３１　院は涼子をお責めになる

　涼子の半開きになったくちびるは、いつも御所さまの好き心をそそる。
　実際に、その涼子のくちびるを御所さまが吸ってみられると、とても甘くて。その甘さに酔いしれてしっかりと涼子の肩を抱き寄せ、くちびるを合わせて舌を吸い上げられると、股間のモノがモリモリと盛り上がってくるのをお感じになるのであった。
　涼子が、外見にも引き締まって見え、しかも男たちの心を惹きつけてやまぬお尻をもじもじとさせると、御所さまはそっとそのお尻を手でお撫でになる。
「あっ、ああああ」
　涼子が悶え、くちびるを離していく…。
　でも御所さまには、それをお許しにはならず、逃げる涼子の半開きのくちびるを追いかけられて。そして、のしかかるようにして、再び涼子のくちびるをお奪いになる。
　涼子も手を伸ばし、御所さまの首を巻く…。
　そのしぐさが何とも可愛げで、御所さまの大陰茎（ペニス）にピーンと芯が入ってくる。
　御所さまは、気ぜわしく、涼子の着物の裾を掻き分けられ。
　下衣すらあわただしく、跳ね開けられ…。
　指を穂登（＝女陰）に巡らす。
「濡れていない！」
　と御所さまは心の中で叫ばれて。
　御所さまにとっては衝撃（＝ショック）なこと。

「どうしたのだ？」
「……」
　涼子からの返事はない。

「やはり、他の者に見られていないと、そなたは燃えないのか？」
　返事はないが。何かこっくりとうなずいたような。
「そうか…」
　がっくりと気を落とされる。
「ごめんなさい」
「しかたがあるまいぞ」
　御所さまとしてはそう答えざるを得ない。
「わたし、御所さまとふたりでも燃えられると思っていたのに…」
「ほぉー、そうなのか」
　御所さまは、少し機嫌を直されている。
「でも、だめだった、ごめんなさい」
「いや。でも、いつか、そなたとなら、ふたりっきりでも、互いに身も心も燃えてみたいものよのぉ」
「うれしいわ」
　涼子の顔をしげしげと見られる。確かにうれしそうな顔であった。
　御所さまの心が少し和む。
　上半身だけ預けておられたが、そっと、涼子の濡れて、半開きになったくちびるをお吸いになった。
　そして、目を見つめたまま、唇を離して、涼子に尋ねられる。
「やはり、あの白髪の男たちがいないとだめなのか？」
「……」
　涼子は目を伏せ、迷っているようだ。
「もうあの方たちはお帰りになったし。君子たちがいてくれてもいいわ」
「ああ、そうなのか。では、兼嗣たちをここに呼んで来よう」
「ああっ、御所さま、わたしが呼んで参りますわ」
「そうか。では、たのむ」

　君子たちがやって来た。
　涼子と君子は女同士なのに、さっそく互いに口吸いをしている。
　もし、白髪の男たちであったなら、嫉妬に狂い、なぐりかかっていったかもしれないが。御所さまは、比較的冷静に涼子と君子の口吸いを見ておられる。
　女同士のまぐわい（＝レズビアン）には興奮されないのだ。
　御所さまは、声を掛けられた、兼嗣に。
「そちは、いそぎ台所にまいれ。そして竈（かまど）の灰を掬（す）くい取って、髪にまぶすのじゃ」
「えっ？」
「いいから、いいから。そうすれば、そちは白髪頭をした男になれるのじゃ。白髪の男になって、涼子とまぐわって（＝セックスをして）欲しいのじゃ」
「？？？」

　兼嗣は、不審げに、不満げに台所に行く。
　なんでこんなにまでして御所さまのご機嫌を取り結ばねばならないのか兼嗣にはわからなかった。
　しかし、妻にしたいと考えている立子との暮らしが立ちゆくためにはここは我慢をするしかなかった。
　それに、久しぶりに立子以外の女が抱けるというものだ。

