人妻加奈子の奴隷生活.58

　日が傾き薄暗い部屋の中で二人の美しい妊婦がぐったりとしている。
　大きく開いたままの股間にある淫裂と肛門は赤く腫れぼったく、性交の激しさを物語っていた。
「ふう…しばらく彩美ともご無沙汰になりそうだな…」
「もういつ産まれてもおかしくないからな…」
「それだよ澤田さん、今日だってもしかしたら産まれてたかも知れないんだよな…」
　北村はベッドでぐったりとする二人に視線を送りながら言う。
「そうだ、澤田さんあんた、加奈子さんを自宅で出産させるんだって？」
「おお、その一部始終もバッチリと収めるつもりだ」
　澤田は昨日の晩からフル稼働していたビデオカメラをポンポンと叩きながら言う。
「俺は残念ながら立ち会えないよ…畜生、腹の中にいるのは俺のガキだってのに」
「そいつばかりはしょうがないな。彩美さんには旦那がついてるからな…何、加奈子のビデオを後で渡してやるよ…」
「加奈子さんの出産か…是非見てみたいものだな…」
「ちょっと普通の神経してたら刺激が強すぎるけど、俺や北村さんのような変態にはたまらんからな…」
「おいおい、変態はよしてくれよ…」
　いつものように、激しい性交による疲労でぐったりとしている二人を無視して勝手な会話を楽しんでいる。
　二人の様子に見入っている北村のペニスは硬くなっていた。
「北村さん、まだやる気かよ…？」
　澤田の問いかけに答えずに北村はベッドに上がった。
「あ、もう帰らないと…困ります…いや…子供と主人が…あ…んあ…」
「大丈夫だ…加奈子さんのところにいると言えば少々遅くなっても疑われないさ…」
　ちゅ…ちゅ…と北村の口唇が彩美の体中を這い回る音が響く。男女の結合が奏でる音が響くのも時間の問題だった。


　北村が満足し、彩美から離れたのはそれから一時間ほどした頃だった。外はすっかりと暗くなっている。家へ帰り、母親がいないことに気付いた子供から彩美の携帯になんどか着信があった。
「うん、ごめんね…ママ電話に出られなかったの…もうすぐ帰るから…ん…んふ…パパが帰ってきた…ら…すぐ帰るって…言っておいてね」
　子供と電話で話す彩美の背後に立ち、パンパンに張った乳房を揉み、首筋に舌を這わす北村。彩美の言葉は切れ切れになる。電話を切った後、彩美は恨めしそうな眼で北村を睨んだ。
「それじゃ、澤田さんそろそろ帰るわ」
　ソファに座った澤田は無言で手をあげ挨拶をする。その足の間には澤田のペニスを加える」加奈子がいた。
　北村と彩美が出て行った少し後に澤田は加奈子の口内に精を放った。一滴残らず飲み干した加奈子はぐったりとしていた。
「今日は会社に戻る…やり残した仕事があるからな…」
　誰もいなくなった部屋は耳が痛いほどの静寂に包まれていた。加奈子はシャワーを浴び、体の汚れを洗い流すとベッドで深い眠りについた。
　そんな加奈子を起こす声がする。
　まだぼやける視界で声の主を見上げると会社に戻ったはずの澤田だった。
「もう、帰られたんですか…？」
　ゆっくりと起き上がる加奈子。
「事故ったみたいだ…」
「え？澤田さんが…？」
「違う、北村だ…彩美さんも一緒だった…」
「え？いつですか…」
　澤田の言葉に眠気も一気に吹き飛ぶ。
「ついさっきだ…」
　加奈子は時計に目をやると澤田が出て行ってからそんなに時間が経っていなかった。
「そ、それで二人は無事なんですか…」
「今から病院へ向かう…お前も支度しろ…」
　加奈子は言われるままに身支度をした。
「澤田さんはどうして事故とのことを…？」
「会社に向かう途中、事故現場を通りかかった…あの二人…助からないかもしれないぞ…」
「そんな…」
　病院へ向かうタクシーの中で二人は抑えた声で話していた。加奈子はあまりのショックに言葉をなくした。

　病院に着くとさすがに一般の受付は終了しており、救急外来の受付で二人の安否を尋ねた。
「今は処置中ですので…しばらくお待ち下さい…」
　看護婦はそう答えると慌しく去っていった。
　加奈子達がベンチに座り待っていると男が一人受け付けに訪れた。
　話を聞いていると男は彩美の夫のようだった。事故処理の担当者だろうか、警察官と話をし、しばらくして加奈子が座っているベンチの方へ来ると少し離れたところに座った。澤田は無言で立ち上がると病院を出て行った。
「あのう…失礼ですが、彩美さんの…？」
「あ、あなたは…？」
「私…彩美さんの学生時代お付き合いさせて頂いていた野々村と申します…」
「あ、あなたが加奈子さんでしたか…申し訳ありません…私、彩美の夫の若林、健史と申します…」
「彩美さんの様子は…？」
「まだわからないそうです…警察の方の話だと生きているのが奇跡なくらいの事故だったようで…運転していた男性は助からなかったと…」
「え…そんな…」
　加奈子は北村の死を知らされショックを受ける。
「あの…加奈子さんは男の方をご存知で…？」
「え、はい…知っています…私が住むマンションのオーナーさんなんです…たしか、彩美さんの所のマンションも同じオーナーさんだと聞きました…」
「そうでしたか…それは知りませんでした…それにしても何でオーナーの車に彩美が乗っていたんでしょうか？」
「…今日、私が彩美さんをお誘いしてたのですが、遅くなってしまって…それで…その…たまたまオーナーさんがいらっしゃって、彩美さんのマンションにも用事があるとかで、妊婦さんは大変だろうと送ってくださると…」
　加奈子は自分で言いながら苦しいなと思った。しかし北村と彩美の関係を知られるわけにはいかない。
「そうだ、加奈子さんも身重で大事な時期なのにこんなことに巻き込んでしまって…」
「いえ、私はいいんです…」


　しばらくすると術着をまとった医者がナースの詰め所に入っていくのが見えた。すぐに看護婦に連れられ加奈子たちの方へ来る。二人はベンチから立ち上がると医者の言葉を待った。
「若林さんのご主人ですか…？奥さんは何とか命をとりとめられましたが、残念ながらお腹の赤ちゃんはお気の毒ですが…」
「………」
　健史の口から言葉は出なかった。加奈子もショックからフラつき看護婦に支えられる。
「大丈夫ですか？」
　無言で頷く加奈子の顔からは血の気が失せていた。
「失礼ですが、北村さんの奥さんですか…？」
　医者の問いかけに首を横に振る加奈子。
「そうでしたか…キミ、女性は休んでもらって…ご主人、奥さんの状態を説明しますのでこちらへ…」
「加奈子さん…大丈夫ですか？私は少し話をしてきますので休んでいて下さい…看護婦さんお願いします…」
　加奈子は看護婦に連れられ処置室のベッドに横になった。
「ちょっと貧血気味ですね、睡眠取れてますか？それでは奥さんしばらく横になっていて下さいね」
　昨晩からゆっくりと眠る事も許されず責め続けられ疲労していたのもあるが、彩美のお腹のこの死は加奈子にとってショックだった。
　北村の死も例外ではない。加奈子にとって澤田と北村は憎むべき相手だが、死んだとなると別だった。特に性格が穏やかな加奈子なら尚更だった。
　横になったことで加奈子を睡魔が一気に襲う。転がり落ちるように深い眠りについていった。