| 11 ピピピッ！ ピピピッ！ 電子音が響く。 一瞬、俺はどこにいるのかわからなかった。 「おい・・・直人。起きろよ」 陽二の声で思い出した。俺はクッションを枕にして床の上に寝ていた。 「うう〜ん・・・」 俺は上半身を起こして伸びをした。 「昨夜、言ったこと覚えてるよな？」 「うん。覚悟はできてる」 俺はどこかで読んだ一蓮托生って言葉を思い出していた。意味は逆だったかもしれない。 「行くぞ。もう義姉さんも起きてるはずだ」 陽二はベッドから降りてそう言った。 「わかった」 俺も立ち上がる。俺たちは並んで部屋を出た。 「あれ・・・おかしいなぁ・・・」 母屋には人の気配がなかった。陽二がキョロキョロあたりを見まわして言う。 「陽二・・・」 「ん・・・？」 「顔くらい洗わせてくれよ。風呂も入ってないし・・・こんなんで美由紀さんと顔合わせたくないよ」 「いいよ。じゃ、俺、ションベン」 陽二はトイレに入る。 俺は脱衣場にある洗面台で顔を洗った。ついでにハンカチを湿らせてあそこも拭く。ハンカチを鼻に近づけると、やはり、あの匂いがした。昨夜の出来事が夢じゃなかったんだと思い知らされる。 「おい、替われよ」 何回かハンカチを洗ってあそこを拭いていると陽二が脱衣場に来て言った。 「あ。うん」 「義姉さん、起きてないみたいなんだ。あの薬、効きすぎじゃね？」 「わかんない。でも、六錠分くらいは入ってたから・・・」 「普通、どれくらい飲むの？」 「一錠・・・かな・・・」 「それ、やばくね？」 そう言われて急に心配になった。 「どうしよう・・・起きなかったら救急車かな・・・」 「うん・・・」 陽二も青ざめる。 「ちょっと行ってみよう」 俺たちは寝室の方へ急いだ。 「義姉さん！ 義姉さん！」 陽二がドアを叩く。 「義姉さん！ どしたの？ 開けていい？」 何度もドアを叩いた後、陽二が言った。 「陽二・・・さん・・・」 ドアのノブに手をかけたとき中から声が聞こえた。 最悪のことを考えていた俺は胸を撫で下ろした。 「こんな時間なのに起きてこないんで心配しちゃったよ・・・」 陽二も同じ気持ちらしく口調が変わる。 「ごめんなさい・・・二日酔いみたいでフラフラするの・・・そんなに飲んでないはずなのに・・・」 「義姉さん、入っていい？」 「ちょっと待って・・・そっちへ行くから・・・リビングにいて・・・」 「話があるんだ。開けるよ」 もう陽二はドアを開けていた。 「どうしたの？ なにかあったの？」 美由紀さんはベッドに座っていた。陽二を見て、あわててタオルケットで胸を隠すような恰好をする。 「俺たち、義姉さんに謝りに来たんだ」 「えっ・・・なに？ あっ、小山君まで・・・なんで・・・？」 美由紀さんは俺の顔を見て狼狽えている。 「義姉さん、ごめん！」 いきなり陽二は土下座した。 「直人！ お前も謝れ！」 陽二の勢いに圧されて俺も土下座してしまった。 「な、なんなの？ いったい？」 美由紀さんはベッドに座ったまま固まっている。 「俺たち、昨夜、義姉さんに悪戯しちゃったんだ」 「なに？ どういうこと？」 「酔って寝てる義姉さんを裸にして・・・それで・・・」 「ええっ！ うそ・・・うそでしょ・・・」 「ごめん。ほんとにごめん！ あの・・・エッチしちゃったんだ」 「う・・・うそ・・・うそよ・・・うそって言って・・・」 美由紀さんの声が裏返っていた。 「ウソじゃない。証拠だってある」 「うそよ・・・うそでしょ・・・」 美由紀さんはパニックに陥ってしまったみたいだった。ちょっと顔を上げて様子をうかがうと両手で顔を覆っていた。 「してるとこビデオに撮っちゃったし、義姉さんの裸の写真も撮った」 「どうして・・・どうしてなの・・・」 「我慢できなかったんだ」 「ああ・・・どうして・・・」 そう言う声が泣き声に変わる。 「だって、義姉さんったら、毎晩こんなもん使って・・・声が聞こえたし」 陽二は立ち上がってワードローブを開けバイブレーターを取り出した。 「いやぁ〜っ！」 美由紀さんの声は悲鳴に近かった。 「ごめんね。俺、義姉さんのこと大好きだったから我慢できなかった。それに、度胸がないから直人まで巻き込んじゃった」 「あああ・・・どうして、こんなことに・・・」 「しちゃった後で、俺たち後悔したんだ。だから謝りに来た。訴えられてもいい。