４５　あがこに逃げられた腹いせに

　後深草院は、写経の行が明けてから、まだ正妻の東二条院には会いに行っておられなかった。
　後深草院は、当然、夕餉を二条あがことお執りになるつもりであった。
　それで、女官たちには、そのように言い付けてあった。
　後深草院は、そっと起き出し、あがこを部屋に残したまま、東宮御殿の東二条院に会いに行かれた。
　が、長居をしてしまったらしい。
　戻ってきたときには、もう半刻（＝１時間）も経っていた。
　待っているはずのあがこはいなかったのだ。

「どうした、二条は…」
　後深草院は血相を変えて女官たちにお尋ねになる。
「お帰りになりました…」
「なにぃ！」
　後深草院はがっくりとされてしまって…。
　気落ちのため、食事すら召し上がることができなかった。

（あがこ、どうして…）
　後深草院は、床に伏せながら、考えておられる。
　がしかし、あがこがなぜ立ち去ってしまったのか、なぜ待っていてくれなかったのか、わからない。
　たぶん、待たせすぎたのがいけなかったのだろう。
　いや、体（からだ）だけで、心はまだわれを好いていてはくれないのだ。そうだ、あがこの心は実兼にあるのだ。
　そんなことをお考えになると、後深草院は気が狂いそうにおなりになるのだった。
　ようやく、明け方になって、後深草院はまどろみになる。

　あがこが、横になっている。
　何と言う、うれしそうな顔をしているのであろうか。
　がしかし、なんと、あがこのやつ、恥ずかしそうにゆるりゆるりと股を開いていくではないか。
　そして、あがこの股のところにいるのは、なんと、実兼ではないか。
　実兼も裸になっている。
　ああ、実兼の股間のモノが勃（お）っ立っている。
　何と言う立派なモノか…。
　長くて、硬そうで、そして、それが反り返りながら、天に聳え立っている。
　その先端部からは、淫靡な汁が滴り出ている。
　実兼が、その聳えているモノに手を添えて…。
　ああっ、あがこの股間の草叢の、その隙間より垣間見られる、紅色をした深き淵に…、その太い魔羅の先端部を差し入れようとしているではないか…。
『あっ、ああああっ、あ―――――っ！！』
　後深草院は、わが叫び声で、目を覚まされた。
　掛け布団を跳ね除け、上半身を起こされる。
（ああっ、夢であったか！）
　腋の下が冷たい。
　寝汗を掻かれたらしい。
（まさか、正夢ではあるまい）
　後深草院は青ざめておられる。
　後深草院は、両手で頭を抱えられ、掛け布団に正面から顔を突っ込まれていた。

　あがこは、御所を後にしていた。
　本当は、まだ御所にいたかったのに…。
　しかし、実兼さまのことが気にかかるのだ。
　このまま、御所に泊まったりしたら、どんなに実兼さまを苦しめることになるのだろう。
　御所さまのことが恋しい。
　もっともっと御所さまに、このからだを抱いて欲しい。
　しかし、御所さまに抱かれすぎたなら、きっと、実兼さまは身を引いておしまいになるにちがいない。
　西園寺家という名門の公家とはいえ、権勢では御所さまに叶うはずがない。
　今、実兼さまを失ってしまったら…。
　それこそ、わたしは生きるよすがを失ってしまうことになる。
（泊まることはできない）
　二条は、いそいそと、後を振り返ることもせず、御所を後にしたのだった。
　そして、屋敷に着くと、二条（あがこ）は、西園寺実兼に文（＝手紙）をしたためるのであった。
『あなたに言われるままに、わたしは御所に出かけ…。そして、そして、つらい時間を過ごしてまいりました。今、やっと、つらい時から解放されて戻ってまいりました。会いたいのです、今すぐ、あなたに…』
　二条は、実兼さまに媚びたな手紙を書いてしまったことを悔いていた。
　しかし、しかたがなかった。
（実兼さまを失いたくない…）
　胸を掻き抱くように、そう思っていたのだ。

