲しかった。
　心だけでも、身体だけでもない。・全身全霊、全てで俺を愛して欲しい。俺がこんなに愛しているのだから・・・。矛盾だらけだ・！
　・・・だが、乱れたレイを見たいのも、全てを跳ね除けたレイを見たいのも、どちらも本心だ。
　『レイプ』はレイの気持ちの変化で起きる訳ではない。・だから、レイに責任は無い。
　レイ自身は俺を愛している事に変わりがない。だから、レイを許すことが出来る。

　男の遣り方は間違ってはいなかった。レイの感悦のポイントを的確に突いていく・。
　レイの中には淫悦が膨大なものとして溜まっている筈だ。
　それを抑えているレイ！・・・これ以上ない淫靡な舞台だった。

　矛盾を含んだ舞台は、俺には豊富な淫悦を送り込んで来る。
　レイの抑えた淫悦が、俺のイメージを更に膨張させた。・幾らレイだって、そういつまでもは、溜まり行く淫悦を抑えていられる訳はない。
　奴のテクは丁寧だった。
　レイの女壺には、もう分泌が一杯になっているだろう？
　クリットの周りには、もう溢れ出ているのかも知れない？
　レイが目立った引き攣りを起こした！

　こんな状況でなければ、この男には、とっくに悦喜のルツボに落とされていただろう？
『ァア良い気持ち・・・、駄目、・ダメッ！』レイの心の中が手に取るように分かる。
　俺が近くで見てるのが、レイの自制心をより強いものにしている！
　俺にだけは、誰にでも『反応する女』なんて見られたくない筈だ。
　絶対にそんな事があってはならない！
　レイは奥歯に一層の力を込めていた。

　幾ら力を入れても、この男はクリニングスを続けている・。
　レイはこれが大好きなんだ。・・・レイの昂揚はクリニングスから始まるのだ。
　「ァァッ・・・。」レイの抑えきれない嗚咽が聞こえた。
　・・・抑えられなくなったな？・遂にレイが乱れ出すかも知れない？！
　そう思った時、レイの全身に力が入った。良妻でいたい！その思いが強かったのだろう？
『こんな年端も行かない坊やに、気を逝かされて溜まるものですか！』最後の力を振り絞った思いが、レイの眼の中に見えていた。
　炎となって燃えるレイの気概だった。
　ほんの少し惜しい気が残りはするものゝ、俺も気持ちを抑えていた。

　レイにはこれ以上の変化が起こらない事を理解した奴は、水面に顔を出した。
　ジィッとレイの顔を見ていたから・何回か息継ぎの為に繰り返した顔出しと違うのは、直ぐに分かった。
　レイも睨み返していたが、俺への思いがなければ、この男に負けていたかも知れない？
「無駄な事をしてるわよっ！・随分、経験しているみたいだけど、主人を思っている人妻には、まだ、全然足りないわ！」精一杯の言葉だった。途中で息を詰まらせでもしたら、男は、『もうちょっと続ければ墜ちるな！』なんて悟られていただろう？
　そんな風に思われてもしまだ、続けられたら、・レイが限界を超えてしまうのが俺には、良く分かっていた。

　奴が舌打ちした。 水の中でのクリニングスにはさぞかし体力が要るだろう？
「奥さん気が強いんだねぇ・こんなヒト、初めてだよ。」奴はこれ以上レイにクリニングスを続けるのを諦めた様だった！
　当たり前だっ！・レイは俺を愛しているんだから！
　その俺の前で、お前なんかに燃えさせられる訳が無いじゃないか！

　奴がレイの脚を抱え込んだ！
「こっちの遣る事だけは、させて貰うよ。・奥さんの身体を借りてね！」
　右手を離してチャックを下ろし、コックを引き出した。
「俺はマス掻いてないから溜まっちゃってねぇ。アイツみたいにデッカクはないけど、・行くぞっ！」
　クリニングスが丁寧だった所為か、一息に奴の前腰がヴァギナの口に密着した！
「ァウゥ！」息が止めたレイ。・奴の全てがレイの中にあるだろう？
　そんなに勢いを付けた訳ではなかった。・・が・ズゥ〜ッと支えも無く最後まで押し入れたのだ。一息に突き入れた衝撃は、俺のでは無い事を意識すればする程、悦撃がでっかくなる。・・・何より、一瞬で長い時間だった。

