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50.

　久美子は衣服の下が素っ裸であることも忘れ、楽しそうに無機質な箱や転がっているボールなどと戯れ始めた。

　小長井はそんな久美子を様々な角度から撮影していた。
　仕事ではなく久美子への興味だけで、撮影に夢中になった。

　久美子は子どもに戻ったように跳ね回りはしゃいだ。
　ワンピースの裾が捲りあがっても全く気にせず、本当に楽しそうに見えた。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・ふぅぅ～～久し振りにはしゃいじゃったわ！」
「えぇ、本当に楽しそうでしたよ！」
「えぇ、楽しいわ！自分だけの世界の中を自由に泳いでいるみたい」
「じゃあ、そんな久美子さんを見てみましょうか？」
「えっ、えぇ！」
　久美子は忘れていたようにハッとし、画面に見入った。

　何か見えないものに縛られていない久美子の表情は生き生きとし、無邪気に見えながらも成熟しかけたオンナを感じさせていた。
「静止画なのに躍動しているみたい・・・・」
「そうですね！生き生きとしてて・・・・最初に撮った久美子さんとは別人のようです」
「ホント！・・・・うん、全然違うゎ、こっちの写真を使った方が・・・・」
「それは、雑誌社の方々の仕事だから・・・・全部見せるわけにはいかないけど、何点かはお見せしますよ！」
「えぇ、そうしてください！でも全部じゃないって・・・・あっ！」
　久美子は次に表示された写真を見て驚きの声を出した。
「キレイなお尻が見えていますね！」
「わたし自分で裾を持って跳ねてたんですね・・・・でも、いい写真・・・・」
「これは股間も乳房も見えてますが、いやらしさは感じませんね」
「エッ！・・・・えぇ、確かに・・・・」
「楽しそうにスポンジの上を転がる久美子さんは少女のようだ」
「えぇ、まだこんな印象を周囲のひとたちに感じさせることが・・・・」
「そうですね！意識さえしなければ・・・・」
　久美子は自分で次々と写真を表示させ、楽しそうに見ていた。

　小長井はそんな久美子にさらに新たな提案をした。
「どうですか、少女のような久美子さん、生真面目な久美子さん、いろんなあなたが写されていますが・・・・オンナとしての艶っぽい久美子さんも写されては？」
「エッ！それは・・・・それは残念ながら、わたしには無理かと」
「出せるとしたら見てみたいですか？」
「えぇ！そりゃもう！」
「それじゃ、段階的に・・・・第一段階としては何とも言えない艶を・・・・せっかく料理家なんですから、ありふれていますが・・・・」
　小長井は久美子にエプロンを差し出した。

「エッ！エプロン・・・・これだけですか？」
「世の中のオトコたちが憧れる、裸にエプロン姿の女性・・・・今までにそういう格好をなされたことは？」
「い、いえ、ありませんよ！」
「じゃあ、ありふれていても、久美子さんには新鮮ですね。久美子さんの艶やかな魅力がは出るかも？」
「・・・・・・・・・・・・」
　久美子はもう裸も同然だと思った。
　今見ていた写真にも数多く、下半身の裸の部分が写っていた。
（でもいやらしくはなかった・・・・少しは色気が・・・・）
　久美子は自分にの中に隠れた色気が引き出せればと思った。
「・・・・いいわ！お願いします」
　躊躇いを吹っ切るように小長井に告げた。

　久美子はその場でワンピースを脱ぎ、小長井に裸体を晒し、その上にエプロンを着け、少し恥かしげに小長井の前に立った。

「素敵ですよ！あまり意識しないで、今までと同じように」
　そう言うと、小長井はまだ恥らう久美子の表情にシャッターを切り、続けて久美子の全身を360度、上下、前後と立て続けに撮った。

（ふぅ～もう思い切って！）
　久美子はキッチンがあるように演技したり、洗濯物を干す仕草や床や棚を拭く仕草などの主婦らしい動きをした。
　その後で、大きく両手を上げて解放感を味わい、飛んだり跳ねたりロープを掴んで宙に遊んだり寝転んだりし、自分を思い切り解放した。

「どうでした？」
「えぇ、最初は日常を再現してたんですけど、あまり意識はしない方がいいと思って後は思い切り・・・・」
「それがどんな久美子さんとして表現されているか？」
　小長井は早速、カメラの液晶画面を久美子に見せた。

「へぇ～大きな動作が無くても、今までとは何かが違う・・・・」
　久美子はキッチン動作をしている写真を見て頷いていた。
「あっ、これは！ダ、ダメッ！」
　久美子は慌てて液晶画面を覆った。
「何がダメなんですか？淫らなところが丸見えだからですか？キレイなお尻じゃなないですか！それに、淫部がぼけていては不自然ですよ、この写真は・・・・久美子さんが懸命に床拭きをしている真剣な表情、同時に、それとは対照的にオンナの淫らな部分息づいている・・・・素敵じゃないですか！？」
「そう、でも・・・・」
　確かに小長井が言うとおりだと思う久美子だったが、何かが足りないような気がした。

「じゃあ、僕も裸になれば同じかな？」
　小長井は素早く衣服を脱ぎ捨て、久美子の前に全裸で立った。

　久美子は思わず視線を外に遣った。
（うわっ！う、嘘ぉ～）
　突然の出来事に久美子はどう対応していいのか戸惑うばかりだった。

「ダメですよ！」
　小長井は久美子の両肩を掴んで正対するように促した。

　完全では無かったが、小長井の肉棒は半ば勃起しているのが見えた。
（ダダダ、ダメッ！はぁぁ、どうすれば・・・・？）

「もっと見えている写真もあるけど・・・・今度は僕も裸なんだから、ほら、意識しないで」
　小長井は久美子の身体から離れ、裸であることを意識していない様子で、再びカメラを久美子に向けた。

　久美子はそんな小長井に不思議な一体感を感じた。
（何！？この感覚は・・・・）
　久美子の最後の殻が剥がれ落ちた。
（自分の中にあるかどうか分からないけど・・・・艶っぽいオンナとしての情感が出れば・・・・）
　久美子は空想の世界を彷徨うように自分を完全に解き放った。

（誰か、わたしの裸の身体を優しく包んで・・・・）
　そんな気持ちになった時、背後から誰かが自分を抱き包んでくれた。
「小長井さん・・・・」
　素肌の背中、お尻に小長井の温もりを感じた。
　そうなるのが自然な気がした。

「久美子さんがあまりにも艶っぽくて・・・・」
　小長井は久美子の首筋に優しくキスをして舐め、両手を前に回し、久美子の乳房を優しく擦り始めた・・・・。

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2009.2.16掲載

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秋水さんの他作品（2009.2/2現在）
『淫香』	『淫蜜』	『サブリミナル』
『サイコ・・・千年王国』	『ＳＥＸ仕置人　ミカ』	『劇団ＩＮ＝イン』
『青春放浪記』	『淫界大迷宮』	『雨宿り・・・』
『実践結婚相談所』	『プロフェッショナルのオンナたち』	『萠・・・その性』
『性春浪人』	『市役所の人妻たち』	『平成の団地模様part1』
『ベビーシッター亜季』	『主婦の中に潜むオンナ・・・』	『性少女・・・Ａ』
『引越しサービス』	『犯す！』	『平成の団地模様part2』
『恵子・・・不惑の時』	『撮られた女』	『哀しくも悦びの・・・性（さが）』
『強姦日記』	『続平成団地模様』	『異次元ＰＯＳＴ』
『妄想と現実の狭間で』	『遠い日の記憶』