俺たちの夏

南田朗 作
　12

「義姉さん、うつ伏せになって」

　俺をどかした陽二は美由紀さんを転がすようにして裏返した。

「ようじ・・・さん・・・もう、ゆるして・・・こわれちゃう・・・」

「だめだよ。いったん口をつけた飲み物はとことん飲み干しなさいって義姉さんがくれた本にあったじゃないか。物事はやり遂げることが大切だって教えてくれたのは義姉さんだよ」

「そんな・・・」

「それに義姉さん後ろからが好きでしょ」

「えっ・・・？」

「俺、知ってるんだ」

　陽二は美由紀さんの腰を持ち上げてお尻を突き出すような恰好にさせた。

　美由紀さんは身体に力が入らないみたいで陽二のなすがままになっている。

「ああんっ・・・だめ・・・ゆるして・・・」

　陽二は自分のものを持って先端をあそこへなすりつけている。それだけで美由紀さんの声が甘くなった。

「すごいな。エロい義姉さんも大好きだよ」

「ああ〜んっ！」

　陽二のものが潜り込むと美由紀さんは鼻に抜けるような声で喘いだ。

「ああっ・・・だめ・・・あうぅぅぅっ！」

　陽二が一気に挿入すると美由紀さんは背中をのけ反らした。

「やっぱり生は気持ちいいな」

　陽二が勢いよく動き出す。

　パンッ、パンッ、と肉を打つ音が寝室に響いた。

　美由紀さんは肘を立てているので垂れ下がった乳房が動きに合わせて揺れている。

　その光景は動物の原点のようで、エロさを通り過ぎた美しささえ漂わせていた。

「だめっ！　だめぇっ！」

　シーツを握りしめた美由紀さんはこれまでにないくらい乱れて見える。

「義姉さん・・・こうされたかったんだよね・・・俺がしてやるから・・・」

　陽二は動きを早めながら屈んで右手を前にまわした。

「ああっ！　いやぁぁぁっ！　どうして・・・ああ〜んっ！！」

　握りしめたシーツが破れるのではないかと思うほど美由紀さんはシーツを引っ張って震えている。

「いやぁぁっ！　こわれ・・・ちゃうぅぅぅっ！！！」

　頭を抱え込むような姿勢になって美由紀さんは大きな痙攣を繰り返した。

　その間も陽二の動きは止まらない。

「ああぁぁぁぁんっ！！！」

　美由紀さんが絶叫した。

　よほど深い絶頂を迎えたのか痙攣が収まらない。

　それでも陽二は杭打ち機のように動き続けた。

「だめ・・・もう・・・とけちゃったみたい・・・ああ・・・」

　うわごとのような声が美由紀さんの口から漏れる。

「あっ・・・いや・・・ゆるして・・・漏れちゃう・・・おねがい・・・ようじさん・・・おねがいします・・・」

「どしたの？」

　陽二が動きを止めずに言う。

「おねがい・・・トイレに・・・出ちゃう・・・ああっ・・・」

「それなら、ここでするといいよ。ほら、タオルケットに・・・」

　陽二はベッドの上にあったタオルケットを丸めて美由紀さんの下に置いた。

「いや・・・そんなの・・・ゆるして・・・おねがい・・・」

「きっとトイレに行く前に漏れちゃうからここでしたほうがいいよ」

「あぁっ・・・おねがいですから・・・なんでも・・・言うことをききます・・・だから・・・おねがい・・・」

「わかった。だったら、ここでするんだ！」

　そう言う陽二は俺が知ってる陽二じゃなくなっていた。

「あああぁぁぁ・・・」

　美由紀さんの声は嗚咽に変わっていた。

　考えてみたら起きてから、いや昨夜から美由紀さんはトイレに行ってない。

「思い出した。子猫にオシッコさせるときにはこうするんだった」

「いやっ！　いやぁぁぁっ！！」

　陽二は親指でお尻の穴をこすっていた。

「だめぇ・・・もう・・・ああ・・・」

　絶望の声とともに股間から金色の液体が噴き出した。

「おっと・・・」

