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～あらすじ～
首都圏をエリアに探偵業を営む平尾孝治(42歳)は、自宅に近い横浜駅の近くに自分の興信所を構えていた。数年前、平尾の依頼者である由美子という人妻に頼まれて、由美子と由美子から夫と家庭を奪った、Ｋ子という女を報復レイプする仕事を受けてしまった。以来、探偵仲間の噂が噂を呼び、レイプを有償で請け負うことになってしまった・・・。
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第１２話【 ～ 閉店大仕事 ④～ 】
[ ターゲット ]
▽君川敬太郎(52歳)・君川建設会長
⇒▼妻・照絵(29歳)
⇒▼妾・富美子(31歳)
▽君川敬一(31歳)・君川建設社長
⇒▼妻・聖子(25歳)
▽笹川純一郎(58歳)・県会議員
▽笹川一郎(33歳)・市会議員
⇒▼妻・君子(27歳)
今回の仕事のターゲットで４人の男、君川敬太郎(52歳)、君川敬一(31歳)、笹川純一郎(58歳)、笹川一郎(33歳)の生殖能力き消滅した。敬太郎敬と純一郎のパイプカットを終了した翌日から「クラブゆり」は１０日間の連休をとった。表向きは"ホステスの慰安旅行"である。店のドアにもそういう張り紙をした。４人のターゲットに教えたプリペイド携帯の電源もこの10日間は切ったままである。そして、１１日目からメンバーをがらりと換えた。
中村の昔から愛人で山本美佐枝という女と、平尾の愛人の今居誌乃である。二人とも年齢は偶然だが３９歳である。店の屋号は「クラブゆり」のままであるが、オーナーが代わったという理由で店のシステムも変えた。４人の男のパイプカットが完了した以上、"フェラ抜き"などの過剰サービスはする必要がない。５人ほど苦情を言う客もいたが、大の男が真面目になって要求できるサービスではないのだ。
それでも、敬太郎と純一郎は（間近にせまっいた）"本番サービス"が諦めきれないのか、美佐枝と誌乃に本番サービスをしてくれ、と迫ったこともあった。しかし、敬太郎、誌乃で運営していた"新生"クラブゆりも２０日間ほど営業して店を畳んだ。妊娠させるべく４人の女達、全員の生理は来た。つまり、夫の子を宿していない証しである。それが判明した以上「クラブゆり」を存続させる理由はないのだ。
そして、今回の作戦の主題である種付けすべく女達を篭絡する為に会員制ホストクラブをクラブゆりから衣替えさせた。
～ホストクラブやまと～
□総支配人：やまと(平尾孝治）
□ホスト：むさし（宮崎）、ながと（江川）、はるな（三津川）、やましろ（川中）、ふそう（吉野）、むつ（上田）
□サクラ：竹中真紀子、山田華絵、川藤久実、松屋麗子、松野くるみ、植野知恵
□店は５人掛けのテーブル席が３つと、ＶＩＰルームと呼ばれる６人席という間取りである。
ＶＩＰルームと開放室はドアで仕切りはあるが、透明ガラスを花柄のスリガラスの装飾がしてある為、ＶＩＰルームでの出来事は"見ようと思えば"透明な部分のガラスから除き見できる趣向である。
他のホストクラブと違うところは、会員制にしたことと、アルコールや料理の値段を格安に設定した。テレビでやっているような高額のドンペリやロマネコンティなんかは元々店には置かない。４人の女達の家庭の所得水準は他の家庭よりかははるかに高かったが、それもで、女達の立場は所詮は主婦や妾である。自由にできる金には限りがある。種付けする日までは、たいした負担をかけさせずに、店に通ってもらわねば困る(!?笑)、のである。
