〜あらすじ〜
　資本金500万円の小さな会社のオーナー中村武(38歳・妻子有)は、人妻とおおせを楽しむ為に、ワンルームマンションを借りていた。口説いて自分の女にした人妻をこの部屋に連れ込むのだ。
　いつからか数えた初めてもう直ぐ100人になる。ごく普通の人妻が中村の性奴隷になる様を綴ります。

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【 人妻くずし３４．麗子�@　〜 エコロジストな人妻 〜 】


　中村の事務所で働く女子事務員の三橋未来は、男性恐怖症というトラウマを脱却して、現在交際中の３歳年上の彼氏と婚約して４ケ月後に結婚式披露宴を挙げるはこびとなった。

　中村の会社は翌月に退職して、退職してからは実母と育ての親との両方に家庭料理や家事や人付き合い等を勉強するといういわゆる「花嫁修業」をすることになったのだ。だが、いきなり来なくなると困るから、新人が入社してから２ケ月間は一日４時間だけアルバイト待遇で手伝ってもらい新人への引継ぎ業務や教育を頼むことになった。

　新入社員は、２２歳という若さだが既に人妻という身分である。別に中村が人妻にこだわった訳ではないが、未来の退職が急でハ○ーワークから紹介された人物が人妻だっただけの話だ。
　名前は池端梨絵といい、あと４年くらいは子供を作らない計画らしい。既に、池端は入社して事務所は（一時だけだが）女性３人となり、小さい会社ながらも華やいだムードであった。


　そういうある日…。


　昼食が終わり午後の業務スタートという時間に、事務用品の中でも消耗品の部類に入るコピー用紙や名刺などの紙類と、使い捨てにしない為のトイレタリー商品を訪問販売に来社したエコロジストがいた。

　コピー用紙やメモ用紙、名刺などの紙類は"再生紙"にして、土に埋めたらバクテリアが食べてくれる新種のビニール製品を売り込み、そして、割り箸や使い捨て紙コップなど"マイお箸"と"マイカップ"を使え、と提案するのである。要するに訪問販売であることには変わりはない。

　販売員は名刺を出した。「○△会社　湘南地区担当エコプランナー　秋山麗子」とある。中村が想像するに年齢は３０歳を越えたあたりの人妻だろうか。芸能人でいえば、演歌歌手の石川○ゆりを若くした感じである。石川○ゆりそのものは中村の好みでは無いが、秋山麗子スタイルが良いことと身のこなしがテキパキしていて、この麗子に対して悪い印象を中村はもたなかった。


　山県慶子に話を聞かせようとしたが、山県は(会社の用事で)銀行に行くし、三橋未来は新人の引継ぎ業務をする必要がある。やむ無く、湘南地区担当エコプランナーの話を中村が聞くはめとなった。第一印象は悪くなかったのに、エコについて秋山麗子が喋りはじめると、中村は苛立ってきた。やれ、冷房が効き過ぎだの、環境を考えていない事務用備品が多すぎるのだのと中村に説教ばかり垂れるのである(笑)。


　最初のうちは、『はいはい』と素直に聞いていた中村であったが、エコロジーに対して著しく無関心な会社、と罵られては中村だって腹が立つ。例えば、慶子と未来は節約の為もあり毎日家で作った弁当を持参しているし、当然箸だって"マイお箸"なわけだから使い捨てではない。
　中村だって毎日妻が作った弁当を会社で食べたい。だが、昼飯時にノンビリ会社で愛妻弁当を食う為の段取りなどできないのだ。


　それでも、エコプランナーは尚も事務所の粗探しをやめない。
　中村は、ちょっとエコプランナーをカラカウことにした。エコプランナーの名刺で苗字を確認して、
『ええっと、秋山さん、一つお伺いします。本日はうちの事務所を環境破壊の罪で告訴しに来られたんでしょうか？それとも、地球に優しいエコ製品の販売に来られたのか、いずれでしょうか？』
「あっ、はい。勿論、地球に優しいエコ製品の販売が主目的です。ですが、その前に、環境について再認識をして頂けましたら、尚、有り難いです！」
『環境のお話は又、別の時にゆっくり聞かせて下さい。それより、その名刺。エコマークの入った名刺イイですね！値段はお幾らですか…』
「はい。こちらですと―箱200枚入りで\1,500です。最初に版代として\3,000頂戴しますが…」
『版代なんて取るんですか…。まあ、いいです。じゃあ、私のだけのを五箱お願いしましょう』
「有難う御座います！ご一緒に"エコ・コピー用紙"はいかがでしょうか…」
『ああ、それは結構です。友人の会社から義理で仕入れる約束をしているので…』
「義理ですか…。義理も大切ですが、環境のことも…」


