| ３ カラオケからラブホへ 僕は、手を彼女のパンティの中に差し込んでいた。 繁みを分け入ると、指先がこつんとクリトリスに当たった。 そのクリトリスは、意外なことに、とても大きくて硬く飛び出ていた。 僕は、その小さいペニスとまがうほどのクリトリスの周辺部を中指の腹の部分で、優しく撫でる。 美夏が身をよじる。 彼女にとっても、ここは感じるところらしい。 そして、僕は調子に乗って、中指をさらに下奥へと進めた。案の定、股間の中心部はぬかるんでいた。中指を押し曲げるようにして、第一関節を穴に入れ込む。穴の中はびっしょり濡れていた。 僕は、股間のモノがすでにカッチカッチに硬くなっているのに気がついた。そして、彼女が濡れているということは、ヤレるということだと、おのれに言い聞かせた。 「美夏、ここを出るぞ」 僕はそう言いながら、ちょっとばかりあっけにとられたかのような顔をしている彼女はまったく無視し、僕自らが彼女のブラジャーを胸に取りつけ、彼女の腕をブラウスの袖に通させた。 いくらなんでも、カラオケ・ルームで美夏を丸裸にはできなかった。 なぜか彼女の足取りはたどたどしかった。 でも、僕が腰に手を置いて、力のない下肢を持ち上げるようにして、上へと支えてやると、彼女はそれでも足を動かして、僕にちゃんと付いて来た。 僕は、通りに出ると、タクシーを拾った。 「美夏、いいのか」 小心者の僕は、念を押している。 「……」 美夏は無言ながら、うなずいた。 「駒方町のアベック通りへ」 僕は、運転手さんにそう告げ、偉そうに、座席の背もたれに深々と背を寝かせつけた。むろん、手は美夏の手をにぎってはいた…。 僕たちは、明るい、というより、派手派手しいネオンサインで『ニュー・パラダイス』とある、ラブホの前で降ろしてもらった。 このラブホに僕は来たことはない。 しかし、スポ−ツ新聞の広告の欄で見たことがある。 部屋に入る。 「シャワーを浴びるかい？」 と僕は聞く。 「ううん」 と、すでにベッドに座り込んだ彼女は首を横に振りつつ、僕に手を伸ばして来た。 僕は、足が震えていた。 この期（ご）に及んでも、僕は臆病だった。 が、僕は、彼女の手招きに、彼女の方に吸い寄せられて行く。 僕は、彼女の横に座っていた。 「あなたって、外観とは大違いね」 見ると、美夏が小鼻をちょっと曲げながら微笑んでいた。 でも、美夏の目を見ると、小心者の僕を、まるっきり軽蔑しているようには見えなかった。 だから、僕は尋ねた。 「どういうこと？」 「だって、あなたは色男で、女遊びに慣れていると思ったの」 「どうして？」 「きれいな指をしていたし。だから、私が誘えば、ちゃんと付き合ってくれると思ったの」 「そうだったのか…」 「わたしね、実は、オナニーで感じるほどには、男の人との実際のセックスではあまり感じたことがないのよね」 「うそだろう？」 僕には彼女の言葉は信じられなかった。 男と女がやることは決まっている。 それにヤレば、お互いに気持ち良くなれ、そしてふたりでほぼ同時にオーガニズムに達することができるはずだ。 それで、僕は年上らしく振る舞うべきと、彼女に主張した。 「耳かきはさ、やはり一人で、耳掻き棒を使い、グチョグチョやるよりも、女の人の膝の上に頭を載せて、その女の人に、クチュクチュ掻き混ぜてもらう方が、僕は気持ちいいけどね」 「そうかしら？」 「そうだよ」 僕は、自分を励ますように、あえて強く宣言した。 美夏は、あっけに取られたように、僕を見ている。 僕は、美夏よりずっと年上なのだ。 それに結婚歴もある。 別れた妻とは、新婚時代、それでも、まめにセックスしたような記憶がある。 もっと自信を持つべきだと、自分に言い聞かせている。 「例えば、女の人がオナニーをするといったって、せいぜい自分の指でやるしかないだろう？。でも、男の人になら、くちびるや舌でやってもらえるわけだし。その方が気持ちいいと思うけどね」 「……」 彼女がこっちをにらんでいる。 その目を見るに、 『本当にそうなのかな？』 と疑っているみたいなのだ。 僕は、やはり、スケベェな中年男だ。 