ホストの男達の源氏名は、軍事オタクの平尾の発案で、旧・日本海軍の戦艦の艦名から拝借して、それを"ひらがな"読みしたものである。店内に入ると一番目立つところに「戦艦大和」のバネル写真を懸けてある。戦艦の持つ「主砲」はペニスをイメージするシンボルであり、４人の女達にペニスを崇拝させるような幻想を与える演出というのが平尾の考え方だ。余談ながら、戦艦・大和(やまと)の満載排水量と主砲口径は、現在でも世界一なのである。（世界は空母建造に転換したから）
ところで、サクラであるが、これは大変重要な役割となる。ターゲットとなる女達に嫉妬させるように、ホストとのやり取りを巧妙に演出しなければならない。例えば、ホストむさし（宮崎）に君川敬太郎の妻・照絵(29歳)が入れあげたとする。それを、表面上は松野くるみというサクラと照絵の二人でむさしを争奪する形に持って行くのである…。
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最初にワナにかかったのは、笹川一郎の妻・君子(27歳)である。市会議員の妻というは傍で思う程に恵まれた暮しはできない。給料が安いからである。秘書と妻と母の兼業である。ゆえにストレスは溜まる。かといって立場的に自由恋愛などできないのだ。おのずと、こういう、精神的に慰めをしてくれる場所に足が運ぶ。
君子が選んだホストは、はるな（三津川誠・26歳）である。やはり学生時代は空手をやっていて平尾の配下の者である。空手に限らず、大学の体育会出身者は苦労人が多い。つまり、人の話もよく聞けるし、立場というか相手が何を欲っするかを洞察する力は一般の大学生卒とは比較にならない。ホストが話なぞしなくても、女の話を頷いて聞いてやって、同情してやって、時々女心をくすぐる世辞を言うだけで事足りる…。
君子は「ホストクラブやまと」三回来ただけで、"はるな"にメロメロになっていた…。その席にいきなり、松野くるみが現れた。
「あらぁ～、はるなったら、私とこの新米とどっちを選ぶの…(うふふふ…)」
「あなた。失礼でしょ！いきなり、挨拶もナシに私達の席に来るなんて…」
「どうして？笑。別にいいじゃん！たかが、二・三回店に来たくらいで常連ツラしないでよ！」
「はるなさん、こういう店なの…」
「いえ…。君子さん、こちらの"くるみ"さんはオープン当初から、僕を指名して下さってます、どっちを選べと言われましても…」
松野くるみが君子を無視して、乗り出してはるなの顔を掴んで強引にキスをした。そして、君子に言い放った。
「あなたは、こういうこと、できて…？笑」
君子は１０秒程悩んだが、完全に頭に血が昇っていた…。くるみがやったように強引にはるなにキスをした。完全に、術中に嵌ったと言っていいだろう…。戦略的にも戦術的にも…。
松野くるみは、笑いを押し殺して、次のステップに進んだ…。
「では、こういうことはできて？愛する男の喜ぶ行為が、あなたにできて…？(うふふふ…)」
くるみは、はるなの手を掴んで、「こっち、来て！いいこと、し・て・あ・げ・る…」
はるなを半ば強引にＶＩＰルームに連れ去り、ソファに座らせて、ズボンとパンツを膝まで下げた…。はるなの股間にくるみが頭を埋めて、上下している。透明ガラスの部分からははるなのせつない表情。５分程経過したところではるなは、くるみの頭を両手で押さえつけて、大きく一回突き上げて果てた。くるみは、力なく座るはるなを置いてＶＩＰルームを出た。口元を右手で抑えて、意味あり気な笑顔を君子に送ってから化粧室に消えた。
席に戻ったはるなに君子は尋ねた。
「して欲しいの？わたしにも…」
「いえ。結構ですよ、無理しなくっても(笑)。それより、来週の木曜日、僕とデートしませんか？店終るまで、付き合ってもらえたら、君子さんと店外デートします。心配しないでも、あなたの肉体を求めたりしません。純粋に、あなたと"二人の時が過ごしたい"んです…」
