９　摩耶と貴美子と、二股を…

　わたしは、目覚めました。
　摩耶のマンションでした。
　窓から陽がさしています。
　わたしは昨夜から、ずるずると、摩耶の部屋にいたようです。
　それに、ベッドの中で、わたしは丸裸でした。
　摩耶が、すぐそばで眠っていました。
　半開きのくちびる。白い歯が見えます。
　肩を出し、上半身は、はだかです。
　シーツをめくると、摩耶は下半身にも何も身につけていませんでした。
　あわてて、シーツを掛け戻します。
　でも、丸っこいおっぱいが見えて、そこに目がくぎ付けになってしまいます。
　わたしは、摩耶のおっぱいに手を伸ばしていました。
　おっぱいを揉みながら、乳首を吸います。

「うっ、うーん、んっ……」
　摩耶が目を覚ましたようです。
「まぁ、あなただったの？」
「誰だと思ったの？」
「……」
「高村修一郎と思ったんだろう？」
「ちがうわ」
「じゃ、野崎さんか？」
「そんなわけないでしょ」
「だったら、誰なんだよ」
「いいじゃない、そんなこと」
「……」

　わたしは、自分の知らない男の人に抱かれる摩耶に怒っていました。
　摩耶のからだの上にのしかかります。
　そして、足で摩耶の股間を開き、摩耶の股間の中に、わが身を入れ込んで行きます。
　おっぱいを上からわしづかみしながら、揉んでいました…。
　ペニスはすでに、凶暴なほどに猛り狂っていました。
　それを入れたくてたまりません。
　股間を触ります。摩耶はまだ濡れていませんでした。

　膣を濡らしたくて、上半身を起こし、手で、摩耶の股間を愛撫します。
　そして、膣の中に中指を差し入れてみます。
　中はちょっと濡れていました。でも、中は狭くて窮屈で、中指、一本しか入りません。
　クチュクチュと、指を動かして、中を掻き回してみます。
　と、蜜壷は、小魚を引き込むイソギンチャクのように、わたしの指を奥へ奥へと引きずり込むのです。
　指を抜きます。
　そして、体を折り曲げ、股間に顔を近づけます。
　そして、膣口にくちびるを当て、舌先で、両側のビラビラの肉を愛撫します。

「あーん、いやいや、あなた…」
「あなたって、誰なんだ」
　わたしは、また、起き上がり、クンニを止めて、指を突っ込みます。
「……」
「さぁ、言うんだ！」
　中で中指を掻き回しながら、摩耶を責めます。

「誰だって、いいでしょ」
　摩耶はふて腐れたような顔をしていました。
　わたしは、膣から指を抜き、摩耶の上半身に、のしかかっていきます。
　と、摩耶が、わたしのペニスを指で掴んだようです。
「どうするんだ！」
「入れて欲しいの」
「……」
　わたしは、摩耶のしおらしい声にちょっと気弱になってしまいました。
　でも、ペニスはギンギンになったままです。
　摩耶が、自分の膣口に、わたしのペニスの先を宛がいます。
　わたしがゆっくり腰を入れると、ヌルッと、ペニスが摩耶の膣の中に入っていくのです。

「摩耶、さぁ、答えるんだ、さっき、君が言った『あなた』というのは誰なんだ！」
「いや、答えない！」
「さぁ、答えるんだぁ！」
「いやいや」
「これでもかっ！」
　わたしは、下半身を責めつつも、いつの間にか、右手を摩耶の首にかけていたのです。
　左手は、上半身を支えているので、使えません。
「いやっ！」
　わたしは、とうとう、嵌めていたペニスをはずし、腰を上に移動させ、摩耶のおなかのあたりで、またぐような格好になりました。
　そして、両手で摩耶の首を絞めます。
「これで、どうだ」
「うっ、ううう」
　苦しそうです。
　あわてて、わたしは、手を緩め、首から手をはずします。
　摩耶が、わたしをにらんでいます、すごい目つきで。
　首筋に、手の痕（あと）が赤く付いています。

「君が、はっきりと言わないからだ」
　わたしは、ハァハァと息を荒くしていました。
「いやいや。あなたは、貴美子という女と付き合っているくせに」
「なにぃっ！」
「あなたが、その女の子と手を切ったら、教えてあげるわ」
「……」
「あの子のこと、好きなんでしょ！？」
「馬鹿な！」
「う、うんっ、きっと、好きなんだわ、あいつのことが…」
「ちがう！。あいつは、妹みたいなやつで。決して、ガールフレンドなんかじゃない」
「ヤッてないの？」
「馬鹿！。あの子とは、そんな付き合いじゃないさ」
「ほんとう？」
「ああ、ほんとうさ」
「……」
　見ると、本当に、摩耶はホッとしたような顔をしているんです。
　摩耶を安心させたくて、わたしは慰めの言葉を囁いていました。
「そんなに心配しなくていいよ。もうあの子とは、会っても、話もしないようにするからさ」
「ほんとう？」
「ああ」
　摩耶が、上半身を起こし、飛びついてきます。
　そんな摩耶がかわいくて、キッスをしてやりました。
　もう、それだけで、股間のペニスがギンギンに膨れ上がっています。
　わたしは、再び、摩耶を押し倒していきます。
　キスをしながら、おっぱいを揉み、足で摩耶の股間を広げ、そして、ペニスを挿入していきます。
　摩耶が締め付けてきます。
　わたしは、激しく動きました…。