彼女が感じる、感じないは別として、ともかく、若い子のエキスを吸ってみたいと思った。 「で、せめてさ、試してみない？。他人さまに、オナニーでやっていることを、やってもらう、ということでさ」 僕がそう言うと、彼女は潤んだような目をして、うなずいた。 僕は、彼女をベッドの上に寝かせつけた。 ブラウスを取る。 なぜか、僕の手が震えている。 童貞でもないのに、不思議なことだ。 考えられるとしたら、たぶん、妻と離婚してから、７年も経つ、ということだろう。離婚してからは、外食が多くなり、お金がもったいなく思え、フウゾクに行っていないし。 ブラジャーを取った。 大きくはない。しかし、お椀を伏せた形は決して崩れてはおらず、指で突けば跳ね返されるような弾力性が感じ取られた。乳首もきれいなピンク色だ。前の彼氏は、そんなにここを吸わなかったのだろうか？ 「ねぇ、そんなに見ないで」 「大丈夫だよ、とってもきれいなおっぱいだよ」 「わたしのは、大きくないもの」 「いいよ、そんなこと気にしなくても。こんなに形がいいのに…」 「でも、恥ずかしいわ」 「じゃ、ちょっと、ライトの光線を落そうか」 「ええ、そうして欲しいわ」 僕は、スイッチをひねった。 でも、その光の調整は、美夏の顔の表情がちゃんと見える程度にした。 僕は、乳房を揉んだ。 やはり弾力があって、揉み応えがあった。 妻との時には、こんなことはしなかったのに。 ともかく、早く挿入したかった。それだけだったような気がする。セックスを楽しもうというような、そういう感じにはなれなかったような気がする。やはり、年を取り、余裕が生まれてきたのだろうか。いや、そもそも、今相手をしている女の子は、恋人でもなく、それほど気持ちが入れ込まれておらず、相手との間に距離が置けるというか、セックスの行為そのものに愛情表現の一如というより、遊びの要素が入っているからだろう…。 彼女が手を伸ばし、それを僕の首に巻きつけた。 確かに薄暗いけれど、彼女があごを持ち上げ、くちびるを突き出そうとしているのは見て取れる。 僕が、口唇を重ねると、彼女が吸いついて来た。 （積極的だな） と僕は思う。 が、僕には、余裕があった。 たぶん、彼女の方が、久しぶりの男との性行為で、興奮しているのだろうと思ったからだ。それに、僕は前の店でけっこうワインを飲んでいて、ほろ酔い気分だからだ。 それで、僕は、ディープなキッスにすべての気持ちを移されることなく、手ではちゃんと乳房を揉んでいた。そして、指先で乳首を揉んでいると、本当にその乳首が硬くなってきた。それは、彼女を愛しているというより、僕に、雄としての喜びを与えてくれた。欲情している雌を満足させてやらねば、と、雄の僕は考えていた。 僕は、スカートを脱がした。 彼女はパンティだけの姿になった。 彼女は、手で両の乳房を覆ってはいたが。 「僕は、匂いフェチなんだ｣ 「……」 彼女は不思議そうに僕を見上げている。 要するに僕は、クンニをしたいだけなのだ。 匂いが嗅ぎたい、そして、できうれば淫液を啜りたいだけなのだ。中年のいやらしさ以外の何物でもない。ただフェチというカタカナ語で、スケベェ心を、ほんのちょっとだけ、カモフラージュ（偽装・迷彩）しているだけなのだ。 やはり、いきなり股間に顔を付けるのは、いくら何でも、相手の女性に失礼に当たるだろう。それで僕は首筋を手で愛撫しながら、乳房に口びるを這わせた。 あせる。 早く、クリトリスをしゃぶりたい。 しかし、機が熟するのを待つのだ、とおのれに言い聞かせる。 乳房を口で愛撫しているうちに、頬に、硬くなった乳首が当たる。それで、その乳首を吸う。チュパチュパと吸うと、美夏も気持ちいいのか、腰をくねらせる。その腰を押さえ込むように腰の辺りに手を置く。そして、手を後ろに回し、お尻を撫でる。手の感触だけだが、彼女のお尻は垂れ下がってはいなく、むしろ、ツンと上を向いているような気がした。 左右のお尻の割れ目に手を入れると、くすぐったいのか、美夏はお尻を左右に揺らす。それを鎮めるかのように内腿に手を置く。手の感触では、つやつやとして筋肉に張りが感じられる。彼女はまだ３０歳の坂を超えたばかりなのだ。 