　レイの眼は一突きで奴の全てが、レイに突き入れられた事を物語っていた。
　そして、レイが落ち着く迄のちょっとの間、奴は動きを停めていた。
　やっぱり数多い女の経験があるんだ。・この『間』を取ることで女は変わる。

　こいつのテクは俺より上かも知れない？・女の絶妙の『間』を知っている！
　そしてこ奴、女に衝撃を与える方法をも心得ている様に見えた！
　レイの呼吸を読んでいたんだ・。
　レイの呼吸が吐くのに合わせて、一気に全てを抜き取った！
「ォォォウゥゥ！・・ハァァァァ・。」また凄い嗚咽だ！
　・レイは身体中の空気を吐き出してしまった！
　直ぐに息を吸おうとして、吸い始めたところへまた、力を込めて一気に・・・・！

「ァァアアア！」少くない息での嗚咽が・・・！
　レイに突き入れられたものが、凄い衝撃を与えている！？
　今度の奴には、レイをエクスタシーへ落とす力があるかも知れない・・・？
　レイが改めて息を吸うと、今度はゆっくりと引き抜いた！
「ンンン・・・。」レイの内襞が絡み、レイに淫悦を送っている・。そんな気がする！

　レイの内襞を引き攣らされているのだろう？
　抑えて抑えきれないレイの淫声！・・・奴が調子に乗ってしまう。
　レイの抑えがチョットだけ遅かった。
　・この遅れが陵辱される感覚に、レイに挿し入れられたモノが何であるかをハッキリ意識させてしまった。
　勢い、力強い突き入れが、内襞を充血させたのかも知れない？
　・その上でゆったりした挿し抜きが始まったんだ！・・・悦撃が何倍にも膨らむ・。
　ヴァギナに挿し抜きされるモノを、レイは意識から外すのが難しくなったろう？
『遣られている！』その意識がコックに行ってしまうんだ！
　襞を一弾き、一掻きする度に、それが脳に伝わって行くんだ。
　そう、・・・甘い喜悦として・。レイの心に隙が出来てしまった。

　それでも、この心地良さを表に出して見せるなんて事は出来ない、レイの意志。
　レイの愛する俺が、その仕草の一部始終に注目しているのが良く分かっているから？
　・勿体なく思う淫悦でも、レイはそれより、俺を想う心をもっと大切に思っていた。
　だから、俺にレイはみっともない姿は見せたくない。と思っていた！
　全力で、・必死の思いで喜悦を打ち消した。

　全ての反応を抑え切った時、奴が口を開いた。
「おばさん見掛けより、経験豊富なんだろう？・・・スワップなんて遣ってンのかぃ？俺のクリニをあんな風に押さえ込んだのは、俺より巧い奴を粉しているからだろう？」
　こ奴、女扱いには相当の自身があった様だ！
　・レイの経験なんて大した事は無いのに・、それ丈、レイは俺を愛しているって事か！

　レイは気持ちが平静に収まり始めると、俺も険しさが引いて行く様な気がした。
　俺が平常に戻っていく。・・・あの怒り溢れた俺、淫悦に希求した俺。
　レイと俺は、お互いに愛されている事を再認識していた。
「どうなんだよっ？」奴がレイに応えを求めた。
　レイも、スワップなんて言葉は知っているだろうが、俺達の考え方では出来ない。
　俺に注いでいた視線を奴に移して、『その程度にしか考えられないんじゃ、大した事、無いわね。』と、ニッと蔑笑した。
　言葉で云った訳じゃないから、どう解釈されるかなんて分からないが、あえて口に出して云う事とは、思えなかった。
「チェッ！・・・」また舌打ちした奴、笑いが軽蔑だった事を理解したのか？まだ目的を果たしていないのに、レイから離れた。