　後深草院は、掛け布団に顔を突っ込んだままで。
　昨夜はほとんど眠ることができなかったな、と思われていた。
　二条あがこに立ち去られ、くやしくて、情けなくて、何度も寝返りを打って眠れぬ夜を過ごしたような気がするのであった。
（あがこ、あがこ、どうして…。われのことがそんなにきらいなのか…）
　そして、夢なのに、夢なのに、実兼がにくかった。そして、実兼に抱かれるあがこのことを思うと、胸が締め付けられ、苦しいのであった。
　頭の中がグラグラするのだ。嫉妬なのだろうか？。もしそれが嫉妬ならば、嫉妬に狂いそうであった。
　と、涼子のことが想われた。
　涼子を掻き抱きたいと思われた。
　涼子を抱いたら、あがこへの嫉妬心が多少でも薄らぐのではあるまいか。いや、涼子を抱かなければ、この嫉妬の炎はとうてい消し去ることができまい。

　後深草院は、起きて女官を呼ばれた。
　その女官に、腹心の鷹司兼嗣を呼ぶよう、仰せになっていた。
「おお、兼嗣か。よく来た」
「何か、ご用にございますか」
「なに、そんなに急いだことではないのだが…」
「何か…」
「いわく、言いがたきことじゃが…」
「……」
「涼子に文を届けてもらいたい…。そちにじゃ。他の者に文を持たせても、埒（らち）が明（あ）くまい（＝物事がうまく運ぶまい）」
「はぁ？？」
　鷹司兼嗣は内心あきれている。
　御所さまに、こんなに朝早くから呼び出されて…。
　来てみれば、なんと、おなごのことだ。
　あきれて物が言えない。
　しかし、上司なのだ。ぐっと我慢した。
「なに、われは、涼子の友人である君子を口説いてしまっての。涼子には内緒で君子と会ってしまい、君子とよい仲になってしまったのじゃ。涼子に文を出すが、全く返事がない。たぶん、君子と仲良くしたので、涼子は機嫌をわるくしているのであろう。われは涼子にあやまるつもりじゃ。だから、そなた、われと涼子との仲直りの仲介役を引き受けてもらいたいのだ」
「……」
　鷹司兼嗣は顔をうつむけている。顔を御所さまに見られないようにさらに、顔を畳の上に近づけている。
（まったく、いい気なものよ）
　そんな顔色を御所さまに読まれたくない。
（こんなことまでせねばならぬのか）
　が、御所さまには逆らえない。
「わたくしめに、そのような役が果たせましょうや？」
　表を上げずに、兼嗣がそう告げる。
「いや、そなたでなければ務まるまい。倫子は涼子の幼友達というではないか。そなたと倫子がふたりして涼子の許に行けば、涼子も心を開いてくれようぞ」
「はぁ・・・？」
　鷹司兼嗣は、これも出世のためと思い定めていた。
　恋しい倫子との暮らしがある。この暮らしを守るためなら、少々、おのれの男としての体面（＝プライド）が傷つけられようと、大したことではあるまい。
「わかりました、御所さま。わたくしめが手を尽くし、また、わたくしができなければ、倫子の手を借りて、涼子さまのお心を解かせてみせましょう」
「頼むぞ、兼嗣。われはそなたのみを頼りにおるのだからな」
「はっ、は、はぁっーっ！」

　鷹司兼嗣は、おのれの屋敷に戻り、倫子に頭を下げていた。
　そして、倫子に、涼子の屋敷に行ってもらった。
　みやげをたくさん持たせて。
　そのみやげのために、兼嗣は身銭を切っていた。
　が、それはおのれが御所さまの推挙を得て出世するための先行投資である。
　御所さまのご機嫌が直れば、その投資はやがて何倍にもなって、戻ってくるというものだ。