　兼嗣は、灰を手にすくい取り、そして、それを頭にまぶした。
　手が汚れた。
　近くに水桶があり、水も入っていたので、そこに手を突っ込んで洗った。
「なんでこんなことをしなければならないのか？」
　もう一度つぶやく。
　御所さまのわがままに付き合わねばならない宮仕えのわが身が情けない。

「おお、兼嗣、なかなかよく似合うではないか」
　兼嗣は部屋に戻っていた。
「……」
「そちが４０歳も過ぎれば、頭も灰のように白くなるであろう」
「御所さま…」

　御所さまは笑っておられる。
　他愛がない。
　兼嗣は苦笑している。
　それから、兼嗣は、ちょっとばかり演技でもってむくれてみせる。
「御所さま、われの顔の皮膚はまだ艶やかにございますよ」
「ああそうだな。しかし、何となく、そちのからだの動きは鈍くて年を取った人間のようであることよ」
「そんなぁっ！」

　涼子は、君子のからだの上にかぶさって、君子のおっぱいを吸っている。
　兼嗣は、どうしていいものか、うろたえている。
　御所さまが兼嗣を急かされる。
「兼嗣、そのようにボサッとしておらず、涼子をかわいがってやりなさい」
　兼嗣が涼子の背中に抱きつく。
　しかし、御所さまは、白けておられるのだ。
　白い灰が兼嗣の頭から寝具に落ちて、きたない。
　兼嗣の頭は、黒と白のまだらになっていて、それも何かきたならしいまだらなのである。
　それに、兼嗣の背中ときたら、つやつやとしていて、決してお年寄りの膚ではないのだ。

　しかし、兼嗣はそれなりに一生懸命のようである。
　御所さまが見られるに、どうも、兼嗣は後ろから涼子のアソコにアレを入れようとしているみたいではある。

　いったんは後ろから入れることに成功したみたいだが…。
　兼嗣が後ろに腰を引き、涼子が君子の口を吸うために君子に覆いかぶさると、兼嗣のアレが涼子のアソコから抜け落ちるみたいである。
　兼嗣があわてて、また、股間のアレをズボッと差し込む。
　そして、涼子の腰を抱え込みながら、腰を前後にゆする。
　すると大きな音が。
「ぶりっ、ぶりっ」

　御所さまは噴き出しそうな顔をされて。
　兼嗣の顔はこの場所からはよく見えない。
　しかし、きっと兼嗣は一生懸命なのであろう。
　だから笑いをかみ殺されている。

　そして、御所さまは考えておられる、
（息の素（＝空気）が、蜜壺の中に入るから、男女の接点よりそのような変な音がするのだろうか？）
　と。

　女と後ろからヤる場合、気をつけぬと、ああいうように大きな音がするのだ。
　二条あがこが、宿直で帳（とばり）の向こうにいる時に、ほかのおんなとヤる時は十分気をつけねばなるまいと御所さまは思われるのであった。

　兼嗣が涼子のアソコを責めているというのに、御所さまにはさほど嫉妬がわかなくて。
　やはり、兼嗣はあの白髪頭の男ではないからであろう。
　それで、御所さまは、涼子のそばににじり寄られ、ご自分があの白髪頭の男になろうとされていた。
「どうじゃ、涼子、気持ちがよいか？」
　御所さまは白髪頭の男の声色をまねておられる。
　涼子を言葉でいたぶってやろうとしておられるのだ。
　御所さまは座っているだけで、楽なものである。
　涼子の後ろに陣取り、立て膝をして大腰を使っているのは兼嗣、いや、灰をかぶって白髪頭になった男なのだ。

