| １０ 愛しているから許して 眞司は、絨毯の上で真衣をわが胸に抱いていた。 真衣は、目を閉じ、まるで抱いている人間を信じているようだ。眞司は、いとおしさが込み上げて来る。 確かに、眞司は、真衣のからだを欲していた。 眞司の頭の中に、肉体的欲望があるのは事実だ。 （真衣のヴァギナの中に、俺のペニスを差し入れたい…） だが、そんな肉欲だけじゃない。精神的な愛もある、と眞司は思う。 真衣を傷つけるかもしれない。 でも、真衣を愛しているのだ。 もっとも、愛していれば、すべてが許される、というわけでもないが、愛こそすべてだと、信じたい…。 責任が取れるのか？。 が、それ以上に、真衣のからだを欲していた、眞司は。 もうだめだ、精神的な抑制が効かない。 股間の猛々しいものが、すでに、倫理的なものを超越していた…。 「真衣、ゆるしてほしい。でも、愛しているんだ、君のことを…」 眞司は、うめくように、そう、真衣に告げていた。 眞司は、真衣のくちびるに触れていく。 真衣は、逃げなかった。 眞司は、真衣のくちびるをむさぼっていた。 が、眞司は抑制していた。 一度、キスだけで興奮してしまい、射精してしまったことがある…。 これ以上真剣にキッスを繰り返していたら、再び、挿入前に、トランクスの中に精を吐き出してしまうだろう。 眞司は、大人になろうとしていた。 ゆっくりと、あせらず、時間をかけてやろうと思った。 “ｏｎｅ ｏｆ ｔｈｅｍ”だっていい。今は、そのｔｈｅｍの中に入るために、必死で努力すべき時なのだ。 眞司は、心を落ち着かせながら、自分の上着を取り、下着である上のシャツも脱いで、上半身はだかになった。真衣をはだかにするなら、まず、自らがはだかになるべきだと思ったのだ。 真衣のＴシャツを取り、ブラジャーをはずした。 真衣の白い胸に、眞司は感動している。 （ああ、この女に、俺は恋をしたのだ。こんなきれいな女に恋をして、やはり、よかった…） あまり大きくはないが、張りのある乳房に、股間のペニスがビックンと呼応した。右の手のひらを、真衣の左の乳房に当ててみた。暖かかった。真衣の暖かい血が、ここにはいっぱい詰まっているのだろう。少し指先に力を入れ、ふっくらとした乳房を揉んでみる。真衣の顔を窺う。真衣は、痛そうな顔はしていない。もう少し、力を入れてみる。真衣の額に、やや皺が寄ったようだ。眞司は、右の手の、指先の力を抜いた。 眞司は、その代わり、今度は、真衣の右のおっぱいにくちびるを這わせた。裾野から、頂きに向けて。 頂きには、朱色をした乳首があった。 その乳首を、くちびるに挟む。すると、ピクッと真衣が反応した。 『おまえ、責任が取れるのか？』 眞司は、右上の方から、もうひとりの自分の声を聞いた。 （取れないかもしれない…） 眞司は思う。 真衣のヴァギナの中に、射精したとしよう。 真衣は妊娠するかもしれない。３カ月以内ならおろせるだろう。病院に連れて行く。堕胎にかかったお金を払う。が、真衣のからだの中は、絶対に傷つくだろう。結婚するなら、それでも、多少、その罪は償えるかもしれないが、今、俺は、真衣と学生結婚するだけの決意や勇気があるだろうか…。 が、眞司の肉体的欲望は、もう止められないほどに、高まっている。 （いや、インサートするのは止めよう。それに、射精したくなったら、体外射精をすればいいのだ） 眞司は、先に進むことにした。 おへそを撫で、わき腹をなでた。 真衣の太腿を撫でたい。でも、そこには、ジーンズの布地があった。 眞司は、自らのズボンを脱ぎ、トランクスをぬいだ。 それから、真衣のジーンズに手をかけ、真衣のジーンズを下に降ろした。白いパンティが見える。パンティの上から真衣の股間を撫でた。 眞司は、その純白の白に口をつけたくなった。 真衣は、くすぐったかった。 何やら、パンティの上から、眞司が股間にキッスをしているようなのだ。 （彼の、好きという気持ちの表れかもしれない…） それで、真衣は、くすぐったいのを我慢した。 でも、何だか、早く、済ませて欲しいという気持ちもある。 ダチの、美里も、萌も、もう経験したらしいのだから。 それに、高校の時、好きだった彼氏にさせてあげられなかったのだから、今の彼がしたいのなら、させてあげたい…。 もっとも、いつ、インサートされるのか、真衣は心配だった。 痛さのことではない。妊娠のことだ。 （いつ、コンドームのことを言い出そうか？） 美郷は言った。 『ちゃんと、挿入させる前に、彼に言わなきゃだめよ』と。 萌は言った。 『なかなか、言えないよ。だから、わたしは、ピルにしているのよ』と。 （わたしの場合は、どうなんだろう？） と真衣は思う。 彼はやさしいし、きっと、『コンドームをつけてね』と言っても、機嫌をわるくするようなことはないだろう。 と、真衣は、自分のパンティが濡れているのに気がつく。 きっと、彼の唾液なんだろう。 でも、彼が股間をやさしく撫でてくれるのは、とても気持ちがいい。彼の、指先のやわらかさに、彼の優しさを感じる。 眞司は、真衣の白いパンティの股の部分が、すっかり濡れてしまったことに気がついた。自分の唾液がよほど、真衣の股間の布地を濡らしてしまったらしい。そして、気がつくと、自分のペニスの先の鈴口のあたりにも、エッチ汁が滲み出ているようだった。 眞司は真衣のパンティを脱がすことにした。 まず、ジーンズを下げる。パンティを下げる。パンティとジーンズを一緒に取ろうとする。が、それは無理だった。で、ジーンズを脱がし、それから、パンティを脱がせることにした。 真衣の恥毛はかわいかった。 そこに、くちづける。と、真衣は、腰をよじった。 「くすぐったいの？」 「ええ」 眞司は、身を起こし、真衣のからだに覆いかぶさった。ペニスは痛いほどに膨れ上がっていた。が、何故か、射精感はない。たぶん、はだかの真衣に、はだかの自分の身を重ねられることに、ひどく満足していて、それ以上の肉体的興奮にストップがかかっているのかもしれない…。 眞司は、ペニスが、真衣の股間を刺激していることを感じながら、真衣に聞く。 「入れてもいいかな？」 真衣は、迷っていた。 「えっ？」 早く、彼に、コンドームをつけてと言わなくてはならないのに、なぜか、真衣は言い出せない。第一、『コンドーム』なんて単語を平素から言い慣れていないのだもの。 眞司は、真衣の目を見つめている。焦点が定まっていないように見える。 真衣は、何かに、とまどっているようにも思える。 それで、眞司は真衣に聞いた。 「避妊の心配はしなくてもいいの？」 「ああ、避妊のことね。コンドームが買ってきてあるわ」 真衣が答える。 （えっ？！） 眞司は、引いてしまっている。 （彼女は、こんなことに慣れているんだろうか？。ボーイフレンドのために、そんなものを、ちゃんと、買っているんだろうか？） 眞司は、他のボーイフレンドのことを想い、そして、ひょっとして、真衣は、親しいボーイフレンドと、こんなことは経験済みなのではないかと思った。そうすると、急速に、股間のペニスが萎んでいくのがわかった。 眞司は、起き上がり、真衣のからだから離れ、絨毯のうえに、あぐらをかいて座ってしまった。 首がうなだれている。 「どうしたの？」 真衣も、上半身を起こして来た。 真衣は、眞司の股間のモノが目に入る。小さくなっている。かわいらしいと思う。弟がいたら、きっと、弟のモノをかまって、遊んでいたのかもしれないな、と思う。 真衣は、彼の股間に、手を伸ばし、モノに触れる。フニャフニャに見えるけど、弾力があって、あたたかい。 「どうして、おじぎしてしまったのかな？」 真衣が尋ねる。 「だって、しようがないだろ」 眞司は、ふくれっ面（つら）をしている。 しかし、真衣には、なぜ眞司がへそを曲げ、ふくれっ面になっているのか、わからない。ひょっとして、コンドームをつけて、というのが気に入らなかったのだろうか。 「コンドームがいやなの？」 「いや、そんなことじゃない」 「だったら、何よ」 「だって、俺は、おまえがはじめてじゃないか、と思っていたわけで。だから、無理は絶対しない、って、誓っていたのに」 「それが、どうかしたの？」 「コンドームなんか、買い置きしていてさ」 「うん？」 「さっき、おまえは、コンドームを買い置きしている、って、言ったじゃないか」 「買い置き、って、さっき、朝のパン、コンビニに買いに行ったとき、ついでに、買って来たのよ」 「どうして？」 「だって、あなた、わたしを抱きたそうだったから。でも、わたし、避妊のこと、よくわかってなかったし。コンドームさえあれば、何とかなると思ったの…」 「えっ？、そうなの？」 眞司は、まじまじと真衣のことを見た。 とても、ボーイフレンドとセックスに耽っているような女には見えなかった。