「おばさん、凄く良い抱き心地だよね。・だけど、俺達じゃぁ物足りないんだろぅ？・
何で騒がないの？レイプされてんだよ！・・・」
「ありがとう。・でも、あんた達に云われても救われないわよ！あんた達が静かにしろって云ったんじゃないの？」レイにしては白々しい台詞だった。
「・・・・・！」
「命と貞操だったら、わたしは命の方が大切だわ。ウチの人の世話するのだって、愛されるのだって、まだまだ満足していないんだから・。遣り残した事が沢山あるのよ！」今度のレイは静かに、本当の気持ちを云っている。それが良く分かった・。

「あんな挑発的な格好していてか？」
「そうよ。・ウチの人を挑発しているんだもの！・他の人を挑発してどうするのよ？」
「そんなの家ン中でスッポンポンにでもなってりゃ良いだろう？」
　云う事が、言葉足らずで見付からないんだろう？
「あんただって彼女でもいれば、みんなに自慢したいんじゃないの？・『どうだ！良い彼女なんだよ！』って・・・、違う？・・他の子だってそうでしょ？」レイは周りにいる若者達も見回した。
「そりゃぁ、自慢出来る様な彼女がいればねぇ・。」こ奴、一寸寂しそうな顔をした。
「バッカねぇ！・女は誰だって・彼女になったら自慢して欲しいのよっ！・『自慢出来る様な・・・。』じゃなくてね。」
「そうかな？」
「ホントに救い様が無いわね！・あんたが好きになった彼女、自慢出来ない様な人を好きになったの？」
「それ・自慢出来るから好きになったって訳じゃぁ・・・。」
「好きな娘がいるンだぁ！・・・悲しむわよぉ、彼女！・分かっているんでしょ？」
「それとこれとは・・・」
「別な話じゃぁないわよ！・こんな事してると、愛想尽かされるわよ。」
「アァアア〜ッ！・・・なんでっ、俺の彼女の話になんだよっ！」
「男と女の話は、その方が分かり易いんじゃない？」
「よぉ、遣らないんだったら、・俺が変わろうか？」後ろの並んでいた若者の一人が口を出した。
「まだわたしと遣る気なの！？」
「今はそれどころじゃない！」
　変なハーモニーで二人同時に叫んでいた！？
　・・・・・・・・・・・？？？？？
　周囲の雰囲気が変な感じに変わっていた。

「止めろ！・馬鹿野郎・。」始めにレイに乗った奴が唐突に叫んだ。
「だってよぉ・・・。」横から口を出した奴がまた、口を挟もうとした。

「黙ってろ！」
「口を出すな！」
「好い加減にして！」
　今度は３人同時だった・！？
　・・・言葉が違うのに妙なハーモニーがあった。
　３人の視線が、改めて加わろうとした奴に集中していた。
　横目で同時に叫んだ男達を見た。
　他の若者達もわたしを、そしてお互いを見合っていた。

　静寂・・・の間があった
「ウフフフ・ウフ、ハッハッハッハハハハ・・・！」
　今度は声が揃ってしまった！・・・レイが小さく笑い出し、レイの傍の奴が続いた・・・そして、最初の奴も。笑いは３人だけだったが、直ぐに他の若者達に伝染していった。

　この一角の笑い声が浴場内に響き、あちこちに散らばっているお客さん達の視線が、俺達に向かっていた。
　その視線の全てが笑っていた。
　
　淫鬱な雰囲気は、何処にも無くなっいた。