　馬鹿なことをエコプランナーは口走ってしまった。第一、環境問題より、今来たばかりのエコプランナーへの"義理"を重視したからこそ"エコ名刺"を購入してやることにしたのだ…。そのへんの社会の仕組みを中村はエコプランナーに説教してやろうと目を睨んだが、そういう人間の機微が分らなさそうな女に見えたので、"義理"の話はやめにした。変わって…、中村のエコ論議をエコプランナーに聞かせる事にした。エコプランナーには、簡易応接用のテーブルの所に座らせた。名刺の注目伝票も作成せねばなるまい。エコプランナーはボールペンを走らせた。
　中村は、伝票作成中の女に話かけた…。

『秋山さん。あっ、いえ。お返事されなくて結構です。仕事続けながら聞いて下さい』
「は、はい」
『テンプラはお好きですか、秋山さんは？』
「あっ、はい。私はそうでも無いですが、主人が大好きです！」
『あれれ…。私はてってり、秋山さんは独身かと思いました、若くて美人ですし…』

　エコプランナーのボールペンを書く手が止まった。中村に笑顔で誉めてくれた礼を言った。中村は秋山麗子が人妻である事をこの時知った。完全なターゲットである(笑)。


「社長有難うございます。お世辞でも嬉しいですよ。美人だなんて…。でも、名刺は値引きできませんから！笑」
『笑！いえ、名刺の値段を引いてもらう為に言ったんじゃないです。感じた事をそのまま申し上げただけです…』
「…」
『で。天麩羅ですがね…。ご主人の大好物と仰るからには、妻である麗子さんは、天麩羅お作りですか、ご家庭で…？』


　秋山麗子は、咄嗟に中村が何が言いたいか分った。さっきまで自分が環境問題で中村をやっつけたのだ。だから、中村はエコ問題で反論を挑んでいるのである。どうせ「揚げた後のテンプラ油の処理方法」について闘いを挑んでくるのよ、と麗子はたかをくくった。実際、今まで訪問した会社のオヤジ社長が"テンプラ油処理案件"で麗子に闘いを挑んではことごとく敗退している(笑)。麗子は自信満々になって中村の顔を直視した。


「はい。これでも手料理好きなんですぅ。主人も美味しいと誉めてくれますし…」
『あっ、ノロケ話、ご馳走様です。で、使用後の油はどうされますか？』
「ええ。勿論、専用の紙に油を吸収させて処理して、決して下水道へは流しませんよ。油100ccで500匹くらいの鯵(あじ)が食べるプランクトンが死滅すると言われてますし…」

　秋山麗子は誇らし気な表情で答えた。中村も動じない、この程度のことでは…(笑)。中村も笑顔で話を続けた。

『そういう油のお話を主婦のレベルでも知らない方が多いんです…。ところで、秋山麗子さん。あのう、非常に美人だとさっきから私は関心して見惚れていたんですが、お化粧法、つまり、メイクアップもお上手ですね…。今度、私の妻に教えてもらえませんか！笑』
「い、いえ。我流のメイクですから、人様に教えるなんてとてもとても…」
『では、うちの若い社員に麗子さんのお時間ある時にお願いします…。ところで…』
「はい…」
『メイクを落す時には、どういう方法で…』

　麗子はきょっとんとした。中村の質問の真意が分らない…。

「えっ？普通にクレンジングクリームで落すだけですけど…」
『ご家庭の洗面台かバスルームでですか…？』
「は、はい。普通でしょう…。それって…、違いますか？」
『はい。普通です。しかし、麗子さん…。あなたが帰宅されて、メイクを落す都度に鯵3000匹分のご飯となるプランクトンが死滅する、というのはご存知で…？』
「は、はあ？…。な、なんのことですか…？」

　麗子は不安と不信の顔で中村の顔を見て答えた。中村は、証拠を握っている刑事の取り調べのような余裕の笑顔で話を続けた。

『いえ。簡単なお話ですよ。これでもし、麗子さんがテンプラ油を排水溝に流していたとしたら、メイク落としの3000匹プラス500匹の鯵が餓死するところでしたが、麗子さんは500匹の鯵が食べるプランクトンは殺さなかった、という正しいお話しですよ…(笑)』
「テンプラ油の話は分りました。でも、なぜ、私が洗顔すると鯵がそれだけ死ぬんですか？教えて下さい…！」

『ここではお教えできません、残念ながら…(笑)』
「どうしてですか！！」
『実際に麗子さんのメイクを落してもらわないと、分らないからです…』
「じゃあ、何処でなら教えてくださるんですか！？」