　御所さまは、言葉だけの遊びなのだ。
「よいか」
　御所さまは身をかがめ、涼子の耳元で囁かれる。
「いいわ、いいわ」
「それそれ、どうじゃ」
「あれぇーっ」
「今度は、どこの辺りじゃ」
「あっ、そこそこ」
「そこではわからぬ。どこじゃ」
「ああっ、その奥、もっと奥…」
　御所さまは身を起こし、のっかっている白髪頭の男、いや、兼嗣の許へ。
　兼嗣のお尻に手をおやりになり、兼嗣のお尻を押さえつけられて…。
「あっ、ああああ・・・」
　兼嗣が情けない声を上げた。
　そして、がっくりと涼子の上半身、背中の上に、覆いかぶさっていく…。
「兼嗣、そなた、イッてしまったのか？」
　兼嗣は顔を上げない。
　しかし、兼嗣はおのが顔を涼子の背中にくっつけたまま、うなずいている。
　兼嗣が前後に動いた（＝ピストン運動した）ためか、兼嗣の頭からは白い灰が取れてしまって。
　黒々とした髪が現れていて…。
　これでは全くの興ざめだと御所さまは思われる。
　御所さまの股間のモノも全くといっていいほど、ぐんにゃりとして元気がない。

　御所さまは、うつ伏せになった涼子に耳打ちをされる。
「やはりだめだ。誰か使いの者をやり、あの白髪頭の者たちを呼び戻してくれぬか？」
「はい」
　涼子が顔をちょっと上げ、にっこりと笑う。
　御所さまは苦い顔をされて…。
　涼子にとって、やはりあの白髪頭の男に抱かれるのが気持ちいいのかもしれない…。
　嫉妬で胸がちくりと痛いけれども、仕方がない。
　涼子がイッてくれないことには面白くないのだから。

　白髪頭の男がやってきた。
　頭頂薄毛の男の方は見つからぬという。
「さっそく、はじめよう」
　御所さまはふたりの男がそろわぬことにがっかりされてはいたが、わざと大きな声を出されていた。
　涼子が、再び、君子のからだの上にのしかかっていく。
　涼子が君子のおっぱいを吸いながら、お尻を突き上げる。
　そのきれいなお尻が見たくて、御所さまには涼子の後ろに回られる。
　涼子のお尻は形もよくて、それに真っ白である。
　お尻の谷を覗こうとされている。
　御所さまが、涼子のお尻に手を掛けられ。
　両方のお尻の肉を左右に押し広げられると、その谷間には、少し茶色がかった菊門が見えた。
　そして、菊門の下にはパックリと開いた淫裂が見えるのだ。
　その淫裂の、玉門（膣口）を取り囲む陰唇は赤黒いものの、中は赤っぽい色をしていた。
　と、さらにその玉門の下にはモジャモジャとした陰毛が下へおっ立っているように…。
　前から見るとそれほどでもなかったのに、後ろから白いお尻を通して見ると、そのお毛（け）けたるや、黒々として、しかも鬱蒼と茂っており、何とも卑猥に映る。
　御所さまは、涼子のお尻にさらに顔を近づけられて。
　何ともいえぬ、かぐわしいメスの匂いがして…。
　その匂いがピ−ンッと股間の肉棒に芯を走らせる。
　菊門の下の、ビラビラっとした２枚の陰唇（小陰唇）に、指を伸ばされて。
　その陰唇を人差し指と中指でお広げになると、ピンク色をしたきれいな淫襞の肉が現れ、そして、その襞肉から、透明な淫汁がしたたり落ちる。
　御所さまは、ゴクリッとつばを飲み込まれて。
　このまま、おのが硬い肉棒を差し入れたなら、われは、２，３度抜き差しをしただけでイッてしまうであろう、と御所さまはお考えになって。
　それでは面白くない。
　もっともっと涼子をいじめてやらなくては。