　陽二は器用に飛び退いて美由紀さんの排泄物をタオルケットで受け止める。

　シャアァァァッという音がして生地が薄い黄色に染まっていった。

「ああ・・・あああああ・・・」

　その声から美由紀さんが壊れてしまった感じがした。無理もない。僕らの目の前で無理矢理放尿させられたんだ。自尊心がズタズタに崩壊してしまったことは容易に想像できる。

　しかし、打ちひしがれる美由紀さんの姿はとてもエロくてきれいだった。

「なんだよ、直人。またしたいのか？」

「あ・・・」

　気がつくと俺のものはギンギンになって天を向いていた。

「待ってろよ。仕上げはあれにしよう」

　陽二の眼がギラリと光った。

「義姉さん、俺、まだ終わってないんだ」

　陽二はグッショリと濡れたタオルケットを床に投げ捨てると、ふたたび美由紀さんの腰を抱えた。

「知らないだろうけど、昨夜は直人にこっちにも入れられてたんだぜ」

　陽二は先端をお尻の穴にあてがって言った。

「や・・・やめて・・・ください・・・」

　美由紀さんの声には勢いがない。

「はうっ！」

　喘ぎとともに陽二のものはお尻の穴に潜り込んでいた。美由紀さんの蜜が潤滑剤になっていたのに違いない。

「あう・・・いたぁぁい・・・いたいの・・・いや・・・いやぁ・・・」

　美由紀さんの顔が苦痛で歪む。

「直人のものは受け入れたくせに・・・俺・・・うらやましかったんだ・・・」

「あっ・・・やっ・・・ゆるして・・・」

「これならどう？」

　陽二はさっきのように手を前にまわした。

「ああっ・・・いや・・・いやぁっ・・・」

　美由紀さんの声に甘さが宿った。

「義姉さん、教えてやるよ。昨夜は直人のものがここに、俺のものがこっちに同時に入ってたんだ」

「ああっ・・・うそ・・・ああんっ・・・」

　陽二は指で蜜壺をかき回していた。

「こんどは直人がこっちに入れたがってるよ。見ろよ、直人のもの」

　美由紀さんがこっちを見た。その恐ろしいくらい色っぽい表情も俺が知ってる美由紀さんじゃなかった。でも、それはそれでいいような気がした。

「直人、ベッドの上に仰向けになって」

　さっきから陽二に命令されてばかりいる。それも悪い気はしない。

「義姉さん、直人を跨いで・・・そう・・・」

　美由紀さんも言いなりだ。陽二と後ろでつながったまま俺を跨いだ。

「自分で入れられるよね」

　陽二の言葉に美由紀さんが首を振った。

「入れるんだ」

　その声は俺でさえブルッちゃうほど迫力があった。

「ああ・・・」

　美由紀さんは諦めたように俺のものを握る。

「あうっ！」

　自分で腰を下ろして俺のものを飲み込んで喘ぐ美由紀さんの姿はたまらないほどエロい。

「くそ・・・この体勢はつらいな。直人・・・昨日みたいに枕を・・・」

「うん・・・」

　俺は枕を引き寄せて腰の下にあてる。

「やぁぁっ！」

　結合が深くなり、美由紀さんがのけ反った。

「おっと」

　陽二は両手で倒れそうになった美由紀さんの胸を鷲づかみにして支えた。

「ああっ・・・いやぁっ！」

　陽二の手で形を変えた美由紀さんの乳房。明らかに快感に歪んだ顔。そして俺たちのものが二本も入った下半身。そのすべてが俺の目の前にあった。

「くうっ・・・やばいな・・・これ・・・」

　陽二は腰を動かしながら言った。

「いくぞ！」

　そう叫んだ陽二の身体が何度も震えた。

「あああっ！」

　中へ出されたのがわかったのか美由紀さんも声をあげた。

「見ろよ、直人の顔。もうすぐいっちゃいそうだぜ。中で出してもらう？」

　陽二が美由紀さんの耳元でささやく。その顔が俺には悪魔のように見えた。

「ゆ・・・るして・・・」

　美由紀さんは喘ぎながら首を振る。

