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～あらすじ～
資本金500万円の小さな会社のオーナー中村武(38歳・妻子有)は、人妻とおおせを楽しむ為に、ワンルームマンションを借りていた。口説いて自分の女にした人妻をこの部屋に連れ込むのだ。
いつからか数えた初めてもう直ぐ100人になる。ごく普通の人妻が中村の性奴隷になる様を綴ります。
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【 人妻くずし１７．清美③ 】
前回（この小説では第１、２話）、
中村は清美に、『あっ、そうそう。四、五日すれば気が変って清美に入れて出したくなるかも知れん。ただ、その時は、お前の亭主の精液が散々吐き出された後じゃあ、興ざめだからな！』
「・・・」
『俺の呼びだしに、誠意で応じたければ、亭主に生でやらせるんじゃないゾ！』
『応じるつもりがない時は好きにしてくれ、今日帰って早速亭主に中出ししてもらえ！亭主はお前にしがみついて離れないだろよ！朝まで亭主の精液便所状態だな。気持ちえぇゾ！笑』
と突き放してマンションを追い出した…。
中村の予定としては四、五日すれば「気が変わる筈」だったが、その直後から仕事が立て込んだり、新しい口説き落したい人妻が次々現れて、ついつい、そちらのほうに専念してしまって、結果的には清美を捨て置く、形になっていた。
清美とは、もう三ケ月以上会ってないだろう…。
実際、信子と繭とは２週間～10日に一回、基子とは週一、美佐枝とは月一くらいのペースで会ってセックスをしているから、中村としては、どうしても清美を後回しにせざるを得なかった…。
～話は少し変って～
山県慶子(やまがたけいこ・31歳)。
中村の会社の社員である。三橋未来が、パソコンをいじれて、営業的な事が多少できるのに対して、山県慶子は経理の仕事と(殆ど無い)総務の仕事をこなしていた。仕事量が少ないのと、子育て(９歳の息子一人)があるので、週に４日出勤、それも、夕方の残業は勘弁してやっていた。慶子はいわゆるバツイチである。大学を卒業して直ぐに結婚して、性格の不一致かなにかで４年ほどで離婚したらしい。当然、これだけの時間給では食べていけないから、離婚した亭主が送金してくる僅かなお金と、慶子の母、山県小百合が隣りのＴ市で経営する、和風スナックを週３日ほど手伝って収入を得ていた。
慶子は、芸能人でいえば、木村●乃を、ちょっと、よりミステリアスにした知的美人である。中村は、慶子が再婚してくれて人妻の身分になって、しかも、中村の会社を辞めたら、本気で口説くつもりでいるくらい、中村からみてもイイ女なのだ…。
慶子の母、山県小百合が、経営する和風スナックは「さゆり」。自分の本名を冠するという芸のなさ(笑)だが、そのセンスの無い屋号とは裏腹に、小百合がある程度美形なこと、人柄が良いこと、それに、時々手伝いに来る慶子が人気だから、大黒字経営だ。
当然、慶子目当ての客も常連となり、贔屓にして盛り上げてくれる上客もいれば、露骨に慶子を口説きにかかる、勘違いオヤジもいる…。
その勘違いオヤジの代表格が、最近「さゆり」の常連となった山本圭介(38歳)である。
中村は、変な下心としてでなく山県親子を応援するつもりで、慶子が店に出る日に、週一くらいのペースで顔を出していた。今までに数回、酒の力が無いとケンカできない小心者同士の喧嘩の仲裁もしてきた。何しろ、中村はいざとなれば(学生時代は)空手で全日本級だったのだから。（空手の腕前は誰にも話をしていないが）
前置きは長くなったが、山本圭介(38歳)が最近、特に慶子に対して執拗らしい。
そりゃあ、常連作りの為には、自分の携帯アドレスくらいは教えるだろう…。だが、いい歳して、相手の都合も考えずに一方的にメール・ストーカーしてくるのだから慶子はたまらない。しかも、山本圭介は３５歳の妻と９歳の娘がいる身なのである。
