27．美里ー３

　祐輔は美里のノーブラの乳房や、美里の湯上りの匂いに反応し、勃起し始めていた。
（いぃ匂いだ・・・先生、お風呂上りかな？）
　一度は反らした美里の視線は、再び祐輔の股間に向けられた。
（ウソォ〜！勃起してる・・・？わたしに反応してる・・・のよね？）
　祐輔の股間が膨らんでいるのが分かった。
　美里は目の前の祐輔が、自分の教え子ではなく、ひとりのオトコに見えてきた。
（どうしよう？わたし・・・）
（あぁぁ、いぃ匂いだ・・・大人の女性の匂いっていいな〜）
　祐輔の五感は全て美里に向けられていた。

　祐輔はあらためて美里に聞いた。
「先生・・・どうしますか？」
「エッ！あ、えぇ・・・どう・・・って・・・」
「拙くてダメですか？」
「いえ、そうじゃないわ！ある意味では良く出来ていると思うわ・・・だけど・・・」
「だけど・・・？先生のような素敵な女性なら、理解してもらえると・・・」
「わたしは・・・」
　美里はどう返答していいのか迷っていた。
「短歌はすぐに理解していただけたと思います。技巧的に上手いか下手かは別にして・・・」
「いえ、短歌も結構、評価できると思うわ！ただ・・・高校生の作品ということだと・・・」
　美里は否定する言葉を躊躇っていた。
「真実味が無いと言うのですか？それならば先生が実感してくれれば・・・そう、この絵のように・・・この絵、全て分かります？」
「実感・・・？絵・・・？」
「ほら、この絵の構図、僕は気に入ってるんですが・・・」
　それはセックスの体位４８手にも無い形だった。
「これは・・・」
「先生にも僕のセックス論、この絵巻と併せて実感して欲しいなぁ・・・」
（何を言ってるの！？祐輔君、わたしを誘っているの・・・？）
　美里は呼吸が荒くなり胸の鼓動が早まるのを感じた。
「そんなことを言っても・・・」
「僕は毎晩のように先生のことを想いながら・・・」
　祐輔は視線を落とした。
（演技、演技・・・）
　美里もつられるように祐輔の視線を追った。
（わっ！さっきより、さらに大きく勃起してるわ！わたしをオナペットにしてる・・・そう言いたいの？）
　美里はカッと身体が火照るのを感じた。
（わたし・・・わたしったら、どうしたのかしら？）
　いつの間にか、美里はすっかり祐輔の術中に嵌っていた。

　美里はハッとしてソファを立った。
（いくら何でも・・・ふぅ〜自制心！自制心！）
「冷たいものでも飲む？」
　美里は邪念を振り払うようにキッチンに向かった。
　冷蔵庫からコーラを取り出し、グラスに氷を入れて注いだ。
（ダメ！ダメよ・・・冷静に・・・わたしは教師・・・）
　美里は自分に平常心を言い聞かせた。
「先生って、女性としての素晴らしさを全て持ってる・・・才色兼備って言葉は、先生のためにある言葉ですね！」
「エッ！誉めすぎよ〜」
「いいなぁ〜こんな素晴らしい女性と毎晩セックスできるなんて・・・先生のご主人は、日本一幸せな男性ですね！」
「そ、そんなことないわよ！それに高校生が言うセリフじゃないわよ！」
　美里はグラスをテーブルに置き、再びソファに座った。
（ふぅ〜〜どうにかしないと・・・このままじゃ、どうにかなっちゃいそうだわ！）
　美里は祐輔を早く帰そうと思った。
「同じ快感を与え合うのなら・・・先生のような素晴らしい女性と感じあった方が・・・あらゆる形で快感を与えたいって思うでしょうね？」
「・・・・・・・・・」
（快感・・・なんて、もう長い間、感じたことはないわ・・・子供を作ろうとするセックスだった。アッと言う間に出して・・・そぅ、それだけ・・・）
　美里は祐輔の絵巻に視線を遣りながら、深い溜息をついた。
（どうしたのかな？先生・・・急に元気が無くなって・・・）
　美里は今の生活、これからの自分のことを考えていた。
（お互いに忙しい毎日・・・あのひとは土日も仕事で忙しく・・・夫婦と言っても、名ばかりの日々に何が・・・）
　今まで美里は特別に不満を抱いてはいなかった。
　お互いに教育者として尊敬もしていた。
（でも、やはりわたしはオンナ・・・オンナとして、これで幸せなのだろうか・・・？）
　そう思うと虚しさが込み上げ、心の中にポカリと大きな穴が開いたような気がした。

　祐輔は虚ろになっている美里の隣に座り、細く長い美里の手指に自分の手をそっと被せた。
（先生・・・？）
　祐輔の存在、手を重ねていることにも気づかず、美里の意識は虚構の中を彷徨っているようだった。
（どうしたんだろう？先生・・・心此処にあらずって感じだけど・・・）
　祐輔は美里の細い指を擦るようにしたが、反応が無かった。
（本当にどうしたんだろ？でも・・・このチャンスを生かさない手は無い！）
　祐輔は美里の尋常じゃない様子に不安を抱いたが、是非の判断より淫欲の方が祐輔を支配した。

　祐輔は柔らかなスカートの裾から手を入れ、そっと太股を擦り、付け根までスゥ〜と指を伸ばした。
（アッ！先生、ノーパン？・・・コレって、アソコの毛・・・）
　しかし、美里は何の反応も示さなかった。
（どういうことなんだ！？先生・・・まるで心神喪失・・・）
　祐輔は驚きを感じると共に、美里が心配になった。
　祐輔は急な美里の異変に、どうしていいのか分からなかった。
（心此処にあらず・・・心神喪失・・・どうして？現実に引き戻さないと・・・どうする？どうすれば・・・）
　この時の美里はトランス状態に陥っていて、祐輔も初めて経験する状況だった。
（このまま犯したんじゃ・・・何の意味も無いけど・・・かといって、このチャンスを生かさない手はないし・・・）
　打開策の見出せなかった祐輔にしてみれば、非道徳な考えだと思ったが、千載一遇のチャンスを逃す手はないとも思った。

　祐輔はしばらく考えた末、行動に移すことにした。
（いくら考えてみても、妙案は浮かばない・・・目的を達成するためには、ここでアクションするしか・・・）
　かなりの抵抗を感じたが、祐輔は美里の前に立ち、薄いサマーセーターの裾を捲くった。
（なんて美しい表情なんだ・・・哀しげで頼りなく・・・妖しさまで感じさせる・・・）
　視線の定まらない美里の表情はその美しさを際立たせ、妖艶なオンナの魅力を醸し出していた・・・。