　ようやく、倫子が涼子を口説き落としてくれた。
　兼嗣は何度も倫子に礼を言った。
　御所に上がり、涼子との折衝がうまく運んだことを報告する。
　御所さまは、子供のようにお喜びになるのだった。
「でかした、兼嗣。で、もうひとつ頼みがある」
　兼嗣はどきっとする。
　いやな予感であった。
「そなたも来い。われは涼子を抱く。そなたはそばで君子を抱くのじゃ」
「えっ！！」
「そのように驚くことか？！」
「わたくしめには、倫子がおりまする」
「ったく、そなたは堅物よのぉ。融通というものがまったく効かぬのじゃから」
「はぁ、あぁぁ……」
「倫子には、こう告げよ、『御所さまのお供をせねばならぬ。が、されど、わたしは決して他の女には手を出さぬから、安心しておくれ』とな」
「はぁ…？？」
「そうではないか。倫子を安心させてやるのじゃ。まぁ、嘘も方便、と申すではないか」
「しかし…」
「しかしも、くそもあるものか。そなたにはそれなりの褒美を取らせるよってになぁ。なにせ、そなたは、われと裸の付き合いをしてくれるのだ。そんな心を許せる部下がこの世の中に二人といようか…」
「御所さま…」
　兼嗣としたら、悲しいやら、情けないやら。おのれがあまりにもみじめだ。君子を抱けば、倫子を裏切ることになるのだ。
　しかし、これも宮仕えとあきらめざるを得なかった。

　後深草院は、兼嗣を伴って涼子の屋敷に着かれる。
　涼子が出迎えてくれる。
　涼子のそばには君子がいた。
　君子にも来るようにと、兼嗣を使って伝達をしていたのだ。

（どうしたのだろう？）
　涼子が、あまりにもやつれているので、後深草院は驚かれる。
　それは、まぐわい（セックス）のせいというものではない。何か、暮らし（生活）に疲れたような顔である。
　まぐわいのし過ぎならば、目の下に紫色をした隈（くま）ができるはずである。
　まぐわいのせいかどうかは、性の道に達者な御所さま（＝後深草院）にはわかるのだ。

　座敷に通される。
　すでに御酒が用意されていた。
　後深草院は、涼子をそばに呼ばれる。
　今夜は、涼子を口説かねばならないのだ。
　君子より涼子を大切にせねばならない。
　涼子に、われが君子より涼子のことをもっと大切にしているのだということを気付かせねばならない。
　御深草院は、目で涼子ばかりを追っておられた。
「涼子、久しぶりだな。元気にしておったか？」
「……」
「そなたのことじゃ、あの頭の白い男たちや頭の頂きの薄い男たちが通ってきていたのであろう」
「……」
「われは、妬ける、あの男たちに…」
「そんな…」
「あの者たちが、度々来ていたのであろう？」
「近頃は、来てはおられませぬ」
「どうして？」
「あの方たちはお年を召しておられるのです、そう毎晩毎晩は来られませぬ」
「ああ、そうなのか」
　後深草院は、内心、ニタリと笑われた。
（そうか、そうか。あの者たちは年を取っているのだ。そう毎晩毎晩は、女は抱けぬということだ。ところが若いピチピチとしたからだを持つ涼子としたら、男なしには一晩とて眠られぬのだ。それがわれの付け目といえば付け目ではある）

　後深草院は御酒をたしなまれる。
　涼子もたしなむが、量はさほどではない。むしろ、お酒は君子の方が強かった。
　後深草院が君子にお酒を注いでおやりになる。
「君子よ、この兼嗣はのぉ、倫子に今や首ったけで。他のおなごには見向きもしないのじゃ。どうじゃ、そなた、この兼嗣を誘惑してみぬか？」
　君子の目がキラリと光った。
　後深草院はそれを見られて、内心、ひやりとしたものを感じられる。
（君子もおなごじゃな。たぶん、倫子に嫉妬しているのであろう）