～この話は慶子が相談したのではなく、慶子の母・小百合が中村に相談して来たのだ～
ある日、早い時間で、お店がヒマな時に、カウンターに座る中村に前述のような経緯を説明した上で「どうしたもんでしょう…」と悩みを打ち明けた…。渋々付き合った山本とのランチの時に、慶子はベタベタと体中を触られたという。勿論、服の上からだろうが、発情期の男子中・高校生ならともかく、成人した大人のする事ではない。中村は、小百合に返事した。
『あれれ！ママのお話では、私と同じ歳じゃないですか…』
「アハハハ…。中村さんの爪の垢でも煎じて飲ませてやって下さいよ…、アハハハ…」
『まあ。一度、対面してみましょうか、山本と…、何曜日の何時頃なら確かに来ますか、山本氏は？』
そういう会話をしていると、慶子が"出勤"して来た。店はまだ、客が中村一人なので、慶子は中村の隣りに"ちょこん"と座った。中村としては、母・小百合への体面もあるが、昼メシ程度で女のカラダをベタベタ触る、しかも、(再婚して人妻になったら口説きたいくらいに)中村が好感を持っている女へのセクハラだ…。無意識に慶子に加担したくなるというものだ。慶子は、口を開いた。
「社長。昼間の世界ではいつもお世話になってます(にこっ)」、小百合もお辞儀した。
『で、どうなのよ？この男は。聞けば、山県と一緒の歳の子がいる、って？』
「ええ。そのことを、最初は共通点として、山本は紳士的態度で、子供を話題に…」
『それが、メルアド(教えて)と昼メシ食っだけで、態度が豹変した訳だ…』
「はい。その通りです。社長のおっしゃる通りです…」
『で。何か山県に要求してきたの？カラダ触る以外に…』
「"妻は愛していない。近々離婚するから、俺と付き合ってくれ"って…(苦笑)」
『笑！…。スマン、笑ったりして、しかし、典型的な勘違い野郎、今の時代で言うストーカー野郎だよなぁ…(苦笑)』
慶子も小百合も、中村の苦笑に同調した。
ほどなくして、二人連れの男性客、数分後に４０歳代くらいのカップルが入店した。中村は、慶子と小百合に目くばせして「仕事ですよ！」としたが、二組とも常連の上客らしく、逆にママ(小百合)から、「あらっ。美人母娘には興味ないって？(笑)」と、もう少し、カウンターに居て下さいと中村に話題を振った。中村は、即答した。
『いや。失礼しました。わたくし、女性を口説きに来たのバレました？笑。母上、ダメですか？わたくしみたいなタイプは？わたくし、年上好みなんです…』
これには、あとから入店した客と、山県母娘も大爆笑した。二組の客は料理と酒をママに頼んで自分達の話に没頭していた。
『それで…。そいつの、写真か何かある？』
「はい。キモいですが、妻まで含めた家族写真を私に渡したんです・・・」
『今、それ、ある？…』
慶子は、客の忘れ物コーナーのようなダンボール箱から一枚の写真を取り出した…。
中村は、キモい男と…、評価・認識する前に、山本の妻の顔を見て驚愕した…。
なんと！その妻は、あの"清美"だったのだ…。
そして、その数分後。偶然、
山本圭介は入店してきた。
しかも、慶子の隣りに座る中村を睨み付けて、別のテーブル席に座った。
いや、実は、圭介は、睨み付けた中村が怯むとみて、一度はカウンター(慶子の隣り)に座ろうとしたが、中村の一瞬の睨み返しの眼光にビビッてテーブル席についたのだ。
当然、慶子はオシボリと水とお通しのセットを持って圭介の隣りに座った。
圭介は、オシボリで手を拭く前に、隣りに座った慶子の肩に手をやった。慶子は、さりげなく離れて「これっ、新しいメニューですぅ～」と圭介の腕の射程外に座りなおした。
座りなおした慶子に尻をずらせて近づき、肩を抱き、「メールの返事くらい、しろよ！」
とまるで"自分の女"のように慶子を扱った。
この無礼というか、勘違い野郎の仕草に母娘だけでなく、中村の次に入店した二組の乗客が不快感を示したのだ。
ところが…、中村は、いきなり愉快になっていた…(笑)。