「だったら向きを変えて直人のものをお尻に入れるんだ。さっきみたいに自分で」

　陽二は自分のものを引き抜きながら言った。

「そんな・・・」

「いやなら中で出してもらうぜ」

「ああっ・・・」

　悲しそうな声を漏らした美由紀さんは腰を上げる。

　抜けたものがパチンと音を立てて俺の腹に当たった。

「こっち向いて」

　陽二の言葉に美由紀さんは俺を跨ぎなおして尻を向けた。

「できるよね？」

　陽二の言葉は口調こそやさしかったが圧力を感じるものだった。

　俺には美由紀さんの表情が見えない。しかし躊躇しているのはわかった。

「直人、枕外せよ」

「あ・・・うん・・・」

　まるで魔法にかかったように俺も美由紀さんも陽二の言葉に逆らえなかった。

　どうしてだろう？　そんな疑問が一瞬頭の中をよぎるが興奮でかき消されてしまう。

「チンポコに手を添えて・・・そう・・・ほら、義姉さん・・・」

　陽二は美由紀さんの肩をつかんで俺の方へ押す。

「いや・・・いや・・・」

　美由紀さんはそう言いながら腰を落としていた。

　俺は美由紀さんのお尻に先端をあてがう。

「あうっ！」

　陽二の精液が潤滑剤になって俺のものはあっさりと入ってしまう。いくら親友とはいえ、普通だったらあんまり気持ちのいいものじゃないはずなのに、そんなことさえ気にならないほど俺の興奮は激しいものだった。

「義姉さん、どんな感じ？」

「ひどい・・・こんなこと・・・どうして・・・」

「やっぱり前の方がいいのかな？　だったらこれを入れてあげるよ」

　陽二はベッドに転がっているバイブレーターを手にした。

「い・・・いやっ・・・しないで・・・」

　美由紀さんの懇願は泣き声に近い。

　その震えた声が直腸を通じて俺のものに伝わってくる。

「いやぁぁぁぁっ！」

　寝室に美由紀さんの悲鳴が響いた。俺のものが締めつけられる。

「ほら・・・自分で持って・・・毎晩やってるみたいに動かすんだ！」

　陽二は美由紀さんの腕をつかんでバイブレーターの方へ持っていく。

「あっ・・・やっ・・・あああっ！」

　美由紀さんの喘ぎとシンクロして肛門がキュキュッと締まる。

「最高だ・・・エロい義姉さんは最高だよ・・・俺のを舐めてきれいにして・・・」

　ベッドに仁王立ちになった陽二の目はギラギラと輝いている。

　驚いたことに美由紀さんは陽二のものを握りしめて自分から口を近づけていった。そして、さっきまでお尻の穴に入っていたものをくわえた。

「くうっ・・・また気持ちよくなってきたぜ・・・義姉さん・・・俺のも飲んでくれよな・・・」

　その言葉を聞いて、さっきの気持ちよさを思い出してしまった。そして、腰を突き上げて放出した。

「・・・」

　それを感じたのか美由紀さんは身体を震わせる。

「直人・・・いったか？」

「うん・・・」

「そっか・・・よかったな・・・俺ももうすぐだ・・・義姉さんの舌って最高だぜ・・・」

　ちょっとだけ上半身を起こして見ると美由紀さんは右手でバイブレーターを持って動かしながら、左手を陽二のものに添えて舐めまわしていた。

　上気して桜色に染まった肌、汗で頬にへばり付いた髪がメチャ色っぽかった。

「あっ・・・そう・・・いくっ・・・義姉さん！」

　陽二の腹筋が波打つ。

　それでも美由紀さんはしばらく陽二のものを口にふくんで舐めまわしていた。

　そして、口をすぼめて静かに抜き去ると、ゴクリと喉を鳴らして出したものを飲み込んだ。
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2013.3.2掲載
10話（2013.3/2時点）
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