　四人は寝所に場所を移した。
　後深草院が涼子を抱き寄せて。そして、くちびるを吸っておやりになる。
「涼子、会いたかったぞ」
「……」
「そなたは、文をやっても、本当になしのつぶてであったぞ」
「……」
「そなた、そんなにわれのことがきらいなのか？。われはこんなにそなたのことが好きなのに」
「そんな…。また、どこかのおなごをお抱きになっていたのでしょ？」
「そんなことはない。年が明けてからはのぉ、わが父、後嵯峨法皇の追善供養のために、ずっと法華経を写していたのじゃ」
「うそ、うそぉ、そんなの、うそに決まっているぅ…」
「本当だって」
「うそに決まっています」
「では、今度ここに来るときには、わが父の手紙の裏にわが血で書き記した法華経の文書を持ってこようぞ」
「……」

「うっ、うううう」
　突然、男のうめき声が。
　後深草院は、横を見られる。
　なんと、兼嗣のやつが、丸裸にされ…。そして、敷布団の上に仰向きにされているのだ。
　そして、あの股間の大陰茎をにぎられ、君子に、口含み（＝フェラチオ）をされているではないか！。
　兼嗣の股間のモノは赤黒く、そして、何やら先端部は、テカテカと光っている。それは君子の唾液ではあるまい。たぶん、兼嗣の、先走りの淫汁（＝カウパー氏液）にちがいない。
　君子が、チュバチュバと魔羅（＝ペニス）の先端部を口含みするたびに、兼嗣は、ピクッピクッと両足を突っぱねるとともに、ピッコンピッコンとお尻を跳ね上げさせていた。
「アウアウ、アッウ――――ッ！！」
　兼嗣は情けない声を出し、そして、白い淫液をほとばしらせていた…。
　兼嗣の目からは、涙がにじみ出ている。
　あまりに気持ち良かったゆえの涙なのか、それとも、一方的に女に攻められ、あっけなく気をやってしまったという屈辱の念からの涙なのか…。

　と、後深草院が、そばの涼子を見やると、涼子の目は、白い液を噴き出しつつ、なおも、硬さと大きさを保持している兼嗣の大魔羅にくぎづけになっているのだった。
（このおんな、何と言う好き者か！）
　後深草院は、この男好きの涼子がとてもにくく思われるのだ。
　が、その一方では、こんな男好きのおんなが本当に好きに思われるのだった。

　涼子の顔に顔を戻し、涼子のくちびるをお吸いになる。
　すると、涼子の口から、何ともいえぬ、雌の匂いが立ちこめてきて、その淫靡な匂いが、股間の雄のモノを、ビックンとばかりに雄雄しく立ち上がらせるのだった。
　後深草院は、舌をからましていかれる。
　すると、涼子が応える。
（涼子は、一体、われが好きなのだろうか、それともまぐわいそのものが好きなのだろうか？）
　後深草院は、唇を離される。
　涼子に聞いてみざるを得ないのだ。
「涼子、われのことが好きなのか？」
「……」
「では、われのことがきらいなのじゃな。われが来なくても、ちっともさびしくなかったのじゃな」
「……」
「そうか、答えられぬのか。だとすれば、そなたは、われなんぞ、どうでもいいのじゃ。あの、頭の白い者たちがいれば、そなたは満足なのじゃ」
「……」
「では、われは、御所に戻る。そなたは、この兼嗣に抱いてもらえ。兼嗣の、あの赤黒いモノこそ、そなたが最も欲しいものであろう…」
「いやいや」