何しろ、あの自分の性奴隷の清美と、馬鹿そのものの圭介をみては、山本夫婦に対しては、どんな作戦でも展開できるのだ…。愉快が余裕の表情になっていて、小百合としてはその中村の余裕が不思議らしく、小さな声で中村に尋ねた。
「なんとかなりますか？なりそうですか？…」
中村は余裕から出る笑いを押し殺して、小百合に答えた。
『ええ！慶子さんのお母上っ！わたくしに、お任せあれ！(にこっ)』
「…」
『まあ、今日のところは、これでオイトマします…』
「は、はあ…」
小百合は、中村から預かった金の釣銭を渡して、しみじみ、(自信満々の)中村を不思議そうに、観察していた。
店を背にする中村に咄嗟に慶子は反応して、圭介の隣りから立ち上がった。
「あらぁ～、中村さん、もう帰るのぉ～」
この慶子の演出は、中村を、客として立てるというより、圭介から逃げたいだけだけの席立ちであった。
『ああ。慶子さん、ありがとう。また、来るわ…。それより、テーブルのお二人連れの男性客のオーダー、ちょっと間違えとるゾ！ライムチューハイをご注文されたのに、レモンチューハイになっとったで…笑。まあ、いいわ。じゃあ、ママ、オヤスミ…ネ』
この一瞬の中村の機転で、チューハイなどという原価の安いアルコールの取り違えで、慶子は、お詫びする、という名目で男性客二人の間に座ることができた。元々、中村がこの上客なら大丈夫と、男性客二人に目線を送った上での暗黙の作戦で、慶子は無事圭介から逃れて"安全地帯"に逃げ込めた。
圭介は、歯軋りしていた。
「ママ、カラオケだよ、あれ、いれてくれっ！」
「あれ、ってどんな曲？」
「あれは、アレに決まっとるだろが！こんな商売やってて分らんのか、頭悪いのか！おっ！」
「だから、タイトルは何？誰の曲？」
「ほらっ！去年、なんかの賞を取った、演歌の…ほらっ！」
「だから…。それじゃあ、分んないって！笑」
「タコ！俺の曲、分ったら入れとけよ！」
「…」
圭介が、大声でママに怒鳴る場は、40歳男女カップルの女性の隣りであった。その席が、込み入った話や、会計(お勘定)用や緊急の為に空けてある席であり、その席に圭介は右の尻だけ乗っけて右肘をカウンターについて、左半身はたったまま、というチンピラ・ヤクザそのものの振る舞いで、たかが、カラオケのリクエスト一曲でママに対しての問答であった。
圭介がその席を立つ時に、カップルの女性客に触れ、女性客が箸でつまんでいた料理が箸からこぼれた落ちた。女性客はムッとして、圭介を睨んだ。圭介は、
「なんか、文句あるのか！おっ！」
と状況も判断しないで、女性客に毒づいた。
これには、カップルの男性客がムカついた。
女性の制止を、無視して無意識に圭介の胸鞍を掴んだ。シャツの首元と胸の第一ボタンがほどけて、おちた。
「なんなら、おもてで、お話ししまょうかっ！」
「…」
圭介は、セット料金プラス\1,000くらいの端金をカウンターに置いて、「さゆり」から…、跳ねるように、逃げ帰った。
中村が「小百合」を出て、圭介の事件があって、圭介が店から逃げ出た時間差は30分。中村はＴ市では旨い部類に入るラーメン屋で、ビールとラーメンを食って過ごした時間も、30分。Ｔ駅で、電車待ちの間、両名は鉢合わせすることになった…。
もっとも、圭介は頭に血がのぼって、(店で勤務中の)慶子にストーカー・メールを打ちまくっていたから、圭介は中村には気付かない。先に駅に着いてベンチに座って電車を待つ中村の靴を、歩きながら携帯メールに集中していた圭介が踏んでしまった。それを、圭介は知らんふりして、メールを打ちながら前方に歩き続けた。無論、中村は圭介の顔を覚えていたから、圭介を呼び止めて詫びを求めた。
『ちょっと。あんた。俺の足踏んだけど、なんかないの？』
「な、なにが…？」
『いや。今、あんた、俺の靴を踏んだだろ？ゴメンなさい、とか、失礼しました、とかないのか？って聞いてるだけ、だけどさ…』
圭介は中村の凄みにビビッた。ビビッたから謝った。しかし、謝り方が無礼極まった。