君子は、はるなを獲得する為には、フェラ抜きくらいをする覚悟になっていたが、"二人の時が過ごしたい"とはるなに言われては、さっきの松野くるみより、自分は尊重されているという優越感を持った…。そして…、来週の木曜日とは、笹川君子の排卵予想日なのである…。
女達の受精日の場合。
女の的中日を作戦実行日にしなくてはならない。
酔い潰しさえすれば、何時でもパイプカットができる構造ではないのである。
そして、翌週木曜日…。
君子は現れた。はるなを独占してはるなの胸にしな垂れていた。
そこに松野くるみが現れた。はるなと君子の席に一度座って、二言三言煽るようなセリフを吐いて二人の席から立った。君子にアルコールを沢山飲ませる為に挑戦的な話をしただけだ。あおられて飲んだブランデーに睡眠剤は入っていた。
３０分後、君子は「ホストクラブやまと」の二階・"人工授精室"に運ばれた。
当初、平尾案では黒人そのもの数人に、昏睡する女にそのままペニスを挿入させて膣内射精させようという考えだったが、中村が"がん"としてそれを拒否した。平尾は"面倒だから"というのが理由だが、中村は、「昏睡状態で犯されても、黒人のような巨大なペニスを受け入れては、あと、で絶対に局部周辺に本人が違和感を覚える」という主張だ。中村の主張には百合も竹中真紀子も参同した。
実際、ここまで来て、仕上げ作業を丁寧にしなければ、全てはぶち壊しなのである。
契約不履行で７２００万円も返金せねばならない。
この日の午後に、宮崎と二条百合（日英語通訳）が、別のホテトル嬢に依頼して採取した、元気な黒人３人射精６回分の精液を実験用ビーカーのようなものに入れて既に用意していた。
中村の主張のもうひとつは。
精液を医療的器具を用いて"直接子宮に注入"するのと、子宮口への登竜門でしかない膣内に注入するのでは、逆流する精液が多く受精の確率が減ることと、逆流精液そのものの措置に困る、というものであった…。
君子は、ボディコンのスーツの下はボディスーツで固めていた。それを、ボディースーツの股間のホックだけ外してまくりあげ、次いでショーツとストッキングは全部脱がせた。ストッキングは"電線"せぬように最大の配慮を払った。黒人精液注入の仕事は、やはり、金に困っている産婦人科医に１回２０万円の仕事料で雇った。
この"人工授精作業現場"の現場監督は百合が指示した。着衣を脱がせるところから、産婦人科医がいい加減な措置をしない為の監視役の意味でもある…。君子の下半身は剥いてから、精液注入までの作業時間はわずか１０分。しかし、このまではすまない。上半身を起こした格好にして、子宮から膣に逆流する精液を拭き取る作業があるのだ…。この作業は約２時間。産婦人科医が何度も膣内に脱脂綿を入れて逆流精子を吸収させて、クスコで膣内をくまなく観察して、「もう大丈夫でしょう」となり、無香料の化粧水で膣内のニオイ消しをしてから、ショーツもストッキングも履かせて元の姿に戻した。
「君子さん、そろそろですよ…」
「あら、眠ってたの、わたし…」
「ええ。ダイブンお疲れのようでしたので、そそのままにしておきました。さあ、デート行きましょう。感じのいいショットバーがあるんですよ」
「はるなさんのオゴリ？笑」
「いや、本当はホストとのデート代は女性客が持つもんなんですけどね、いいですよ俺が出しときましょう…」
君子ははるなにウエストを抱かれて店を出た。
ショットバーではそれから２時間程過ごして、はるなはタクシーで君子の家まで送った。
笹川照絵(29歳)には"ながと"が、笹川の妾・富美子(31歳)には"やましろ"が、そして君川聖子(25歳)には、"むさし"がそれぞれ担当して、君子と全く同じパターンで黒人精液の注入は２週間ほどで全て完了した。