　涼子は、本当にわれのことを引き止めたいと思っているのだろうか？。
　後深草院は、涼子の顔を見ながら、涼子が兼嗣に抱かれている光景を想像していた。
　あの太くて長いモノが、涼子の股間に入り込む。
　涼子が苦痛に顔を顰める。
　兼嗣が動く。きしむようだ。涼子の顔がゆがむ。
　と、そのとき、涼子が「フーン」とためいきを漏らす。
　ああ、涼子の顔に、淫靡な喜びの表情が…。
　後深草院の胸に、チリッとした痛みが走る。
「われは、帰る」
「いやいや」
「では、われのことが好きと言うてみよ。帰ってはいやよ、とはっきりと言うてみよ」
「……」
「言えぬのなら、われは帰る。われのモノは兼嗣のモノほど立派ではない。そなたにとっては、兼嗣のモノがよいにちがいない。われは帰るぞ」
「いやいや」
「そうか。では言うてみよ」
「……」
　涼子は黙って顔を伏せた。
　それがにくらしい。
　と、あがこのことが想われる。
　うれしそうな顔をして、実兼にからだを開いていくあがこのことが…。夢のことなのに…。
「そんなにわれがきらいなのか？」
　後深草院は、目の前にはいないあがこを、しかりつけるように言われる。
「……」
　目の前にいるのは涼子。
　涼子は目に涙を溜めていた。
　涼子は、くやしいのかもしれない。

　が、泣いている涼子に、後深草院は、あがこを重ねて見ておられる。
「それなら、われは帰る」
　後深草院は立ち上がられる。
　実際、気分がわるい。
　この女は、われではなく、実兼が好きなのだ。

「今、しばらく」
　涼子が直衣（なほし）の袖を取る。
「そなたには、あの年寄りたちがいるではないか」

　御所さまは、涙ぐんでおられる。
　涼子は、あきらめていた…。
（わがままな御所さま…）
「御所さま・・・」
「どうした？」
「このまま・・・」
「おお、そうか。では、われに帰って欲しくないのじゃな」
「はい」
「そうか、そうか」
　後深草院は、本当にうれしそうであった。
（まるで、子供みたい…）
　涼子はあきれる思いで御所さまの顔を見る。

　後深草院は、もう腰を降ろされている。
　そして無邪気な顔をして言われるのだ。
「涼子、われもそなたのことが好きじゃ。帰るなどと、それはジャレごとに過ぎぬ。ほれ、その証拠に、われの股間のモノは、もうこんなにピンピンじゃ。われはそなたを抱きたくて抱きたくて、たまらぬじゃ」
「まぁっ、御所さまったら、いやらしいこと…」
　涼子は、徐々に機嫌を直しつつあった。

　後深草院は、涼子をお抱き寄せになる。
　涼子も、満更でもなさそうな顔をして身をあずけてくる。
　後深草院は、涼子の胸をお触りになりながら、つぶやかれる。
「涼子、われのモノは、５寸弱（＝約１５�p）しかない。それに比べ兼嗣のモノは、６寸弱（＝約１８�p）はある。われのモノは兼嗣のモノより短いのじゃ。それでもよいのか？」
「そんな。御所さまのモノは、たとえ短くても、硬いから……」
「そうか、うれしいことを言ってくれるな。しかし、兼嗣のモノは、太いぞ。やつのモノときたら、カリ首のところは２寸弱（＝６センチ）もあろうほどに…」
「御所さまのモノだって、カサの張ったところは、とても大きくて…」
「ああ、そうか。それに…」
「それに、なぁ〜に？」
「お酒を飲んでいるから、今日はわれは長持ちしそうじゃ」
「ほんとう？」
「ああ、本当だよ。いっぱい、いっぱい突いて、そなたをたくさん、喜ばせてやれるだろう」
「そぉ、うれしいわ！」
　涼子の顔が輝く。
（この女を、あがこの代わりにして、責めてくれようぞ！）
　後深草院は、股間のモノが、ギンギンにみなぎっていくのを感じておられた。
　が、声だけは落ち着かせようと努めておられる。
「さぁ、横になりなさい」
　と、涼子に囁かれるのであった…。
（つづく）

（注）この翻案小説を書くにあたり、下記の図書を参考としました。
　　「とはずがたり」　新潮日本古典集成　　福田秀一　校注　　新潮社　刊
「女西行――とはずがたりの世界――」　松本寧至　著　　　勉誠出版（株）刊