唇を彼女のおなかに這わせつつ、僕は、手を次第に、内腿から足の膝の後ろあたりに這わせた。唇はさらに脇腹、臍の下あたりへと下っていく。そして、とうとう草むらに達した。 初夏の頃、草叢の中にいると、夕立が来る前に、ムッとするような草の匂いが沸き立つが、それに似たような匂いが、彼女の恥毛群の中から湧き上がっていた。 僕は、下肢を手で愛撫しながら、草叢の匂いを嗅ぎつつ、顔をさらに美夏の股間の奥へと近づけていく。草叢の底が湿っている。泉の中に顔を突っ込む。唇が彼女の膣口に当たる。 「ああっ！」 美夏がうめき、腰を跳ね上げる。僕の鼻頭に、彼女の恥骨が当たる。痛い。でも、僕が興奮しているせいか、すぐに痛さを忘れる。 僕は、しかし、両手で美夏の両腰を押さえつけた、ジタバタさせないように。そして、舌先でクリトリスを探した。それはすぐに見つかった。かなり大きめの陰核ではあったからだ。 僕は、少し顔を上げた。 クリトリスの両側の辺りに、人差し指と中指を当てる。二つの指を外側に開く。そして、それらの指を上へと押し上げた。顔を股間に近づけてよく見ると、クリトリスの薄皮が剥け、中からピンク色の突起物がビロンと飛び出ていた。それは直径で言えば５ミリぐらいはあり、茎の長さも２０ミリ程度はありそうで、なまじ、オス猫のペニスにも負けず劣らずというシロモノではあった。で、僕は、そのペニスのように尖った陰核を口で頬張り、舌先で下から上へと舐め上げた。 「あああ、もぉっ…」 と彼女が悶えたと思ったら、僕は、ひっくり返され、仰向けにされていた。 僕は下になり、彼女が上になっていた。 彼女の股間が目の前に在り、僕の視界をさえぎる。 がしかし、僕は、お尻を抱え込み、さらに、女としては大きめのクリトリスをさらに味わおうとした。と、彼女は体を時計回りに反転させ、僕の股間に彼女自身が顔をくっつけてきたのだ。僕が驚く間もなく、彼女は僕のペニスをしゃぶっていた。生ぬるい舌が当たっているのがわかる。が、彼女の舌先がペニスの茎の部分を這うたびに、僕は目を瞑った、気持ちよくて。相当、元カレのものをしゃぶった経験があるらしい。歯を当てることもなく、実に優しい、くちびるのタッチだった。 僕は、あまりの気持ち良さに頭の中がボーッとして、彼女のクリトリスを舐めるのを忘れていた。むしろ、僕の目の前にあるのは、彼女のお尻の間の、アナルの入り口、すなわち菊門であった。がそこを舐めるのはちょっと躊躇われた。それで、少しずり下がりながら、口で彼女のおマ〇コを捜した。草叢はかなり湿っており、首を上げて顔を奥に突っ込む。するとと、鼻先がべっとりと濡れた。かなりの陰液が漏れ出ていた。僕は、それを啜る。甘酸っぱい味だ。もっとも、甘いというよりは、少ししょっぱい味がした。 と、僕は、彼女が、僕のペニスの先っぽを、まるでソフトクリームでも舐めるように、くちびるで舐めながら、手で茎の部分をしごいているのがわかった。気持ちがいい。僕は、愛液を啜るのを思わず止めてしまっていた…。 もうだめだ。 僕は、彼女のお尻を抱えていた手すら、だらりとシーツの上に落としていた。自然と、僕は、下肢を突っぱねていた。イキそうだった。 「おい、美夏、出る、出ちゃうよ。きたないから、早く、ペニスから口をはずせ！」 が、まだ、美夏は、ペニスを口から離さなかった。何とか、外させたいが、せいぜい、彼女の脇腹を上に引き上げようとするのが精一杯で、彼女の頭を強く、上へと引き上げることができなかった。そのうち、腰の後ろの辺りが痺れてきた。そして、その痺れが甘く、下肢全体に広がっていく。 「美夏、だめだ、だめだ、出る、出るぅぅぅ」 僕は、目の前に閃光が飛び散るのを感じ、下肢を突っぱねていた。瞬間、仰向けに寝ていた僕は、フワッと浮いたような気がした。でも、すぐにゆっくりと体を回転させながら、谷底へと落下しはじめていた…。（つづく） |
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| 2011.10.1掲載 |
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