　中村は同じ表情のまま話を続けた。

『ホテルです…』
「は、はあ？…。ば、馬鹿にしてるんですか！私、帰ります！！」

　麗子はダッシュで帰ろうと３歩ほど歩いたが、注文伝票をテーブルに置いたままなのに気付き伝票を鷲掴みにカバンに入れると事務所の玄関へ走った。一呼吸いれてから「本日は有難う御座いました。名刺のご納品は別の担当者が参ります。今後とも当社をどうぞご贔屓に！」と捨てゼリフのように吐いて秋山麗子が事務所から去った(笑)。


　未来と池端梨絵は、引継ぎ業務などそっちのけで、中村と美人エコプランナーの話に聞き耳を立てていた。それが証拠に…未来は、


「社長っ！新手（あらて）の人妻口説き方法ですかぁ？」
『三橋っ！新入社員の前で人聞きの悪いことを言うな！』
「だって、エコの実験するのにホテルを使うのはおかしいじゃないッスかぁ！」
『どこが、おかしいのだ？』
「ホテルですよ、ホテル！しかも、相手は人妻ですよ！」
『別に、ラブ・ホテルとは言うとらんぞ！笑』
「やっぱ、社長、変！絶対に変！」


　ここまで、未来との漫才を楽しみ、中村は未来と池端梨絵に本当の事を教えてやることにした。


『あのな。三橋。実験には湯船（バスタブ）が必要なのさ…』
「人妻と一緒にお風呂入るんでしょ！やっぱ、変！」
『馬鹿め！笑。湯船にな、常温の水(淡水)を張る。そして、そこに、金魚を数十匹泳がせるのさ…』
「…」
『で、まずテンプラ油を金魚が泳ぐ浴槽に捨てる…。どうなると思う？三橋、池端…』

　三橋が先輩面して池端が答える前に答えた。

「死ぬに決まってるじゃないッスか！笑」
『それが死なんのさ、金魚ちゃんは。三橋や池端みたいにピチピチしたままだよ、テンプラ油では…。が、捨てる液体を、女性がクレンジングクリームでメイクを落とした液体を浴槽に捨てると金魚は死ぬ…。分るか、三橋…』
「嘘よっ！だって私のクレンジングだって環境に優しいって教えてもらったもん！」
『まあいいよ。とにかく金魚は死ぬのさ。それをね、さっきの"美人エコ"に説明してやりたかった訳だわさ…笑』


　美人エコロジスト・秋山麗子も知らないだろうが、メイク落としのクレンジングフォームや洗剤には界面活性剤という化学物質が使われている。これは自然界には存在し得ないものである。
　テンプラ油がどうだと騒いでも、世間が騒ぐ程には害は無いのである。何故ならば油は水に浮くから水中に酸素がある限りはエラ呼吸をする魚には(直接的には)関係ない話だ。そして、何よりテンプラ油は（精製された植物油とはいえ）原油に近い。原油は自然界に存在するものであり、時間はかかるが自然の力で浄化可能なのである。第二次大戦中にタンカーが撃沈されて何千万�dもの原油が海に流れたのに、海は大して汚染されなかった。

　が、界面活性剤は違うのだ。一度川や海に流されては、半永久的に分解消滅することはないのだ…。この素朴ながらも壮大な実験を秋山麗子に見せてやろうとしたわけである(笑)。

　無論、浴槽でなくても屋外で、タライがあれば、未来の言うようにホテルなど行く必要なんかない(笑)。まあ、半分冗談で半分本気の設定・環境作りが人妻口説き道の醍醐味なのだ…。


　しばらく、黙っていた二人であったが、まず池端が口を開いた。

「社長っ！ワタシ、思い出しました。高校の時の化学の時間の時に界面活性剤のこと聞きました！社長のおっしゃるように、メイク落としのあとの液体だと金魚は死ぬと思います」

　未来は、後輩に一本取られた形になって、別の意見で中村に逆襲した！

「社長っ！じゃあ、別にホテルの浴槽じゃなくても、金魚が泳げる容器さえあれば、屋外でも何処でもいい訳じゃないッスかぁ！」
『まあ、そういうことだ…笑』
「でも、彼女、あの秋山さんって人妻は、怒って帰りましたし！笑。社長には二度と会いたくないでしょうね！残念でしたぁ〜笑」


しかし。

　中村は秋山麗子を怒らせた事は計算済なのである。
（計算なんかしなくても、初対面の女性にホテルで実験をすると言えば、怒るに決まっている：笑）

　勿論、担当者を替えてもらって、別の人間に名刺を納品させようとした秋山麗子の甘えは、会社に却下され麗子が自ら受注した"エコ名刺"を納品することになる…。



つづく