　御所さまは、顔を挙げられて。
　そして、白髪頭の男を手招きされる。
「のぉ、そちの手でここをなぐさめてやってくれぬか。そしてすっかりココがぬれそぼったあかつきには、そちの股間のモノで、ココを責めてやってはくれぬか？」
「ようございますよ、御所さま」
　白髪頭の男の目が輝き、御所さまには、その目を好ましく思われる。
　さっそく、御所さまは白髪の男に最もよき場所を譲られた。
　と、白髪男は涼子の真っ白なお尻に頬ずりをして。
　十分、涼子のお尻のやわらかさを堪能して…。
　そして、男は、上体を起こし、指を差し入れていく…。
「アっン、いやっ！」
　涼子が声を上げ、お尻をまるで子犬のように、プルっン、プルンッと振る。
　しかし、涼子は、自分の手を下にいる君子の淫裂の中に差し入れて、グリッグリッと。　それはあたかも、白髪男に淫裂を責められているので、その苦しさをまぎらわすため、君子の淫裂への暴力でもって解消しようとしているかのようであった。
「涼子、どうじゃ、気持ちがいいか？」
　白髪頭の男が涼子に問いかけている。
「あぃ・っ・・」

　御所さまは、涼子にささやきかける白髪頭の男が、とてもいい顔をしているとお感じになる。
　ひょっとしたら、この男、本当に涼子に惚れているのかもしれぬとお思いになる。
　その男が涼子の淫壷から指を抜く。
　その指はなんと、本当にヌレヌレに濡れていた。
　御所さまの胸がズーンとうずき、股間のモノが硬くなる。
　どうやら、白髪男の愛撫のさまを見せつけられ、涼子への悋気（＝嫉妬心）が芽生えたらしい。
　もう御所さまの股間の逸物（いちもつ）は天を仰いでいた。
　御所さまが白髪男の立場にいるなら、もう、涼子の股間を押し広げるようにして、おのが股間のモノをねじ込まれることであろうに…。
　しかし、今、主役は白髪頭の男であった。
　白髪男が後ろから涼子の淫裂をいたぶり、涼子はうめきながらも、下にいる君子の淫壷をやはり自分の指でグリグリと攻め回しているのであった。
　白髪頭の男は、涼子の股間に右腕を差し入れ。早や、二本の指を突っ込んで。親指で涼子の菊門（アヌス）を撫でさすり、小指の先では、前側のコリッとした淫核（＝クリトリス）を掻いているようであった。
「アーン、お願い、入れて入れて！」
「いや、まだだ、まだだ」
　白髪男のやつ、前に回した指でオサネ（＝クリトリス）をかなり力強く、いじくっているみたいだ…。
「ウッグ――ッ−−−っ・・・」
　涼子がイッたのか？。
　そうではなかった。
　涼子の指の動きで、涼子の下にいた君子がイッてしまったらしい。
　しかし、君子の上にいる涼子はまだらしい。
　君子は涼子のからだから逃れて、身をエビのように折り曲げて。肩で息をしているみたいであった。
　涼子は顔を寝具にくっつけ、うつ伏せになっている。
　しかし涼子は、両肩を落とし、胸をひっこめつつも、お尻は後ろに高く突き出しながら左右に振っている。それはまるで何かを欲しがっているような…。
　白髪頭の男は、両手を涼子の腰のくびれに掛け、さらに涼子のお尻を上げようとしている。
　そして、涼子の淫裂に顔をくっつけて。
「ちゅっぱぁ、ちゅっぱぁ」
　何か変な音が…。
　御所さまが身をかがめるようにして、よくご覧になると、白髪頭の男は涼子の淫裂をおのが唇で吸っているのだった。
「アンアン、もうゆるしてぇ〜・・・」
　白髪男が、淫裂より唇を離すと…。
　涼子の股座（またぐら）からは何か汁のようなものが滴り落ちている。
　それを掬い取るかのように、白髪頭の男が舌を突き出し、すすっているようだ。
「はぁ、ハァ、ハァッ、ハァッ・・・」
　涼子の息が荒い。

　御所さまは、白髪頭の男のそばににじり寄られる。
「すまぬ、もう涼子を許してやってはもらえぬか？」
　白髪男の耳元で、そう囁かれる。
　実際、御所さまも、肉棒の先からは先走りの淫汁が出て、おのが内腿が濡れ、もうたまらぬ気持ちであらせられたのだ。

