携帯マル秘人妻サイト

30．

　自分を初めて悦ばせてくれ、本当のオンナに目覚めさせてくれた稲垣を悦ばせたかったのだ。

（凄ぉ～ぃ！こんなに色々と楽しみ方があるの・・・・へぇ～セックスって奥が深いんだ・・・・）
　フェラを調べているうちに様々なセックスの楽しみ方を知った。
（エッ、本当なの！？お尻も性器って・・・・冗談かと思ったのに・・・・でも確かに気持ち良かったけど・・・・エッ、でも痛そう・・・・）
　美也子はあれこれ考えているうちに朝を迎えていた。

　翌日、睡眠不足より稲垣との淫交が楽しみで出社した。
　昼食を終えた後、企画調査と称し美也子は稲垣と出掛けていった。
　周囲を確認し裏通りのラブホテルに入ったふたりは、全てを曝け出して淫らに楽しみあった。
　その美也子の初々しさの残る淫らさは、稲垣を喜ばせ夢中にさせた。
（美也ちゃん、僕の為に・・・・本当に可愛いオンナだ！）

　稲垣は登録はしたが、サイトのセックス可能なカレンダーには、美也子との淫交の予定が主になった。

　美也子も稲垣との時間を第一に考えたが、ウィリアム、翔と瞬、省吾との淫交では新たな自分を発見し、それを稲垣とのセックスにも生かして楽しんだ。
（夫！？・・・・フッ、ちゃんとそれなりに対応してるわ！）
　美也子はセックスだけではなく仕事や他のことにも積極的になり、充実した日々を送るようになっていった・・・・。

　『携帯マル秘人妻サイト』は外部に秘密が洩れることは無く、登録者同士の密会は好評を得ていた。
　セックス予定カレンダーも便利なシステムと評判だった。
　毎日のように予約の入る登録者は次第に大変になり、事前に予約不可の登録をすることでバランスを保っていた。

　順調に３ヶ月が過ぎた時、退会の申し出があった。
「まさか、３ヶ月で退会者が出るなんて・・・・」
「退会は自由だけど、機密が洩れないようにブロックしないと」
「そうね。信用しないわけじゃないけど、登録者に迷惑が掛かるとね」
　杏子と沙希は突然の香の退会申し出に慌てていた。
　香の相手である校医も自動的に退会となるので、その確認やID・PWの再設定などを行なっていた。
「香さんの方で相手の方にも了解を得ての退会だから問題は無いわ」
「うん、必ず、それを条件にして、万が一の罰則も考えないと・・・・」
「条件追加はいいけど・・・・罰則は難しいわね」
「そうね、特殊なサイトだから、何があっても公にはできないし」
「でも、何かしら利用者への縛りは必要だわ！」
　ふたりはサイト運営を考えながら、欠員補充も即応することにした。

　栗原和は31歳、ひとり息子も小学生になり、授業が終われば塾で帰宅は毎日６時過ぎ、夫の覚は35歳、中堅サラリーマンで忙しく、仕事中心の毎日だった。

　当然のように、和は何かが足りないような気持ちになっていた。
（夫が忙しく働いているのは家族の為・・・・だから夜の生活が無くなってきても仕方がないけど・・・・）
　夫との関係が薄くなった分、和は子どもに力を注いでいた。
　だが子どもが学校に通い、塾にも通うようになると、心に穴が空いたような虚無感に包まれた。
（わたしも何かに打ち込まないと・・・・）
　和には特定の趣味が無かったので、これを契機に何かを始めようと、ネットや雑誌などで資料を集めて検討し始めた。
（ふぅ～何か、どれもピンとこないわ・・・・）

　和は高校、大学と目立ったこともなく終え、就職した。
　就職した会社でも総務課でコツコツと仕事をし、サークルや何かに参加することも無かった。
（わたしって自分から何かをやったっていうことが無いんだわ。結婚も偶然の産物のようなものだったし・・・・）
　取引関係にあった夫の会社とのやりとりの中で偶然知り合い、そのうちに交際を申し込まれ、半年後に結婚が決まったのだ。

　それでも町内の婦人会には参加していた。
「時間を持て余してるとロクなことがないわよ。そうだ！新しくできたコンビニでパート募集していたから、応募してみたらどう？」
「コンビニ？」
「家の中に篭ってないで、いろんな人と接した方がいいわよ！」
「そうね・・・・」
「奥さん、まだ若いしキレイなんだから、楽しく生きないと」
「エッ！わたしなんか・・・・」
「それがいけないのよ！社会との関わりを持っていないと自分を見失うわよ」

　年配の女性からアドバイスを受けた和は夫に相談した。
「あぁ、君がそうしたければそうすればいいよ」
　了解する夫だったが、和には無関心に思えた。
（結局、自分のことは自分で考えるしかないのよね・・・・）
　和はあまり気が進まなかったが、コンビニに勤め始めた。

　午前中に家事を終え、13時から17時までの４時間だった。
　最初はユニフォームを着るのも恥かしく、お客への応対もぎこちなかった。、
　だが１ヶ月も過ぎた頃には、自然と笑顔も出せるようになっていた。

『明るくなったわね』
『前より魅力的になったわよ』
　婦人会でも皆で和の変化を口にしていた。
（そう言えば、何となく元気になったというか、ハリが出たというか・・・・これも店長の松永さんのおかげかも・・・・）

　松永というのは、店長で30歳の独身だった。
　和の勤めたコンビニは周辺地域に５店舗を経営していて、新規開店と同時に他店から昇格して店長になった。
　スッキリとした雰囲気でお客の評判も良く、初めて客商売を経験する和に対し、１から10まで親切に面倒をみていた・・・・。

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2008.12.15掲載

［31話］／［29話］

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『淫香』	『淫蜜』	『サブリミナル』
『サイコ・・・千年王国』	『ＳＥＸ仕置人　ミカ』	『劇団ＩＮ＝イン』
『青春放浪記』	『淫界大迷宮』	『雨宿り・・・』
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