それに、真衣は、わざわざ、俺のために、コンビニで買って来てくれたのかもしれない…。 「真衣、ごめん」 眞司は、あやまった。 「……」 真衣は、無言でうなだれたままだった。 「ごめん、その、俺は、真衣が、コンドームなんか持ってるから、セックスには慣れているんじゃないか、と思ったんだ」 眞司は、そう言いながら、真衣のからだを抱き寄せた。真衣がいとおしかった。で、真衣の顔を上げさせ、真衣にキッスをした。真衣のくちびるは濡れていて、眞司は、股間のモノがふたたび、力をみなぎらせて来るのが、わかった。 眞司は、ゆっくりと、真衣の上半身を絨毯の上に横たえた。 （コンドームがあるなら、挿入できるかもしれない） 眞司は、興奮して、目の中が熱くなるのを感じていた。 「真衣、コンドームはどこにあるの？」 「ごめんなさい。流し台の横の、コンビニの袋の中にあるわ」 眞司は、急いで取りに行った。 コンドームの箱を空け、封を切り、いつでも嵌められるようにして、そばに置いておいた。 これで、安心して、取り組める。 眞司は、仰向けに寝ている真衣の両足を開かせ、その間に、入って行った。真衣の中に入るためには、クンニして、ヴァギナの中を濡らせておかなくてはならないと思ったのだ。 眞司は、股間に顔をくっつけるようにして、草叢を指先で掻き分けた。そして、ピンク色をした谷間に、口をつけた。舌先で、穴を探す。なかなか見つからない。が、やっと、それらしき窪みを見つけた。が、ひどく、それは狭いような気がした。あとは、指を突っ込んで確かめるしかなかった。ひとさし指を差し込む。突き当たる。少し、力を入れ込む。と、ひとさし指がスルッと入った、第２関節まで。長さにして、５センチくらいも中に入っただろうか。しかし、それにしても、隙間なく、きっちりだった。中はそれほど狭いということだろう。指２本は、とても、入らないように思えた。 眞司は、自分でオナるので、自分の亀頭部の太さはわかっている。亀頭部の鰓の張ったところは一番太く、直径で言えば４センチはある。そんな太い棒のようなものが入るには、真衣の膣の入り口は小さすぎた。女性の膣は赤ちゃんの産道にもなりうるところで、その中の筋肉は弾力性があるとはいえ、よほど無理矢理突っ込まなくては、入りそうに思えなかった。 眞司は、指で入り口を掻き回すのはしのびなかった。それで、舌先で、ともかく、膣の入り口を広げようと思った。 眞司は、舌を顔ごと回しながら、膣の入り口のあたりを掻きまわしている。そのたびに、膣内からは、淫液が湧き出て、眞司は、それを自分の唾液とともに、飲み込んでいる。 「何をしているの？」 眞司の頭の上から、真衣の声がした。 眞司は、顔を上げるようにして、答える。 「入れようと思うんだ。でも、ここが狭すぎて…」 真衣はくたびれている。 実際、長すぎるのだ。 これでは、２校時の講義に間に合わない。 出席をあきらめている。 もっと手際よくならないものかと思っている。 でも、彼も、こんなことには、慣れていないのだろう。待ってあげるしかないみたいだ。 と、彼が、股間から顔を上げたみたいだった。 そして、それから、音沙汰がない。 「どうしたの？」 真衣は、起き上がってくる。 眞司は、あぐらをかき、しゃんぼりしている。 「どうしたの？」 「それが、コンドームが嵌められなくて」 「そんな…」 「君が、嵌めてくれると、助かるんだけど」 「どうすればいいの？」 「つまり、君が指で揉んで、これを硬くしてから、コンドームをかぶせて欲しいんだ」 真衣が見ると、確かに、眞司の股間のモノは、しぼんで、フニャフニャになっていた。 （どうしたんだろう。わたしのからだに、彼は、魅力を感じていないのかしら） 真衣は、不安になる。 すると、眞司が言った。 「ごめんね。入れるところは、確かにわかったんだ。でもね、その入り口が狭くてね、とても入りそうになくて。で、君が痛がるんじゃないかと思って。そんな心配をしていると、急に、チ〇ポがこんなになってしまって」 「いいわ、わかったわ。ちゃんと、わたしが揉んで、立たせてあげるわ」 「ありがとう」 真衣は、両手を股間に伸ばした。 そして、ペニスを揉んでやる。 「ああ、真衣、気持ちがいいよ」 眞司が言う。と、すぐに、ペニスが硬くなる。 「ああ、いいよ」 眞司は、真衣に甘えるように、上体をかがめ、真衣の肩先に、額をくっつけてきた。 