「御所さま、お入れなされては？」
「えっ、われがか？」
「そうでございますよ」
「いや、われは…」
　白髪頭の男が勧めてくれているというのに。
　御所さまは遠慮をなされた。
　実際、今このまま涼子の中に股間のモノを入れたなら、もう、ドバッ――と吐き出してしまいそうなのだった。
　それではいかにも恥ずかしい。
「そなた、先に。そして、どうか、涼子を喜ばせてやって欲しい・・・」
「いや、御所さま、どうぞ・・・」
「そなたはどうするのだ？」
「こちらの女と…」
「えっ？」
　君子は回復したらしい。横向きに寝ながら、こっちを見て笑っている。
「御所さまのお連れの方は、もうお帰りになりましたゆえ」
「ああ、そうなのか…」
　兼嗣は、立子の許に戻ったのであろう。

　白髪頭の男は、そばにいた君子のそばへにじり寄る。
　そして君子を抱いているではないか。
　君子は手を伸ばし、白髪男の首に手を巻いている。
　君子は、男にくちびるを吸われるままに…。
　それはごく自然な形であった。
　たぶん、君子は、以前にもこの白髪男に抱かれたことがあるのであろう。

「御所さま、ハヤクッ！」
　見ると仰向けになった涼子が、下から手を伸ばしている。
　御所さまは、涼子に上体をかぶせつつ、それでも、右手の肘で上半身を支えて、涼子のくちびるをお吸いになる。
　そして、左手では、涼子のお乳をおもみになっていて。
　御所さまは、おそるおそる手を伸ばされる。
　さっきまで濡れていたのだ。
　濡れていないはずはない。
　しかし、こわごわと、指を伸ばされて。
　そして、お毛（け）けを掻き分けられ。
　そっと中指を玉門（膣）の中へ。
「あっ、濡れている！」
　御所さまは大変お喜びになられた。
　それで、涼子にお聞きになる。
「後ろから入れてもいいかい？」
「いやっ！」
「どうして？」
「後ろからでは、御所さまのお顔が見えませぬゆえ…」
「ああ、そうか。しかし、後ろでは終わらぬから、まずは後ろから入れさせてたもれ…」
「はい。でも、最後は、正面から抱いてくださりませ」

　御所さまは、涼子にうつ伏せになってもらい。
「ああ、涼子、もう少しお尻を上げておくれ」
　御所さまはそうおっしゃりながら、足の膝をつき、上半身を立てられて。
　両手で、涼子の背中を撫でておられる。
　涼子の両肩を下ろさせて。
　そして、背中を押して、涼子の胸を落とし気味になさって。すると、しぜんに涼子のお尻が上がってきて…。
　両の手で、両のお尻の肉をわしづかみにされて。
　お尻を左右にお広げになる。

　と、そばのふたりの姿が横目に入り。
　何をしているのか、と御所さまが横を見られる。
　白髪頭の男ときたら、足を組みあぐらをかいて、ふんぞり返っている。
　その男の股間に君子がひざまずいていた。
　君子は、そして、股間のモノに手を添えていて…。
　なんと、白髪頭の男の逸物（ペニス）ときたら。
　天を仰いではいないが、すばらしくえら（雁首）が張っているのである。
　陰茎の長さはさほどでもないのに、えらは大きく張っている。
　あんなすごいモノで、涼子は突かれるようとしていたのか。
　そう考えると、嫉妬が渦巻いてきて。
　御所さまは、早く涼子をいたぶってやりたくお思いになるのだった。