　わたしは、学院から足が遠のいていました。
　キャド（ＣＡＤ）演習の授業もさぼり、図書館にすらも行かなくなっていたのです。
　なぜかわかりません。
　もしかしたら、それは新川貴美子と顔を合わせたくなかったかもしれません…。
　顔を合わせれば、一言二言は言葉を交わさなくてはならないでしょう。
　でも、摩耶と約束をしてしまったのです。貴美子とは、決して口をきかないようにするからと…。

　２月２５日、日曜日でした。
　わたしは、商工会議所に行きました、簿記の試験を受けに。
「中務さん・・・」
　振り返りました。見ると、新川貴美子でした。
「ああ、久しぶり」
「どうしていたの？」
「どうもしていないよ。ところで、君、ちゃんと試験、受けに来たんだね」

　わたしには、貴美子の顔がまぶしく写りました。
「心配していたのよ。ほんとに、どうしていたの？」
　貴美子はとても心配そうな目をして、また、尋ねてきます。
「うん？」
「学院の図書館でも、あなたの姿、なかなか見かけなかったから…」
「そうだったかな……」
「でもよかった、今日、あなたに会えて…」
　貴美子は、本当にうれしそうな顔をしていました。
　わたしは、照れくさくて。でも、内心は、何か、ドキドキしていたような気がします。ひょっとしたら、貴美子はわたしに好意を感じてくれているかもしれないと思ったからなのです。

「じゃ、お互い、試験、がんばろうな」
「ええ」
　しかし、貴美子は、依然として、わたしの後ろを付いて来るのです。
　そして、試験会場も同じ部屋でした。
　しかも、席も、前と後ろ同士です。
　偶然なのでしょうか？。
　思い出せば、貴美子とは一緒に、商工会議所に行き、試験の願書を提出したのです。受験番号が続きなのは、当然のことだったのです。
　貴美子が、わたしの後ろにいるのです。
　わたしは、答案用紙に向かい、一生懸命、シャープペンシルを動かしていました。

　試験が終わりました。
　貴美子とふたりして、試験会場を出ました。
「ねぇ、できた？」
　貴美子が聞いてきます。
「ああ、まぁまぁかな」
　と答えます。

「ふたり一緒に、合格できるといいのにね」
　貴美子がそばにくっついてきます。
「そうだね」
　わたしは、貴美子が妙にそばに近寄ってくるので、ちょっと顔を赤らめていました。本当に貴美子の化粧の匂いが鼻をついてくるくらいに、顔を近づけてくるのです。

「これから、どうするの？」
　貴美子が尋ねてきます。
「うーん、マンションに帰って、休むかな」
「日曜日なのよ、今日は。あなた、家庭教師のバイト、ないんでしょ？」
「ああ、それは、そうだけど」
「どこかへ連れて行ってよ」
「だめ、だめ」
「どうして？」
「ふたりきりになったら、僕は、何をするか、わかったものじゃないから」
「そんな……」
「君は、僕のこと、買い被りすぎなんだよ。僕は、君が考えているほど、紳士じゃない。僕は…」
「……」

　かわいそうに、貴美子は、顔を伏せています。
　顔全体が見えるわけでもないのに、でも、貴美子がとても悲しそうな顔をしているように、わたしには思えたのです。
「そうだ、合格したら、きっと、何か、ごちそうしてあげるよ」
「いやいや」
　貴美子が、だだ（駄々）をこねます。
　通りでいさかいをしてもはじまりません。で、とりあえず、喫茶店に入ることにしました。

　貴美子とは向かい合って座りました。
　濡れた瞳をわたしに向けるのです、貴美子は。
　わたしは、その瞳を、魅入られたように覗き込んでいました。
　わたしは、でも、何か、うれしくて…。
　こんな自分のことを好きになってくれる女の子がいるなんて。
　わたしは、夢を見ているようでした。

　わたしは、いつのまにか、貴美子に自分の夢を語っていました、むろん、わたしが昔、夢見ていた夢を。

　司法試験に受かり、検事になりたい、と。
　悪を裁きたい、なんて、とんでもないことを貴美子に語っているのです。

　でも、わたしには、復学する元気はなくて…。
　将来は、フリーターか、契約社員か。
　大学を中退したなら、とても、しっかりした会社の正社員にはなれないでしょう…。

　昔の夢を語りながら、最後は、現在のわが身を自嘲気味に、蔑んでいました。
「そんなことないよ、中務さんなら、きっと、司法試験、受かるよ。一度くらい挫折したからって何よ」
　貴美子が口をとがらせながら、弁護してくれていました。
　それがとてもかわいくて…。

