10

　翌朝、心地よい疲労感を感じながら目を覚まし、ベッドから起き上がろうとした時、加奈子は自分が全裸であることに気づいた。そして昨晩の澤田との激しい交わいを思い出した。澤田によって無毛にされた股間にを見ると、割れ目からサーモンピンクの色をした肉を覗かせていた。
　澤田との関係が始まってからわずか半月たらずの間に夫とでは味わったことない快感をその肉体に覚えさせられていた。
　海外の夫に救いを求めることも出来ない加奈子は澤田の陵辱に絶えるしかなかった。
（娘の前で辱められたというのにあんなに感じてしまうなんて・・・・）
　シャワーをその美しい肉体に浴びながらプールでの澤田との交わいの時の自分の反応をあさましく思った。公衆での誰に見られるかわからない場所での性交によってあんなに快感が増すなんて、自分は変態ではないのか？
　そんなことを考えていると次第に子宮に甘い疼きを感じ、水の滴る双乳の乳首が大きくなっていく。その乳首を軽く扱きながらもう一方の手で股間にそっと触れると熱く蕩けはじめていた。火照った肉体に快感がじわじわと広がっていき、次第に指使いが激しくなっていく。割れ目からクチュクチュという卑猥な音を立て、漏れる声を抑えながら自慰にのめり込んでいった。

「ふわァ・・・ママおはよう・・・朝からオフロ？」
　浴室から出てきた加奈子にまだ寝ぼけた顔のまなみが声をかけた。
「おはよう・・・昨日帰ってきてそのまま寝ちゃったから・・・」
　娘に答える加奈子の顔は先程までの女の顔から母親の顔に戻っていた。
　それに伴い浴室での行為の最中には薄れていた罪悪感が膨らみ、子宮が再び甘く疼き出すのを加奈子自身どうすることも出来なかった。

　洗い物が一段落したころ電話の呼び出し音がなる。
「もしもし野々村ですが・・・」
「俺だ・・・今から三十分後に駅前の喫茶店に来い・・・」
「そんな・・・こ、困ります・・・」
　澤田の強引な呼び出しに戸惑いながら答えると、
「俺が行くと言えば素直に従うんだ・・・いいなスカートで下着は付けるんじゃないぞ・・・もし昨日みたいに逆らったら裸にひん剥くからな・・・三十分後に駅前の喫茶店にだぞ・・・」
　そこまで言うと一方的に電話が切れた。
　加奈子はリビングのソファに座りしばらくの間悩んでいたが、静かに立ち上がるとスカートを捲くり、下着を脱ぎ始めた。脱いだ下着にはすでに恥ずかしい染みが出来あがっていた。
　メイクをするため寝室の鏡の前に座るとうっすらと上気した自分がうつっていた。そして妻としての自分、母親としての自分を思い出し、その背徳感からさらに肉体が燃え上がる。
（あなた、まなみ・・・ごめんなさい・・・・）
　心の中で夫と娘に詫び、玄関に向かおうとした時再び電話が鳴った。
「はい・・・野々村です・・・」
「僕だけど・・・」
「あ、あなた・・・どうしたの・・・？」
「いや別に・・・少し声が聞きたいなと思って・・・そっちは変わりない？」
「ええ・・・大丈夫よ・・・」
　こうしてる間にも約束の時間が近づいている。加奈子は夫との会話を楽しむ余裕はなかった。
「どうした？元気がないみたいだけど・・・？」
　祐平はいつもと違う妻のようすに気付き心配した。
「え・・？あ、ううん・・・大丈夫よ・・・」
「ならいいんだけど・・・」
「あなた・・・悪いんだけどこれから出かけなくちゃいけないの・・・ほ、ほら・・学生の時の友達の美由紀と会うの・・・」
「あ、そうか・・・なら仕方ないな・・・また電話するよ」
　まだ何か話がありそうな夫を遮って電話を切ると急いで家を出た。
　夫に申し訳ないと思いつつも待ち合わせ場所の澤田のもとへ向かう。
　言いつけ通りブラとパンティを身につけていないため小走りになると大きく揺れる乳房を片手で押さえながら道程を急いだ。
　
「遅いぞ・・・・」
　五分程遅れて待ち合わせ場所の喫茶店につくと澤田はすぐに加奈子を連れて喫茶店を出た。そして近くに停めてあった車に乗り込むと加奈子のセーターを首元まで捲り上げるとブラを着けていない乳房が重たげに揺れながら露わになった。
　続いてスカートの中身をチェックし言いつけを守っているのを確認すると加奈子の口唇に吸い付いてきた。
　加奈子は出来るだけシートに身をうずめながら澤田の激しいキスを受け入れたがすぐに澤田を突き放した。
「やめてください・・・こんなところで・・・・」
　真昼間の駅前の人通りの多いところでフィルムの貼っていない車の中で人妻が夫以外の男とキスをしているのだ。知り合いに見られるかもしれない。
「じゃあ望みどおり人目につかない所へいくか・・・」
　車を一時間ほど走らせてたどり着いたのは七階建ての普通のマンションだった。
　その前に一人の男が立っていた。
「こいつは北村だ。このマンションのオーナーだ・・・」
　加奈子は貞淑な人妻らしく丁寧な会釈をした。そんな加奈子を北村の舐め回すような視線が突き刺さる。
　北村は年は五十歳、澤田とは飲み屋で知り合った間柄だった。
「さあ、いきますか奥さん・・・」
　北村はマスターキーでオートロックを解除すると加奈子の腰に手を回しながらエレベーターホールへと進んだ。エレベーターの扉が開き、中に乗り込むと今度は加奈子の形のいい尻を撫で回した。
「いや・・・やめて下さい・・・」
「ん・・・パンティをはいてないんですか？奥さん・・・」
「・・・あ・・・いやです・・・」
　加奈子は澤田に助けを請うように視線を送るが、澤田はニヤニヤとするだけでその様子を楽しんでいるだけだった。
　エレベーターが最上階に止まり、扉が開くと加奈子は北村から逃げるように降りた。だがすぐに北村にまとわりつかれながら一室の前まで来た。
　扉を開けると廊下を進みリビングまで来るとカーテンを閉め切った部屋にベッドだけが置かれていた。
　ここで澤田とセックスするのか・・・・そんなことを考えながら、彼の動きをまっているが北村は部屋を出て行く気配がない。
（そんな・・・まさか・・・・・）
　その美しい瞳に不安の色を露わにし、澤田の方を見た。
「ここを好きに使わせてもらうかわりにこいつにも貢物が必要なんでね・・・」
　澤田の言葉に今度は北村の方を見るとズボンのベルトを緩めているところだった。
「いやぁ・・・」
　加奈子は玄関の方に向かって走り出したが澤田は慌てるそぶりも見せずに加奈子の後を追った。
「いや・・・どうして・・・」
　玄関にたどり着いた加奈子はカギをはずして逃げようとしたが、内側にも外側と同じように鍵穴があるだけだった。
「変な気を起こすんじゃない！」
　諦めきれずにドアのレバーをガチャガチャと動かす加奈子の頬を張った。
　そして嫌がる加奈子を引きずってリビングに戻ると北村は全裸になっていた。
[そら！二時間ほどで戻るから楽しんでくれ」
　加奈子を北村に向かって突き出すと部屋から出ていった。
「奥さん！たっぷり楽しもうぜ！」
　北村は加奈子を受け止めると早速彼女の口唇に自分の口唇を重ねていく。
「うん・・・む・・・」
　突然のことで拒む事が出来ずに北村の腕の中でもがいていたが、次第に力ないものになっていった。