携帯マル秘人妻サイト

16．

　香は校医と再び淫らに交わり、充分に淫欲を満足させた。
（正体を言ってあげた方がいいのかな？）
　香は校医に前もって『騙したわけじゃない』ことの了解を得て、『携帯マル秘人妻サイト』の話しをした。

　校医はすぐには信じなかった。
「本当に25歳なの？」
　香の運転免許証を見せられ、校医はやっと納得した。
「じゃあ、秘密を守って登録してくれる？」
　校医は若い人妻たちとセックスできるならと快諾した。

　夕方５時に駅の改札口で巧と逢った。
「どうだった？」
「うん、まぁまぁかな～それでね、巧・・・・・・・・」
　香は巧をサイトに登録するのをやめたことを告げた。
「だって巧が他の人妻の女性たちとセックスしてるの、我慢できない・・・・だから、校医に頼んだの！巧はわたしとだけ濃厚なセックスしてくれればいいの」
「フッ、分かったよ！じゃあ、その濃厚なセックスをやりに行こうか？」
「うん！」
　香は巧と腕組みをし、ホテル街を歩いて行った・・・・。

　５人目は井上夏生、33歳、子ども１人の専業主婦。
　家は持ち家だったので、夫の収入だけで生活は充分にやっていけた。

　そこで子どもが小学校２年生になったところで時間に余裕ができ、夏生は英会話スクールに通い始め、半年が過ぎた。

（杏子さんに誘われて参加するって言ったけど・・・・どうしよう？）
　夏生は自他共に認める平凡な主婦だった。
　特別に美人と言うわけでもスタイルが抜群と言うわけでもなく、周囲の視線を集めるような女性ではなかった。
（どうしてＯＫしちゃったのかしら・・・・わたしなんて・・・・でも、夫は仕事仕事で夜の生活はすっかりだし、子どもも手が離れて・・・・充実した時間が欲しかっただけ・・・・）
　サイト開設までに登録できる男性を探すのは無理かなと思った。

　そんなある日のこと、いつものように英会話スクールに行った。
　レッスンの時間が終わった時、講師のウィリアムが声を掛けてきた。
「夏生さん、少し時間ありますか？」
「エッ？えぇ」
「じゃあ、角の喫茶店で少しお話しさせてください」
　ウィリアムは流暢な日本語で夏生に言った。

　ウィリアムはオーストラリア生まれで28歳の独身。
　日本に留学で来て、そのまま英会話の講師になって生活していた。
　身長は186cmぐらいで、スッキリしたいい男だった。

　喫茶店でウィリアムは日本の家庭、家族のことを知りたいと言った。
「夏生さんは確か３人家族ですよね？」
「えぇ」
「一般的な日本人の家庭や風習などを教えてくれませんか？」
「いいけど・・・・どうして？」
「僕、日本が大好きになりました。だから将来、日本の女性と結婚して、日本に永住しようと思ってます」
「へぇ、そうなの。もう相手はいるの？」
「いえ、でもお友達なら大勢います」
　夏生はこの時、フッと思った。
（このウィリアムがわたしの相手をしてくれれば・・・・無理かな？５歳も年上で、パッとしないわたしなんて相手にしないよね・・・・）
　それでもダメで元々と思い、夏生は聞いてみることにした。
「じゃあ、外国の方に理解しづらい日本家庭、家族について、簡単にまとめてきてあげますね」
「ありがとうございます」
「いえいえ、ところでわたしの方でもウィリアムにお願いがあるの」
「お願い？夏生さんが」
　ウィリアムは不思議そうな顔をして夏生を見ていた。

　夏生は思い切って『携帯マル秘人妻サイト』の開設の話しをした。
「えぇ～～っ！何なんですか？それって、浮気のサイトですか？」
「そう言う風に表現されればそうかもしれないわね・・・・でも、このサイトは、同じような悩みを持つ人妻が集まってるの。つまり、新たな自分を見つけたいと願っている人たちなの」
「分からないなぁ～日本の女性は夫以外の男性と平気なんですか？」
「平気なわけがないわ！皆、家庭を壊す気持ちは無いの。決められた人たちだけの空間で自分を解放する・・・・それで流されているような毎日に新鮮さを見出したいのよ」
「ふぅ～ん、難しいですね・・・・それで夏生さんは、その相手に僕を選んだというわけですか？」
「えぇ、そう・・・・ウィリアムがそうであるように、わたしも外国人を理解できない。だからこそ、外国の人と接して、そこから何かを感じたいの」
「でも登録すると、求められれば他の人妻の女性とも・・・・」
「えぇ、でもわたしを入れて全員で５人、わたし以外は、皆、若くて子どももいない魅力的なひとたちよ。どうしてわたしのような平凡な女がって思うほど、他の女性たちはキレイでプロポーションもいいひとばかりよ」
「夏生さんには夏生さんの魅力がありますよ！そうでなければ、夏生さんに教えて欲しいなんて頼みませんよ」
「うふっ、ウィリアムって優しいのね。それで、どう？ＯＫなの？」
「どうしてもって夏生さんが言うのなら・・・・」
「じゃあ、その時に日本のことも教えてあげるわね！それでいつ？」
「えぇ～と、昼間がいいんですよね・・・・」

　ウィリアムは手帳を取り出して、予定をチェックした。
「明後日なら一日、大丈夫です」
「そう、じゃあ、明後日ね！」
「僕のマンションに来てください。住所は・・・・・・・・」

　ウィリアムの顔はまだ納得できないような表情をしていたが、夏生はとにかくホッとしていた・・・・。

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2008.10.6掲載

［17話］／［15話］

秋水さんの他作品（2008.8/20現在）
『淫香』	『淫蜜』	『サブリミナル』
『サイコ・・・千年王国』	『ＳＥＸ仕置人　ミカ』	『劇団ＩＮ＝イン』
『青春放浪記』	『淫界大迷宮』	『雨宿り・・・』
『実践結婚相談所』	『プロフェッショナルのオンナたち』	『萠・・・その性』
『性春浪人』	『市役所の人妻たち』	『平成の団地模様part1』
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