　わたしは、摩耶と約束したのに、もう貴美子とは付き合わないから、と。
　でも、貴美子がかわいくて…。
　そして、どこか、暗いところに行って、ふたりきりになったところで、貴美子のくちびるを盗みたいと思ったのです。
「カラオケに行かないかい？」
　わたしは貴美子を誘っていたのです。
　貴美子は驚いたように、大きく目を見開いていました。

「いやなら、いいよ」
　わたしは拗ねてみせました。
　貴美子は困ったような顔をしていました。
　わたしが、テーブルのレシートを取り上げて、立ち上がると、
「いいわ」
　と、貴美子が返事をしてくれました。

　２時間の予約で、カラオケルームに入りました。
　２曲、歌っただけです。
　あとは、適当な曲を選んで予約しただけです。
　わたしは、廊下の窓から見えない部屋の隅っこに座り込みました。

「どうしたの？」
「こっちへ来てよ」
　手招きをします。すると、貴美子は、おずおずとやってきました。

　貴美子の肩をつかまえて、引き寄せます。
　そして、キッスをしました。
　貴美子がいやがります。
「好きなんだ」
　貴美子が逃げようとするのを引き止めて、しっかりとくちびるを奪ってやりました。
　貴美子のくちびるをこじあけ、舌を捕らえ、その舌を吸っているうちに、貴美子も、もう観念したようです。
　貴美子を、絨毯の上に、寝かせつけます。
　そして、貴美子のからだの上にのしかかりつつ、キスをしました。
　キスをするうちに、自然に、腰と腰が密着し、わたしのペニスは、貴美子の股間の窪みを欲するようになりました。
　わたしは、スカートの上からですが、貴美子の股間の窪みに、ゴリゴリとわが股座を押し付け、貴美子の股間を責めていたのです。
　わたしは、腰を上下動させました。でも、このまま行くと、トランクスの中に射精してしまいそうでした。

　貴美子の股間から腰を離し、上半身を起こしました。
「ねぇ、ティッシュを持ってない？」
　貴美子に聞きます。
　貴美子は起き上がり、バックからポケット・ティッシュを出しました。

　わたしは、ティッシュを広げ、何枚も、クランクスの中にねじ入れます。そして、そのティッシュを亀頭部に被せていきました。
　そういう準備が終わると、また、貴美子を絨毯の上に寝かせ、その上に乗りかかっていきながら、キッスをします。
　そして、わたしは、貴美子の股間に、腰を宛がい、腰を激しく上下動しながら、トランクスの中に、したたかに射精をしていました。

「ふ―――っ！」
「どうしたの？」
「出ちゃったよ」
「えっ！」
「君があんまり、かわいいものだから」
「……」
「大丈夫。トランクスの中だから。妊娠はしないよ」
　わたしは、そう言いながら、トランクスの中に手を突っ込み、ティッシュで濡れたペニスの始末をしていました。

「ねぇ、僕はイったんだから、君も気持ちよくなってよ」
「……」
　寝ている貴美子は、頬を紅潮させていました。
　見詰めると、目を閉じました。
　
　ゆっくりとキッスをします。
　一度、射精したので、少し余裕ができました。
　ブラウスのボタンをゆっくりはずします。
　ブラジャーが現れたので、それを取りました。
　乳房は、摩耶と比べると小さくて。でも、とてもかわいい乳房でした。
　何か、乳首がコリコリしているように見えました。
　すばやく、それをくちびるで挟みます。
　乳首を軽くついばみながら、乳房を手で、やわやわと揉みます。

　貴美子は、もう、わたしにすっかり身をゆだねているようでした。
　それで、スカートのホックをはずしていきました。
　パンティに手をかけて、パンティをずり下げます。
　かわいい刺繍のあるパンティでした。
　
　貴美子は、摩耶に比べ、そんなに毛深くはなくて…。
　くちびるで、陰毛を分け、クリトリスを捜します。
　見つけました。そこにくちびるを当てます。
　舌先で、クリトリスを下から上へと舐め上げていきます。
　クリトリスが本当に尖ってきました。

「あーん、いやっ！」
　貴美子が、股を閉じようとします。
　急いで、股間に手を入れ、閉じさせないようにしました。
　わたしは、尖って大きくなったクリトリスをくちびるで挟み、愛撫しています。
「うーん、うっ、んっ、んっんっんっ、ウッ―――んっ！」
　貴美子は眉間に皺を寄せ、苦しそうです。
　でも、貴美子に気持ちよくなってもらいたくて、貴美子の股間で、わたしは、懸命に顔を上下させながら、舌を使っていました。
「あっ、うっ、うううっ、うううう・・・」
　貴美子は、腰を跳ね上げ、足を突っ跳ねます。
　そして、急に胸を反らしたかと思うと、ピクピクッとからだを震わせ、くちびるをワナワナとふるわせます。
「アウッ、アアッ、アッ………」
　貴美子が身をよじりつつ、股ぐらでわたしの顔をしっかりと締めつけました…。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（つづく）