　御所さまは天に聳えている大陰茎に手を添えられ、それを下に向けられて、それから、ねらいを定めて涼子の股間の中へ。
「ジュブッ！」
「アンッ！」
「あっ、ああああっ」
　御所さまはあまりの気持ち良さに、頭の中に霧がかかったようで。
　今前後に動けば、一気に吐き出してしまいそうで。
　押し入れたまま、じっとしておられた。
　
　と、ムズムズとばかり、涼子がお尻を左右に動かす。
「ああっ、そんなに動かないでぇ！」
　御所さまは、訴えられる。
　御所さまは、涼子の腰のくびれの辺りに手をやって、おのが腰をグイっと押し込み、そのままじっと、立て膝の半立ち姿勢のまま、胸を反らして…。
　腰を押したり、引いたりすれば、吐き出してしまうから。

「あっ、ああああっ！」
　御所さまはじっとしているのに、涼子がのけぞり、あえぐ。
　なぜなのだろう？
　御所さまには、涼子の悶えがわからない…。

　御所さまは、動かれない。
　しかし、差し込んだ大陰茎があまりの気持ちの良さに反り返り、しかも先っぽがクイッ、クイッと蠢くのだ。
　そして、涼子の蜜壷が熱くなり、締め付けがきつくなる。
　御所さまには、もう我慢がおできにならなかった。
　御所さまは、爆発直前に、涼子の玉門（膣）から、大陰茎をお抜きになる。
　大陰茎の鈴口からは、先走りの液が滴り出ている。
　そして、涼子をひっくり返しになり、寝具の上に涼子を仰向けにして寝かせつけられる。
　身を起こし、涼子の股を押し広げられて…。
　天を仰ぐモノに手を添えられ。
　手で、ビックンビックンと息づくモノを押し曲げられて。
　そして、そのまま、涼子の蜜壷の中に、ズボリッと。
「アンッ！」
「あっ、あああ、気持ちぃ、いっイぃ―――ッ！！」
　御所さまは、適度な締め付けと、中の暖かさに感動されて…。
　押し入れたまま、動くことさえ、お忘れになっておられた。
「ああっ、御所さまっ！」
「どうした、涼子っ！」
「アンっ、あああ、はやく、ハヤクッ！」
「うん？、どうした？」
「ハヤク、ハヤク」
「どうしたのじゃ？」
「ハヤク、突いて、ツイテ、ぁぁぁあああ、アアアッ！」

　御所さまは、奥に入れていたモノをゆっくりとお抜きになる。
　と、股間のえらが涼子の玉門（膣襞）の肉がひっかかり…。
　とても気持ちがよくて。
「はぁ、ひぃ―−ッ、気持ちいっいっ――！・・・」
　と、おつぶやきになる。
　涼子の口が半開きになっており、まるで、そのくちびるに、股間の魔羅（まら）がくわえ込まれているかのような錯覚に陥られて…。
　そして、今度は、ゆっくりと、魔羅（ペニス）を奥へ押し込んで…。
「アっ、グゥ―――っ」
　涼子が白目でも剥くかのような悶えの表情を示す。
　今度は、ゆっくり抜いて、そして、一気に硬いモノを突っ込む。
「アーン、だめ、ダメ――っ」
　涼子の胸が打ち震える。
　涼子を喜ばすために、そして、多くの男たちをとりこにするにくい涼子をいたぶろうと、御所さまには、ゆっくりと、時には早くと、緩急をつけた抜き差しをお続けになって…。
「アッ、アアア、ハヤク、来て、イクッ、イクわ、イク、イク、イク―――ッ！」
　涼子がピーンと足を伸ばし、胸を反らす。
　涼子の上半身が左右に揺れた時、
「アッ、涼子、涼子、われも、イクイク、イク―――ッ！」
　御所さまも、上体を弓のようにお反らしになって、いっぱい、いっぱい、涼子の中に乳白色の精液をお吐き出しになるのであった…。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（つづく）

（注）この翻案小説を書くにあたり、下記の図書を参考としました。
　　「とはずがたり」　新潮日本古典集成　　福田秀一　校注　　新潮社　刊
「女西行――とはずがたりの世界――」　松本寧至　著　　　勉誠出版（株）刊
「蒙古襲来」（上）　　　　　　　　　　　網野善彦　著　　　小学館　刊