7・自慰に耽る夫


　何の予定もない土曜日の午後・・・そんなゆったりとした時間をこんなにそわそわと落ち着かない気分で過ごす人はいるだろうか。昼を過ぎ、3時になっても4時になっても空腹感すら覚えない。亜紀は今どうしているのだろうか。あの調教師にどんなことをされているのか。正之は気づけばそればかりを考えていた。
　時折、パソコンを開き、人妻調教クラブのホームページが更新されていないかをチェックする。朝見たときと同じようにトップページには亜紀の裸体の写真が大きく貼り付けられている。今朝入会したばかりのIDとパスワードを入れると亜紀の顔にかかっていたモザイクが外れ、名前などのプロフィール詳細が現れる・・・今朝と変わっていない。その度に正之は落胆したようなため息をついた。
　昼過ぎからパソコンの前に座り、10分おきに更新を続けている。1点だけ変わっているのは亜紀の写真の下に点滅していた赤い文字で書かれていた「本日より、調教開始」という文字が「現在調教中」という文字に変わっていた。

（あの醜い中年男性に亜紀は今・・・）

　正之の手には今朝、玄関で亜紀が脱いだブラジャーとパンティがあった。画面上に映し出されている妻の裸体を見て、パンティのにおいをかぐ・・・すぐに正之のペニスはビンビンと痛いほど勃起した。

　正之はどうしようもない歯がゆさと、いたたまれない気持ちを静めようと、家を出た。
　パチンコ店にはいり玉の流れを目で追っていても頭の中は亜紀の裸体で覆い尽くされている。ゴルフの練習場にも行ったが集中できず、思うようなところにボールが飛んで行かない・・・気持ちは静まるばかりか余計に胸の高鳴りや興奮を自ら意識してしまうことになってしまった。
　車に戻り、家路につきながら持ってきた亜紀のパンティのにおいを嗅ぐと、不思議と少し気分が落ち着いた。

　正之が自宅に戻ったのは午後9時を回っていた。
　真っ先にパソコンの前に座り、「人妻調教クラブ」のホームページを開く。「現在調教中」の下に新たに「リアルタイム映像公開中」の文字が左右に揺れていた・・・正之はごくりとつばを飲み込む。
　IDとパスワードを打つ手が震え、何度も打ち間違えた。
　ログインし、亜紀の裸体の写真の横に新たに追加されているビデオカメラのマークをクリックする。動画を表示する新たな枠が現れ、接続中の文字が点滅する・・・正之の口の中は乾き、手は氷のように冷たくなった。映像よりも先に音だけが伝わってくる。

「あぁ・・・・っ！・・・ぁぁぁ・・・！・・・」

　画面はまだ接続中で黒いままだったが、低いモーター音のようなものと一緒に、正之の耳に愛妻のあえぎ声が聞こえてきた。
　正之が驚くまもなく、画面に亜紀の姿が映し出された。亜紀は一糸まとわぬ全裸で椅子に座っていた。足は閉じることができないように、椅子の足に足首を縛りつけられ、椅子の後ろで両手も縛られているようだった。
　足の間には箱のようなものが置かれ箱から伸びた棒には男性器を象ったものが取り付けられ、亜紀のおま○こに挿入され、絶え間なくピストン運動を繰り返している。箱の上には3つのピンクローターのリモコンが一まとめにガムテープで縛られ、伸びたコードの先のローターはクリトリスと左右の乳首に医療用のホワイトテープで固定されて振動を続けていた。

「！！・・・・あ、亜紀！・・・」

　正之は食い入るように画面を見つめた。亜紀は時折くぐもったようなうめき声や、あえぎ声を上げながら、顔を赤らめ、唯一自由の利く首をうなだれたり、刺激に耐えられず首を後ろに反らしたりしながら、時折椅子が軋むほど腰を震わせている。
　周りに調教師の大田の様子は見えない。亜紀の様子からいってかなりの時間、この状態で放置されている様子が見て取れた。股間からは擬似ペニスが出入りするたびに粘ついたようなみだらな音が発せられ、亜紀の体が反応してにじみ出た液体が太ももの付け根や、椅子をだいぶ濡らしている。
　いったい何人の会員が今のこの亜紀の様子を見ているのだろうか。
　美人人妻が淫らな責めを受けているのを見て、興奮しないわけがない。しかもこのサイトの会員たちはこういった行為に異常な興奮を覚える変態ばかりだ。

　実際に画面を見るまで、亜紀の身を案じ、一抹の不安を感じていた正之だったが、異常な興奮がすべての不安を打ち消した。
　反り返ったペニスを亜紀のパンティで包み込み、映像を見ながら無言でしごき始めた。淫らな姿で身悶える妻を見て正之はオナニーに耽った。パンティやブラジャーに何度も何度も射精した。
　その夜、正之は枯れるほど精液を放出したペニスを握り締めたまま、パソコンの前で眠ってしまった。正之が眠った後も、画面の中の亜紀は眠ることを許されず、淫らな姿をサイトの会員たちに披露し続けるのだった。

続く・・・