携帯マル秘人妻サイト

74.

　沙希は瞳のことを知人から聞いていた。
『瞳さん、作家志望のご主人とは実家の猛反対で駆け落ち結婚で、本当は同棲でも良かったんだけど、瞳さん自身、決心を変えない為に・・・・』
『じゃあ、ご主人は瞳さんに食べさせてもらってるの？』
『そうなの！今時、珍しい話しだと思うけど、ご主人の才能に惹かれて自分から支援を申し出て・・・・』
『それならば、何の問題も無いんじゃない？ご主人はいつも居る訳だし、サイトに登録する必要なんて』
『それがそうでも・・・・実はご主人、心因性のインポになってしまって』
『エッ！イ、インポって？』
『結婚してからすぐだから、もう４年ぐらいセックスレスなんだって・・・・仕事も企画営業で、男性社員と区別無くて、今年、主任に抜擢されてなおさらストレスが溜まり、たまには思い切り乱れて快感と温もりに浸りたいみたい・・・・』
『そりゃそうよね・・・・ご主人の為に頑張ってセックスレスだなんて・・・・』
　沙希は知人から瞳の気持ちを聞いて、何とか参加させたいと思った。

　高林瞳、30歳、広告代理店に勤務していた。
　大きな瞳に小さな口唇、鼻筋の通った整った女性だった。
　全体のイメージとしては笑顔の可愛い顔立ちだったが、真剣に仕事などに取り組んだ時の顔は、知的なイメージがした。
　身長は162cm、スリーサイズは85・58・84と均整の取れた肢体で、会社内外の評判はすこぶる高かった。

　瞳は沙希と話しをし、気持ちはサイトへの参加に向かっていた。
（いろんな人妻たちが様々な理由でセックスを自由に楽しんでる。夫以外の男とのセックスに快感を求めるのはどうかと、そう思っていたけど・・・・参加している話しではそんなことはないみたい。だけど・・・・）
　瞳は夫に対する背信の想いと、登録する男性に心当たりが無いことから、スッキリしない日々が続いていた。

　そんなある日の夜・・・・、来たるプレゼンテーションの日の為に、瞳はひとり企画室でＰＣを前にし、企画提案書を作成していた。

「おっ！まだ頑張っていたのか？」
「エッ！南さん、えぇ、プレゼンが近いので・・・・南さんの方こそ、こんな時刻まで？」
「あぁ、取引先のつまらない接待に付き合っていてね。忘れ物を取りに会社に寄ったら君が・・・・」

　南は企画室の課長代理で37歳、代理と呼ぶことに抵抗を感じていた瞳は、いつも南さんと呼んでいた。
　仕事も出来て人望も厚い南を、瞳はいつも頼りにしていた。

「少し休憩したらどうだ？」
　南はコーヒーサーバから紙コップにコーヒーを入れ、奥の仮眠室に誘った。

　仮眠室にはソファとテーブル、冷蔵庫に電子レンジ、仮眠用のベッド等があった。

　瞳はこの仮眠室に泊まることも多かった。
「ここは君のプライベートルームのようなものだな」
「えぇ、お蔭様で、重宝させていただいてます」
「今日も冷凍食品をレンジでチンして泊まりかい？」
「えぇ、そうなりそうです」
「仕方の無い社員だ・・・・会社としては頑張ってくれるのは有り難いが、ご主人の方は大丈夫なのか？」
「えぇ、そちらもお蔭様で、理解がありまして」
「そうか。それは羨ましい限りだ」
「アッ、すみません！南さん、奥様のご容態はその後？」
「あぁ、相変わらずで・・・・」

　南の妻の小夜は現在、郊外の療養施設に入っていた。
　結婚して10年、子供に恵まれなかった小夜は、数年前から原因不明の難病に冒されていた。
　うつ病のような症状だったが、次第に体力も弱まり、２年前からは大学病院の療養施設に入院していた。

　瞳は暗い顔をした南に、申し訳ない気分だった。
「奥様がいらっしゃらないと何かと大変ですね？」
「あぁ、でも、ここ何年かは居ても大変だったけどね・・・・」

　南は疲れた様子で仮眠用ベッドに仰向けになった。
「あぁ～あ、今日も疲れたなぁ」

　瞳はベッドの上で南の大きく開いた股間に視線がいった。
（ヤダわ！わたしったら・・・・沙希さんとサイトの話しをしたからかしら？南さんの股間に視線を向けるなんて・・・・そう言えば、南さん、セックスの方はどうしているのかしら？）
　今まで気にしたこともなかった南の性欲の処理が気になった。

「ん！どうしたんだ？急に静かになって。僕のことを気にしてるのなら、気にしなくてもいいぞ～」
　南はベッドの上にムクッと起き上がり、瞳に言った。

（あわわわ！目の遣り場に困っちゃう！）
　瞳は自分が淫らなことを考えていたことを恥ずかしく思った。
　だが、明るい笑みを浮かべて話す南のことが気になっていた。
「南さん、家ではひとりなんですよね？」
「あぁ、そうさ」
「南さんの身の回りは誰がお世話してるんですか？」
「誰って？誰も居るわけがないじゃないか。ハハハ、変な奴だな。ん！もしかして女房が居ないからって、夜の心配でもしてくれたのか？」
「・・・・・・・・・・・・」
　瞳は南にズバリと指摘され、黙って俯いてしまった。

「エッ！そうなのか？ハハハハ～～オトコはオンナと違ってどうにでもなるものさ！だけど、君のところはいいなぁ～いつも旦那が家に居て、いつでも満足させてもらって」
「・・・・・・・・・・・・」
　瞳は南の話しに一旦上げた視線を再び落とした。

　南は急に塞ぎ込んだ瞳が気になり、真顔で話し始めた。
「君のそんな表情、初めて見るけど・・・・どうしたんだ？」
　南は応えない瞳の様子から、いろいろ問題がありそうだと感じていた・・・・。
　

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2009.4.27掲載

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秋水さんの他作品（2009.4/4現在）
『淫香』	『淫蜜』	『サブリミナル』
『サイコ・・・千年王国』	『ＳＥＸ仕置人　ミカ』	『劇団ＩＮ＝イン』
『青春放浪記』	『淫界大迷宮』	『雨宿り・・・』
『実践結婚相談所』	『プロフェッショナルのオンナたち』	『萠・・・その性』
『性春浪人』	『市役所の人妻たち』	『平成の団地模様part1』
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『恵子・・・不惑の時』	『撮られた女』	『哀しくも悦びの・・・性（さが）』
『強姦日記』	『続平成団地模様』	『異次元ＰＯＳＴ』
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