29

　アナウンスが流れるロビーでアメリカ行きの便を待つまなみの姿があった。

「ママお腹の赤ちゃんと一緒にいたい…」
数日前、加奈子が思ったとおりまなみは妊娠を告げると身重の母親を気遣って日本に残ると言った。
「ママは大丈夫だから…まなみだって楽しみにしていたじゃない…それにママが行けなくなってパパがさびしがってるからまなみについていてあげてほしいの…」

まなみの表情はまだ納得していないのか暗かった。
「そんな顔してたらパパを元気付けられないよ…ほら、パパによろしく言っておいてね…」
　あれから何度も祐平から電話があり、話し合った。その度、日本を離れることを許されない加奈子は心を痛めた。
　まなみの乗った便が見えなくなるまで見送ると空港を出た。ロータリーには澤田の乗った車が待っている。その助手席に乗り込むと澤田がキスをしてきた。
「いや…やめてください…」
「お前が日本に残る理由をまなみちゃんや野々村が知ったらどうなるかな？まなみちゃんは淫乱な母親を絶対に許さないだろう」
「もう…言わないで…」
「これで俺たちの邪魔をするものはいなくなった。心置きなくセックスを楽しめるな…今夜は覚悟しておけよ…まずは予行演習と行こうか…」

　澤田は空港の近くにあるラブホテルに車を滑り込ませた。
「何をしてる早く降りろ」
　加奈子は無言で澤田の後について歩いた。
　カギを開け入った部屋には産婦人科にある診察台が備えられ奥にはタイル張りの部屋がある。縄や巨大な注射器、ムチ、婦人科で使うような道具が並べられ、それを見る加奈子はこれから行われるであろう情事に戦慄を覚えた。

　加奈子は着ている服を脱ぎ、全裸になっていく。
「その上に上がるんだ」
　加奈子は台の上に登ると開脚台に両足を固定していく。すでに妖しく濡れている股間を惜しげもなく澤田の前に晒していく。
「…う……」
　ぱっくりと口を開いた膣穴に指を挿入していく。
「もうぐちょぐちょにしやがってこの淫乱が…」
　指を動かすたびに愛液が掻きだされひっそりと口を閉じている肛門までベットリと濡らした。ぐちゅぐちゅと卑猥な音が響く。
　澤田は指を引き抜くと大きな注射器のようなものを手にする。
「あぁ…怖いことはしないで下さい…」
　得体の知れない道具と部屋の雰囲気も相俟って加奈子は恐怖心が募る。そんな加奈子の反応は澤田のサディスティックな面を刺激するだけだった。
　澤田はニヤリとしながら手にした注射器で洗面器の中のお湯を吸い上げる。そしてその注射器を加奈子の肛門にあてがった。
「あ…いや、そんな…」
　加奈子が注射器と思っていたものは大きな浣腸器だった。澤田とのアナルセックスを経験し、浣腸も何度となく経験したことがあるが、それは小さなイチジク浣腸で今回のような大きな物では無かった。
「…あぁ…」
　浣腸の先を肛門に挿入していく。愛液のヌメリも手伝って難なく挿入できた。
「今日はたっぷりと注入してやるからな…」
　ゆっくりと浣腸を押し込むと暖かい液体が直腸に染み渡るような感覚を与える。
「…うう…いやぁ…」
　今までのようにすぐに終わる注入ではなく、浣腸器に蓄えられたお湯の量だけ時間がかかる。加奈子は消え入るような悲鳴をあげ浣腸を受け入れるが、次第に便意がこみ上げてくる。
「あ！だめです…と、トイレに…」
　足を固定されたままの加奈子は激しく狼狽した。だが澤田は加奈子を無視し、二回、三回と浣腸器にお湯を吸い上げ加奈子に注入していく。
「ああ…苦しい…」
「これくらいにしておくか…あんまりやりすぎると腹の子供に悪いからな…」
　そう言うとくびれのついた小さなバイブのようなものを手にした。
「これで栓をしてやる…今日は久しぶりに前の穴を使ってやる…」
「あ…そんな…あうッ…」
　自由を奪われた加奈子にはどうすることもできず、アナル栓をねじ込まれてしまった。
　澤田は加奈子の頭の方へ回ると大きく垂れたペニスを加奈子の口元に突きつけた。
　加奈子は便意に苦しみながらも澤田のペニスを口へ含む。亀頭を吸い込んだり緩めたりして刺激を与えると見る見る内にペニスは膨張し、加奈子の口内を圧迫していく。
　じゅる…じゅる…
　涎を垂らしながら必死にペニスを咥える加奈子。
「ようし…そろそろぶち込んでやる…」
　加奈子の涎でベットリと濡れたペニスをしごきながら足もとへまわる。そして開ききった淫裂に亀頭を二、三度擦りつけるとグイと挿入した。
「あッ…あはぁ…ん…」
　アナルのきつい締め付けと違い、膣肉全体がペニス全体を優しく包み込む。
「あ…あんまり奥までなさらないで…くだ…さい…あ…いい…」
　加奈子は久しぶりの正常な性交の快楽に飲まれながらもお腹の胎児の心配をした。さすがは母親といったところだろう。
　ぐちゅぐちゅと音をたてながら浅く膣を突き、膣肉の感触を楽しむ。
「あ…さ…澤田さん…あの…もう我慢できない…お…おトイレにいかせて下さい…」
「そうか、なら栓を外してやろう…」
「あっ…先に自由にして下さい…」
　ぐっと引かれ、栓が抜ける。加奈子は全身の力を肛門にいれ、はじけようとする便意に抗った。
「なんだ？我慢できないんだろ？」
「あ……イレ…お…トイレにいかせて…」
「ほうら遠慮しないで出せ…」
　そう言うとペニスを奥まで突き入れる。それと同時に加奈子の肛門から液体がチョロっと漏れる。
「あッ！だめっ…！だめ…」
「ほうら…」
　カリが引っかかる所までペニスを引き抜き一気に子宮を突き上げた。今度は加奈子の肛門からは大量の液体が噴き出した。
「おら、おら…」
「いやあ…いや…だめぇ…ッ！」
　ぶしゅ…ぶ…ぶ…ぶしゅっ…ぶしゅ…
　突き上げられるたびに液体を噴き出し、次第に固形物まで排出され始めた。
　澤田の興奮は頂点に達し、最後の一突きを与えると思いっきり射精をするのだった。