「あ、ああ。スマン、そんなところに足を伸ばすから…笑」
中村はキレた。いや、他の客もこの問答は見ていたから、圭介のこの無礼に対しては、それ相応の(靴を踏まれた男側からの)報復も了承するような空気になっていた。その空気に対して答える程度の"キレ"である。
中村は、圭介をつかまえて、携帯を没収した。圭介もキレた。
「おっ！てめえ、なんのつものだ！人の携帯盗り上げて！」
『あんた。携帯メールする前に歩行訓練しろっ！笑。人の足を踏まないでマトモに歩けるようになったら、コレ返してやるよ！笑。あんたがマトモに歩いてる姿確認したら、コレＴ駅前の交番に届けてやるから！笑』
圭介は中村に殴りかかった。中村は、圭介に触れないで、さっと身をかわした。圭介はホームに自ら倒れ込んだ。一部のホームの客から嘲笑が漏れた。圭介は、起き上がって、再び中村に殴りかかった。結果は、同じことだった。電車が来た。中村は最寄の扉から乗り込んだ。圭介は中村を避けて(怖がって)、一電車遅らせた…。
～それから、20分後。いつものＨ市のショットバーで～
中村は口直し、いや、飲み直しをしていた。
はて。
この携帯、どうしたろか？
叩き壊してゴミ箱に捨てるか？
いや、慶子へのストーカーメールの証拠品にもなる。
いや、待てよ…。
この携帯から"清美"にメールをしてみよか？
早速。
清美にメールを打った。
《 俺だ。今日は、Ｈ市の中村武氏と飲んでるから遅くなる 》
20分程して、清美からレスが来た。
《Re: 中村武って誰？私の知ってる人？あなたの会社関係？？？ 》
清美はビックリしただろう…(笑)。
中村はショットバーで、悪魔的才能が疼いて、悪魔になり切って、爆笑を堪えるのに難儀していた。すぐに清美にレスを打ち返した。
《Re:Re: 俺の知り合いじゃ無いよ！おまえに中村って言えば分るって、さ！ 》
《Re:Re:Re: そんな人、知らないよ！！！一体、何処の誰？？？私の事なんで知ってるの？、どう知ってるの？ 》
《Re:Re:Re:Re: なんか、政府の少子化対策●員の仕事をされてるらしいぞ！その件で、おまえとは面識あるってさ！ 》
《Re:Re:Re:Re:Re: どこで飲んでるの？中村武って人と何の話してるの？ 》
《Re:Re:Re:Re:Re:Re: 場所はＴ市の和風スナックさゆり。話のテーマは人妻の不倫についてだよ！ 》
次のレスは無かった。
おそらく、圭介が帰宅したか、清美が何かに気付いたか…。
ところが…、一時間程してから、(今度は)中村自身の携帯に清美からメールが来た。
《 お久しぶりです？元気にしてる？今、どこにいるの？ 》
《Re: 久しぶり！元気かよ？今、Ｈ市のいつものバーで一人で飲んでるよ、来るか？ 》
《Re:Re: ちょっと、変な事件があってね、困ってるの… 》
《Re:Re:Re: 何？ 》
《Re:Re:Re:Re: うちの、旦那知ってる？ 》
《Re:Re:Re:Re:Re: 知らないよ！ 》
《Re:Re:Re:Re:Re:Re: うちの、旦那。Ｔ駅でヤクザに絡まれて、携帯と財布のお金盗られたの！ 》
中村は、ついに大爆笑した！マスターがビックリして呆れ顔で中村を見つめた。
まあ、ヤクザの風体に見られたのは許すとしても、財布の金は知らんぞ！笑。おおかた、「さゆり」の飲みしろ、というか清美に黙ってヘソクリをするつもりなのだろう。慶子へのプレゼントでも買うのか…。
とにかく、中村は腹が捩れるくらい笑った。笑いながら、腹を押さえながら中村の携帯から、レスした。”Re:”表示が増えたの削除して返信した。
《 清美の旦那、ケガは無かったのか？ヤクザに幾ら盗られたの？ 》
《Re: ケガはスリ傷程度。盗られたお金は５万円 》
《Re:Re: 旦那は警察に届けたか？ 》
《Re:Re:Re: いえ、まだ 》
《Re:Re:Re:Re: ダメじゃんか！！！携帯とお金の、立派な強盗だぜ、そのヤクザ！旦那に警察に行くように言え！ 》
それから10分程して、清美からレスが来た。