兄貴からぶん殴られてもいいから、義姉さんに謝りたかった」 たぶん、陽二の言葉は本音なんだろう。でも覗いていたという事実を、故意なのか本音で隠している。 「おい、直人。お前からも謝れ！」 陽二の声には有無を言わさぬ迫力があった。 「ほんとうに・・・すいませんでした・・・」 俺はそう言って土下座を続けた。 「うっ・・・うううっ・・・」 美由紀さんの嗚咽が聞こえた。 「兄貴にも謝らなきゃ」 「やめて！ お願いだから、やめて・・・」 陽二の言葉に美由紀さんの反応が変わった。 「だって・・・」 「だめよ・・・そんなことしたら、お終いになっちゃう・・・」 「義姉さん・・・」 「おねがい。修一さんには話さないで」 修一っていうのは陽二の兄さんだ。 「でも、俺たちのやったことは犯罪だし、このまま秘密にしたら、俺、義姉さんのこと好きだから我慢できなくなって、また襲っちゃうと思う。そんな俺が自分でも嫌なんだ」 「そんな・・・どうすればいいの・・・」 美由紀さんは両手で顔を覆ったまま首を振っていた。 「もし義姉さんが秘密にしたいならお願いがあるんだ」 「な・・・に・・・？」 「直人が言ってた。このバイブレーターになりたいって。もし、義姉さんがよければ、俺たちをバイブレーターの代わりに使ってくれないかな」 「そんなこと・・・できるわけ・・・」 「直人だって義姉さんに憧れてたんだ。二人で義姉さんに尽くすよ」 かぶせるように陽二は美由紀さんの言葉が終わらないうちに言った。 「ダメ・・・そんなの・・・」 「だって、もうやっちゃったんだから後戻りはできない。俺たちは犯罪者として訴えられるのを覚悟してたんだ。秘密にするなら、みんながいい方法を考えなきゃ」 もし、これを計算して言ってるのであれば、陽二は凄い策士だと思った。 「写真やビデオをネットにバラ蒔くって脅かすことも考えた。でも、そんなことはしたくないんだ。俺も直人も義姉さんのことが好きだから。それに、義姉さんが毎晩自分で慰めているのも我慢できない」 「いや・・・いや・・・」 美由紀さんは首を振り続けている。 「全部が嫌ならしょうがない。無理矢理にでもわかってもらうしかないね」 そう言いながら陽二は美由紀さんをベッドに押し倒した。 「あっ！！ やめて！」 思ってもみない展開だった。 「直人！ 手伝え！ 下を脱がすんだ！」 陽二は美由紀さんを抱きしめて動きを取れなくして言った。 「う、うん」 あまりのことに頭が回らず、気がつけば陽二の命令に従っていた。それほど奴の言葉には力があった。 脚をバタつかせてもがく美由紀さんのジャージに手をかけてパンティと一緒に引きずり下ろす。 「い、いやぁっ！ やめ・・・んぐぅ・・・」 抵抗の言葉が終わらないうちに陽二は美由紀さんにキスしていた。 ここまで来たらやめることはできない。そう決心した俺は必至で逃れようとする美由紀さんの下半身を押さえつけた。 陽二はTシャツを捲り上げておっぱいを揉んでいる。 俺は昨夜できなかったことを実行した。美由紀さんの脚をひろげて秘肉を口いっぱいに頬張った。 「んんんっ！」 舌を尖らせて蜜壺からクリトリスまで舐めあげると、美由紀さんの腰が跳ねるように動く。舌の感覚でもはっきりわかるほどクリトリスは尖って硬かった。その部分を舌先でなぞると逃れようとしていた美由紀さんの力がフッと抜けた。 上目遣いで陽二の方を見ると、いままで押し退けようとしていた手が陽二のTシャツを握りしめていた。 敵わないことを悟って観念したのか、感じてしまって受け入れてしまったのかはわからなかったが、美由紀さんの抵抗は止んだ。 「義姉さん。わかってくれたんだね。うれしいよ」 陽二は唇を離してそう言いながら美由紀さんのTシャツを脱がしている。 「ああっ！ ゆるして・・・ああんっ！」 俺が舌先の動きを早めると美由紀さんは甘い声をあげた。 気がつくと蜜が溢れてきていた。 「ああっ！ だめぇっ！」 陽二がTシャツを剥ぎ取って乳首にキスすると美由紀さんは悲鳴のような喘ぎをあげる。 「はうぅぅぅっ！」 クリトリスを舐めながら中指を挿入すると美由紀さんは大きな声を出して痙攣する。蜜壺の内部は熱い洪水のようだった。 自分の行為が美由紀さんを感じさせていると思うと俺は有頂天になった。 もっともっと感じさせたいと思ったときベッドの上に転がっているバイブレーターが目に入った。 