携帯マル秘人妻サイト

47.

　杏子と沙希はいつものようにサイトの話しをしていた。
「やっと定員になったわね！それに開設半年、凄いわ～」
「ホント！10人目の奈央子さん、最初はどうなるかと思ったけど、男性登録者の予約No.１か２、評判も抜群よ！」
「奈央子さんの相手の田沼さんも、凄いわ！アレも凄いけど、女性の悦ばせ方が本当に上手で・・・・」
「あら！沙希さん、もう田沼さんと？」
「えぇ、杏子さんも早く予約した方がいいわよ！多分、女性の方々の人気No.１になるわ・・・・」
「まぁ。よほど良かったのね！沙希さんがそれほど夢中になるなんて・・・・ところで相談があるんだけど」
「エッ！なぁに？」
　杏子はいつになく真面目な顔で沙希に向かった。

　杏子はサイト運営に常に不安を感じていた。
「先ず、登録者からわたしと沙希さんを10名の定員から外したいの」
「えぇ、いいわね！そうなればあと２組増やせるわ！」
「それだけじゃんく、月々会費を＊＊円頂こうと思うの」
「エッ！杏子さん、運営費用に困っているの？」
「そうじゃなくて・・・・その方が皆が慎重になって規約を守ると思って。実は、また脱会者が・・・・」
「エッ！？」
「実は美也子さんから相談を受けて・・・・主人と離婚して、サイトの相手に選んだ稲垣さんと・・・・』規約では罰則として規定していないから仕方がないけど・・・・離婚や家庭不和を促進するつもりは無かったから、困って・・・・」
「そう・・・・でもこれからも起こりそうだわ」
「でしょう！だから、会費を取って趣旨を厳守させたくて・・・・ひょっとしたら繭さんも危ない感じで」
「エェ～ッ、まだ開設半年なのに・・・・」
　ふたりは規約や運営方法を見直し、登録者に徹底しようと検討を重ねることにした。

　美也子の脱会は少なからず登録者を動揺させた。
　そこで杏子は新しい登録者を至急、探すことにした。

　酒井久美子、32歳、料理教室講師、夫は証券会社勤務。
　杏子は、この久美子を次の登録者として誘いを掛けた。
「どうですか、最近は？」
「えぇ、益々、忙しくなって・・・・主人も留守が多いし、わたしもマスコミが・・・・」
　久美子は平凡な料理教室の先生をしていたが、ある番組の企画に参加することになり、それがきっかけで最近ではＴＶの仕事も入ってくるようになっていた。
「新しい郷土料理・・・・本当に久美子さんの料理、良かったわ！」
「でも最近は、いろんな種類の料理も頼まれて忙しく・・・・」
「じゃあ、夜の方は・・・・？」
「エッ！？あっ、イヤだわ～杏子さんたら！」
「実は秘密なんですが、実は久美子さんにお勧めしたい・・・・・・・・・・・・、・・・・それで久美子さん、参加されたらどうかと思いまして」
「へぇ～そんなサイトが・・・・それで、どんな人たちがいるの？」
　杏子は人妻たちの身分を伏せたプロフィールと、相手の男性たちの同様のプロフィール＆特徴を記した紙を示した。
「凄いわねぇ～皆さん、個性的で・・・・でも、わたしなんて美人でも無ければプロポーションも・・・・それに、そんな相手にも全く心当たりが・・・・」
「今日から１ヶ月の登録期間を設けるから、前向きに考えてみたら？」
「エッ、えぇ・・・・」
　そのあと、規約や罰則なども説明し、何とか久美子の同意を得た。

　杏子と別れた久美子は、不思議な気分だった。
（平凡な人生を送っていたわたしなのに・・・・最近、自分の意志とは関係なく、いろいろ変わっていくのね。テレビに雑誌、そして今度は規制はあるけどフリーなセックス・・・・もう、ズゥ～とセックスレスだったから、確かに興味が・・・・こんなに忙しい毎日だと、滅茶苦茶に乱れてストレス解消したい！そう思って杏子さんにＯＫしたけど・・・・問題は相手とわたし・・・・）
　久美子は本当に、自分のオンナとしての魅力には自信が無かった。
　身長158cm、上から83・58・85というプロポーションは、確かに特別素晴らしさを感じるものではなかった。

　その後、久美子は益々忙しくなり、悶々とした日々を送っていた。
（今日の予定は・・・・エッ！雑誌掲載の写真撮影、イヤだわ・・・・）
　外観に自信の無い久美子にとって、写真撮影は論外だった。
　今まではスナップ写真の掲載で済んでいたのだが、今回の掲載雑誌は販売数も評判もNo.1の有名な雑誌だった。

　撮影場所は小長井新という36歳の新進気鋭の写真家のスタジオだった。
　一般的には未だメジャーでは無かったが、関係者の間では評判の高い写真家だった。
『申し訳ありませんが、今日はおひとりで行っていただけますか？地図はメールで送りますので。写真家の小長井さんには連絡して了解を得ていますので・・・・』
　撮影当日の朝、雑誌の担当者から電話連絡が入った。

（どうしよう・・・・そうじゃなくても写真は苦手なのに・・・・）
　久美子は出掛ける前から憂鬱な気分だった。

　撮影は小１時間も掛からないということだった。
　久美子は料理教室の時の衣服を持ち、スタジオに向かった。
「やぁ、お待ちしてました」
　そう言って出迎えてくれたのは、写真家の小長井自身だった。
　長い髪を無造作に掻きあげながら優しい目と笑みで出迎えられ、久美子はホッとし少した気分になった。
（優しそうなひと・・・・良かったぁ～）

　スタジオの中は殺風景で、ほとんど何も無かった・・・・。

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2009.2.9掲載

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秋水さんの他作品（2009.2/2現在）
『淫香』	『淫蜜』	『サブリミナル』
『サイコ・・・千年王国』	『ＳＥＸ仕置人　ミカ』	『劇団ＩＮ＝イン』
『青春放浪記』	『淫界大迷宮』	『雨宿り・・・』
『実践結婚相談所』	『プロフェッショナルのオンナたち』	『萠・・・その性』
『性春浪人』	『市役所の人妻たち』	『平成の団地模様part1』
『ベビーシッター亜季』	『主婦の中に潜むオンナ・・・』	『性少女・・・Ａ』
『引越しサービス』	『犯す！』	『平成の団地模様part2』
『恵子・・・不惑の時』	『撮られた女』	『哀しくも悦びの・・・性（さが）』
『強姦日記』	『続平成団地模様』	『異次元ＰＯＳＴ』
『妄想と現実の狭間で』	『遠い日の記憶』