13．

　北村のマンションから加奈子が帰ったのは夜の八時を回っていた。
　リビングでは娘のまなみが帰りの遅い加奈子の帰りを心配して待っていた。
「ごめんねちょっと昔のお友達に会ったの……お茶しながらお話してたら遅くなっちゃった……」
「それだったらいいけど電話くらいしてよねー……」
　少しやつれた感のある加奈子を心配しながら自分の部屋に戻っていった。
　まさか自分の母親がその美しい肉体を陵辱されていたとは夢にも思わないだろう……。
　加奈子はまなみを騙すことができ、ホッと息をつきながらソファに座った。
　肉体の火照りがまだ収まらずに頭がポウっとしていた。ブラを着けていない乳房はセーターの上から触ると乳首がしこっているのがわかる。
　プルルルル……プルルルル……
　電話の音に加奈子は我に返った。
「はい、野々村です…」
「もしもし、僕だよ」
「あ、あなた、どうしたの？」
　加奈子は無意識に電話の相手を澤田だと思っていた自分に気付いた。
「今度まなみを連れてこっちに遊びに来ないか？仕事の方は一段落ついたんだけど、まだ当分は帰れそうにないから……」
「そうね、もうすぐ冬休みだからまなみもよろこぶわ」
「じゃあまた決まったら連絡するよ。もういかないと……」
　日本とアメリカとの時差は約十二時間なので祐平は仕事に行く時間だ。
「うん、あなたいってらっしゃい」
　久しぶりに夫に会える……
　電話を切った後の加奈子の心は初めてデートをする少女のように躍っていた。
　しかし、下着を着けていない自分に気付くと澤田や北村との激しいセックスを思い出して気分が沈む。

　次の日の朝まなみが学校へ行き、しばらくするとインターホンが鳴った。
「奥さん、俺だよ……」
　受話器を取ると男の声が聞こえた。
「どちらさまですか？」
　加奈子が不審に思い尋ね返す。
「俺だよ…奥さんと昨日とろけるようなセックスをしたじゃねえか……」
　受話器を持つ加奈子の手が震勢いよく飛び出した精液は加奈子の口内だけでなく、髪の毛、鼻の穴などにも飛び散った。加奈子は快感の余韻で朦朧としていたが、口元に突き付けられる自分の愛液や精液で汚れた北村の野太いペニスを口で綺麗に舐めとっていった。

つづく