そして、その１０日後に「ホストクラブやまと」も閉店した。
君子は"はるな"に夢中になっていた。プリペイド携帯も全て未使用にしたので、連絡の取りようもない…。気が付いたら、「ホストクラブやまと」のドアの前に立っていた。そこへ、"本番サービス"が諦めきれない笹川一郎が現れた。
「君子。なにやってるのだ？ホストクラブに用でもあるのか…」
「い、いえ。あなたこそ、ホストクラブに何の用があるの？笑」
「いや。まあ、いい。家に帰ろう…」
「わたしたち、そろそろ赤ちゃん欲しくない？」
「そうだな…。そろそろ、後継者も必要だな…。じゃあ、今日、早速頑張ろう！笑」
「そ、そうね…。そうしましょ」
君川敬一夫婦も、似たようなパターンで、子作りに励んだ。
笹川の妾・富士子(31歳)の場合は、もっと深刻な事情がある。君川敬太郎(52歳)は病死したた先妻の後釜に、若い妻照絵(29歳)を迎えた。照絵に子供でもきれば、３１歳の自分への敬太郎からの愛は薄くなるであろう…。照絵より先に敬太郎の子を孕む必要がある。照絵自身も敬太郎との子を早めにもうけたいところだ…。
こういう背景の中で、平尾は地元の地方ＴＶ局の投稿を繰り返した。
「君川建設社長と笹川一郎市会議員の友情で結ばれた"子作り計画"！日本の少子化は私達が防ぎます！」と(笑)。地方新聞も顔写真付きで記事にした。
無料のホームページやブログも５、６本立ち上げた。極度のネタ不足に悩む地元地方ＴＶ局は、この話に直ぐに飛びついた。君川建設社長と笹川一郎市会議員は最初は怪訝そうにしていたが、地元のＴＶが無料で宣伝してくれるだ。知名度が上がれば、ゼネコンの仕事話や選挙には追い風になるである…。こうして、三組の夫婦は子作りに励むことになったのだ…。
４人の女達は揃って、"あの日"の翌生理予定日に生理はこなかった。
そして、翌々生理予定日にも生理は来なかった。
４人の女達は、妊娠検査薬で陽性が出たあと、産婦人科医の正式な検査でも陽性が出た。
「おめでとうございます。三ヶ月に入ったところです。順調に育ってますよ」
４人の女達は揃って、産婦人科医からそう診察された。
君川建設社長と笹川一郎市会議員も、嬉しそうに地元のＴＶ局に"妻懐妊"の報を入れた。妊娠四ヶ月目に超音波検査をしたら、君子のおなかに「三つ子」が宿っていることが判明した。妊娠にしくい体質だったので日頃から排卵誘発剤を使っていたのだ…。
それから、約６ケ後、君川聖子が最初に産気づいて入院した。
お産ははじまった…。君川敬一は勿論のこと、ＴＶ局も出張員を派遣した。
分娩室では、元気な赤ちゃん産声が鳴り響いた。敬一は、ＴＶ局も出張員と握手して医師側に呼ばれるのを待っていた。分娩室は暫くの静けさのあとで、聖子の悲鳴が鳴り響いた…。
「い、嫌ぁ～！一体どういうこと！先生っー！」
産婦人科医としても、逆に聖子に質問したいぐらいだ…。
「わ、わたしの子じゃないわよ！こ、こんな赤ちゃん！」
分娩室から、顔面蒼白の看護士が一人小走りで敬一の前を通り去ろうとした。それを、敬一は止めた。相変わらず聖子の産み落とした赤ちゃんは元気な泣いている。
「看護士さん…。五体満足なんでしょうね…。元気なんでしょうね…」
「えっ、は、はい…。五体満足ですし、元気な赤ちゃんです…」
看護士は、敬一を振り払うようにして、事務局のほうに走った。
だが、ＴＶ局の出張員というのも悲しいサガで、幸福事よりも"事件性"や"不倫性"のほうがネタになるのは知っている。なにか、スキャンダルめいた、自分の仕事上の特ダネの臭いを本能的に嗅ぎつけて、病院に残ることにしたのだ…。
つづく
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