拾い上げてスイッチを入れる。 「あうっ！ いやっ！ いやぁぁぁっ！！」 振動する先端でクリトリスをなぞると美由紀さんは腰をバウンドさせながら喘いだ。 気をよくした俺はオナニーをしていたときの動きを思い出しながらバイブレーターで秘肉をなぞり蜜壺の内部を中指の腹でこすった。 「ああっ！ いや・・・ゆるして・・・あああっ！」 陽二におっぱいを搾るように揉まれ乳首を吸われながら俺に下半身をバイブレーターと指で責められた美由紀さんは全身を硬直させて叫んだ。そして、次の瞬間にはビクンビクンと痙攣した。絶頂を迎えたことは明らかだった。 「直人。脱げ。先にしていいぞ」 「だって・・・」 「いいから。おれに考えがあるんだ」 「わかった・・・」 陽二の迫力に押されて俺は痙攣してる美由紀さんを見下ろしながら服を脱いだ。 「やれ！」 有無を言わさぬ命令口調に俺は美由紀さんに覆い被さった。 「やっ・・・それだけはやめて・・・小山君・・・おねがい・・・」 美由紀さんは俺を見て懇願した。 「義姉さん。諦めなよ。もう後戻りはできないっていったじゃないか。俺たち二人がかりで満足してもらえるよう尽くすよ。中で出さないように気をつけるからお願いがあるんだ。直人がいきそうになったら口でして飲んでやってよ」 陽二は美由紀さんの耳元でささやくように言う。 「いや・・・やめて・・・」 「はやく！ 直人！」 「う・・・うん・・・」 俺は自分のものに手を添えて蜜壺にあてがった。 「ああっ！ だめっ！ しないでぇ！」 先端が触れただけで美由紀さんが叫ぶ。 「あうっ！ あつい・・・だめ・・・なのに・・・ああぁんっ！！」 ゆっくりと挿入していくと美由紀さんは悲しそうな顔で俺の方を見ながら喘いだ。 内部は溶岩のように熱くて生の感触がたまらなかった。 「ああっ！ だめぇっ！ ああっ・・・あんっ！」 根本まで挿入すると先端に硬い肉があるのがわかった。肉襞が蠢いて俺のものを締めつけてくる。 「すごい。美由紀さん・・・気持ちいいです・・・やっぱ、美由紀さんは最高です・・・」 俺はそう言いながら腰を動かしはじめた。 「あっ・・・いけない・・・こと・・・あんっ！」 突くたびに短く喘ぐ美由紀さんがたまらなくきれいに見えた。 俺は美由紀さんの身体を抱きしめて唇を重ねて腰を振り続ける。 密着した肌から伝わってくる感触は天国そのものだった。おまけに、昨夜には味わえなかった美由紀さんの反応もある。 「直人。いく前に言うんだぞ」 陽二の言葉に俺は親指を立てて答えた。 キスをしながら腰の動きを速くすると美由紀さんは腕の中で何度も身体を硬くしては跳ねるような動きをした。まるで生きた魚を握りしめているようだった。 昨夜の美由紀さんは極上の肉だった。でも肉は肉にしか過ぎない。いま、俺のものを入れられて悶えている美由紀さんは肉でなく魂のある愛おしい女だった。 そう考えると限界がやってきた。 「陽二・・・いきそう・・・」 俺は唇を離して言う。 「義姉さん、中で出していい？」 陽二がそう言うと美由紀さんは喘ぎながら首を振った。 「じゃあ、わかってるよね？ 直人、抜いて義姉さんの口へ」 俺は陽二の言葉通り自分のものを引き抜いて美由紀さんの顔に跨った。手を添えて先端を口にあてると美由紀さんは俺のものをくわえた。 舌の動きを感じた瞬間に俺は思いきり放出してた。 「んっ！ ぐっ・・・」 出したものが喉を直撃したのか、美由紀さんは少しだけ咽せた。 でも美由紀さんは俺のものを離さなかった。ゴクリと喉を鳴らす音が聞こえる。夢のような光景だった。憧れの美由紀さんが俺の精液を飲み込んでいる。 「すっごい・・・気持ちよすぎる・・・ありがとう・・・美由紀さん・・・陽二も・・・」 俺は肩で息をしながら言った。 「さて、こんどは俺の番だ」 いつの間にか服を脱いだ陽二がベッドの脇に立ってそう言った。 |
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| 2013.2.23掲載 |
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9話（2013.2/23時点）
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