　澤田ははタイルの上に撒き散らされた汚物を片付けると備え付けの風呂に加奈子を抱きながら浸かった。
「あんまり浣腸すると腹の子供に悪いらしいから程ほどにしないとな…今日はたっぷりとアナルを責めてやるからな」
　何度も絶頂を迎えた加奈子は澤田にぐったりと肉体を預けていた。
（あなた、まなみ…ごめんなさい…）
　加奈子は心の中で夫と娘に詫びた。本来ならまなみと一緒に夫の下へ向かう便に乗っていた筈なのに、ラブホテルで他の男と変態プレーを興じている。その相手の澤田の股間は回復し先程から加奈子の尻のあたりをつんつんと突付いていた。
「あッう…」
　そして的を定めるとアナルに挿入してきた。豊満な乳房を後ろから激しく揉みながら、腰を振る。湯面が波立ちバチャバチャと浴室に音が響く。
「はぁ…はぁ…あ…あん…いや…ああ…」
　加奈子のか細い悲鳴と水の波立つ音、澤田の息遣いが淫靡な空気を作り上げていく。
「お前がアメリカに行っていたらこんなことも出来なかったんだぞ…こんな…気持ちいい事をな…」
「あぁだめ…そんなに、激しく…いや…ああん…」
　苦痛とも快感とも取れる感覚が加奈子の肉体を駆け巡る。体位を変えながら浴室でのファックが続く。バックから激しく貫いていたがペニスを引き抜いた。肛門が痛々しく口を大きく開けていた。
「ようし…今度は自分から繋がって腰を振れ…」
「はぁ…はぁ……」
　加奈子は澤田の支えが無くなりぐったり首をうな垂れていた。
「早くしないか！」
　横になった澤田が加奈子の尻をパアンと張った。脂の乗った尻たぶが波打つ。
「痛ッ…わかりましたから…ぶたないで…」
　加奈子は澤田を跨ぐとゆっくりと腰を下ろしていく。澤田からは加奈子の無毛の股間にパックリと口を開いた膣口、肛門が見えた。
「手は使うなよ…」
　びくびくと脈打つ澤田の極太ペニスに手を添えようとした時、澤田が言った。
　手を引きゆっくりと的を定め下ろしていく。肛門の先に熱いペニスの先端が触れるが、時間が経ち口を閉じてしまった肛門にペニスの先は逸れてしまう。
「…あ…ん……うん…」
　逸れるペニスの先端が時折、膣穴にめり込んだり、割れ目を擦ったりする度に加奈子はもどかしそうに悩ましげな声をあげた。
　加奈子は悪戦苦闘しながらも角度を調節し、肛門で澤田のペニスを受け入れていく。
「あ…は…あ…入った…ああ…」
　ようやく入れることが出来た加奈子は歓喜にもにた声をあげた。括約筋が縮みきった肛門は痛みを感じながらペニスを根元まで飲み込んでいく。
「どうだ…気持ちいいだろ…腰を使え」
　加奈子は腰を前後にゆっくりと降り始めた。
「あ…あ…ん…あ……」
　棒でこねくり回されるような痛みが次第に甘い快感に変わってくる。
　ぬち…ぬち…と粘り気のある音がたち、透明の液体でペニスはベトベトになっていった。
「腰を振るだけか…！」
　今度は太ももを張られ痛さに悲鳴をあげる。そして今度は腰を上下に動かし肛門で澤田のペニスをしごいていった。
「あ…もう…イク…く…動けない…」
　しばらくして加奈子はあまりの快感にビクビクと痙攣しべったりと尻をつき、澤田に肉体を預け動けなくなった。
「だらしの無いやつだ…」
　澤田は加奈子に後ろ手をつかせると自分も上体を起こした。そして激しくピストンを開始する。
「…あッ…だめ…ぇ…いやあ…また…いっちゃう……」
　加奈子はガクガクと揺すられ絶頂に向かって一気に駆け上っていくのだった。