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５．

　今にも胸が破裂しそうなほど、沙希は緊張と興奮の中に居た。

「ん！大丈夫ですか？」
　菊地が蹲っている沙希の背後から声を掛けてきた。

（やっぱり！想像していた通りだわ）
　沙希はもう後戻りできないと自分に言い聞かせた。

「あ、奥さんじゃないですか！どうしたんです？」
　沙希であることに気づいた菊地は、自分も屈み沙希を気遣った。
「あぁ、マネージャー、チョッと足を痛めたみたいで・・・・」
「立てますか？」
　菊地は沙希の肩を支えるように抱き、立ち上がるのをサポートした。
「ふぅ～～でも、歩けそうもないわ」
「チョッと待っててください！今、タクシーを拾いますから」
　菊地はタクシーを拾うために通りに出て行った。

　タクシーに沙希を乗せた菊地は、苦しそうな息遣いをする沙希を心配し声を掛けた。
「大丈夫ですか？病院に行ったほうが・・・・？」
　菊地は沙希の心配をしながらハッとした。
（乳房が・・・・凄くキレイに膨らんでる！着痩せするタイプなんだ・・・・）
　胸の辺りが弛んだワンピースからは、沙希の乳房の形がハッキリと見えた。
（こんな時に何を・・・・確かに知的な美人だとは思っていたけど、意外とプロポーションがいいんだな・・・・）
　菊地は沙希の乳房の谷間に目を遣りながら驚くと共に、以前とは違った意味で沙希に惹かれていった。
「奥さん、マンションに着きましたよ」
　菊地は沙希を抱きかかえるようにしてタクシーを降りた。
（か細い肩をしているのに、乳房は豊かで魅惑的・・・・他は？）
　菊地はワンピース越しに沙希の肌の温もりを感じていた。
「それじゃ、僕はここで・・・・大丈夫ですか？」
　エレベーターの前で、菊地は沙希を気遣った。
「エッ、あっ、ダメみたい・・・・申し訳ありませんが、部屋までお願いできますか？」
「じゃあ・・・・」
　菊地は沙希の身体を支えたまま、エレベーターに乗った。

（今帰られたら何の意味も無いわ！）
　沙希は事前に練ったこの後の展開を考えていた。

（いいのかな？このままだと、自分を抑えきれるかどうか・・・・）
　菊地は沙希の足を気遣いながらも、沙希に性的な魅力を感じた今、自分を抑えきる自信が無かった。

　部屋に着くと、菊地は沙希をリビングのソファに下ろした。
「ふぅ～～」
　大きく深呼吸をする沙希の傍で、菊地が沙希に聞いた。
「どうしたんですか？足を痛めるなんて」
「それが・・・・よく分からないの。お店に行こうと思って歩いていたら急に」
「エッ、不思議ですね。どの辺りを傷めたんですか？」
「それがハッキリしないけど、多分、太股か付け根の方か・・・・」
「じゃあ、軽い肉離れかも知れませんね。病院に行かないのなら、湿布か何かしたほうが？」
「でも漠然と痛くて、どこを痛めているのか良く分からなくて」
「もしよければ、僕が見てみましょうか？」
「えぇ、少し抑えてみれば分かるかも・・・・でも、ここじゃ・・・・わたしの部屋なら湿布の買い置きがあるから」
　菊地は再び沙希を抱き起こし、部屋まで連れていった。
（うっ、乳房を・・・・凄い！ウエストが細く括れて・・・・）
　菊地は沙希の身体を抱きかかえた時に手に感じた乳房の感触に興奮し、股間で肉棒が熱くなるのを抑え切れなかった。

　部屋に入った菊地は沙希の身体をベッドの上に載せた。
「すみませんね。マネージャー・・・・ご迷惑を掛けて」
「マネージャーじゃなく、菊地と呼んでください。どうも仕事の延長のような気がするので」
「あ、ごめんなさい。つい、いつもの癖で」
「いいんです。じゃあ、どちらの脚ですか？」
「右脚の太股だと・・・・」
「それじゃ、失礼します」
　菊地は早まる心臓の鼓動を感じながら、沙希の太股に手を置いた。

（あっ・・・・）
　鼓動が早まっているのは沙希も同じだった。

　菊地はワンピースの布地の上から沙希の引き締まった太股を少し圧してみた。
「どぅですか？」
「うぅん、そこじゃないみたい」
　膝よりの箇所を圧していた菊地はさらに股間のほうに指をずらした。
（直接触ってみたいが・・・・どうする！？）
　菊地は短い時間だったが、何度も自分の中で答えが揺れ動いた。
　そして出した答えに従い、菊地は直接沙希の肌に触れた。

（アッ！ワンピースが捲られ、直接触れてきたということは・・・・）
　沙希は期待と不安が交錯し、鼓動が激しくなる心臓が、喉を衝いて出てきそうな気がした。

　ワンピースの裾が少し捲られた沙希の太股は、もう少しでその付け根がが菊地に見えるところだった。
「うっ・・・・」
　菊地が丁度太股の真ん中あたりを指で軽く圧すと、沙希の口から小さく呻くような声が洩れた。
「ここですか？」
「う～ん、少し痛いけど、違うみたい・・・・」
「そう、打ち身の痕も無いみたいだし・・・・それはそうと、奥さんの脚は長くて形が整ってキレイですね」
　菊地は沙希の太股を指で何気なく擦りながら言った。
「ぁ、ふっ、エッ、そぉ？菊地さん、お口が上手だから」
「本当ですよ！女性の脚が好きな男には堪らないんじゃないかな」

　意図して動かしてはいない菊地の指の動きに対し、沙希は下着で隠れた淫らな口に、痺れるような疼きを感じていた。
（ここで感じている様子を見せたら、わたしが誘っているのがバレバレだわ・・・・）

　菊地はさらにワンピースの裾を捲り上げた。
　沙希の股間に浮き上がるような模様の入ったシルクのパンティが見えた。
（おっ！あの奥には・・・・どんな味がするのか？）
　菊地は股間に堅くなった肉棒を自覚しながら、淫らな欲望を必死に抑えていた・・・・。

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2008.9.3掲載

［6話］／［4話］

秋水さんの他作品（2008.8/20現在）
『淫香』	『淫蜜』	『サブリミナル』
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