「もうダメだな・。」
「そうだよ。・このおばさんの方が上だ！・俺達あしらわれちゃったんだよ。」
「なんだよ！・・・３人だけでもう、お手上げなのかぁ！」
「幾ら遣っても同じだよ。・俺達じゃ太刀打ちできねぇよ。」
「フフッ、。これ以上遣ったって、もし、おばさんを黙らせたって、・・・あんな風に
思われてると思いながら、頑張れるかヨ！・・・お前等、自信有るか？・お前は？」
「・・・・・。」
「お前は？・」
「・・・・・。」
「お前は？・」
「・・・・・。」
「お前は？・」
「・・・・・。」
　　・
　　・
　　・
　始めにレイに乗った奴が、後ろに列をなしていた若者達を次々と指さしたが、誰も答
ない。
　この言葉が、締めになった。
「あなた・。」二人の言葉を聞き、戒めを感じなくなったレイは、俺を見た。
　俺は何も云えずに、苦笑いを返した。
　
「おばさん・名前教えてよ！」若者達の列から誰かが叫んだ。
「ダメよっ！・・・こんな話しがアッチコッチ飛び交ったら、わたしの居場所が無くなっちゃうじゃない！」云いながらレイはその場に立って、レイのボトムをまだ握り締めていた奴に３歩、歩み寄り、その手に握り締めているボトムをひったくった。
　ハッとした持っていた奴は、握り締めている事も忘れていたみたいだった。
　レイはその場でボトムを履き直した。
　もう、それを妨げる奴は一人もいなかった。
　幾ら若者達が笑い顔を見せたとしても、もうここにいる事は出来ない。
　レイが俺の手を曳いて、更衣室へ向かった。

　江ノ島を後にし、横須賀横浜道路へと向かう車中で、レイが云った。
「あなた、わたしが最後まで汚されたらどうする積もりだったの？」
「・・・・。」
「わたしがあの子達の誰かの子を妊娠してしまったら・・・？」
「・・・。」
「黙っていないでよ！・あなた、わたしが『他の人としている処を見たい。』って時々
云ってたわよね？・チャンスと思っていたんじゃない？」
「・・・そんな事も云ったなぁ・。・でも、チャンスとは思っていなかったよ。」
「あの子達だったら、あなたが抑える事は、出来たんじゃない？」
「もっと少人数だったらね。・１０人以上もいたから、戦う事は出来てもお前を護る事は出来ないよ。・ナイフなんか出されていたから、奴等がお前を傷付ける気があったら、わたしにはお前を護り切れたかどうか？自信を持てなかったんだよ。・そうなったら、・・セックスだけなら、後からの対処法は沢山ある。そうだろぅ？・・・お前が傷付けられる事だけは避けたかったんだよ。」
「でも、わたしが犯されるのも見たかったんでしょう？」
「・・・全部は否定できないねぇ・。・確かにその願望はあったよ。だけど、俺にだって自尊心がある。・女房が目の前で汚されたら、俺の自尊心はボロボロになってしまう・。それじゃぁ俺の生き方に関わるよ。・・・俺だけの事なら、命を落としても構わなかったが、お前まで傷付けられたとしたら、俺は何を護ろうとしたのか分からなくなってしまうじゃないか！」
「・・・・・。」レイが沈黙した・・・。

「でも、貞操は傷付けられてしまったのよ！」少し間をおいてからレイは続けて云った。
「それは傍目には分からない。・俺が「お前のレイプされる姿を見たがったのは本当だし、俺が気にしなければ、お前だって忘れる事は出来ると思う。・お前には『浮気した』・・・位に考えて貰いたいな・。・・・お前だって、オナニーでは『レイプされている処を思い浮かべるんだ。』って云ってたじゃぁないか！」
　思い出した様に云う俺に、
「それはあなたが喜ぶと思ったからよ！」と言葉ではなく、見詰める眼が物語っていた！
　妻がレイプされるのを望む夫は『妻への支配欲の裏返し』なんだって、夜の番組のどれかが云っていた。

　・・・俺の云った言葉で、自尊心の強い俺が、自尊心よりレイの安全を優先した事が分かったレイは、俺に愛されている事を再確認していた。
「愛してる？」いつもの茶目っ気を交えたレイの顔が戻っていた。
「愛してるよ！」チュッと行きたかったが、運転中は止めた方が良いな・。

「ねぇ、あそこ・モーテルだって！・可愛い感じじゃない？」
「寄りたいのか？」
「このまま帰ったら、暫くわたしを洗浄して貰えない気がするんだもの！・お清めしてくれる？」
　俺の手が大きく弧を描き、ハンドルを左に切っていった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　了