《Re:Re:Re:Re:Re: 旦那。明日、会社の帰りに警察行くって 》
《Re:Re:Re:Re:Re:Re: 馬鹿な旦那だな！最寄の交番でいいから直ぐ行け、と言え。時間を空けると警察は真剣にならんゾ！ 》
《Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re: 旦那。今日は疲れたから、寝るって 》
《Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re: 馬鹿！心配してアドバイスしてやったのに！今、交番に行かんと携帯も金も戻らんゾ！馬鹿亭主に、そう言っとけ！ 》
それからさらに20分程して、清美からレスが来た。設定的に旦那は寝たんだろう…。
《Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re: 久しぶりに会わない？ 》
《Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re: なんの為に？ 》
《Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re: 顔みたいの…。話したいの… 》
《Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re: 俺は、顔みて話するだけでは時間は作らない。セックスするか？ 》
《 どうして、いつもそういう話になるの？中村さんは？ 》
《Re: "そういう話"しか、興味がないからだよ！ 》
その日は、清美からレスは無かったが、翌朝、携帯に電話が来てその日の夕方に、久しぶりに中村のマンションに来ることになった。
翌朝の事務所で、山県慶子が中村にコーヒーを運んできた。そして、
「社長、きのうはお店来てくださって有難う御座いました。母がくれぐれも宜しく伝えて欲しい、と言ってました」
『いや。隣り駅でさえ無かったらね、２日に１度は顔を出したいと思うけど、まあ、勘弁してくれ』
「いえ。とんでもないです。それと…」
『どうしたの？』
「昨晩、山本がお店を出て、３～４通メール来たあとパッタリなんです…」
『寂しいか？笑』
「じょ、冗談は止めてください(笑)」
中村は、上着のポケットから、山本圭介の携帯を取り出し、山県の前に投げて転がした。
「…」
『まあ、これで数日はこないだろうさ、メールだけは』
「ど、どうして、これを…」
『Ｔ駅のホームで山本が俺の足を踏んだんでね。謝り方が無礼なんで、携帯を没収した。それで、このままだと、山本のストーカー行為はエスカレートする可能性もある。なんかの時の証拠にしたいので、俺が預ってていいよな？』
「あ、はい。勿論です。私の私的事情で社長にご迷惑をかけてすみません」
『ところで、ひとつ、聞きたいんだけど…』
「はい」
『山本が山県に対して話した、"妻は愛していない。近々離婚するから、俺と付き合ってくれ"って本当の話？』
「あ、はい。確かにそう言いましたよ、山本は…。どうしてですか？」
『いや。ちょっと色々と作戦があってね(笑)。で、マジで山本が女房と離婚して、山県に交際なり、結婚なりを申し込んできたら、どうする気よ？』
「か、勘弁して下さいよ～(笑)。わたし、お店で隣りに座るだけでも気分悪くなるんですから…」
『いや、悪かった。それだけ聞かせてもらえば、バッチリ対策もできる。今月中とは言えなけど、来月中には山本はお店に来なくなるだろし、メールも電話も来なくなるよ！笑』
「ほ、本当ですか！もし、それが実現したら、私、何かお礼しないといけませんね…」
（一回やらせてくれ！と言いたかったが：笑）
『お礼なんていらんよ、趣味でやることだし。山県には幸せになって欲しいしな！笑』
つづく。
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