真衣は、小さい頃、弟が欲しかった。今の眞司は、弟みたいな感じがした。 ペニスは、本当に硬くなった。まるで、硬い木でできた、擂り粉木みたいに。 （これなら、大丈夫そうだわ） 真衣は、亀頭部に、コンドームをかぶせた。そして、輪っこになったところを、めくりながら、下の方に引き降ろして行き、完全に、ペニスの根元まで、装填し切った。 「これでいいかしら？」 真衣が尋ねる。 「ああ、いいみたい。きっちり、嵌っているよ。それに、こんな窮屈な感じなら、すぐに、射精もしないみたいだよ」 「ふーん、そうなの？」 「でも、問題は、どうやって入れるかなんだよね」 眞司が甘えたようなまなざしで、真衣を見ていた。 真衣は、黙っている。 「ねぇ、頼むからさ、嵌めてくれないかな」 眞司が、哀願している。 真衣は、今さら、拒否できない。何とか、彼の助けになりたいと思う。 「わたし、どうすればいいの？」 「僕の願いを聞いてくれる」 「うーん、しようがないわね。いいわ」 眞司は、自分で突き入れる自信がなかった。実際、無理矢理突っ込んで、あそこが裂けて、血でも出たらどうしようかと悩んでいたのだ。ここは、彼女に協力してもらうしかない…。 「ねぇ、ここにバスタオルがある？」 「ええ、そこの整理ダンスの一番下の引き出しに入っているわ」 眞司は、タンスからバスタオルを出す。 そのバスタオルを腰の下に敷き、眞司は、絨毯の上に、あぐらをかいて座っている。 これで、万一、真衣の膣から血が出たとしても、絨毯を汚すことはないだろう。 「さあ、足を開いて、僕の、この太腿のところを跨いでみて」 眞司は、恥ずかしそうにしている真衣の腰に手をやり、その腰をやや持ち上げながら、膝の上で跨らせるように導いた。真衣は、股を開いて跨るのをとても恥ずかしがった。しかし、とうとう跨いだ。絨毯の上に、足の膝をついて半腰で立っているので、眞司の太腿と、真衣の股間との間には、空間がある。それで、眞司は、真衣の股間に手を入れ、ヴァギナのあたりを撫でた。恥毛はやや濡れている。中指を内側に曲げるようにして、膣の中をさぐる。湿っぽい。だが、濡れそぼっている、というほどではない。もっと濡らさなくては、貫通はむずかしい。眞司は、真衣を跨らせたまま、右手の指先で膣内を愛撫し、左の親指で、陰核をゆっくりと揉みほぐしていく。 もう、これ以上は、濡れない。 でも、もう貫通させていくしかない。 実際、眞司は、真衣の膣内に嵌め得ないまま、いつ自分のペニスが暴発するか、自信が持てなかったのだ。 「真衣、ゆっくりと、腰を沈めてくれないか。君のヴァギナが、僕のペニスの先端に当たるように」 「そんなこと、できないわ」 「真衣、頼むよ。君は、上半身を立てたままで、垂直に腰を降ろしていけばいいんだから。僕は、ちゃんと、君のが、ペニスに嵌るように、腰をつかんで、コントロールしてあげるから」 眞司は、左手を後ろについた。そして、やや上体を後ろに反らすようにした。右手は、真衣の腰に宛がう。そして、真衣の腰を下の方に引く。すると、真衣は、いやいやながらも、腰を落としはじめる。が、どうしたことか、ペニスが興奮のあまり、ぴったりと眞司の下腹にくっついてしまう。これでは、真衣がまっすぐ降りて来ても、ペニスが、ヴァギナに、はまり込まない。 眞司は、真衣の右手を取り、真衣に、指でペニスを摘ませた。 「さぁ、このペニスを垂直に立たせて。そうしてから、ゆっくりと、このペニスの先端をめがけて、腰を降ろして来て」 真衣は、眞司のペニスを摘んだ。 真衣には、ペニスの茎の部分をつまんでいるので、ペニスがおっ立っている空間的な位置は、感覚的にわかる。その位置に、ヴァギナの入り口が、ぶち当たるよう、ゆっくりと、腰を沈めて行く。何だか、自分自身が股を広げ、しかも、自分の手で、彼のペニスを膣に、嵌めこんで行くようで、卑猥な感じがし、顔が赤くなる。でも、気持ちが高ぶり、膣の奥から、ねっとりとした粘液のようなものが、ぽたりと、落ちて来たような気がした。 （つづく） |
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| 2010.11.6掲載 |
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